お知らせ・レポート

セルフ・ビルド・ワークショップ

2018年3月24日(土)

オープンKIITO2018のイベントの一つとして、東京のフリーペーパー専門店・ONLY FREE PAPER(以下OFP)によるフリーペーパーのお祭り「ONLY FREE PAPER in KOBE」、および神戸市内の古本屋6店舗によるユニット・コウベボーダーズのミニ古本市を開催しました。

「ONLY FREE PAPER in KOBE」は、OFPがセレクトした「今読んでほしいフリーペーパー50誌」を展示・配布する、フリーペーパーのお祭りです。

radio

今回で5回目の開催となりました。今回も厳選されたフリーペーパーが並びます。好きなものを持ち帰れるのですが、魅力的なフリーペーパーばかりで、両手にいっぱい抱えてくれている来場者も多かったです。

今回はOFPオーナー・松江健介さんによる選出された50誌についての解説書も合わせて配布。あらゆるフリーペーパーを読み、その魅力を発信してきた松江さんならではの視点に惹きつけられる、読み物としても楽しい内容の、各誌の特徴が良く分かる優れた解説書でした。


また、2017年の注目すべき動向として、「フリーペーパーの書籍化」が顕著であったとのことで、実際に書籍化されたいくつかの本を持ち込んでいただき、購入できるようにしました。



本イベントの開催は今回で5年目。だんだんと来場者が増えてきているように感じます。オープンKIITOがはじまる11時過ぎに、会場が埋まるくらいの大入りになったのには、本イベントを目当てに来てくれたのでは!?と嬉しい驚きを感じたほどでした。

OFPのウェブサイトでは、50誌のリストと松江さんによる過去開催回からの来場者の変化についても含めた詳細なレポートも公開されています。ぜひこちらもご覧ください。


また、今回は通路を挟んで向かいのスペースで、コウベボーダーズによるミニ古本市も同時開催しました。

radio

「言葉の宇宙船がやってくる KIITO BOOK CLUB」(2017年11月~2018年1月)企画内で開催したミニ古本市が好評でしたので、再登場をお願いしました。また、本のディスプレイに使う什器は、セルフ・ビルド・ワークショップで制作したものを集めて、楽しい会場づくりを試みました。



当日並んだ本は、6店舗それぞれ個性の違うコウベボーダーズのみなさんが、絵本、ビジュアルブック、ハードカバー、リトルプレス、ちょっと珍しい本などなど、さまざまな本をこの日のためにセレクトして持ってきてくれたものです。つい没頭してしまいそうになるものばかりでした。

フリーペーパーと古本、というと不思議な取り合わせかもしれませんが、どちらも、何か情報や知見に出会う接点と考えたとき、新刊書店で本を買う、ウェブサイトをスクロールする、といった今日のルーティンからは少し異なる経験や感覚をもたらしてくれるものではないかと思います。OFPもコウベボーダーズもお店があり、足を運んでみると、より個性が感じられて楽しいです。ぜひ訪れてみてください。

[オープンKIITO2018] ONLY FREE PAPER in KOBE / コウベボーダーズのミニ古本市
開催概要はこちら

2018年3月17日(土)

セルフ・ビルド・ワークショップ「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」のおさらい編「端材を使ってなんでも作ろう」を開催しました。
これまで開催してきたセルフ・ビルド・ワークショップで身につけたものづくりのスキルを活かして、自由に自分のほしいものを作ってもらおう!という内容です。
これまでのワークショップでは、講師が大枠を設計した課題を元に、参加者のアイデアを取り入れて家具/建築を制作してきましたが、今回は課題はありません。素材に使うのは、センターに蓄積される、ワークショップやイベントの開催によって生まれたさまざまな残材・端材です。作り方は、セルフ・ビルド・ワークショップでもコーディネーターを務めた川勝真一(RAD)さんと、島田広之さんの2人のインストラクターにアドバイスを受けることができ、セルフ・ビルド・ワークショップ参加経験者だけでなく、内容に興味を持った方はどなたでも参加できるようにしました。


はじめに、過去にセルフビルドワークショップで制作したものや、川勝さんが端材で作ったミニテーブルやマガジンラックのサンプルなどを紹介した後は、さっそく各々での制作スタートです。
端材を一通り見て、使いたいものをピックアップ。作るものを決めてきた人は、イメージに合うものがあるかどうかを手早く見つけていました。特に決めてこなかった人は、ある素材から作れそうなものを考えていたようです。


イメージはあるけどどういうプロセス、材料で作るべきか、想像した素材がなかったけど何で代用しようか、実用に耐える強度を持たせるにはどういう構造が必要か、などなど、作る過程でたくさん判断しなければならないポイントがありますが、適宜インストラクターのアドバイスを受けながら、きっちり完成させていました。みなさんそれぞれの個性やアイデアが光る、オリジナルのプロダクトがたくさん生まれました!

