お知らせ・レポート

+クリエイティブゼミ

去る3月20日(火)に、「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」(公園ゼミ)の最終発表会が行われました。

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今回は、前回、前々回と行ってきたグループワークの成果として、グループごとに、できあがった提案についてプレゼンテーションを行います。これまでの「+クリエイティブゼミ」では、プレゼンテーションの後で講評を行ってゼミを締めくくっていましたが、今回は各グループの提案に対して参加者が意見や改善点を出して、それをもとにして提案をブラッシュアップしてもらおうという試みを行いました。プレゼンテーションのスタイルも、報告するグループのテーブルに参加者が集まってくる形になりました。実現には何が必要か、どうすれば継続ができるかも視野に入れた、質の高い提案をめざします。

短期間のゼミにもかかわらず、どのグループも多くの事例を集め、そこからアイデアを出し合い、自分たちの課題を見つけて、それに対する提案を作る作業を行ってきました。それぞれが想定する利用者に対して、公園を通じてどんな働きかけができるか、今日はそれを見える形にします。

各グループの提案の内容や、それに対する意見などを紹介していきます。




「高齢者」
「高齢者」チームは、自治会から街区公園のへの働きかけが少なく、近隣から身近な公園が活用されていないこと、そうした状況で高齢者が公園にアクセスできていないことを問題として捉えてきました。したがって、高齢者のニーズを満たすような試みを公園で実現することをめざしています。

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高齢者チームの発表テーマは「高齢者と公園を考える」です。自治会がなかなか公園に対して働きかけができない一方で、自治会は地域のつながりや盛り上がりを作る機会を望んでおり、色々なイベントを行っている。そこに協力する形で公園を継続的に活用する機会を作っていきたいとのことです。

そうした自治会と協力して公園を活用する中で、高齢者にとっても公園が使いやすくなる機会を設け、一緒に公園を使いこなすノウハウを掴みながら、高齢者が抱える問題を解決する仕組みを確立することも目指します。

特に退職後の高齢男性が、地域との交流が希薄だったり、外に出られず健康面に不安を抱えやすかったりすることに対して、公園で何かをするために出ていくという機会を作り、高齢者がいままで発揮できなかった能力を披露できる場を作り、日常的に高齢者が公園を通じて活躍する、そのための具体的な方法として、「高齢者」チームは「料理」と「将棋(ゲーム)」を提案しました。

「青空クッキング団」のように、高齢者が、よりハイレベルなこだわりのある料理を練習してふるまい、特に地域の防災訓練の場で、終わった後で「究極の炊き出し」として披露する。多くの人が集まり、多世代で交流する場になるし、高齢者のスキルを活かす機会にもなる。防災のインフラとして公園が活かされる機会を利用して、幅広い人が交流し、地域を豊かにする場を、高齢者が核になって作ることになるわけです。そうした場や機会を、日常の活動・交流にも活かせないか、と考えているようです。

また、兵庫区の湊川公園で高齢者が将棋を楽しんでいることからヒントを得て、「将棋青空道場」のように多世代に広げることができないかとのことでした。子どもたちとの距離を縮めるために、子どもに教える機会を設けたり、大きな盤でわかりやすく見える形にしたりすることで、ボードゲーム的な楽しさ、わかりやすさを演出して、高齢者、あるいは子ども「だけ」にならない仕組みを盛り込んで、公園を通じて地域へのアクセスしやすさや、コミュニケーションを促進できないかとのことでした。地域に根ざした継続性、公園を活用することによる波及効果を、「高齢者」チームは重要視しているようです。

フィードバック
「高齢者」チームの提案に対しては、完成したイベントに参加してもらうのではなく、計画・準備段階から協力してWSするなどの交流があると良い、世代間だけでなく、高齢者同士の交流も促進することで、公園での活動を発展させていくこともできるのではないか、公園の立地や規模、形などの制約を活かして、ご当地らしい遊びを作ってみるのも良いのではないか、という意見が出されました。



