2018/11/13
イベントレポート
去る2018年7月14日(土)に「+クリエイティブゼミvol.29映像編 記録する映像から記述する映像へ「映像日記 Videograph Diary」」の第2・3回目を開催いたしました。
前回は、映像を撮る前のトレーニングとして、経験を可視化すること、それを伝えること、共有すること、そして、グループ単位でも実践する作業を行いました。今回は、映像を撮影する準備としてロケ地の選定を行い、また、実際に撮影する際のカメラの使い方、場所・状況に応じた撮影の方法について学んだ上で、実際に外へ出てし撮影し、編集にとりかかるところまでを行います。
特定の場所を挙げたり、そこへ下見に行ってみたりする前に、まずは、オノマトペで挙げてみて、そのオノマトペから連想される場所を検討してみる、というプロセスで、撮る対象を探していきます。既にできあがっている像やイメージには、何らかの意味合いが付随しています。個人レベルでは、それぞれの経験や記憶が付随していることも多いでしょう。最初からあるイメージに飛びつくこと、あるいは、アングルを決めていることは、そこに含まれる意味合いや経験、記憶をなんとなく、暗黙に、自分でも咀嚼しないまま、映像を送り出すということでもあります。前回繰り返し行った、可視化する、伝える、共有する、協働するということとは対局的なものです。
ふわふわ漂っている映像ではなく、しっかり伝えることが組み込まれた映像を作るために、オノマトペ(擬音語)から、そこに結びつく場所、像を割り当てていくという作業を行います。さらにグループごとで、オノマトペから導き出されたものどうしの関連性、法則性を見出し、整理、分類する作業も行っていきます。それによって、ロケに出かける際の案内となる各グループ独自の「オノマトペ・マップ」ができあがるわけです。
撮影に出かける計画ができあがったところで、カメラと撮影の技法について学びます。カメラにもいくつ種類があって、撮る際の技法も変わるわけですが、カメラの選択は、撮影対象の選択や、どういった世界観、視点を提示するのかとも密接に関わっています。
例えば、広く使われている「ハンディカム」のような小型のビデオカメラは、持ち運びしやすく、長時間撮影が可能で、ズームアップ、パン、チルトなど、様々なアングルに対応することができます。したがって、行為や出来事を連続的に収めることができ、どういう空間にいるのか、そこにいる人と人の関係性はどんなものかを表現するのに適しています。一方で、内容、長さともに情報量が多いことから、編集に手間がかかるという欠点もあります。また、一眼レフカメラの録画機能を利用して映像を撮影するケースも増えてきました。この場合は、1点、1人に注目した、肖像画的な映像ができあがります。そのため、主役と脇役、善と悪など、主人公を際立たせる意味合いが出やすくなるという効果があります。さらに、近年、スマホのカメラや、ドローン、ウェラブルカメラなどが新たに登場してきました。全体、全行程を見通すことができる視点までもが可能になったわけです。
カメラの種類、機能、役割、そこから生まれるストーリー性を踏まえた上で、実際にカメラを持って撮影する際の動作を学びます。持ち方、角度、動かし方、動かす速さ、止めて動かすタイミングなど、カメラに集中して、細かいところまで意識して撮影に望みます。
午前中は、ロケ地の選択の方法や実際でカメラで撮影する際の技法が、映像を制作する上でとても重要だということを学びました。ここでちょうどお昼どき、各班、真夏の神戸の街なかへ出て、実際に撮影し、戻ってきてからは編集作業を行いました。
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