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2015/3/9

イベントレポート

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」第3回 レポート

2015年2月18日(水)

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる”食”の勉強をしよう!」第3回となる、新得共働学舎・宮嶋望氏レクチャー「自然界の中の人と食 ~光の生き物へ、そして人への影響~」を開催しました。

宮嶋さんは、北海道・十勝で「新得共働学舎」を開設し、ご自身の研究と実践に基づいたバイオダイナミック農法で、チーズを中心としたものづくりを実践されている方です。「環境・微生物・作物・家畜 そして人の可能性を引き出す」という新得共働学舎の運営や畜産物の製法はとても特徴的で、多方面から注目を集めており、宮嶋さんご自身もその方法を紹介する著作をいくつか出されています。今回は、そのご活動のいくつかをお話しいただきました。レポートでは、レクチャーの一端をご紹介します。

共同体の運営
新得共働学舎では、不登校であったり、心に負担を抱えた子どもなどを受け入れている。一緒に住み込んでともに働きながら、それぞれの抱えた不安を乗り越え、人生を主体的に捉えられるように支えていく。
例えば、朝食時に必ず「自己宣言」をさせ、それを達成させる。右脳を育てることのほうが重要に言われがちだが、右脳の直感を信じて生きるかどうかを決めるのは左脳。現在の教育の中には指示が多く、教育熱心になればなるほど指示になってしまい、指示に従っていけばうまく行く、という意識になり、決断力が養われない。
人は必ず誰かに認められたい、あいつより上手にやりたい、と潜在的に思っているもの。それを利用し、自らの人生を主体的に捉え、自己決定力を養う。生きる手応え、幸せ感を獲ることができる。

マザー・テレサから「世界中で一番心が飢えているのは日本の子どもたちですよ!」と言われた。仕組みはあるけれどそれがうまく行かないなら、なにかゆがみがあるはず。「弱い」ことには意味があり、「弱い」彼らは、日本のものの考え方がどこかゆがんでいることを伝えに来たメッセンジャー。彼らがくれたそのヒントに耳を澄ませて、返していく、と考える。

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光、電子、バイオダイナミック農法
植物の形には法則があり、フラクタルの相似形には意味がある。植物は自分の好みのエネルギーを受けるための樹形をしている。木はエネルギーを受け取るアンテナ。稲妻もフラクタル。
太陽の波長、月の満ち欠けに、植物のサイクル(花~葉~実~穀~根)を重ね合せ、仕込みのサイクルを調節する。このサイクルには味(甘、苦、酸など)も重ね合せることができる(作る月によって味の特徴が変わる)。さらに、太陽の光の性格と干支は関係がある(発酵では西の光が味を作る?)。
その土地がどのような波長の太陽光を受けているかを知ること。光の種類でチーズの風味が変わる。例えば、高地のチーズはなぜおいしいか?というと、赤い夕陽が当たるから、濃厚な味を作る。

太陰暦や角、結晶を使うバイオダイナミック農法は根拠のないオカルトではない。
有機物の循環を助ける方法。生きている場(エネルギーが循環する場・腐らない場)をつくる。
角は絶縁体で、電子を逃がさない。口は西に向け、先は朝日が入ってくる東に向けると、電子が溜まる。
電子の流れが人体の健康や生物の生育、作物作りに影響をもたらす。鉄は電子を逃がしてしまう。土壌作りの段階で炭を埋めて、炭の力で電子の流れを誘導し、住居、水、酪農、農作物づくりに活かす。

ジャン・ユベール(元フランスAOCチーズ協会会長)から「乳を運ぶな!」と言われた。
食べ物の素材が持つエネルギーを機械で削がないこと。他の牧場で搾った牛乳を使わない、搾乳とそれ以後の行程をなるべく近いところでできる「乳を運ばない」牛舎の構造開発へ活かした。

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ゼミマスターの米山雅彦さんが第2回目のレクチャーで、「難しいと思います」とおっしゃった通り、レクチャーがスピーディに進むなか、プロジェクターでは、光の波長のグラフ、太陽と月のカレンダー、宇宙の磁場の流れを示す図など、専門家でないと一瞬ひるんでしまいそうな図がいくつか示されていきました。

ただ、決して分かりにくいのではなく、宮嶋さんのやさしい語り口で、新しい知識を一気にどっと流し込んでいただいたような感覚でした。ゼミ生からは「感覚としては分かったが、人に説明できるほど頭の中で整理して咀嚼するにはまだ時間がかかる」といった感想が聞かれました。ゼミ生のみなさんには、復習や自分なりのリサーチを重ねて、ゼミ後も理解を深めていってもらいたいと思います。

第4回となる次回は、「おおや高原有機野菜の現状」と題した、おおや高原有機野菜生産者・金谷智之氏によるレクチャーです。

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10640/