「社会人」
「パークリビング構想」と銘打った提案で発表に臨む「社会人」チーム。「社会人」チームは幅広い「社会人」うちの「20代」をターゲットにして、そうした人たちのニーズとは何かを考えてきました。20代の人たちは、仕事で忙しく自分の時間がない、そもそも公園に行かない、そういう人が必要とする公園とは何か、公園を必要不可欠なする仕掛けがあるのか、模索してきました。

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そうした「20代」の「仕事以外」に、このチームは着目しています。ゆっくり昼寝できる、気が向いたら運動もできて、プライベートな空間にいるように広々とのんびりとリラックスできる。でも、それを実現するには、若者が普段持っている自分の空間はとても狭い。一方で公園はそれなりに広さを持っている。公共の空間とプライベートな時間、空間を両立する、リビングのような居心地の良さを実現する、相反するような要求を具体化することが、このチームにとっての大きな課題です。

そんな難題に挑んでいた「社会人チーム」が着目したのが、メキシコのデザイナー、エクトル・エスラウェとイグナシオ・カデナによる「Mi casa, su casa.(私の家は君の家)」でした。家の形をしたフレームが公園に並んでいるというもので、インスタレーションとしても有名なものです。

遊具のように役割が決まっているわけではないし、美術作品だから触れてはいけないというものでもありません。むしろ、フレームだけしかないので自由な使い方ができるし、使うことで活かされる開かれた作品でもあります。置かれている場所へ、人びとを迎え入れる、そんな仕掛けと言えるかもしれません。複雑なものではなく、道具としても使いやすく、持ち運びしやすく、扱いも容易です。

ひとりを楽しむこともできるし、複数人で何かをすることもできる。新たに何かをするきっかけにもなるかもしれません。家にいるのとは異なる、魅力的な日常を送ることができるツールです。何よりも、公園にアクセスし、みずから公園を活用する機会を与えてくれるところが、このツールの稀有なところだと言えます。

こうした仕掛けの公園での展開を実現する方法として、建築家やデザイナーと積極的に協働し、公園や地域、自治体に働きかけるということを「社会人チーム」は提案します。また、まずはイベントとして開催、次に曜日ごとのなど日を限って実施、などと段階を踏んだ上で常設化して、さらに個人単位でツールを運用していくことで、恒常的に継続し、かつ各地の公園にも広げられるものにしたいと、「社会人チーム」は考えているようです。

フィードバック
上記の提案に対しては、魅力的なアイデアだが街区公園に合う形で展開できるか、何らかの工夫が必要なのではないか、あるいは、壁のない空間なのでプライベートの空間として完結するのか、それとも利用者どうしのコミュニケーションが発生するのか、どちらかのバランスが重要なのではないか、近くの公園で地域と共同で実験をしてみたら、違う展開の仕方も見えるのではないか、家の形だけでなく公園ごとに適した形にアレンジすることもできるのではないか、という意見が出されました。



「ファミリー」
いつもたくさんのアイデアがホワイトボードに並んでいる「ファミリー」チームが提案するのは「遊びかたログ」です。前の2チームが実際に公園でアクションすることを提案したのとは異なるスタイルの提案となりました。WEB上に公園での遊び方が集まるコンテンツを設けるというものです。

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「ファミリー」チームは、街区公園は居住地にとても近いために、かえって何かするにはハードルが高く、公園が活用されるに至らないという点を問題視していました。そこで、何があれば公園に出てみよう、遊んでみようというきっかけや、近さが活かされるきっかけになるのか、それがチームの課題でした。その結果たどり着いたのが、近くの公園で遊びたいと思う人の受け皿としてのWEBサイト「遊びかたログ」の設置です。

「遊びかたログ」は、「PARKFUL」のような公園の情報を集積・発信しているサイトの中のコンテンツとして設けられることが想定されています。従来は場所についての情報がメインとなっているのに対して、公園で何ができるか、公園に行って何をするかのアイデアなど、活用のしかたがメインになっているのが「遊びかたログ」の特徴の1つと言えるかもしれません。場所の紹介に活用のしかたが組み込まれて、公園に応じた「活用のしかた」を提示できることも特徴になりそうです。

