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2015/3/9

イベントレポート

+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 特別版 KIITO×Collective Dialogue「これからの公園のプロトタイプを試行する」公開セッション レポート

2015年2月28日(土)

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2月3日に最終発表会を行った、「これからの公園のあり方について考える。~高齢化するニュータウンにおける公園を事例にして~」(公園ゼミ)の特別編として、対象公園の現地調査、ゼミで生まれたアイデアのブラッシュアップを目的とした公開セッションを開催しました。パートナーでもあるCollective Dialogueのメンバーの、石川俊祐さん(IDEO Tokyo)、渡邊康太郎さん、佐々木康裕さん、徳久悟さん(takram design engineering)、宮崎光弘さん、佐野恵子さん(AXIS)の方々にも参加していただきました。
ゼミでは4つの班に分かれてアイデアを考えていきましたが、その中で空間に対してのアイデアを考えた2つの班を1班にまとめ、空間班、おとな小学校班、ピザ班の3つの班で進めていきました。メンバーはゼミ生と当日参加者で、各班十数名となりました。第1部ではゼミの対象公園でリサーチや住民へのヒアリングを、第2部ではアイデアのブラッシュアップのためのセッション、第3部では懇親会と、長時間のプログラムとなりました。

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第1部の現地調査では、対象公園に全員集合し、各班に分かれフィールドワークを行いました。実際に公園の中でアイデアを検証することで、よりリアリティのある意見交換が行われました。公園で昼食をとったり、話したりするための場づくりとして、和田武大さん(DESIGN HERO)、藤原康司さん(4S DESIGN)にもサポートいただき、カラー分けしたレジャーシートやコーンなどで各班の議論するスペースを演出していただきました。
空間班は、仮設屋根の検討を進め、先に紐を結んだ長い棒などを使い、設置場所やサイズの確認をしました。おとな小学校班では、住民の方々のスキルを教え合うアイデアを進めるにあたり、住民の方に、公園の使われ方らやどんな人が地域には住んでいるのかなど、直接話を聞きました。ピザ班は、より活発な公園の活用を目指すきっかけとしてのピザを焼くために、シェフである壷井さん(ケルン)にサポートいただき、ピザを焼くための方法や手順についてアイデアをいただきました。

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第2部は、会場をKIITOへ移し、公開セッションを行いました。空間班、おとな小学校班、ピザ班の3つのテーブルに分かれ進めていきました。Collective Dialogueのメンバーも各班に加わり、アイデア実現に向けサポートしていただきました。一線で活躍するメンバーから直接話を聞くことで、今までのゼミとは異なる、新たな手法や視点を学ぶことができました。さまざまなカテゴリを付箋でまとめながら進めたり、イラストを入れながら情報としてまとめるなど、各班様々なスタイルで行っていました。非常に白熱した議論が終了時間ぎりぎりまで繰り広げられました。

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第2部の公開セッションの最後には、各班の発表を行いました。
ホワイトボードにイラストを交えてアイデア表現したり、告知チラシをつくり、発表するなどさまざまでした。

空間班|
・既存のパーゴラや木々を利用し、タープを張り、屋根のある居場所をつくっていく
・タープの素材は住民の方に持ち寄っていいただき、布や古着をリユースしてパッチワークしていく
・初回は参加者が風船を持ち寄り、シンボルとして風船の屋根をつくる、2回目以降は旗に変更していく
・タープの下の空間では木やレンガなどでイスを設置、物々交換やフリーマーケットなども検討
講評|
・簡単な仕組みでタープを張ることができれば、周辺の公園などでも真似することができるのではないか
・布や古着を持ち寄るのは、地域住民も協力しやすいところが良い
・持ち寄った布や古着がどう使われたのか、住民も興味を持ち、来るきっかけが生まれるのではないか

おとな小学校班|
・一人暮らしが増加し、コミュニティが希薄になっている中、人々がつながるきっかけをつくっていくことが大切であると考える
・公園の周辺に住んでいる人が中心になり、交流するきっかけづくりとして、技や得意なことを教え合うことを進めていく
・おとな小学校で住民がいきなり先生として他の住民へ何かを教えるというのは難しいため、まずは、緑の交換会や郷土料理紹介、思い出の曲紹介といった、自慢できるもの、得意なこと、関心があることなを持ち寄るところから始める
・公園が自己実現の場として活用され、絶えず人がいるような場になることを目指す
講評|
・住民の方が自慢できることや得意なことを持ち寄り、いきなりではなくだんだんとに先生となっていくというのは、可能性があり、良いのではないか
・アイデアとしての年間スケジュールはできれば充実してとても良いが、すでに地域で行っているイベントでも大変であることも考えなくてはいけない
・周辺の農村地域も接点をつくれればより広がりが生まれるのではないか

C班|ピザ|
・ピザは丸い形をしており、平等に分けることもでき、平和なイメージを連想するものである
・回覧板のシステムを利用し、ピザ型看板などで告知や協力依頼などを回すことも検討
・ピザで食べたい具材を持って住民が参加し、参加者同士で具材を交換することで、オリジナルのピザをつくっていく
・食材交換でコミュニケーションを図っていき、持ち寄るだけではなく、公園内で菜園などもできればおもしろいのではないか
講評|
・地域の方が主役となっていくことが望ましい
・住民の持ち寄りだけでなく、周辺の農家さんにも協力いただき「おいしい地野菜を使って…」、など参加したくなる魅力も必要である
・地域には息子娘家族が近くに住んでいることも多いので、このような催事に2世代、3世代で参加できるのもいいのではないか

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第3部は1Fのカフェスペースで懇親会を行いました。フードはピザ班でサポートいただいた、壷井さんに今回特別にご準備いただきました。スペインの煮込み料理をのせたパンや野菜の素材を楽しめるパンなど、たくさんの種類が並びました。また、AXISの次号は公園特集となっており、それに向けた、インタビューをゼミ講師の永田が聞き手となり行いました。公園についてそれぞれが感じていることについて話を聞き、公園は無限の回答を言える場所、たくさんの思い出が詰まっている場所、社会と溶け合った場所、などさまざまな意見がありました。参加者も色々な角度から公園を読み解くきっかけになったのではと思います。

通常のゼミとは異なり、当日参加者や東京からのメンバーの参加するといった、新たな試みでした。ゼミ生にも新たな刺激となり、参加者にも大変好評でした。引き続き、各班で生まれたアイデアの調整を進め、具体的な展開を目指し進めていきます。

+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 「これからの公園のあり方について考える。 ~高齢化するニュータウンにおける公園を事例にして~」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10142/