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2020/4/13

REPORT

「神戸野菜学 いちご」レポート

旬の野菜の知っているようで知らない魅力に迫る「神戸野菜学」。毎回、テーマとなる野菜の基礎知識を身につける「野菜学」、実際にその野菜を調理することでより深く特性を知る「調理実習」、そして特性を活かして料理されたメニューを食べる「給食」の時間の3本立てで、参加者のみなさんと一緒に深い学びを3月のテーマは春の訪れを感じさせる「野菜」、いちごです。竹内農園でいちご栽培をする竹内裕康さん、はっぱや神戸で野菜の流通に携わる加古祐樹さん、ショートケーキ専門店1004でいちごを使ったケーキを販売する河合稔明さんとともに、いちごの世界へ飛び込みます。
今回、新型コロナウイルスの影響で当館が臨時休館となったため「神戸野菜学 いちご」も中止になりましたが、ご参加いただけなかったみなさまにも楽しんでいただけるよう、レポートとしてまとめました。
「いちごって果物じゃないの?」
そんな疑問の答えにも「なるほど」と頷ける、いちごの世界をぜひ味わってみてください。

1時間目 野菜学〈いちごを知る〉

◆まずはイベント告知チラシ裏面(イベント詳細のwebページにも掲載)の「抜き打ちいちごテスト」の解答から!

問1いちごは何科の植物か、次のうちから1つ選びなさい。

①キク科  ②バラ科  ③ウルシ科  ④ナス科

(    ②バラ科       )

問2 いちごの表面にある粒々は何にあたるか、次のうちから1つ選びなさい。

①果実 ②種 ③花 ④皮

(    ①果実       )

問3 いちごの生産量が一番多いのは次のうちどこか、1つ選びなさい。

①長崎県 ②福岡県 ③兵庫県 ④栃木県

(    ④栃木       )

問4 おいしいいちごの見分け方について書かれた次の文章の空欄に、【語群】から正しい言葉を選び入れなさい。

・表面のつぶつぶが( 赤色  )になっているものが完熟している証拠。
・( ヘタ  )があざやかな緑色で、( 反り返っ  )ているもの。
・表面のつぶつぶより実が( 盛り上がっ )ているもの。
・表面に( ツヤ )と( ハリ )があるもの。

【語群】
盛り上がっ、ハリ、茎、ぷるっとなっ、果実、キズ、平たくなっ、弾力、緑色、やさしさ、ツヤ、ピンク色、赤色、小さくなっ、ヘタ、反り返っ

そうです。いちごは植物学的には野菜なのです。野菜の定義は「田畑で栽培され、草になるもの」いちごは畑で栽培され、樹ではなく、草から実が成ります。ただ、感覚的にはフルーツという印象が強いため、「果実的野菜」というちょっと中途半端な分類のされかたをしています。また、スイカやメロンもこの果実的野菜に分類されています。

野いちごとしてはヨーロッパからアジアにかけて生えていて、石器時代から食べられていたとされています。甘みは少なく、粒の小さいものでした。当時は実だけでなく、葉や茎、根まで食べられていました。世界ではじめて栽培されたのは、産地は特定されていませんがフランスやベルギーなどのヨーロッパ地方で、エゾヘビイチゴを畑で栽培したものでした。現在のいちごのルーツとされているものは18世紀にオランダで交配された、北アメリカ産と南米チリ産のいちごです。日本に伝来したのは江戸時代末期にオランダからもらされたものです。当時はいちごの色が血を連想させるとしてあまり広まらず観賞用とし栽培されていました。食用として本格的に栽培が始まったのは明治時代に入ってからで、フランスから導入された品種を改良した「福羽(ふくば)」という品種が日本のいちごの基礎を築いたとされています。

サンプル
わたしたちが実と呼んでいる食用部分は実は花托(かたく)といって、花のガク、花冠、雄しべ、雌しべをつける台の部分です。植物学的には果実ではありません。

一般的に「種」と呼ばれている表面のつぶつぶが痩果(そうか)という果実にあたり、痩果の中に種子があります。痩果は偽果とも呼ばれています。
いちごは、日光が一番当たりやすく早く熟す部分である先端にいくほど甘くなるのでヘタ側から食べていくと甘く感じやすいのです。


サンプル
ホテルやレストラン、直売所でひっぱりだこの竹内さんのいちご。
竹内さんのいちごがおいしいわけは?と尋ねると「土づくり」と「健康な苗づくり」と「愛情」と竹内さん。いちごが成っている間は休みなくいちごを見て、その日の気温や風の強さでハウス内の環境を調整したり、水加減を調整したり。いちごのことを思って、丁寧にやさしくいちごを育てる竹内さんのいちご畑は竹内さんの「いちご愛」で満たされています。