「遊びかたログ」には、様々な公園での遊びの経験やアイデアが集められます。それを検索する形で見る側が遊び方を調べることができます。また、遊びの経験やアイデアに対して、公園の立地条件や、利用状況などの情報も加えることで、近くにある公園に応じた利用・活用のしかたにアクセスすることができます。

また、遊びをしているプロモーション動画を配信したり、あるいは実際にやってみた様子を動画で投稿してもらったりすることで、新たに遊びのアイデアが生まれ、ブラッシュアップされ、ヒントとして活用されることも期待できます。

情報を得るだけでなく、遊びの情報が蓄積されて遊びが変化したり、新しい遊びを考える機会となったりと、サイトじたいの機能も広がっていったり、色々な展開が考えられそうです。街区公園の活用するためのインフラとも言える、意欲的な提案です。

フィードバック
「遊びかたログ」の提案に対しては、公園で遊んでみよう、調べてみようというところにたどりついてもらう仕掛けが必要なのではないか、ワークショップをするチームを結成したり、色々な公園で遊びをしたりしてみて「遊びかたログ」に関わるコミュニティを広げて行くことが必要なのではないか、ファミリー以外にも利用できるものだといいのではないか、といった意見が寄せられました。



「高校・大学生」
「高校・大学生」チームは「高校生」をターゲットにしぼって、学校と関わりながら何かができないか、提案を考えてきました。今回提案するのは「移動式カフェ」です。

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現在の高校生にとって魅力的なこと、実際の職業にかかわることから、高校生が公園に関わる機会をつくることができないか、また、公園に行くことが高校生にとってさほど日常的ではないことを逆手にとって、公園に行くことが高校生にとって特別だと感じられることが、公園に関わる機会を作る上で重要ではないかと考えて、「高校・大学生」チームは提案を練ってきました。

「高校・大学生」チームは、神戸市の人口が都心部以外では減少傾向にあること、特に若年人口にその傾向があることに着目します。今回ターゲットとしている「高校生」と地域とのつながりを作ること、そのために「高校生」に地域に目を向けてもらうことは、人口減少への対応として求められていることでもあります。街区公園は高校生の目を地域に向けるときの核になり、高校生を中心にして地域の人が集まって何かをするときの拠点にもなるわけです。

一方で、高校生を中心にすることにはマイナス面もあります。何らかの即効性あるわけではなく、すぐ結果が出るわけではないし、計画通りに進まない可能性もあります。これに対して、このチームは地域との協働を重視することで、マイナス面を打開できると考えています。そのツールとして「移動式カフェ」に行き着いたわけです。

制作と運営に建築家やデザイナーが関わり、さら食のプロがそこに加わります。実際に運営・運用していくには地域の人の協力も必要です。そうしたフォローする体制を整えた上で、高校生が公園でカフェを運営していくことになります。制作側にとっては、高校生に仕事を知ってもらい、地域での認知も広まり、協働を通じて仕事も広がる、といったメリットがあることも考えられます。街区公園を拠点に高校生が自ら特別な機会を地域にもたらし、高校生にとっては非日常を経験する機会にもなります。地域の人が集まることで、地元の活性化にもつながります。

このプロジェクトでは、学校の関与も重要になります。近年では地域課題の解決を課程に盛り込む高校もあるとのことで、そうした授業の一環として「移動式カフェ」のプロジェクトを行うことで、学校にとってもより地域に寄り添って活動することになります。高校生にとっては、地域のことを知り、職業を体験する機会にもなります。

「移動カフェ」の展開にあたっては、このプログラムを「ブランド」として行っていくことで、神戸市だけでなく、他の地域へも広げていくことが可能だと考えているとのことです。

フィードバック
「移動式カフェ」の提案に対しては、地域によって条件が異なるので高校生が地域に何が必要か自分で考えることができるといい、移動式カフェも高校生たちが自分たちの味付けができるツールだといい、どこかの地域でモデルケースができるといい、年に1回、街区公園に集まっていた高校生たちが集まってフェスをする、売上をどうするか、どう伸ばす、どう回すまでを高校生で考られるといい、公園の近くに高校がない場合はどう地域にはたらきかけるのか、といった意見が寄せられました。