参加者の制作物(一部):
元々スツールの座面だったスノコ状の板を利用して作った、リンゴを入れる箱

プラダン(プラスチックダンボール)を組み合わせて面を作った看板。裏面もかわいらしい。

和箪笥の引き出しだった部分を天板の装飾に活かした踏み台。左端の作りはじめの段階でもうちゃんと使えそうな丁寧な作り。

今回有数の大物、子どものおままごと用キッチンテーブル。ボウルをはめ込める。踏み台と同じ和箪笥の引き出しを活用。

T字脚のスツール。もともと三角形の板材がたくさんあったのを上手に活用。

蝶番不使用の、たためるマガジンラック。模型をあらかじめ作って、構造を確認したうえで制作。


セルフ・ビルド・ワークショップ おさらい編「端材を使ってなんでも作ろう」
開催概要はこちら

2018年2月17日(土)、18日(日)

セルフ・ビルド・ワークショップ 「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」第3回を開催しました。


第3回目のゲスト講師は、過去のセルフ・ビルド・ワークショップでも講師を務めていただいたことがある、NO ARCHITECTSの西山広志さんです。

冒頭のミニレクチャーは、「あそび」をベースに組み立ててくれたとのこと。
具体的な事例紹介の前に、「手を加える前の何にもない状態を想像して聞いてほしい。空間に対して手の加えた範囲は、少しだけのものも、大胆なものもある。大きな空間に対してほんの小さなものだったとしても、もともとは何にもなかった状態の空間に対して、全体を想定しながらものを作れば、全体を作ったことになる。そういう考え方で今日は見てもらえたら。」とのコメントがありました。


最初は、「久々にデータを掘り返した」という、2年間くらいかけて、大学院の修了制作で行ったツリーハウスプロジェクトの紹介です。
西山さんの母校・神戸芸術工科大学は、もともと山で、切り開いてニュータウンにしたエリアにあり、キャンパス内にも、設計の時点で計画され、一部残されているもともとの森がある。その残存林が好きで、山を研究するところからスタート。山の中の木の種類を調べ、どの木にツリーハウスを作るかを決め、次に木の上の空間、周辺の植生環境をリサーチ。山の入口を定めて、看板を立てて、活動をあげたブログのリンクを書き、腐った木を掃除して、ツリーハウスまでの道を整備する、周りの環境を整えて、行きやすくする。ダンボールでモックアップの床を作り、モックアップを載せては外して工房に持って帰ってを繰り返し。ずっと載せておくと、木はそれに反発して上に幹を伸ばそうとするので、かなり木に負荷をかけるということが制作の過程でわかり、そこに設置するというよりは毎日持っていくものにしたとのこと。屋根をかけて完成。山自体の環境も整って、木の上の空間を体感できる。小さい計画だけど、山全体を変えていることになっている。


次は現在に飛び、空き家が増えてきていた大阪市此花区梅香四貫島で事務所・自宅を構えて、少しずつ改修しながらまち全体のライフスタイルをつくるような活動をしているお話に。その地域の地主さんの思いから始まった「此花アーツファーム構想」からできたつながりから事務所をそこに移すことになり、此花のギャラリー、カフェ、シェアハウスなどの改修を手掛けている。ほとんどはまるまる改修ではなく、一部だけ。「モトタバコヤ」は、角地に立っている物件の、手前の狭い一部屋+看板だけを改修。手を入れた範囲は一部だが、角地だからまちを背負っているようで、地域全体の見え方も変わる。これらは職人さんに発注して終わり、ではなくてみんなで作ることに意味がある。どういう仕組みを作ればみんなで作れるかを考えながら設計する。お店自体にも極力たくさんの人が関われるようにしているとのこと。
今では自宅も此花に移しているし、空地活用のプロジェクトなどもしている。1個1個は小さい手の施しだが、小さなエリアの中に増やしていきながら、まち全体の暮らし方を提案していくような活動。まち自体も全部つくるのはすごい大変だけど、小さい点を打つだけでもまちはすごく変わる。
今回のワークショップではそれを体感できるものとして設計してくれたとのこと。

そのほか、展示や、イベントの会場構成、美術館でのワークショップ、KIITO内の什器制作など、多岐にわたる事例を紹介いただき、最後に「今日、頭に置いておいてほしいこと」としてのまとめです。
・みんなのものをみんなで作る仕組みを考える:みんなで使うものは極力みんなで作る仕組みを作ったほうがみんなで使いやすい。面倒くさいことでもあるが、そのほうが結果長く使われることが多いので、計画段階からそういう仕組みを考えたほうがよい。
・もともとあるものを最大限肯定して利用する:元々ある状況を否定するような提案は、もともと使っていた人のそこに流れてきた時間みたいなものを全部否定してしまうことになる。できるだけ良さを肯定的にとらえて利用することが大事。
・小さなものを考える時も、大きな視点で考える:人の目線は通常のスケール感覚で考えることができるが、さらに猫の目線~下から見上げることに近いが、どんどん走りまわって、上に乗ってみるとか、ふだんの使い方ではないこと~、を意識する、さらに、鳥の目線で上から俯瞰で見ること。3つくらいの視点で考えて設計すれば、いろんな人にとって使いやすかったり愛してもらえるものになる。

続いて、課題の発表です。今回作るものは「空間を仕切る装置」、簡単に言うと屏風。設置予定場所にすでにある楕円のテーブルに刃向かわず、ならったかたちで、と西山さんが考えた基本の設計案をもとに、楕円の大きさ、組み合わせ、配色、金具をつける位置などを参加者が考えていきます。


設置予定場所の現場チェックをして、西山さん作成の図面を見つつ、人・猫・鳥の目線/なかった状態、ある状態/置かれる場所、使われる場面を想像して、デザインを考えます。他にも、決められた板の枚数の範囲内で作る/色は指定の3色を全部使い、それぞれの色が占めるバランスも決められた範囲内で考える/丁番は金銀2種類を決められた数の中で配置する、などいろいろなルールが設定されており、参加者の頭を悩ませます。


