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2015/12/15

イベントレポート

+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」 第4回レポート

2015年12月8日(火)

公園ゼミの4回目を開催しました。はじめにスタッフから先日行った垂水区の対象公園での見学報告、先進事例紹介を行いました。

 
公園見学報告
公園管理をされている方の案内で、公園内を見学し、行っている活動や公園への思いなどをお聞きしました。公園は原生林が多く残る貴重な場所なので、この緑を活用していきたい。まだ始めたばかりだが、小学生を対象にした環境学習などもこの公園で行っている。公園には非常にたくさんの木々があるため、手入れがとても大変。活動日にはボランティアメンバーが集まりますが、平均年齢が70歳以上で斜面地での作業は難しい。地域の子どもたちには、他の公園ではできないワイルドな遊びをしてもらいたいと思っているとおっしゃっていました。

先進事例紹介:風の郷公園(神戸市東灘区)
風の郷公園はJR六甲駅と阪急六甲駅の間にあります。注目されている公園で、ここをモデルにした公園が、トルコで作られたりしているようです。震災後、区画整理の際にまちづくり協議会が神戸市から委任されて作られた公園です。どういった公園にしたいか、8つのまちづくり協議会が集まり、何度も繰り返し話し合ったそうです。この公園は子どもの遊具は最小限で、ほとんどが広場です。フェンスもなく、注意看板なども見当たりません。公園内には風の家という集会所もあります。風の家の運営は、助成金なしで独立運営し、オープンしてからずっと黒字を維持しています。健康器具も平均台などが少し置かれていました。子どもだけでなくご老人の方もおり、幅広い世代の方が利用されているようでした。公園内の木々も、どんな木を植えるかについても、協議会の中で決められました。オープンしてからずっと黒字を維持います。地区住民は全員会員というかたちで、他地域の方も利用することができます。遠方からの利用者も多いとのことです。公園づくりは壮大な実験である、「なんでも実験をしてみよう!」がキーワードです。公園に遊具が少ないと言われれば、「公園すべてが遊具です」と答えます。今の子どもたちには走り回れること自体が贅沢なことです。何かしたいときに何かできる設えが重要で、「公園は完成しないことが大切」なので、神戸市にも70パーセントの完成度で公園を作ってほしいと伝えたようです。公園内に看板がない理由は、看板は誰も見ていない、注意したい人が注意するために利用するものなので、人が「歩く看板」になって、子どもたちに注意すればいいと、始めは毎日公園に行き子どもたちに注意したりしていたようです。オープンスペースは人間形成に関わる事であり、「公園は公園であって、公園でない」。など名言が止まりませんでした。
 

 
講師永田のコメント
体を鍛えることだけが健康ではなく、心の健康もある。健康をどうとらえるかというのも重要なことです。人とふれあう、公園を介して地域とつながることも大切なことだと思います。以前、地域で防災活動をされている方に聞いた話ですが、地域で一生懸命防災している人が、リタイアしたら自分の夢はゴルフ三昧、好きなだけゴルフに行くことが夢であるという人がいました。その後、1,2年して会ったら、もうゴルフは飽きた、地域の人のために役に立ちたいと思うようになったそうです。人のために活動ができることは幸せなことだと思います。公園という場所を介して、どんなきっかけを作り出せるか、余地があることで活動が生まれます。同じ神戸市にこんな公園がある、公園を舞台に繰り広げられている活動を紹介する、公園のネットワークをつくるなどといった仕組みの提案もあると思います。どこまで行っても我々は住民ではないので、気づかないことを提案して気づいてもらうことも大切ですし、よそ者しか知らないことを伝える、学び合える場を作ることも重要なことです。公園をフィールドにどう高齢者の健康を醸成できるのかがポイントです。

報告後は、各班で、それぞれ対象公園を見学した際の気づきや、公園を活用した事例などを持ち寄り話し合いました。丸太を切る体験など森を活用するアイデアやイベントタイトルを魅力的なものにしてみるなどたくさんの意見が出ていました。

次回は、グループワークがメインになります。そして次々週、12月22日は中間発表になります。地域の方や神戸市建設局公園部計画課の方も来られ、各班の方向性やアイデアに対し講評していただきます。

+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/14882/