10/31 Sat - 7/25 Mon
NEWS
2015-2016年度のKIITOアーティスト・イン・レジデンス招聘作家として、写真家の長島有里枝氏を迎え、滞在制作を10月末日より開始しました。
長島氏は、自身の家族がヌードになったセルフ・ポートレートのシリーズで賞を受賞して注目を集め、以後も国内外で活躍する写真家です。近年は執筆活動も手がけ、初の文章による作品集『背中の記憶』(2009)は三島由紀夫賞候補になり、講談社エッセイ賞を受賞しました。一貫してモチーフには「家族」の存在があります。
今回は、神戸で、「服」を素材にした新作の制作に挑戦します。滞在制作中に、神戸の女性たちに取材し、物々交換や写真撮影を条件に古着を集め、その服を素材に、キャンプなどで使われるタープ(日よけ)を制作します。そのタープと、制作過程で撮影された写真やテキストを構成した作品は、2016年6月にKIITOにて行う成果発表展で展示します。本作は、同時期に東京で実母との共同制作で作るテントと対をなす作品となる予定です。
社会を漠然として大きいものと捉えるのではなく、1人1人から、その手仕事からできていると認識することは、忙しい現代に生きていると、棚に上げてしまいがちかもしれません。長島というひとりの女性をとりまく関係性、そのまっすぐな交感の試みを見つめることによって、受け取ることができるものは大きいでしょう。
関連企画:
3/26 長島有里枝アーティスト・トーク「女性の話/about women」(終了済)
http://kiito.jp/schedule/lecture/article/16408/
成果発表展:
6/17-7/24 長島有里枝「縫うこと、着ること、語ること。」
http://kiito.jp/schedule/exhibition/article/17007/