随時、アドバイスを西山さんやコーディネーターの川勝真一(RAD)さんから受けつつ、なんとか組み合わせや配色をチームごとに決定します。アドバイスは、設置予定場所は主に仕事の打合せで使われる場所なので、ポップになりすぎないようにとか、もともとが比較的無機質な空間なので、そこに調和するように、といった、個性を爆発させる方向よりは、調和と個性の両立を目指していくような考え方であるのが「建築家ならでは」のように感じました。


デザインや材料の取り方が決まったら、下書きをした上で木材をおおまかに丸ノコでカットし、その後ジグソーで丸くする部分をカット。カットした小口にやすり掛けして滑らかに。やすりは4回!丁寧にかけます。滑らかにしたら塗装。木地の色を残す部分は、ワックスを塗布。小口の塗装は刷毛、面の塗装はローラー、ワックスはふきんで拭き取るように。
塗料が十分乾燥するまで待って、その後はそれぞれを金具でつなぐ作業です。使う金具は丁番、合釘、かすがい。どこに何本必要かという構造的な検討と、見た目の検討の両方が必要です。


丁番を付けてみたら、表裏が逆だった!といったんはずして付け直す場面もありましたが、時間内で、統一性を感じつつも、3チームそれぞれ個性があるものができあがりました。


板材の背が高いところと低いところがあることで、仕切った向こうが見え隠れするようになり、向こうで人の姿がちらりと見えるのもかわいらしいし、仕切った向こう側でお茶やミーティングをする人にとっても、囲って閉塞感が出る感じもなく、見えすぎて気が散ってしまうということもなく、良いバランスを保ちつつ空間を分けてくれる機能を持った装置になっているようです。

設置予定の4Fプロジェクトスペース4Cに3つとも設置して、最後に全参加者から、ひとこと感想を言ってもらいました。「安い材料なのにこれだけ空間が変わるんだと勉強になった」「課題の作り方がすごい。制約が大きくて、ざっくりしてると思ったけど、なんとなく統制がとれたものできあがるのがすごい」「工具はある程度知っていたが、丁番、釘といった細かい道具のセレクトが、手に入れやすそうだけど知らなかったもので、勉強になった」などといったコメントが聞かれました。
西山さんからも「今回の参加者は意気込みが強くて、丁寧な作りで完成度が高いものができている、想像以上に良いものが生まれている。みなさんの成果です!」と太鼓判をいただきました。

今回で全3回の「あそび」をキーワードにしたセルフ・ビルド・ワークショップはいったん終了です。3つの成果物はKIITOの4階に設置しています。お出かけの際はぜひご覧ください!


セルフ・ビルド・ワークショップ 「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」
開催概要はこちら

2018年1月20日(土)、21日(日)

セルフ・ビルド・ワークショップ 「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」第2回を開催しました。


第2回目のゲスト講師は、浜松を拠点に活動する「+tic」(プラスチック)の鈴木知悠さんと鈴木陽一郎さんです。
第1回目と同じく、+ticによるミニレクチャーからスタート。自己紹介から、浜松でどのように暮らし、働いているか(暮らしと働きを連動させているか)、設計についてどのように取り組んでいるか、また、今回のテーマに則して、「建築として捉える家具」について、スライドを交えて分かりやすく説明していただきました。

2人は2013年に静岡文化芸術大学デザイン学部空間造形学科を卒業し、そのまま独立。建築設計的な考え方をベースに、まちづくり、家具、アートプロジェクトなどさまざまなことを手がけながら活動しています。
建築を学びながらも、隣では家具、写真、映画、都市計画を学んでいる人がいるような、居住にまつわることを共通点にしつつもさまざまなスケールで制作を行う大学に身を置いたことが、+ticの考え方の一つの柱になっているようです。他方で、コーディネーターの川勝真一さんとの出会いとなった「リサーチストア浜松」への現地リサーチャーとしての参加など、地域で実践的な学びを得たことも大きかったとのこと。本人いわく、「大学と地域を父母(あるいは先生)とした建築設計ユニット」。


現在は、400メートル四方くらいにシェアハウス、オフィス、ゲストハウスなど、5つくらい拠点を持ち、すごく小さい範囲で、多拠点で活動しています。
大学卒業後、「自分たちの身を置く場所を作るため」からはじまって、やがて人から相談を受けたり、自分たちで調べて交渉したり。施工後も自分で借りたり、利用したり、仕事の受け方も、施工とウェブ制作を物々交換(スキル交換?)にしたりして、関係が続き、それでだんだんと多拠点化しているようです。
施工の仕事を受けるだけでなく、自主的な動きも展開しています。「まちの使い方ラボ」では、空いているけれど賃貸情報に出ない物件の事情を聞き取りして、改装をする代わりに安く借りる。完成後も自分たちで占有するのではなく、イベントを開催できるようにするなど、自分たち「が」ではなく「も」使える場所-「住むこと+α」の場所として少し開く仕組みを埋め込む。複数の共有空間があるほうが、自分が身を置く空間によって集まる人も違うし、まちにとってオープンな場所が増え、まちなかで暮らしながら働くことになっている、とのこと。

