2/22 Sat - 3/30 Sun
EXHIBITION
「災間スタディーズ:震災30年目の“分有”をさぐる」では、「災間」「分有」という2つのキーワードを軸に、阪神・淡路大震災から30年となる2025年に向け、震災を経験した地で行われた活動と、それによって生まれた記録や表現に光をあて、さまざまなリサーチやプログラムを通して、継承の糸口をさぐってきました。災間スタディーズ #3「まちの記憶をなぞり、歩く」では、ダンサー・散歩家の古川友紀さんをナビゲーターに迎え、「おもいしワークショップ 湊川編 2024ver.」を開催しました。
「歩く」という素朴な行為のなかにある「動き続けること、感覚が開くこと」に興味を持ち、さまざまな人たちと歩行の実践をしてきた古川友紀さん。古川さんは、2018年、阪神・淡路大震災に関する演劇への参加をきっかけに、神戸のまちの記憶を歩いてなぞる「おもいしワークショップ」を始めました。 身体を動かし、地形をたどる。土地の記憶につながるテキストを読み、それを声に出し、過去の出来事に思いを馳せる。ゆっくりと時間をかけて、まちを歩くことから、自分とは異なる誰かの記憶にアプローチしてみる。
会場では、約8時間をかけて、神戸を歩いた記録として、地図や書籍などの資料、その日の様子を収めた記録写真と映像をご覧いただけます。
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兵庫区から長田区、そして海へと流れ込む湊川。
この川の流域を歩きながら、水害、戦争、震災の記憶を辿ります。
川は、海と山とを繋ぐ水の道であり、
まちとまち/人と人を隔てる境界線でもあり、
また異なる水流が混じり合う存在でもあります。
〈繋ぐ、隔てる、混じり合う〉をキーワードにしながら、災間の感性を、湊川に乗せて歩いてみましょう。
湊川は、六甲山系の石井川と天王谷川の合流点(雪御所公園)からはじまります。
もともとは兵庫運河までストンと真っ直ぐの流路でしたが(現在の湊川公園や新開地は昔は川だったのです)、
明治期に河川の付け替え工事がなされ、湊川は途中でクイっと西に曲げられています。
流路の途中の丘(会下山)では、隧道が通されそのポッカリ開いた巨大な管の中を湊川は流れます。
長田神社のあたりで刈藻川と合流し、海と川の水が混じり合う汽水域を経て、長田の海へ。
水の流れをたどりながら、どこか気になる場所に持ってきた小石を一つおいてみる
ーーそれがあなたとまちの記憶との小さな留め石になるかもしれません。
古川友紀
【記録映像】おもいしワークショップ 湊川編 2024ver.|災間スタディーズ #3「まちの記憶をなぞり、歩く」(上映時間:1時間6分)
撮影・編集:船山哲郎
収録日:2024年9月28日
※ 映像はYouTubeでもご覧いただけます。
1987年、京都府生まれ。歩くという素朴な行為のなかにある運動の持続と世界の受けとめ方に関心をもち、歩行にかかわるいろいろな企画をしている。複数の人と目的地を決めずに歩き、その歩行の軌跡を一本の線で地…(続きを表示)