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2015/3/28

イベントレポート

ものづくりワークショップ「KNOCKS:BESPOKE内尾さんと、バブーシュをつくる。」レポート

2015年3月15日(日)

「ものづくりワークショップ」は、生活の中で使っているものの出来上がるまでのプロセスを、プロの技と知識に触れながら自らの手で辿っていくことで、ものの価値やつくり手の想いを体感する場です。

今回は兵庫区和田岬でオーダー靴をつくられているKNOCKS:BESPOKEの内尾暢志さんをお招きし、バブーシュをつくるワークショップを開催しました。
バブーシュはモロッコの伝統的な履物で、かかとを踏んで歩く靴です。モロッコでは室内外のどちらでも使われる靴ですが、今回は室内履き用として作成しました。

ワークショップの合間には、今回作るバブーシュのことだけでなく、普段の靴作りについてもお話いただきました。その中で、足の中で体重がかかる場所についてのお話がありました。
足の中で最も体重が乗るのは人差し指だそうで、ハイヒールなど構造が繊細な靴は特に注意をしながらデザイン、制作をされるそうです。靴を作る上で重心はとても重要で、体に合ってないものを履き続けると、「足が変形してしまう」、「将来的に歩行能力が衰退していく」といった結果を招いてしまう危険があるとのことでした。

バブーシュづくりは、型入れ→裁断→仮留め→穴開け→手縫いの順番で進めていきます。
革は一般的な縫い物とは違い、先に下穴を開け、糸を通していく、という手法をとります。
下穴は「菱目打ち」という専用の工具を使い穴を開けます。使う針も少し特殊です。穴はすでに空いているところに通していくので、一般的な縫い針と比べると先は丸まっています。尖っていると穴を開けていないところに刺さりやすいですが、丸めてあるので下穴に通しやすくなります。

糸は麻糸を使います。麻糸は短い繊維の集合体でできており、一部が切れてもその他である程度強度を保てるため、靴作りにはよく用いられるそうです。
さらに強度を強めるため、麻糸に蜜蝋を摩擦熱で塗り込みます。
長さは実際に縫う距離の3〜4倍切り出します。

いよいよ縫製です。針に糸を固定し、縫い始めをます。縫製は事前に開けた下穴を辿ってゆくのでスムーズで、ピッチも整っているので仕上がりはとても綺麗なのが特長です。縫い終えた後の糸は革と革の間に結び目を隠すことで綺麗に仕上げることができます。

作業が進むにつれ、一枚の革だったものがどんどん立体的になり靴の形になって行きます。靴が仕上がっていく工程を自らの手で辿ってゆく中で「こんな構造になっていたんだ!」と感心されている方もいました。
靴底を縫い付ける作業の頃になるとみなさんも慣れた手つきになり、サクサク作業を進められている様子でした。
全て縫い終ったら、裏返し、形を整えて完成です。

最後に参加者ひとりひとりのバブーシュの記念撮影をし、ワークショップを終了しました。

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次回のものづくりワークショップは「うたたね 山極さんと、スツールをつくる。」です。
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