施工の仕事は、スケールに応じた考え方の違いから説明していただきました。50~100平米は、基本的には職人に依頼し、部分的に参加する。30~50平米は、基本的には自分たちで作り、作り方を工夫して、まわりの人やクライアントを制作のプロセスに巻き込む。10~30平米は、時間をかけて特殊解を考えて取り組む。どのスケールでも、作ることの横断、まわりの人々を巻き込む方法について考えられ、実践されています。
物件だけではなく、家具も手がけています。家具職人と渡り合おうとするのではなく、どうやって、僕たちが建築を学んできたことを活かして家具とするか、を念頭にしていてるとのこと。「家具を建築プロジェクトとして捉えると、、」という考え方が印象的でした。そうすると、敷地、素材、まわりの状況とどういう関係を新しく作っていくか、という意識に向かうようです。


ミニレクチャーに続いては、今回の課題の説明です。
今回は、建築家・ル・コルビジェが提唱した、最もシンプルな住居の構造=ドミノシステムを参照しつつ、スラブ=KIITO内に残る端材、柱=長ネジを素材に、家具/建築を作っていきます。

設置場所のスペースのうち窓がある一面を対象地に設定。面を均等に3分割して、1チーム1区画を担当。設計にあたり、+ticが設定した条件は3つ。窓の開け閉めを妨げないこと。場所に対する説明を何かしらできるようにすること/プレゼンできる言葉を持つこと。隣接するチームと最終的に接合できるデザインにすること。また、区画の中には、窓の位置や、もともとの設備でパイプや配線が通っているところがあったり、区画ごとに異なる環境もチェックしたうえで設計する必要があります。
+ticから伝えられた、考えるためのヒントは、「空間のガイドラインみたいなものを意識すること。今回の設計敷地を注視してみると、窓の間隔、カーペットの模様、置いてある家具など、敷地状況が実はある。それらに対してどのような反応ができるのかを考えること」。


チームに分かれたら、まず担当する区画を計測。設計作業は、絵に描いて/使える端材を見ながら/現場で話し合いながら、、、とチームごとにさまざまな方法で行っていました。
端材+長ネジといっても、どうやったら作れるのか、どうやって考えていけばいいのか?一般的にイメージする「DIY」より少々複雑な課題に、しばらく「?」となっているようすの参加者も複数いるように見えましたが、+ticやコーディネーターの川勝真一(RAD)さんのアドバイスのもと、設計、構造の検討、材料の切り出しへと行程を進めていくうちに、そんな表情も見られなくなりました。

1日目はほぼ設計作業で終了。2日目にエンジンをかけて急ピッチで作業をしていきました。講師たちもしっかり各チームに入ってアドバイスと作業の手伝いに入りました。


長ネジは、金属用の高速切断機で使いたい長さに切ります。高速切断機は火花が散るので扱いにはくれぐれも注意が必要。使ったことがある参加者は少なかったですが、何本も切っていくうちにかなり慣れたようでした。
材料の切り出し、長ネジ用の穴あけが終わり、組み立て作業で待っていたのは、延々とボルトとナットを締める作業!長ネジには、板材の順番を間違えることなく通していかないといけません。間違えると間違えた場所まで板もナットも一度外す必要があります。


時間がオーバーしましたが、なんとか3チームとも完成。スペースの一面をカバーする大きな家具/建築ができあがり、達成感はひとしおです。


Aチームは布を使ったり、スペースの角にパイプがあって角を避けないといけない逆境を活かして、人が入れるスペースを作ってみたり、遊び心のあるデザインでした。
Bチームは、スライドさせることができる面をつくったり、端材の中でも変わったかたちをした引き出しを使ったり、アクロバティックな試みが目立ちました。
Cチームは、同じ素材やかたちの板材を連続で使う中にひとつ違う色・かたちの板材を入れてみたり、バランス感覚が良いデザインが特徴的でした。

今年度のセルフ・ビルド・ワークショップのタイトルには「大きな家具/小さな建築」とありますが、今回は絶妙に、建築であり家具でもある、中間領域にあるものを作っていたのでは?と感じられました。次回も楽しみです。


セルフ・ビルド・ワークショップ 「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」
開催概要はこちら

2017年12月2日(土)、3日(日)

セルフ・ビルド・ワークショップ 「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」第1回を開催しました。


2014年度から、KIITOの建物が複数回の用途変更による改装を経て生まれた空間=「余白」について考察し、アプローチするワークショップを行ってきましたが(2014年度2015年度)、今回は「余白=あそび=余裕」と捉えて、空間そのものの良さを残しつつ、そこに少し手を入れてみよう、というテーマを設定しました。機能でガチガチに固められているわけでもなく、何か行動を強制されているわけでもない、仕事やイベント参加の合間に、ふと、何もせずにいられる場所ができたら、という思いで企画しました。
川勝真一(RAD)さんのコーディネートのもと、毎回異なる3組のゲスト講師と、どうやって余白をあそびの空間に変えていけるかを考えていきます。ワークショップを通して、作り方はもちろんのこと、それ以上に、ゲスト講師の考え方やデザインの方法に触れて、どうやったらキラッと光るものができあがるのか、を体感してもらいます。
第1回目のゲスト講師は、西尾健史(DAYS.)さんです。

まず最初に、西尾さんの活動紹介や考え方をお聞きするミニレクチャーを開催しました。


西尾さんは、家具、インテリア、ショップのデザインなど、自身で手を動かしながら、さまざまなデザインの現場でお仕事をされている方です。
内容はプロジェクトによってまったく異なり、小さなステーショナリーのようなものから、家具、住宅、リノベーション、まちづくり的なことなど、さまざまなスケールの仕事を手がけておられますが、「基本的に中心にあるのは、暮らしに関わることをやりたい」ということ。DAYS.の由来は、その暮らしが日々続いていくようなイメージでつけられているとのことです。

