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2024/5/2

イベントレポート

【レポート⑧現地発表会】+クリエイティブゼミvol.39 リサーチャー養成編「リサーチ・リテラシーを学ぶ」 例題4:商店街の空き家をみんなで考える。

8月5日(土)には+クリエイティブゼミvol.39の現地発表会を開催しました。
+クリエイティブゼミは、大阪大学COデザインセンターの山崎吾郎さんと協働し、フィールドワークに重点を置く「文化人類学」の観点より「リサーチ」にフォーカスしたゼミ形式のプログラムです。
これまで6回のゼミとフィールドワークを通して、アイデアを考えてきました。最終発表会でのフィードバックをもとにアイデアを練り直し、最終発表会に臨みました。
当日は気温が高い時間帯に開催したのにも関わらず地域の方も20名以上が参加してくださり、ゼミ生とあわせて50名を超える人が商店街に集まりました。

 

開催に先がけてデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)センター長の永田から挨拶がありました。
「KIITOは社会の課題や地域の悩み事を新しい発想で解決することを考えていく提案をしています。社会課題の一つとして空き家、空き店舗は神戸市はもちろん全国的にも課題となっています。その課題に対してKIITOでゼミを開講し、空き家問題を一緒に考えてくれる人を募り、議論を重ねてきました。空き家の活用だけではなくて、どのように地域と関わるか、豊かにできるかということも含めて3、4年前から取り組み始めました。今回のゼミに参加されたみなさんのアイディアはとてもユニークで面白い提案が多かったです。今日は地域のみなさんに聞いていただいて、是非ご意見もいただきたいと思っています。」

講師を務めてくださっている大阪大学の山崎さんからも今回の学生の関わりについてご説明をいただきました。
「空き家の活用というとまちづくりを専攻している人のイメージがありますが、大阪大学のゼミには工学エンジニアの研究や社会学や心理学など、様々な分野を専門にしている人たちが集まっています。教育の機会として、自分の専攻している学びを、どれだけ課題に役立てることができるのかということを大事にしています。今回KIITOとの協働という形で一緒に参加させていただきました。」

 

まずは大阪大学のチームより発表がありました。
「このまちの豊かさは人のあたたかさだと感じました。日常生活と繋がり、地域の”らしさ”が生まれる場にしていきたいと思います。」「地域のリソースを活かし、得意技を子どもたちに教える会や、地域の方と協力し合いながら活動を展開していきたいと思います。」「近くにある高校生が使える学習スペース、地域の方が集まれる憩いの場となる拠点になればいいなと思います。イベントを定期開催することによって外部からも訪れる人が増えればうれしいです。そして地域の魅力を届けたいと思います。」といったプランが提案されました。

地域の方からも以下のような感想をいただきました。
「学生さんも関わってくれるのは、新しい視点からの地域を盛り上げる方法を考えてくれると思うので、是非協力してほしいです。」「空き家だけではなく、アーケード全体を使ったアイディアは素晴らしいと思いました。」「期待しています!」
「大学生のみなさんが卒業していなくなったら、また寂れてしまうのではないかと心配です。継続して関わってもらえたりしますか?」という率直なご意見もいただき、「難しいところではありますが、私たち学生だけではなく、それを継続していくためにも、長田を豊かにしていくプロジェクトに賛同してくれる若い人たちや協力してくれる人が集まるきっかけづくりをしたいと思っています」という意見交換などが徐々に生まれてきました。

 

 

学生の発表に続き、KIITO+クリエイティブゼミの5つのグループからの発表が行われました。
※概要に関してはこちらをご参照ください。

地域の方からも前向きな感想や質問などが活発に出始め、一緒に考えていく雰囲気になってきました。いただいた質問に対しても丁寧にお答えしながら、これからの房王寺地域の活性化を共に考えていきます。
「私たちもアーケードの使い方をずっと考えていました。ご提案いただいたアイディアはこれまでは考えたことがなかったので、可能なことを一緒に考えていきたいです。」「すこしでも人が来てほしいので、1週間に1回でも生活に必要な物が帰るお店の出店などもあればうれしいです」「若い人が活躍出来る機会もとても大切だけど、地域には高齢の方が多いのでそういった人たちも若い人たちと一緒にできるなにかきっかけが欲しいと思います。」

 

 

現地フィールドワークを行い、最終的には地域の方にも聞いていただき、約2ヶ月考えてきたアイディアの発表が終了しました。
最後に長田区地域協働課の渡辺さん、大阪大学の山崎さん、KIITOセンター長の永田から今後の展望について話されました。

渡辺(長田区地域協働課):
「長田区役所としてはこうして地域の調査も行い発表をし、KIITOとも一緒に何かできないかと考えてきましたので、地域のみなさんと一緒に協働して素敵な場所にできれば良いなと思っていますので、よろしくお願いいたします。」

 

山崎(大阪大学COデザインセンター):
「地域の方がこれだけ集まってくださり感激しました。アイディアはどれも面白かったので、それをどうやって実践していくかだと思います。やってみるとわかることもあると思います。この場を開催できたことに意味るあることでした。」

永田(KIITOセンター長):
「KIITOのゼミは提案して終わりではなく、実際にアクションをすることです。私たちだけでやっても意味がないので、今回集まってくださったみなさんと一緒に地域を盛り上げて行きたいと思っています。私たちもこれまでに行ってきた実績やノウハウなども地域で実践してみたいと思っています。」

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