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2022/1/30

イベントレポート

エラ・ホチルド×中野信子×森山未來『Dance of Death(仮称)』(アーティストサポートプログラム2022)レポート

2022年1月4日(火)~1月14日(金)

 

 

アーティストサポートプログラム 2022では、俳優・ダンサーの森山未來さん、振付家・ダンサーのエラ・ホチルドさん、認知神経科学者の中野信子さんをお迎えし、リサーチ、クリエーション、ワークショップを開催しました。

以下、プロジェクトに寄せられた森山未來さんのテキストです。

 

『舞踏とは命がけで突っ立った死体である』という、暗黒舞踏の創始者・土方巽が50年以上前に遺した言葉がある。現在、科学技術が飛躍的に発達したこの世界で、我々の死生観はどのように変容したのだろう。保存料の含まれた食品の摂取によって、僕らの身体は腐らない。人間の意識を機械にアップロードすることができれば、将来的に肉体を必要としない日が来るかもしれない。そんな現代における解釈によって表現される『命がけで突っ立った死体』には、どのような思考が働き、また、他者とどのような関係を結ぶのか。イスラエルで生まれた身体メソッド「GAGA」、ニューロサイエンスにおける視座、そして、日本独自のダンススタイルと言われる「舞踏」。ホチルド、中野、森山から紡がれるトライアローグを通して、言葉と身体の関係性から死生観までをも含めた人間存在を見つめ直すパフォーマンスを志向している。

 

今回のプロジェクトは、2022年秋に公演を予定する舞台作品の制作のための第一フェーズとして、10日間KIITOホールを会場にクリエーションを行いました。滞在中には、死生観、舞踏における死体にはどのような思考が働くのかについてなど森山さんから投げかけられたテーマについて、各自の専門性・アイデアを生かしながら対話を重ね、実験を行いました。
その中では、脳波を記録・抽出してデータ化することによって、身体と脳の関係を可視化する試みや、新型コロナウイルスの影響により、来日が叶わなかったエラ・ホチルドさんとは、毎日のクリエーションの中で対話の時間を設け、その日の実験や対話について共有するほか、エラさんが考えたテキストから振付を踊るなどの多様な実験が繰り返されました。

 

また、滞在制作期間には、ゲスト講師を迎えたワークショップ、作品制作のための思考を耕す関連トークイベントなどの一般公開イベントを開催し、クリエイションの様子を一部公開しました。
最終日には、サウンドアーティストの佐久間海土さんの作品とともに、森山さん、中野さんによるショーイングを行いました。当日の様子はダイジェスト映像にまとめていますのでぜひご覧ください。
※本プロジェクトは、没入型パフォーミングアーツ『FORMULA』として、東京・仙台・福岡・大阪・名古屋・高知にて公演が行われました。

 

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ショーイング ダイジェスト映像

アーティストサポートプログラム エラ・ホチルド×中野信子×森山未來『Dance of Death(仮称)』
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