4チームの提案とも、自分たちの想定するターゲットに即して、どうしたら公園が活用されるのか、よく考えられたものでした。人を集める手段、集まる場所だけに公園の機能を切り詰めるのではなく、地域に近いという街区公園の特徴を活かして、地域の日常やそこに住む人たちの暮らしの質を高めたり、より豊かにしたりするような「インフラ・ストラクチャー」として、公園を重要視しているという点が各チームに共通していたようにも思います。

実際に現場でのトライアルが実現できるようにめざしていきますが、どれも実施してみると面白そうなものばかりです。トライアルについては、めどがつきしだい、お知らせいたします。



「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」

これまでの公園ゼミ
+クリエイティブゼミvol.12 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える。
+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 特別版 KIITO×Collective Dialogue「これからの公園のプロトタイプを試行する」公開セッション
+クリエイティブゼミvol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
+クリエイティブゼミ vol.23 まちづくり編 公園と地域をつなぐ仕組みを考える。

去る3月13日(火)に、「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」(公園ゼミ)の第3回目が開催されました。

今回は前回に引き続き、チームごとでのグループワークを行いました。前回のグループワークでは、各自が行ったリサーチを報告しあって、アイデアを出しながら、共通点や似通っている問題意識を見つけ出す作業を行いました。今回は次回の発表に向けて、具体的な提案を練り上げていきます。たくさん出てきたアイデアや、その中で共通している問題意識をしぼりこみ、ターゲットが公園に対して求めていること、それに対して公園でできることを考えて、アクションプランを作っていきます。

今回も、グループワークの途中で、各グループの進捗状況を報告してもらいました。各チームが見つけた公園に対するニーズや、公園でのアクションを紹介していきます。

「社会人」
「社会人」チームは前回、ターゲットを「20代」にしぼって、ニーズを取り上げてきました。その中で、仕事以外のことができる時間・空間という点から、何ができれば良いかを考えてきました。ゆっくり昼寝ができたり、運動ができたり、癒やされたりというところに着目して、公園中に家にいるような時間をすごせる施設を設けて、そこを活用してもらうようなことがことができないかを模索しています。狭い空間で暮らしている若い人に対して、広々としたリビングを提供するということを、公園でどんな形で具体化できるか、仕組みに落とし込めるかという点が、次回の提案に向けての課題です。

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「高齢者」
「高齢者」チームは、自治体から公園への働きかけが少ないこと、「高齢者男性」が公園を使っていないという点から、提案を考えてます。料理を通じて、高齢者男性隠れたスキルを引き出したり、それを楽しむことが災害時の炊き出しに活かされたりする仕組みを作れないか、あるいは、公園で将棋を楽しむ人がいるように、それを子どもにも広げたり、そこから交流が生まれたりする仕組みを作ることができないか、提案を練っています。

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「ファミリー」
アイデアがたくさん出ているという「ファミリー」チーム。たくさんのアイデアが出る中で共通している問題が、街区公園が地域や居住地に近いために、どうしても公園で何かするというところまで至らないのでは、ということです。そこで、公園の遊び方を集積したカタログや、それを気軽に見ることができるサイトを設けて、公園を活用しやすくするアイデアを提示するという案を検討しています。さらに、サイトだけでなく、身近な公園が、新しい遊び方を実現したり、そうした遊び方が集まったりするようなサイクルを生み出せないか、考えています。

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「高校・大学生」
「高校・大学生」チームは、前回のグループワークから「高校生」をターゲットにしぼって提案を考えています。今回のグループワークでは、個人に働きかけるよりも、学校を通じて、何かができないかと模索しています。そうした時に、高校生が公園に足を運ぶような内容はないかと考えて、オシャレさからアプローチすることと、職業体験をすることからアプローチすることと、2つの観点から色々なアイデアが出ています。

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どのチームも、ターゲットとする利用者が何を求めているのか、それを公園とどうやったら合致できるか、真剣に議論を重ねて、アクションを作ろうとする光景が印象的でした。

