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2020/12/23

REPORT

KIITOアーティストサポートプログラム Xhiasma Project #003『site』レポート

KIITOアーティストサポートプログラムでは、2020年9月19日(土)~11月23日(月・祝)に、Xhiasma Project #003『site』を開催しました。

Xhiasma Project(キアスマプロジェクト)は、国内外で注目を集める湯浅永麻さん(振付家・ダンサー)をはじめ、舞台、ファッション、メディアアート等のジャンルにて活躍するアーティストらによるプロジェクトです。今回は、湯浅永麻さん、遠藤豊さん(テクニカルディレクター)によるインスタレーション・パフォーマンス〈site〉を制作し、展示を行いました。

 

アーティストサポートプログラムでは、当初、2019年度にXhiasma Projectを招聘していました。
しかし、KIITOでの
滞在制作を経て作り上げた作品『transient X』は、コロナウイルスの感染拡大対策のため公演を中止せざるを得ず、作品を公開することが叶いませんでした。ゲネプロの様子を映像アーカイブとして残すことは出来ましたが、日の目を見ることの出来なかった作品を何らかの形で見せるべきと判断し、そのためにどのような方法があるのかをアーティストとともに話し合いました。実際のライブでしか得られない体感を伴う鑑賞について、また、移動が困難となった状況を踏まえた新しい鑑賞方法について考える中で、様々な場所や人が物理的な距離を越えてつながることができるオンライン環境を新たな発表の場ととらえ、KIITOの実際の空間にインスタレーションされた作品(オフライン)特設サイト上(オンライン)を活用した2つの鑑賞方法をとったインスタレーションを制作することになりました。

実会場となったKIITOの北玄関では、コロナ禍の中で湯浅さんが撮影した自宅でのリハーサルの様子、オランダでの日常を追体験できるような風景映像、2019年に発表することが叶わなかった作品『transient X』の映像の一部をモニタで鑑賞できるほか、旧神戸生糸検査所で使われていた検査機器や家具を空間に配置し、湯浅氏の持ち物や創作にまつわる日用品や本、そして、湯浅氏の言葉を書き綴ったコピー用紙を会場にちりばめ、不在でありながらも湯浅氏の痕跡を感じることのできる会場構成としました。オンライン会場では、実会場に設置したWEBカメラから24時間鑑賞することができ、リアルタイムの会場の様子を俯瞰したレイヤーで鑑賞でき、また、会場のモニタで投影する映像を新たにオンライン上で構築した映像を鑑賞できるようにし、異なる会場ごとに異なる視点で作品を楽しめるようにしました。

北玄関の隅にある階段の踊場には、古いテレビモニタを設置し、ランダムに切り替わる映像を鑑賞することができます。

湯浅さんが自粛中に巡り合った15世紀頃に出版されたオランダの詩集。
この詩集を会場の入り口に置き、自由に手に取って読んでもらえるようにしました。会期中には、湯浅さん自身が日本語、英語に訳した一部の詩が書かれた絵葉書がオランダから届き、それらを随時会場に展示していきました。詩を読みながら会場を巡ることで、創作の中で生まれた言葉やイメージを広げてもらえるようにしました。

湯浅さんから送られた古い写真。
湯浅さんが居た時間や視点、空気を感じられるよう会場内にちりばめて展示しました。

〈site〉という作品に込められた言葉を書き留めたコピー用紙。
会場内に積み上げられたコピー用紙を、創作する中で集められた思考の集積として展示しました。

 

会場となった北玄関は、生糸検査所当時は職員たちの玄関口として多くの人々が行き交う場所でした。
現在は公開していない場所を会場として利用したことで、KIITOの新たな一面を紹介する機会になりました。また、オンラインと実会場の2つの鑑賞方法を取る試みは、作品と鑑賞者の間に場所や時間を越えたコミュニケーションの場を立ち上げ、各会場ごとに異なる鑑賞体験を提供する機会となりました。ご来場いただきありがとうございました。

 

KIITOアーティストサポートプログラム Xhiasma Project #003『site』 開催概要
関連企画1:10/28-29 「湯浅永麻ダンスワークショップ」 開催概要
関連企画2:11/1 「Xhiasma Project #003〈site〉パフォーマンス/トーク」 開催概要