 

 

 


竹内さんが育てる「おいCベリー」は、ビタミンCが他の品種より多く、甘味酸味の強い品種。栽培があまり容易ではないため、流通量も少ないのです。


テクノロジーが発達した今でも、受粉は蜂さんにお願いするのが一番です。受粉が完全でないといちごの形がいびつに育ちやすくなってしまいます。


ヘタの部分が反り返っており、つぶつぶの部分も含めた全体が赤く熟しているものがおいしいいちごだと竹内さんは言います。実の大きいいちごは株の中で先に大きくなったもので、栄養も他のものより多くとっているため大きく甘いのだとか。
また、ヘタの下が裂けてきている実はより熟しているものなのでおいしいとのこと。ただし日持ちしないため流通には適しておらず、いちご狩りのようなその場ですぐ食べることができる状況における「おいしいいちご」と言えるでしょう。

休み時間 やさい体操~いちご編~

そろそろ座学につかれた頃…いちごにちなんだ替え歌にのせて、体を動かしてみましょう。

2時間目 調理実習〈いちごを使う〉

サンプル
部屋中が竹内さんのいちごの香りで包まれたという、竹内さんのいちごとの出会いが衝撃的で、自分がお店を出すときは、絶対竹内さんのいちごを使おう、そして、竹内さんのいちごのおいしさがわかるケーキをつくろう、と思ったという河合さん。晴れて昨年、生まれ故郷である西区でお店をオープンされ、看板商品の「いちごのショートケーキ」は大人気となっています。使用しているいちごはもちろん竹内さんのおいCベリーです。

 

 

サンプル・苺  500g
・グラニュー等 200g
・トレハロース 30g
・レモン果汁  小さじ1杯

※トレハロースがない場合はグラニュー糖230gで用意してください。
※冷蔵保存で1週間ほどで使いきってください。

【日持ちするジャムの場合のレシピ】
・苺  500g
・グラニュー糖  320g
・トレハロース  45g
・レモン果汁  大さじ大1

ソースづくりのポイント
◎コクを少し出したい時はグラニューの配合の2.3割をきび糖などに置き換える。
◎ドライのクランベリーなどを一緒にいれて炊く。

1004の看板商品「いちごのショートケーキ」ができるまでをじっくり教えていただきました。

  

  

  

仕入れたいちごは、ケーキの上に乗せるものと、カットして中に挟むものに選別します。スポンジの間に挟むいちごは、繊維をつぶさないように包丁を手前に引きながらカット。繊維が潰れると水分が出てきてスポンジに染み込み、水っぽくなってしまうのです。
また、挟み込むいちごは普通よりも少し厚めにカットして隙間なく並べていきます。「どこから食べてもいちごの存在感が出るようにしたい」という、河合さんの想いのあらわれです。

【河合さんの店舗情報】
1004(イチマルマルヨン)  兵庫県神戸市西区丸塚1-14-22


レポートの内容はこちらの資料としてもダウンロードできます。(クリックでPDFが開きます)

いちごの世界、堪能していただけたでしょうか?
最後に、今年度の神戸野菜学を終えて、はっぱや神戸の加古さんかららコメントをいただきました。

3年目となる今年の野菜学は、講師の3人の野菜に対する独自の思いや日々の活動の中から蓄えられた知識が伝えられたらいいなと思い、テーマの野菜の思い出を語ってもらったり、それぞれの立場から独自の分析をしてもらいました。それは一般的な情報とはすこしずれていたかもしれません。ですが、講師の考えを聞いて、参加者のみなさんがそのテーマの野菜のことを自分なりに深く見つめて、自分だけの野菜観を持ってくれたら、調べれば得られる知識や情報を持って帰ってもらうよりずっと意味があると思ったのです。参加していただいた方は間違いなく、野菜のことを今までで一番考えたり見つめたりする濃厚な時間になったことでしょう。
それぞれの回の講師の方々には、たくさんの要望をお願いしたりして戸惑ったりされたこともあったかと思いますが、みなさん楽しんでいただいて、それぞれの野菜学ごとのグルーヴ感をつくることができました。
野菜学に関わっていただいたみなさま、本当にありがとうございました。

―加古祐樹(はっぱや神戸)

 

野菜学の復習、調理実習の実践、みなさんもぜひ試してみてくださいね。


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