次回はゼミの最終回です。各チームごとのプレゼンテーションを行い、さらにチームの枠をこえて、提案を磨いていく作業を行う予定です。どのチームも、それぞれのスタイルで、どうやったら公園を面白くできるか、議論が白熱してきています。はたして、どんな熱い提案が飛び出るのでしょうか。


「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」

これまでの公園ゼミ
+クリエイティブゼミvol.12 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える。
+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 特別版 KIITO×Collective Dialogue「これからの公園のプロトタイプを試行する」公開セッション
+クリエイティブゼミvol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
+クリエイティブゼミ vol.23 まちづくり編 公園と地域をつなぐ仕組みを考える。

3月6日(火)

去る3月6日(火)に、「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」(公園ゼミ)の第2回目が開催されました。第1回目では自己紹介とレクチャー、グループ分けが行われ、今回は公園の利用者層に応じて、「高校・大学生」、「社会人」、「ファミリー」、「高齢者」という4つのグループが成立しました。前回からの2週間の期間で、それぞれのグループが、テーマに応じたリサーチを行ってきました。この2週間のうちに、リサーチ状況を確認するため、自主的にメンバーどうしが集まったグループもあったようです。

第2回目では、チームごとでグループワークを行います。グループワークでは、リサーチの内容や、リサーチして見つけたことや気づいたことを出し合い、たくさんのアイデアの中の共通点を見つけ出し、チームとしての課題を設定することを目指します。最初の1時間は、お互いのリサーチの結果をどんどん出し合う場面が続きます。机の上には様々なキーワードが書かれた色とりどりの付箋がならんでいきます。

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たくさんのキーワードが出て、どのグループも共通点を見つけ出そうかというところで、今回は一旦、各チームのグループワークの状況を発表してもらうことになりました。以下、順番に各チームのリサーチ状況を紹介していきます。


「高校・大学生」
「高校・大学生」チームは、最初は大まかに、中・高・大学生を対象にしていたのですが、この中で、どの層が一番公園を利用していないかと考えて、高校生が一番公園に利用していないという想定で、今回のグループワークを進めることになりました。

このチームが投げかけた疑問は、「公園に行っていないとしたら、高校生にとって何がトレンドだったり、ハマっていたりするのか」。その疑問に対して、チーム内では、メインの情報源や遊びのツールはSNSが大部分なのではないか、その中で、バイトのことで盛り上がったり、ドラマやマンガといったメディアを楽しんでいるのではないか、という意見がでたとのことでした。

意見を出し合う中で、このチームが見出したポイントが、「公園は高校生にとって、むしろ非日常的なものなのではないか」ということでした。それにな対して、行くことじたいが特別に感じるようなことはないか、SNSで色々な話を交わしているとしたら、実際に何かを公園でしてもらえるようにするにはどうすればよいか、という観点で議論が進んでいるようです。

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「ファミリー」
「ファミリー」チームは、この日のグループワークでも、たくさんのアイデアが出て、議論も盛り上がっていました。一方で、たくさん出るのはいいが、1つのアイデアにこだわりすぎないようにと意識したとのことでした。「やりたい」にとらわれず、アイデアの形が変わったり、他とつながったりすることを重視した結果、「音楽」、「スポーツ」、「食べる」といったキーワードが新たに出てきたそうです。

次に、「ファミリー」という観点から公園を考えたときの「水の人」は誰かなのかと問いを立てて、「保護者」や「親」チームのターゲットとして想定することになりました。「保護者」が公園にやってくる状況を考えてみると、仕事帰りであったり、時々ふらっと寄ったりと、ヘビーユーザーとは異なる利用をしていることが多いようです。そうしたヘビーユーザーではない人が少しずつ周りを巻き込みながら公園に近づけるようすること、何かをみんなで作る機会を設けたり、一緒に遊んだりする機会を設けたり、そういった方向で提案を組み立て始めているとのことでした。

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「高齢者」
「高齢者」チームは、高齢者の多くが健康に意識が高いというところに着目しているそうです。一方で、高齢者が公園に行く動機を考ると、ちょっと散歩のために家から出て立ち寄ったり、ゆっくりするなど、何かをするところとは思われていないのでは、ということを問題として感じているとのことでした。

