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2019/12/25

イベントレポート

【大人の洋裁教室3】講座C 男性限定・洋裁はじめの一歩 レポート

12月21日(土)

「大人の洋裁教室3」講座Cでは「男性限定・洋裁はじめの一歩」と題して、おおむね50歳以上の男性で開催しました。これまで女性に向けたプログラムとして開催してきた大人の洋裁教室ですが、今回は対象を男性に絞った初の試みです。「衣服に不具合を感じているため自分で直したい」「いつも妻に任せっぱなしなので何か1つは自分でできるようになりたい」「最近洋裁に興味が出てきて、素材を売っている店に行くのが楽しい」など、集まった60~80代の方の参加動機もさまざま。お気に入り、もしくは思い入れのある服を着てきてくださいという事前案内があったこの日、参加者のみなさんは自分なりのオシャレな服装でご参加いただきました。

  

最初に、講師を務める神戸芸術工科大学ファッションデザイン学科の見寺貞子先生は「大人の遊び心」が大切だと参加者に伝えました。男性は女性に比べて「おしゃれとは無縁」と思ってしまいがち。しかし、毎日のスタイルにワンポイント取り入れるだけで、途端におしゃれに見えるのです。ジーンズなど一見若い人にしか似合わないと思ってしまうようなアイテムも、逆に「身に纏えば心が若くなる」という考え方で、高齢の方でも若い世代の感性を取り入れることはできます。外見は他者から自分を判断される際の大きな基準となるもの。特に色は、シンプルにまとめたいときには1色、華やかに見せたいときには複数の色を取り入れることで印象を変えることができる、コーディネートにおいて重要な要素です。こういったおしゃれを意識する「きっかけ」をつくることも大切だと、先生は話しました。

  

  

おしゃれ思考を学んだところで、いよいよ実践編です。今回は「はじめの一歩」ということで、〈ボタンつけ〉と〈まつり縫い〉の2つを、実際に針と糸を使って練習しました。始めこそ慣れない手付きでボタンや布と格闘していたみなさんですが、講師の先生方の丁寧なアドバイスを受けながら「あ、こういうことですね」と徐々にコツを掴み始めてするすると進むように。そのまなざしは真剣そのもので、休憩を取ってくださいねというアナウンスをかけても最初は誰も席を立とうとしないほどでした。元々少し洋裁経験がある参加者の手元を見て覚える場面もあり、参加者どうしの交流も見られました。

  

  

ウォーミングアップのあとは、着物生地の端切れを使った蝶ネクタイづくりです。自分の服装に合う絵柄を選び、練習したまつり縫いで真ん中の留める部分を固定します。着物生地は薄いものもあれば厚いものもあり、針を通すのに苦労している様子でしたが、意識を小さい針に集中させます。鏡の前に立ち、リボンの長さを調節しているときは少し気恥ずかしそうな方もいましたが、みなさんその日の服装にピッタリ合う蝶ネクタイを完成させました。

  

「カジュアルな服にも蝶ネクタイって合わせて良いんですね」「実は編み物をやってみたいと思っているんですよ」参加者からはもっと洋裁に触れてみたいという声が多数上がり、「ファッションに気を遣うことで自分に自信が持てる」そして「ファッションは他者とのコミュニケーションツールになっているのではと感じる」と、非常に深い学びを得たことを感想として挙げられた方もいました。これからの神戸のファッションを支えていくシニア世代の存在を感じる講座となりました。

  

「講座A 着物を仕立て直す(トップス編) 」のレポートはこちら
「講座B お気に入りの洋服のリメイク」のレポートはこちら
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