過去の仕事紹介では、DAYS.のウェブサイトに掲載されている事例を中心に、Tokyo Art Book Fair(2017)の会場構成、ニットに箔押しをする洋服デザイナーの友人のための什器、ポップアップショップの什器、オリジナルデザインの家具、書店の内装の事例などをご紹介いただきました。
最近初めて西尾さん自身がデザインして制作した家具は、家具単体よりもその奥にある暮らし方に、どうやったら家具のアプローチでできるか、を考えて制作したとのこと。折り畳みや組み合わせが可能で、組み立てに工具も不要。イメージは、「ふだんはデスクの周りにあって、週末だけパッと立ち上がるような家具」。洋服や音楽のように気分次第で、形や色、置かれる場所がぱっと変えられる家具ができると、いろんなことが楽になって、もの単体というより、暮らし方にちょっといい刺激ができるのでは、との思いで考えた、とのこと。西尾さんが「風がふわっと吹くような」家具と説明されていたのが、印象的でした。

レクチャーのあとは、西尾さん設計の今回の制作物についての説明です。
今回作るものは、木材+スポンジで作る、使い方が決まっていない遊具のような家具。
円形のスポンジケーキが8分割されたようなかたちで、高さもばらばらの、段のようなもの。ひとつでもいろいろ組み合わせても使える、どう余白と合わせられるかが遊べるものです。
高さは西尾さんがバリエーションをすでに決めてくれていましたが、「サッカーボールくらい」「ガードレールくらい」「カウンターくらい」「跳び箱8段くらい」とふだん何気なく座ったりもたれたりするもので設定されていて、ユニークです。


チームに分かれ、素材の重ね方や固定の仕方は、西尾さんや川勝さんのアドバイスを受けながら自由に設計します。分業するのではなく、全部の行程を行い、作り方、考え方を体得します。
スポンジは台所スポンジから練習用のゴルフボールまでさまざまですが、簡単に手に入る素材を集めました。なお、素材を無駄にしないように、用意されたスポンジは全部使うこと、が条件に掲げられました。

4チームに分かれて、各チーム高さの異なる「ケーキ」を2個ずつ作ります。どのスポンジをどう重ねるか、どう高さを出すか、キーワードを出したり、イメージ図を描いたり、設計を行います。


設計がある程度できたら、インパクトドライバーや丸ノコ、スライド丸ノコ、トリマーの使い方を習い、各自作業を進めていきます。


チームごとに採寸し、合板を丸ノコやトリマーでカット、やすり掛けしてささくれを取り、天板のみクリアニスを塗布します。ニスまで塗れれば、、、という目標でしたが、1日目は、合板のカットまでで終了となりました。

2日目は、最初にチームごとに中間報告を行い、進捗状況を共有しました。
各チームで2個ずつ作るので、組み合わせることを前提として、片方を収納できるように等、セットで設計しているチームがあったり、スポンジの感触を最大限楽しめるように動きが楽しいかたちにしたり、スポンジの積み重ね方にバリエーションを持たせたり、チームごとにさまざまな工夫が考えられていました。


制作に戻ると、スポンジを使いたいサイズにカットして、速乾ボンドで接着します。


なんとか全員時間内に完成し、設置場所のプロジェクトスペース4Bに「ケーキ」を運搬し、設置して、感想を共有しました。

層のバランス、色のバランス、素材の使い方、足の存在感をなくして作るか、逆に存在感を出して作るか、制作の過程でさまざまな選択があり、実際、想像以上にバリエーションに富んだものが生まれました。


2日間のワークショップを通して、素材や道具の扱い方を学び、設計から制作までを講師の考え方に触れながら行うことで、今まで見えていなかったものが見えてきたのではないかと思います。
西尾さんも最後にコメントされていましたが、今度はこれを作ってみよう、と自分でもものづくりをするきっかけにしてもらえればと思います。


セルフ・ビルド・ワークショップ 「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」
開催概要はこちら

2017年3月19日(日)~25日(土)

「セルフ・ビルド・ワークショップ 生意気とつくるKIITOの庭 ~なかにわなかま vol.4~」を開催しました。

新館と旧館の間、カフェとKIITOホールに挟まれた空間にある小さな中庭を、アーティストユニット・生意気とともに作っていく本ワークショップ、今回で4回目の開催となりました。

今回は、「いつ来てもOK」という条件で、約1週間の生意気ファミリー制作期間中を通して参加者を募りました。これまでも、生意気ファミリー自体は1週間程度の日数をかけて中庭づくりをしてきたのですが、参加者と一緒に制作するのは最後のほうの1,2日間のみでした。参加のしやすさなどを考慮してのことです。ただ、これまで開催してきたようすを見ると、彼らが制作する1週間の日々の中で自然に触れる、その生活・思考・制作スタイルに、面白みや学ぶべきものがたくさん詰まっているという側面もあるので、その日々をみなさんも一緒に体験してほしい、と考え、募集の形式を変更してみました。


今回は「アースオーブン」がトラックに載ってやってきました。小さいカマクラのような形で、土や砂など、どこにでもあるものだけで作られたオーブンです。オーブンの壁の厚みは25センチほど、火を起こしているときに外側を触ってもそれほど熱くありません。漆喰壁を作るような方法で作られているそうです。作るものに合わせて熱を出すのではなく、熱を無駄にせず、最初に薪を燃やして獲た熱を利用して、窯の中の温度変化に従って、その温度に合ったものを調理します。野菜たっぷりのピザを焼いて、ピザの残り生地で明日の朝食のパンを焼いて、、、と、食べ物でも無駄がありません。