そこで、簡単にできる体を動かす機会を提供するということを考えているそうで、ヨガや太極拳、あるいは、難しくなく、誰でも最初の差がなく始められるニュースポーツなどが、内容としてあがっていました。

実現する手段としては、街区公園に関わっている自治会にアプローチして、共同で何かを催すという方法を検討しているそうで、できることをまとめたカタログを作成して、それをもとに自治会に提案をする、という意見も出ていました。カタログに盛り込む案として「究極の炊き出し」や「子どもと高齢者の将棋」などが、具体的に話し合われたようです。

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「社会人」

「社会人」チームはリサーチを始めるにあたって、「社会人」の範囲があまりに広すぎることに最初は困ったそうです。「社会人」は働いている人全てを包含しているような言葉です。そこで、まず対象を一気にしぼることからグループワークがスタートしました。メンバーのうちの1名が20代だったことから、「社会人」チームは20代の男女をターゲットにしたそうです。

ご本人にとっては、自分自身が公園に行っていない、忙しいしなかなか行けない。機会は日曜の休みくらいだけど、何かするという感じではないし、では自分でも行ける、行きたくなるにはどうしたらいいか、というふうに、実際の経験から、実態と問題意識を見つけ出していったとのことです。

20代の社会人が求めていることを考えたときに、キャリアアップや自身の成長できる機会がほしい、一方で、忙しいときの憩いの場がほしい、また、夜遅いので、遅くに行っても不審者がられない公園があれば、という意見が出たそうです。

また、朝が食べられない人に向けた「朝食会」や、昼、車の中で休んでいる人が多いので、そうした人たちが休める「ドライブスルー公園」など、具体的な企画も出てきているとのことでした。

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報告の後も、盛んに議論が行われていました。上記のように、チーム内で出された意見を通じて、各チームが自分たちの課題や企画のきっかけをつかみつつあるようです。

次回、第3回もグループワークの時間となります。それぞれのチームの課題に対して、実際に何ができるかを検討していくことになります。どんな提案が出てくるか、次回のゼミも面白くなりそうです。


「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」

これまでの公園ゼミ
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+クリエイティブゼミ vol.23 まちづくり編 公園と地域をつなぐ仕組みを考える。

2月13日(火)

去る2月13日(火)より、「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」(公園ゼミ)が始まりました。「公園ゼミ」は2014年度から毎年開講されており、今年度で4年目を迎えます。

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公園で何も起こらない、利用されないのはどうしてなのか、何が必要なのか、という問いかけから「公園ゼミ」は始まりました。どういう公園が必要かという問題意識のもと、公園のあり方を考えた1年目。公園を通じて高齢化社会にどう対応するかを模索した2年目。3年目は、それまで出されてきた多くのアイデアが実際に公園で継続して実施されるにはどうすればよいかについて考え、提案を行いました。

4年目の「公園ゼミ」では、特定の公園を対象とせず、住宅地の中の「街区公園」が近隣住民に積極的に利用され、交流の場となるようなプログラムを考えていきます。

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今回は、受講者は宿題として、自身の公園の思い出、公園での印象的な光景、好きな公園について、画像を1枚準備しています。ゼミの開講にあたって、まず、この画像を題材にして、受講者に自己紹介をしていただきました。立地や規模、時間帯、利用者層など、受講者それぞれの視点から、公園の光景や思い出が取り上げられます。近隣にある公園やトレッキングの先にある眺望の良い公園、子どもたちの遊び場になっている公園、公園それぞれで異なる遊具や設備、催しで賑わっている様子など、公園ついてアイデアを出していく手がかりが見えてきます。

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自己紹介のあと、ゼミの開講にあたってのレクチャーが行われした。これまで高齢化やまちづく、防災など、さまざまなテーマで「+クリエイティブゼミ」が開講されてきました。その趣旨や、これまでのリサーチや提案の事例がゼミの最初に紹介されます。ゼミでは一時的な盛り上がりや集客ではなく、地域で有意義な活動が継続していく土壌を作り上げる「豊穣化」を目指すこと、「土」、「水」、「風」という言葉が、そのためのキーワードとして紹介されます。今回、ゼミの受講生は公園に良い「種(アイデア)」をもたらす「風」になることを目指します。

