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2020/12/10

イベントレポート

「接客・コーヒー・デザインを学び、1日限定のコーヒースタンドではたらこう!」2日目レポート

12/6日、中学生を対象にした、「接客・コーヒー・デザインを学び、一日限定のコーヒースタンドではたらこう!」の第2回目を開催しました。今回のテーマは「コーヒー」と「デザイン」です。現在KIITOのインターンシップ生である伊藤がレポートさせていただきます。

  

前半の講義は「コーヒー」です。講師は、ポートアイランドにLANDMADEというお店を構える上野真人さんです。座学では、上野さんの自己紹介と、お店の紹介をしていただき、コーヒーの基礎について学びました。
コーヒーは果物であり、種の部分を焙煎することにより普段よく見る黒いコーヒー豆になります。また、豆を収穫してからコーヒーの黒い液体になるまでの生産過程を学びました。普段飲むコーヒーは、実は約100人もの人が関わっています。その過程の中で1つでも方法を間違えてしまうと、美味しいコーヒーは作れません。参加者はこの過程の最後の1人として、コーヒーを淹れ、お客様に提供するという役割です。100人のバトンの最後のつなぎ手だという自覚を持って取り組んでもらいたいと上野さんからもメッセージがありました。

  

次に、コーヒーの飲み比べを行いました。豆の種類によって味が異なることや、浅煎り、中煎り、深煎りの違いなどを実際に体感しました。「苦い」という言葉も聞こえていましたが、その中でも自分の好みのコーヒーを見つけていました。

  

続いて、美味しいコーヒーの淹れ方、ドリップコーヒーの練習です。今回は、コーヒー豆 17gに100℃のお湯200gを使います。
最初に上野さんのお手本を見せてもらいました。まず、グラインダーを使ってコーヒー豆をくだき、粉にします。コーヒーフィルターに、先ほどのコーヒーの粉を入れます。ドリッパーにコーヒーの粉を入れたフィルターをセットし、スケール(測り)の上に置きます。この状態で測りのメモリを0にし、お湯を注ぎます。まず、沸騰したお湯を一通り全体にかけます。この作業は“むらし”と言って、ガスを抜くために行います。「販売中に、お客さんに“むらし”の説明できたらかっこいいね!」と上野さんが話してくださいました。ガスで膨らんだコーヒーの粉が落ち着いたら、もう一度全体にお湯をかけ、ドリッパー内の液体の高さが一定になるようにお湯を注ぎます。200gお湯を入れたら完成です。お手本の後は、実践です。2人ペアになり練習をしました。お互いに協力し合いながら、アドバイスをしたりする姿も見られました。上野さんも絶賛の美味しいコーヒーを入れることがみんなできるようになりました。
続いて、カフェオレの作り方のレクチャーを受けました。カフェオレの作り方は、17gのコーヒー豆に対して、お湯の量を100gにして、濃く抽出します。そして温めた牛乳を同量の100g入れます。コーヒーも牛乳も成分の大部分は水なので、全体の水の量を減らすことで、美味しいカフェオレができるようになるそうです。みんなでカフェオレを試飲し、前半は終了しました。五感を使って、深くコーヒーのことを学べました。また、お昼休憩には、撮影スタッフにコーヒーを入れてくれる参加者もいました。特別に美味しかったようです。

  

  

後半の講義では「デザイン」を学びます。講師は、栄町通にmultinosaというデザイン事務所を構える、グラフィックデザイナーの平田由里子さんです。今回のコーヒースタンドでは、「接客」と「コーヒー」で学んだことのなかで大切にしたいことを、自分のロゴマークにデザインし、自分のマークがついたカップでコーヒーを提供します。
デザインとは「色形をカッコよく、可愛く、おしゃれなものを作る」と思われがちですが、それだけではありません。デザインは「コミュニケーション」であり、伝えるためにあるものだということや、デザインの先にいる人のことを考えてデザインすることが大切だということも学びました。

  

そこで今回は平田さんが実際にデザインした、お店のロゴマークができるまでのプロセスを紹介していただきました。①ヒアリング お店の思いや、コンセプトなどを聞く。②ヒアリングをもとに、キーワードを書き出していく。③ラフ キーワード、単語をもとに絵をたくさん書く。ここで、たくさん書き出すことが大事だというアドバイスをもらいました。④仕上げ 絵を組み合わせて1つの絵にする。⑤修正・調整 要望などを聞きながら、修正、最終調整をする。⑥ロゴ完成という流れです。 
今回はこの作業のうち、②、③、④の作業をしてロゴマークをデザインします。

  

まず、学んだことをもとに自分が大切にしたいキーワードを書き出します。次に、自分が表現したいキーワードを決めて、イメージを書き出します。そのイメージを組み合わせて、自分だけのロゴマークを作ります。トレッシングペーパーを使って、きれいに仕上げました。短時間でアイディアを振り絞り、途中で頭を悩ませる様子も見られましたが、最終的にみんなオリジナルのロゴマークを作ることができました。
続いて、当日コーヒーを提供している自分の前に置き、待っているお客さんに読んでもらうためメッセージカードも制作しました。先週学んだ「接客」と、今日学んだ「コーヒー」について、お客さんに届けたい思いを一生懸命文章にし、今日のワークショップは終了しました。

  

  

今回のコーヒー講座は、大人を対象にした過去の神戸珈琲学と同じ内容で、デザインの講座も大学のデザインの授業と同等レベルと、とてもレベルが高い内容でした。長時間のワークショップでしたが、参加者が終始真剣に取り組んでいる様子は圧巻でした。

第3回(12/13(日))はいよいよ本番。大丸神戸店にて、コーヒーを提供します。参加した中学生が本気でドリップしたコーヒーをぜひ飲みに来てください。また、それぞれが一生懸命デザインしたロゴマークとメッセージにもぜひ注目ください。
※12/13日の大丸神戸店でのコーヒースタンド本番は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、中止となりました。

写真:坂下丈太郎

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