期間中は、古びてきた竹のタワーを解体して、新しい竹と組み合わせてテラスを制作したり、ブドウのつるの枯れた部分を取り除き、3年の月日で栄養不足になった土と、新しい土を混ぜたり、花が咲く植物や、実のなる植物をたくさん、植えたり、種を蒔いたりしました。古びた竹はアースオーブンの燃料にします。



「あるもんで」を合言葉に、センターの中にある「いらないもの」を探すツアーも行いました。年間を通してさまざまなイベントを行うので、その時に使った木材などが各種見つかり、探検のような楽しいツアーでした。
途中、雨が降ってアースオーブンに少しヒビが入りましたが、泥を塗って埋めて、簡単に補修ができました。


1週間の共同制作を経て、中庭には多角形の竹テラスが誕生しました。テーブルを囲んで座れる竹ベンチができたので、ここで休憩したり、ランチタイムが楽しめそうです。蔓状の植物用にネットが張られたので、夏には植物のカーテンになるでしょう。庇があるところにベンチも設置しました。


最終日は例年のごとく、人を迎えて、きれいになった庭を一緒に楽しむパーティを開催しました。手持ちのものにシルクスクリーンをするワークショップも同時開催。また、画材を持参して、テラスの中で写生をしている中高生くらいの参加者も。思い思いに中庭を楽しみます。ゲストにIMORI, Oni, Ma Cerise, Dochi Michiなど、生意気ファミリーと縁の深いミュージシャンたちを招いて、ライブを行いました。Everybody "E" bandという、みんながミュージシャンになるバンドによる演奏も!中庭の空間に響き渡る音楽はとても心地よいものでした。




期間中、講師と生徒として、教える・教わる、という関係でなく、一緒に生活するように、ものづくりに取り組んだり、思い思いの時間を過ごしたり、食事をしたりすることで、彼らの姿勢に触れることができました。
駐車場にトラックを停め、竹テントを据えて煮炊きをしたり、野菜を買うのに淡路島の八百屋さんに来てもらったり、アーティスト・ユニットなのに植物の植え替え??など、ちょっと聞くと驚くような要素の多い彼らですが、「普通」の生活と思っていたことを成り立たせるために、さまざまな無駄や抑圧があるようだ、彼らの、誰かや何かに負荷をかけず、自分たちで作って物事を楽しむ暮らし方って面白いかも、と、少しでも感じてもらえていればと思います。


「セルフ・ビルド・ワークショップ 生意気とつくるKIITOの庭~なかにわなかまvol.4~」
開催概要はこちら

2016年3月12日(土)

オープンKIITO2016のイベントの一つとして、東京のフリーペーパー専門店・ONLY FREE PAPER(以下OFP)によるイベントを開催しました。

radio
撮影:芦田博人

過去2回もオープンKIITOに合わせて開催し、「今読んでほしいフリーペーパー50誌」を展示・配布し、好評を得てきた企画ですが、今回は特別に、この日のために、OFPが2010年のオープン以来蓄積してきた、膨大な数のフリーペーパーアーカイブから、記憶に残る「ベスト100誌」を選出・展示する「FIVE YEARS-100 BEST FREE PAPERS by OFP」、というスペシャルコンテンツが加わりました。


今も発行が続いている人気のものから、廃刊となってしまったもの、くしゃっとしたゴミと間違えられそうな紙で作られたもの、などさまざまなフリーペーパーがNo.1~100にランク付けされて展示されました。100誌に選ばれたひとつひとつへの、松江健介オーナーによる熱いコメントがまとめられた解説書も合わせて配布しました。A4サイズ12ページものの、それだけでも読み応えのある解説書でした。

例年開催してきた「今読んでほしい50誌」の展示・配布コーナーでも、精選された50誌が並びました。じっくり選び、気に入ったフリーペーパーを両手いっぱいに抱えて持ち帰る来場者がたくさん。早々になくなってしまったものもありますが、多めに提供いただいたものは、引き続きライブラリに配架をしていますので、KIITO来館時には覗いてみてください。

終日、松江オーナーとスタッフの渡辺さんが会場に常駐くださり、来場者の好みに応じてフリーペーパーのオススメや情報交換も行われており、活気のある会場でした。フリーペーパー発行者自身の来場も多数あったようで、発行者側のコミュニケーションの場ともなっていたようです。

なお、今回、「ベスト100誌」展示をするにあたり、展示用のフリーペーパーラックが必要になったので、KIITOで1月に開催したセルフ・ビルド・ワークショップ「余白不動産-余白につくる小さな建築」でDIY技術を身に着けたワークショップ参加者に声をかけ、ワークショップ参加者有志でフリーペーパーラックを作る、という特別企画に挑戦しました。


ラックの設計と制作指導は、当該ワークショップにゲスト講師として参加したNO ARCHITECTS。土台に、KIITOに既にある小学校の机を利用して、計4台のラックを1日で制作しました。棚板が段違いなっていたり、45度になっていたり、バリエーション豊富で楽しいデザインです。イベントでも展示に花を添えてくれました。
イベント終了後は、館内でラックが必要な場所で再活用することにしました。これも来館時に出来栄えを見ていだたくことができます。


今回は、これまでの中で一番だったのではないか、というくらい絶え間なく来場者に恵まれ、フリーペーパーファンの多さ、フリーペーパー文化の豊かさを実感しました。KIITOでも引き続き、継続的なイベント企画・発信をしていきたいと考えています。