リサーチの例としては、講座名にもあがっているピザ窯の事例が取り上げられました。良い提案を出すためには、アンテナを広げてたくさんのヒントを収集すること、グループのメンバーどうしでアイデアを出し合い、公園に求められていることと照らし合わせながら、具体的な提案を練っていく過程が重要になります。それぞれのグループに別れたあとも、講師からリサーチの重要性が強調される場面が見られました。

レクチャーのあとはグループ分けを行います。今回は、幼児、小学生、高校生、社会人、ファミリーなど様々な利用者層に応じたグループ案が提示されました。受講者は関心のあるところに参加を表明して、グループが成立していきます。今回は次の4つのグループが成立しました。


・「高校・大学生」
・「社会人」
・「ファミリー」
・「高齢者」



それぞれのグループは次回のゼミに向けて、リサーチとアイデアを出して行くことになります。次回、どんな面白いリサーチやアイデアが現れるのでしょうか。

今回の公園ゼミは、実際の公園の現場で、トライアルを行うことも目指しています。どんな面白いアイデアがみなさんの前に披露されるか、楽しみですね。


「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」

これまでの公園ゼミ
+クリエイティブゼミvol.12 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える。
+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 特別版 KIITO×Collective Dialogue「これからの公園のプロトタイプを試行する」公開セッション
+クリエイティブゼミvol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
+クリエイティブゼミ vol.23 まちづくり編 公園と地域をつなぐ仕組みを考える。

12月12日(火)

全4回からなる、「+クリエイティブゼミ vol.26 高齢社会編 “風の人”になるための“種”の作り方を学ぶ実践ゼミpart.1 『パンじぃ、洋裁マダムにつづく、高齢者がワクワクできるプログラムを考える』」がスタートしました。
KIITOでは、2015年から「高齢社会+クリエイティブ」をテーマに、超高齢化社会を迎えている日本において、元気な高齢者がワクワクでき、学んだコトをイキイキと地域社会で生かせる、そんなプログラム(種)をいくつか生み出してきました。男性高齢者が本気でパンづくりを学び、地域デビューする通称「パンじぃプロジェクト」や、女性高齢者が、着なくなった服をリメイクし、おしゃれに磨きをかける通称「洋裁マダムプロジェクト」は代表的な“種”の事例です。
今回の「+クリエイティブゼミ」では、こうした着実に効果をあげつつある既存の“種”に続く新しい“種”を考えていきます。

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第1回目となるこの日は、まずKIITO副センター長の永田宏和から、今回のゼミの目標やこれまでの実践例の紹介がありました。

最初に、プロジェクトを進めていくうえで大切な、地域豊穣化における3つの役割について。生活の質を上げ、人々がイキイキと暮らせるような地域をめざすために、ここではあえて「活性化」ではなく「豊穣化」という言葉を使います。地域には「風」の人、「水」の人、「土」の人がいます。今回のテーマに沿ってあてはめてみると、地域に居続ける「土」の人は高齢者。そして、「風」の人が地域豊穣化のための新しい種(プログラム)をつくり、「水」の人がその種を育てていきます。最近では「光」の人として「メディア」を挙げることもあります。これらの役割は自立していると捉えることもできますが、それぞれが必要となるスキルだと捉えることもできます。

また、種をつくる際に完全なプロジェクトを考える必要はありません。むしろ、隙や穴だらけの「不完全プランニング」を設定することによって、みんなが関わりながらつくりあげることができ、「みんなのもの」としてより定着するのです。
そもそも「クリエイティブ」とは、新しい何かを創り出すために「既存のものをぶち壊す」こと。クリエイティブな発想をするためには、これまでの事業やプログラムを「根本から考え直してみて」「既成概念にとらわれず」「広い視野で」「違う角度から」「情熱と愛情を持って」考えていくことが重要です。そうして生まれたアイデアにデザインを注入し、事業やプログラムに強度を与えてより伝わりやすくするのが「+クリエイティブ」なのです。


