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災間スタディーズ:震災30年目の“分有”をさぐる<br>#1 クロストーク「記録を読み替え、表現をつくる」

災間スタディーズ:震災30年目の“分有”をさぐる
#1 クロストーク「記録を読み替え、表現をつくる」

1995年以降、地震、風水害、コロナ禍など、いくつもの災害が発生してきました。
私たちは、すべての被災地の復旧や復興を見届け、共有することが困難な「災間(ルビ:さいかん)」を生きています。
過去の災害の記録や表現にもう一度光を当ててみること。そこから、経験を想像し、分かちもつ「分有(ルビ:ぶんゆう)」の態度を探ること。阪神・淡路大震災から30年目を迎える今、ともに考えてみませんか。
災間スタディーズでは、災厄をめぐって、アートやアーカイブの視点からリサーチを行うゲストを迎え、渦中に生きる人びとが生み出す記録や表現の力について考えます。

 


 

「災間」「分有」という2つのキーワードを軸に、阪神・淡路大震災から30年を迎えようとする2025年に向け、震災を経験した地で行われた活動と、それによって生まれた記録や表現に光をあて、さまざまなリサーチやプログラムを通して、継承の糸口をさぐるリサーチプロジェクト「災間スタディーズ:震災30年目の“分有”をさぐる」。全3回シリーズの初回となる第1回クロストークでは、アーカイブ・プロジェクトAHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ] 世話人の松本篤さん、写真家の小原一真さんをゲストにお迎えします。

『はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす』(2017)、『わたしは思い出す 11年間の育児日記を再読して』(2023)など、市井の人びとの記録を収集し、再構成することで新たな表現を生み出してきた松本篤さん。『Silent Histories』(2015)、『Exposure/Everlasting』(2015)、『空白を埋める』(2021)など、自身の撮影写真と他者の写真や記録を織り混ぜ、ジャーナリズムとアートを架橋する制作を続けてきた小原一真さん。お二人に共通するのは、人びとの喪失をめぐる出来事の記録を編集し、社会から見えづらく、取り残されているひと・もの・ことへの新たな読みを引き出そうとする態度だといえるかもしれません。

震災体験の手記集の編集と研究を行ってきた高森順子さんを聞き手に、ゲストのこれまでの制作活動を振り返りながら、集合的な喪失体験の記録から表現をつくることや、それをいかに見るかについてお話を伺います。

*レポートはこちら

      
松本篤
写真左より「なぞるとずれる『慰問文集』再々発行プロジェクト」、『はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす』、巡回展『わたしは思い出す 11年間の育児日記を再読して』(2021


小原一真
写真左より2点『Silent Histories』(2015)、『Exposure/Everlasting』(2015)

 

災間文化研究会
さまざまな災厄の間(あいだ/なか)を生きているという「災間(さいかん)」の視点に立ち、社会を生き抜く術としての文化的な営みに目を凝らし、耳を傾ける試みを行うグループ。2021年に実施したTokyo Art Research Lab「災間の社会を生きる術(すべ/アート)を探る 災害復興へのいくつもの「かかわり」から」でのディスカッションをきっかけに活動を開始。メンバーは佐藤李青(アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー)、高森順子(情報科学芸術大学院大学 研究員、阪神大震災を記録しつづける会)、宮本匠(大阪大学大学院人間科学研究科 准教授)、小川智紀(認定NPO法人STスポット横浜 理事長)、田中真実(認定NPO法人STスポット横浜 事務局長)。それぞれ異なるテーマをもって活動し、災間の社会における“間”で動くメディアとしてのふるまいを模索している。20235月、記憶を〈分有〉する表現にまつわるメールマガジン「分有通信」発行。bun-tsu編集部には編集者の辻並麻由が参加。
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阪神大震災を記録しつづける会
阪神・淡路大震災の体験手記を集め、出版する市民団体。阪神・淡路大震災の約1ヶ月後の19952月中旬より、神戸で印刷業を営んでいた高森一徳を発起人として活動をはじめる。同会の最初の活動は「震災にかかわったすべての人」を対象に、「原稿用紙5枚程度の自作未発表の体験記、および関係写真」の募集であった。募集ポスターは韓国語、中国語、英語にも翻訳され、外国にルーツをもつ人びとからの手記が広く寄せられることも目指された。19955月に最初の手記集『阪神大震災 被災した私たちの記録』を出版。手記集の出版は、約1年に1度のペースでおよそ10年にわたって続いた。10巻までの投稿総数は1,134編。10巻の脱稿後の200412月に一徳が急逝し、約5年間の活動休止を経て、2010年に一徳の姪である高森順子が事務局長となり活動を再開した。震災から20年目の2015年には10年ぶりの手記集を出版。25年目の2020年には、これまでの執筆者へのインタビューを収録した記録集を出版し、現在まで活動を続けている。
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日 時
7月13日(土)14:00~17:00
場 所
ギャラリーC
ゲスト
松本篤(AHA!世話人、remoメンバー)、小原一真(写真家) 
聞き手
高森順子(情報科学芸術大学院大学 研究員、災間文化研究会、阪神大震災を記録しつづける会)
定 員
30名(事前申し込み、先着順)
参 加
無料
対 象
どなたでも
申込み
ウェブサイトよりお申し込みください。
問合せ
event@kiito.jp
主 催
デザイン・クリエイティブセンター神戸、災間文化研究会

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