【オープンKIITO2016】ONLY FREE PAPERのオールタイムベスト100
開催概要はこちら

2016年1月30日(土)、31日(日)

セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」の第3,4回目を開催しました。

「余白をDIY - 小さな建築を建てる」とした今回は、チームに分かれ、これまで考えてきた建築物を、いよいよ実際に制作する時間です。2日目には、ゲスト講師のNO ARCHITECTS・西山さんも駆け付けてくださいました。

前回との間に、講師のRAD・川勝真一さんと有志で予備設計作業の時間を設けました。この時間でアイデアがかなり具体的になったおかげで、必要な材料を用意して当日に臨むことができました。


「ラジオ収録ができるブース」

radio

閉塞感がないように、角材で作るスリット状のパーテーションになりました。カーブを描いていて、可動性があり、軽やかなデザインです。仕事や学校で建築に関わっている人が多く、安定感のあるチームでした。


12 x 60 x 4000 mmの平たい角材を2mにカットして、片面を黄色に塗装していきます。
必要数100本。その後は、間をつないでカーブを形作る短い材料を量産。ひたすら単純作業が続きます。
電動工具(丸ノコ、インパクトドライバー)、塗装道具(ハケ、ローラー)などの道具は、使い始める前に、川勝さんから丁寧なレクチャーがありました。ボタンを押せばすべてOK!ではなく、道具の役割や特徴を知って安全な使い方を覚えることがDIYの第一歩です。


どうやって角材をつなぐのか?川勝さんから、布を貼ってつなぐ方法のアドバイスがあって採用されましたが、DIYの最中でも悩みつづけている様子でした。上部のカーブをどのような曲線にするかも、実際にイスを置いてみて、座った時に顔がどのくらい出るのかをシミュレーションしつつ、慎重に考えました。「ラジオブース」だから、電波みたいなかたちにしよう!という楽しいアイデアも。


パーテーション関連の作業が多く、テーブルをどう作るかが後になっていましたが、量産した片面黄色塗装の材料を重ねて、小口が天面になる、個性的なデザインのテーブルが仕上がりました。余った材料を利用してその場のアイデアで作ってしまう、というのもセルフビルドの力がついてきた証、と言えるかもしれません。


「アナログゲームルーム」

radio

ゲームルームには、カードをめくりやすい天板のテーブルと、座りやすいイスが必須として考えていましたが、設置予定場所の北玄関が実はそんなに広くなかったことと、避難経路になっているために、真ん中に立派なテーブルを据え付けにすることはできないことに、予備設計作業時に気づきました。そこで、L字型のパーテーション兼棚のようなものを作って、いつでもテーブルとイスが出せるような場所にしよう、という発想の転換がなされました。
1日目は棚を作るための部材カットと組立てです。L字のパーテーションで、短い方(=テーブルの天板がしまえる壁)、長い方(=イスが収納できる棚)それぞれ構造が違うので、カットする材料も違います。


棚におさめるイスの作り方とサイズにたいへん悩み、かなりの時間をかけました。DIY初心者の手による棚は、どうしても縦横のサイズがまちまちで、そこに収納できるイスを作ろうと思ったら、その、サイズがまちまちのどの棚にも入るようなサイズを考えて作らないといけません。また、長時間、他のことを気にせずゲームに没頭できるように、疲れないイスの高さは何センチだろう??と、試し座りを何回もして、慎重に高さを決めました。


テーブル天板を収納する、短い方のパーテーションのパネルは、骨組みをほぼ組み立てたところで、かなり歪んでいることに気が付き、半分以上一度解体するという事態が起きました。木材の反りに注意しながら、どういう順番で組み立てるべきかをチームで話し合いながら再度組み立てていきました。

※もうひとつ「小商いができる受付カウンター」を制作する予定でしたが、当日の参加人数不足のため、上記2チームに混ざってもらうことにして、残念ながら制作は断念しました。



2日間とも時間を延長しましたが、なんとか最後まで仕上げることができ、1人ずつ感想を述べて、講師のお二人から総評をもらって終了しました。ふだんはなかなか機会のない、大きな構造物をつくること、チームでの作業が楽しく、達成感があった、感動した、という感想が複数ありました。クライアント(借り手)がいる状態で建築物を考えること、設計からやること、余白の利活用という視点を持つこと、といった経験も学びが大きかったようです。

本ワークショップのプログラムはこれでいったん終了となりますが、この後は、余白不動産の活用アイデアを出してくれた借り手による、実際の運用を試み、余白不動産を発端としたKIITO内のコミュニティ醸成を目指します。



セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」 
開催概要はこちら

2016年1月14日(木)

セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」の第2回目を開催しました。

「余白をデザイン - 建築家と設計する」とした今回は、グループに分かれ、余白の借り手のアイデアに応じた小さな建築の設計を行いました。


設計作業の前に、ゲスト講師のNO ARCHITECTS・西山広志さんから、これまでのお仕事のなかで、今回の企画に近い案件をご紹介いただき、設計のヒントをいただきました。
「ちびっこうべ」「OUR DIARIES」展など、KIITOで施工した案件も複数。ベニヤや角材など、ホームセンターで手に入る素材を用いて、L字のパーテーションで空間を区切るだけで、その周辺も含めた全体の空間づくりを行うなど、建築のイメージが広がるような事例を見せていただきました。

