7/14 Sun
SEMINAR
日光や風などの身近な自然の営み、住まいの知恵を建築のデザインに取り入れる「パッシブデザイン」。この考え方が登場した背景には、エネルギーの投入と機械設備に頼り、生命の基盤であるはずの自然や生態系を損なう結果を招いた当時の「アクティブ」な建築に対する懐疑がありました。
本講座では、イギリスを拠点として活躍する建築家、末武純子氏を講師に招き、パッシブデザインの成り立ち、日本とイギリスでのパッシブ建築の現状や展望についてレクチャーを行います。その後、トークセッションを通して、このような考えをわたしたちのこれからの生活にどのように生かしていくべきかをみんなで考えます。
「未来のかけらラボ」とは
現代社会はさまざまな意味で混迷を深めています。未来が見えにくくなっており、そのために、希望を感じにくくなっているとも言えるでしょう。このラボはセンター長・芹沢高志をモデレーターに、身近に散らばる多様な未来のかけら、つまり可能性の芽を拾い集め、草の根的に自分たちの未来を思い描こうとしていく試みです。
レクチャー1 パッシブデザインとは何か 7/14(日) 13:00-14:30
歴史的背景や、対概念としての「アクティブ」をふまえながら、単なる建築の一工法、一様式にとどまらない、「姿勢」としてのパッシブについて解説。講師自身がパッシブデザインに携わる背景や、日本とイギリスでの活動についても紹介する。
レクチャー2 事例紹介と今後の展望 7/14(日) 15:00-16:30
イギリスとヨーロッパの事例を中心に、実際のデザイン、建設、モニタリング、アフターケアの記録などについて、画像を交えながら紹介する。技術が向上し、多くの検証が蓄積している現在は、実はパッシブデザイン再考の重要な時期にあたる。具体的事例を通して、現状、課題、そして今後の展望について共有する。
トークセッション パッシブデザインとわたしたちの未来 7/15(月・祝) 13:00-15:00
モデレーターの芹沢が聞き手となり、トークセッションを行う。日本の気候風土に合ったパッシブ技術について考えるとともに、単に昔に回帰するということではなく、新たな価値観や技術を生み出そうとする視点から、エネルギー多消費型の、自然を力で押さえこもうとする姿勢ではない、新たな生活スタイルについて考える。
1967年生まれ。Suetake Studio 2 主宰。九州芸術工科大学大学院で省エネルギー・生態学的デザインを専攻。その後日本と英国にて様々な建築家のもとで働く。2000年に独立し主に住宅設計を通…(続きを表示)
P3 art and environment
https://p3.org/
1951年東京生まれ。神戸大学理学部数学科、横浜国立大学工学部建築学科を卒業後、(株)リジオナル・プランニング・チームで生態学的土地利用計画の研究に従事。その後、東京・四谷の禅寺、東長寺の新伽藍建設計…(続きを表示)