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2020/3/14

REPORT

11月23日(金)-12月8日(日)開催 「グッドデザイン神戸展2019」全体レポート

11月23日(金)から始まった「グッドデザイン神戸展2019」は12月8日(日)に会期を無事終了しました。最新のグッドデザイン賞受賞作品は、これからの社会の進むべき道を示しているものと言えます。ご来場された方が、実際の作品をご覧になり、デザインの力や未来の可能性を感じていただけたのならば幸いです。

会期中にはトークイベントや模擬審査等、様々なイベントを開催しましたが、ここでは、2019年のグッドデザイン特別賞全32点を集めた展示会場の様子と、その隣に設けられたイベントスペース・ライブラリスペースの様子を中心にレポートします。

■展示会場

          

グッドデザイン神戸展2019では、キュレーターであるDMLの久慈達也さんが展示空間のデザインも手がけました。この木枠のデザインは、東京の六本木で2019年10月末から11月初めに開催された「GOOD DESIGN EXHIBITION 2019」の「グリッド」を用いたグラフィックデザインを継承しています。この入口の大きな木枠の写真を撮る来場者も多くいらっしゃいました。

          

会場を入ってすぐ目に入るのが、統一された黒い展示台が目を引く富士フイルム株式会社(以下、富士フイルム)の受賞作品群です。2019年グッドデザイン特別賞32作品のうち、5作品を富士フイルムが占めています。しかも、そのうちの1つ「結核迅速診断キット」はグッドデザイン大賞を受賞しました。この製品では、富士フイルムが持つ写真現像の「銀増幅技術」や、「写ルンです」に代表される操作の簡略化の技術を応用しています。自社で培ってきた技術を生かして、途上国の多くの人の命を救う仕組みを開発したことが高く評価されました。

                               

富士フィルムの受賞作品群の横では、富士通株式会社、富士通デザイン株式会社の開発した、音に反応して振動したり光ったりする装置「Ontenna」を展示しました。耳の不自由な方も、「Ontenna」を髪につければ、周りの音を楽しむことができます。実際に頭につけて手をたたき、振動を感じている来場者も多くいらっしゃいました。12月7日には「Ontenna」開発者の本多達也さんにKIITOにお越しいただき、審査委員の廣川玉枝さんとトークセッションを行いました。(トークセッションのレポートはこちら

                               

2019年のグッドデザイン特別賞では、モビリティに関する受賞作品が目立ちました。左から、株式会社良品計画の「GACHA」、MaaS Globalの「Whim」、アイシン精機株式会社 / 株式会社スギ薬局の「チョイソコ」です。11月23日には、アイシン精機株式会社から加藤博巳さんにお越しいただき、審査委員の森口将之さんと、地方の高齢者向けの交通についてトークイベントを行いました。(トークイベントのレポートはこちら

                               

兵庫県からは、神戸マッチ株式会社の着火機能付きお香「hibi」がグッドデザイン特別賞を受賞しました。展示では、実際に「hibi」の香りを試すことができ、お香の良い香りに来場者からは「どこで売っていますか」というご質問を多くいただきました。兵庫県に関するグッドデザイン受賞作品としては、他にファミリアの「乳児用肌着」がロングライフデザイン賞を、兵庫県警察・アシックス・神戸新聞社の「ふれあいパトロール」がグッドデザイン賞を受賞しており、3者のトークイベントが11月30日に行われました。(トークイベントのレポートはこちら

                               

グッドデザイン金賞を受賞したソニー企業株式会社の「Ginza Sony Park」は、街に開かれた実験的な「変わり続ける公園」として、ソニービルの解体から立て直しの間の期間限定で東京の銀座に現れた公共空間です。

                               

株式会社百田陶園の焼き物「1616/arita japan」は、有田焼の伝統を踏襲しながら新たなデザインに取り組んだとして、技術・伝承デザインのグッドフォーカス賞を受賞しました。

                               

株式会社クボタの「ナビウェルNW8S」はICTを活用して、農家のコスト削減・収益向上に寄与します。昨今の厳しい営農環境を変えるデザインとして、地域社会デザインのグッドフォーカス賞を受賞しました。神戸展では映像とともに、ミニチュアが展示されました。

                               

西武鉄道株式会社の「Laview」はグッドデザイン金賞を受賞。会場には長さ1メートルほどの鉄道模型が展示され、来場者は、黄色い椅子が並ぶリビングのようにデザインされた車中の様子や、都市や自然の風景に溶け込む丸みを帯びた車体に見入っていました。

■イベントスペース・ライブラリスペース
今回の展覧会では、ただ展示を見るだけでなく、講演やワークショップを通して多角的にデザインに対する理解を深めてもらうことを重視しましたので、展示会場の隣にイベントスペースとライブラリスペースを設けました。

                               

ライブラリスペースでは、展示品にまつわるパンフレットやチラシ、グッドデザイン賞の年鑑、審査委員に関する書籍等、グッドデザイン賞をより深く知るための資料が置いてあり、自由に読むことができます。展示を見終わった後、ライブラリスペースで過去のグッドデザイン賞を調べたり、気になる受賞作のパンフレットを持って帰られる方がおられました。中でも福岡県いわき市役所の地域包括ケア「igoku」のフリーペーパーは、補充するごとにすぐになくなるほどの人気でした。

イベントスペースでは、会期中に様々なゲストをお呼びしてのトークイベントや、審査委員体験、造形ワークショップを行い、グッドデザイン賞を色々な角度から理解いただける参加型のイベントを開催しました。
トークイベントがないときには、グッドデザイン賞の審査の様子をまとめたムービーをスクリーンに映し出していました。普段あまり見ることのない審査の裏側、審査委員の方々が作品に向ける熱いまなざしが印象的でした。

                               

グッドデザイン神戸展2019では、11月22日(金)から12月8日(日)の15日間に、展覧会入場者は2071名、講演会等のプログラム参加者は493名と、多くの方にご参加いただきました。ご来場、ご参加いただきました皆さま、関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。

(photo © junpei Iwamoto)