講師のRAD・川勝真一さんからは、昼と夜でどう見え方が変わるか、実際の組み立て方をどうするか、どうやったら空間のまとまりができるか、を意識してみること、が考え方のポイントとして示されました。

要望を建築の中に組み込み、どう作るかまでを設計する、というのを一連の流れで考えるのは、未経験者にとってはなかなか戸惑う作業だったかもしれません。
しかも今回の目標は模型を作るまで。高い目標、迫る時間に、まさに喧々諤々、という感じでどのチームでも白熱した議論が交わされていたように見られました。

借り手のうち、実際に来てくださった、アナログゲームルームをつくりたい遠山さんには、アナログゲームルームに欲しいスペック(カードをめくりやすい天板のテーブル、振り返りができるように天板を記録できるカメラを設置できる場所)など、その場で要望を聞いたり質問をしたりしながら進めました。

サイクルステーション案は、諸般の事情により、借り手:KIITOスタッフ、アイデア:小商いができる受付カウンターに変更に。近しい施工例といえる、余白不動産プロジェクトのプレイベント「YOHAKU PUB(参考:開催レポート)」を見てしまうと、「これでいいよね」とイメージがそれ以上広がらない、という壁にあたりましたが、サポートに入った建築科の学生さんたちと一緒に頭を悩ませながらなんとかイメージを作っていきました。


終了予定時間が大幅に過ぎましたが、なんとか、大枠のカタチまではイメージが作れたようです。このあと、実際に作るまでの予備設計作業をRADチームと有志で行い、次の回からは実際のDIY作業に移っていきます。


セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」 
開催概要はこちら

2015年12月10日(木)

セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」の第1回目を開催しました。

「余白をリサーチ - 余白の秘密を読み解く」とした今回は、講師のRAD・川勝真一さんによる、これまでの経緯と企画概要の説明、参加者自己紹介・チーム分け、余白物件巡り、借り手のアイデア紹介、を駆け足で行いました。


昨年度、KIITO館内の「余白」(未活用空間)を考えるワークショップとして、余白に「屋根」をかけてみました。今年度は趣向を変えた発展版として、「余白」を、様々なアイデアを実現するための「物件」として貸し出す「余白不動産」プロジェクトを展開するものです。
KIITOの3、4階にオフィスを構えるクリエイティブラボ入居者を中心に、「余白の借り手」と余白の活用アイデアを募りました。ワークショップの参加者は、そのアイデアを叶えるべく、「余白不動産・建築部」のメンバーとなって、それぞれの空間が持っている魅力を読み解き、その「物件」ならではの小さな建築をデザイン、DIYによる制作をおこないます。
ワークショップ参加者は、全4回のプログラムを通して、場所を使いこなすヒントや、場所をつくり変えるためのスキルを身につけることを目標とします。

余白活用や小さな建築の事例として、サンフランシスコで駐車スペースをレクリエーションや美化空間として活用する「Parklet」という試み、大阪の「ミズベリング」、ゲスト講師のNO ARCHITECTSの仕事の中で、小屋的な構造物が制作されたものなどが紹介されました。

途中、参加者のDIY習熟度チェックに、工具の名前当てクイズを行いました。インパクトドライバー、カンナなどです。見たことがあるけれど意外と名前を知らない、、、というものもあり、なかなか苦戦しました。
当てた参加者から自己紹介を行いました。学生から社会人、自分のお店を開く予定の方まで、さまざまな方が参加されていました。


説明や自己紹介の後に、川勝さんの先導のもと、余白物件巡りをしました。
ワークショップ開催前に、川勝さんとKIITOの施設管理担当者で、余白となっている場所を巡り、なぜ余白が生まれたのか?事前リサーチを行いました。そこで見えてきたポイントは4つ。

◆見えない規制線(避難、バリアフリー)
 ・・・日常的な利用のときには余白に見えるが、防火扉が開けるように、避難時の通路幅確保、など、非常時のために空けておかなければいけないスペースがある
◆みんなのものという罠(共用部)
 ・・・みんなのものだから、特定の目的で占有できないスペースがある
◆プラン変更に伴う表裏の反転
 ・・・生糸検査所を改装した建物を文化施設にリノベーションするにあたり、動線の変更が必要になり、もともと搬入用の通路だったところが玄関になったり、もともと玄関だったところが使えなくなったりしている
◆なんとなくダメという思い込み

巡った物件がどれに分類されるか、意識しながら見ていきます。


最後に、今回の「余白物件の借り手」とその活用アイデアを発表しました。

(1) 藤本智士さん(KIITOクリエイティブラボ入居者/編集者)「りすラジオ」
 ・・・ラジオ収録する場所とブースが欲しい
(2) 遠山敦さん(アーティスト)「アナログゲームルーム」
 ・・・ドイツゲームなどアナログゲームをみんなで集まって思いっきり楽しめる場所を作りたい
(3) 山本篤司さん(KIITOクリエイティブラボ入居者)「サイクルステーション」
 ・・・ロードバイクを安心して停められ、ちょっとメンテナンスしたり、サイクル好きが集まれるような場所を作りたい

工具当てクイズの正解者順でチーム分けを決めて、借り手ごとに制作する「小さな建築」のアイデアを考えてくることを宿題として今回は終了しました。

次回は、チームに分かれ、借り手の3組から直接詳しい要望をヒアリング、ゲスト講師のNO ARCHITECTSと一緒に、実際に作る、余白とその活用アイデアのための「小さな建築」を設計してみます。


セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」 
開催概要はこちら

ページの先頭へ戻る