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2020/2/11

REPORT

+クリエイティブゼミVol.33 多文化共生編「神戸流の多文化交流のプラットフォームを考える」第2回レポート

2月4日(火)に、+クリエイティブゼミVol.33 多文化共生編「神戸流の多文化交流のプラットフォームを考える」第2回を開催いたしました。

初回はゼミの進め方からはじまり、「多文化共生」の概念や神戸市の現況と施策、世界の事例について学びました。
第1回レポートはこちら

「点」になっていないか?
まず講師の永田より、あらためて前回の「風・水・土」の役割、そして「種」の話をふまえ、
ゼミで議論を進める上で欠かせない下記3点のポイントを説明しました。
・交流の本質を考える 
まずは相手のことを考え、その次に相手に教えてもらう、といったように、互いに学び合
う「双方向の意識」が大切。
・既存活用
今回のゼミでは、1から全て新しくつくるという方向性ではなく、今あるものを活用する・
焼きなおすという視点で考えてみる。
・「点」ではなく「帯」
単発のイベント=「点」では、交流を生み出すのは難しい。何かを一緒に作り上げていくプロセスを経て時間を共有していく体験=「帯」の体系が、一番交流につながる。

 

また、これらのポイントを意識して案が生まれた後も、それが本当に良いもの・必要とされるものになっているかを、関係する各々の立場に立ってあらためて振り返ることが重要だといいます。

次にKIITOスタッフ丸山より、多文化共生を考える上で参考となる2つの話を紹介しました。

12/8神戸コミュニティフォーラム 葺合高校学生の発表
ふたば国際プラザを活用した外国人在住者に対する防災教育
ふたば学舎に外国人住民が災害時の知識を身に着けることが出来る場所を設け、そこでレクチャーを受けた外国人住民が、災害発生時に外国人観光客をサポートできるようにすれ ば、現存の外国人住民や来日観光客の防災に対する不安や課題が解消できるのではない
か。
・高校生ができる第二言語教育活動に対する支援
イベント運用、高校を拠点として活用する、先生たちが行っている第二言語(Japanese as a second language: JSL)教育の取組に対する補完を行うなど、高校生ができることが多くある。

神戸定住外国人支援センター(KFC) フフデルゲルさんのお話
・困っていること自体を認識していないことが多い
日本の文化や環境の違いを理解せず自国同様の生活を続け、問題が発生する。
・「ルール」と「マナー」と「文化」
法律に基づく決まりごとである「ルール」、相手にする思いやりの「マナー」、それぞれの国で当たり前としている「文化」を分けて考察を深めていくと、何かヒントにつながるかもしれない。

フフデルゲルさんは時間をかけて日本人の考え方やその背景を理解されましたが、未だに疑問に思うことは沢山あるそうです。このような、外国人住民が疑問視している日本の慣習をシェアし合う場があると、相互理解につながるのではないかと丸山は考えています。

 

その後、「人・組織」「仕組み」「場所」というアプローチの切り口で前回分かれたチームにて自己紹介とディスカッションを行い、最後にその内容を発表しました。

場所チーム:「待つだけじゃなく行く」
関係施設で「待つ」だけでなく、既存の外国人住民のコミュニティに「まずは行ってみる」ことを主軸に、行った先で何を実施できるかを、遊び・暮らし・料理・サポートの4方面で考案。お互いの理解を深める交流の仕方について話し合いました。

 

・永田講評
アウトリーチという言葉があるように、出張形式は良い着眼点だと思う。
物理的な場所の往来というだけでなく、行った先で相互に教え合い、お互いを理解しようとする気持ちが行き来することが重要。

仕組みAチーム:「やさしい日本語」
大阪市生野区の取組『やさしい日本語から、つながろう。』のステッカーを基に、やさしい日本語を使った多国籍料理教室やボードゲームカフェ、映画館、またまた逆に難しい日本語を集めたゲームといった、発展形の仕組みについて考えました。

 

・神戸市国際課 浅井さん講評
やさしい日本語、また商店という経済セクターを巻き込むという視点双方良いと思った。神戸市でまだ取り組めていない点でもある。
また料理という観点が出たので紹介だが、様々な国の住民が料理を作って提供しているアジアン食堂という店が元町にあり、外国人住民の場づくり、そして文化交流にもつながっている。

仕組みBチーム:「言語を介さずとも可能なコミュニケーション」
大型のイベントは参加への障壁が高くなるので、誰もが生活に不可欠な「食」に注目。
神戸市に多くある商店街にて、ツアーを行ったり商店街の方を講師として来日者の困りごとをフォローできるような仕組みを整えたりすると、商店街の活性化にもつながるのではないかというアイデアがでました。
また情報を届ける際は、言語理解が問題にならないよう、アイコンや絵を活用し視覚的に伝えることを考えています。

 

・聴講者コメント
12月の神戸コミュニティフォーラムでも、イベントが開催されてもその情報を受け取る場所が大学の掲示板とメーリングリスト程度しかないという声があがっていた。
実際どのような手段をとるかは要検討だが、情報の伝達に着目したアイデアはとても良いと思った。
・永田講評
誰が実施するのか、どうやって続けていくかという視点をもつと、よりリアリティが増すはず。

人・組織チーム:「外国人住民と共に実施できること」
日本人自身が閉鎖的であることなど、主に現存の共生課題について意見を出し合いました。
翻訳機活用レクチャーや顔出し看板など、外国人住民と共に実施でき、参加に対するハードルが低いものは何かを考え、これから議論を深めていく予定です。

 

・永田講評
翻訳機は今後さらに必要となってくるものと思うが、単に使用方法を説明する授業では、受講、そして交流につながらないかもしれない。
どうすればそこがコミュニケーションの場となり得るかをセットで考えることが重要。

ディスカッション中、ゼミ生は予めリサーチしてきた事例を紹介したり、自身のこれまでの経験や思いや疑問を共有したりして、積極的に意見交換していました。
講評や各チームの発表を聞き、新たな気づきもあったと思います。

最後は永田と丸山より振り返りを行い、第2回のゼミが終わりました。

第2回総評
丸山
どのチームも共通して「誰が何をするか」に着眼し、対象となる人が少しずつみえてきたのではないか。
ゼミ生の留学経験の話にも出ていたが、ただお客さんとして参加してもらうだけでなく、外国人住民にも何か役割を担ってもらい、能動的に動いてもらうのも交流を生み出す一案。関わる人それぞれの立場にたって考えてみることが大切。
永田
外国人と日本人の交流に目が行きがちだが、「交流」はその二者間だけにあるものではない。もっと広くとらえてみると、ヒントが見つかるかもしれない。
引き続きリサーチや班でのコミュニケーションを進めていってほしい。

 

次回は引き続きグループワークを行ったあと、後半はいよいよ中間発表となります。

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