ここで、今回のゼミタイトルにも入っている「パンじぃ」「洋裁マダム」をピックアップして、過去のゼミから生まれた種についても触れていきます。
パンじぃは、増加する“社会から独立する男性高齢者”のために立ち上がった「男・本気パン教室」というプロジェクトから誕生したおじいちゃんたち。プロフェッショナルから本格的なパンづくりを学んで、様々なイベントを通してパンを人に振る舞う喜びを知り、東京で出張パンづくりをしたこともあります。洋裁マダムは、“おしゃれでいることで毎日の暮らしに活力を生み出す”ための「大人の洋裁教室」プロジェクトから誕生したおばあちゃんたちです。着なくなった着物をリメイクして、生まれ変わったワンピースでファッションショーを開いたり、手作りしたシャツを着てポートレイト撮影をするなど、年齢を感じさせないイキイキとした様子で取り組んでいました。パンじぃ、洋裁マダムはどちらも、誰かのために自分の技術を活用することで喜びを生み出すプロジェクトなのです。


このような継続する種を生み出すためには、リサーチ強度を上げていくことが一つのポイントとなります。リサーチの手法としては大きく次の3種類が挙げられます。
・ネット検索、書籍、雑誌
・電話、アンケート
・インタビュー、観察
インターネットは便利ですが情報の正確性に欠けるため、なるべく現場に足を運び、直接耳を傾けることがリサーチ強度を上げるコツです。限られた時間とリソースの中で、効率よく、分担し、アイデアを出すことが、的確で有効なリサーチをデザインすることにつながります。
また、+クリエイティブな企画には「シナジー」が必要不可欠です。シナジーとは、相乗効果を意味し、ある要素が他の要素と合わさることによって単体で得られる以上の結果を上げることができる、というものです。その本質は、お互いの違いを認め、尊重し自分の強みを伸ばし弱いところを補う点にあります。自分の考えを押し通すのではなく「どう思う?」と聞くことによって、周囲の意見がプラスされ新しいものが生み出すことができます。協力関係と信頼関係の積み重ねによって、シナジーが創り出されるのです。
そして重要なのは、高齢者が“ワクワク” “イキイキ”の両方を実現できるプログラムを考えるということ。それを叶えるためには、高齢者のニーズと地域のニーズの両方の側面から捉えていく必要があります。誰とやるか、どこと組むか、お金はどのくらいかかるのか、逆にお金をかけずにできる方法を考えるのか等、具体的なアクションプランを練っていきます。


ゼミに対する意気込みを新たにした所で、いよいよチーム分けをします。今回は、あらかじめ設定されたテーマの中から、自分が興味のある分野ごとに分かれるという手法を取りました。さらに、「この中にやりたいテーマがない」というゼミ生は新たにテーマ設定をしてもよいというルールのもと、いくつかテーマが加わりました。“3名以上でチーム成立”という条件付きで分かれてもらう中で、テーマにかける想いをゼミ生が熱く語る場面や、その想いに動かされてテーマを移動するなど小さなドラマが生まれ、最終的に次の6つのチームが誕生しました。

◇食
◇ものづくり(DIY)
◇音楽・ダンス
◇観光
◇メディア(カメラ・編集・イラスト)
◇医療

全体での自己紹介のあと、ゼミ生たちは各チームに分かれ、さっそくテーマに対する自分の考えを熱く語り合っていました。既に、用意した付せんを使いアイデアを貼り出し始めているチームもあり、それらを元に第2回に向けたリサーチ計画を立てていきます。

 
 

次回は、リサーチを元にしたグループワークです。いったいどんなアイデアが生まれるのでしょうか。




+クリエイティブゼミ vol.26 高齢社会編 “風の人”になるための“種”の作り方を学ぶ実践ゼミpart.1 『パンじぃ、洋裁マダムにつづく、高齢者がワクワクできるプログラムを考える』
※全回聴講可|聴講希望の方は、school@kiito.jpまで、聴講希望日・氏名・アドレス・電話番号をお送りください。

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