お知らせ・レポート

セルフ・ビルド・ワークショップ

2017年3月19日(日)~25日(土)

「セルフ・ビルド・ワークショップ 生意気とつくるKIITOの庭 ~なかにわなかま vol.4~」を開催しました。

新館と旧館の間、カフェとKIITOホールに挟まれた空間にある小さな中庭を、アーティストユニット・生意気とともに作っていく本ワークショップ、今回で4回目の開催となりました。

今回は、「いつ来てもOK」という条件で、約1週間の生意気ファミリー制作期間中を通して参加者を募りました。これまでも、生意気ファミリー自体は1週間程度の日数をかけて中庭づくりをしてきたのですが、参加者と一緒に制作するのは最後のほうの1,2日間のみでした。参加のしやすさなどを考慮してのことです。ただ、これまで開催してきたようすを見ると、彼らが制作する1週間の日々の中で自然に触れる、その生活・思考・制作スタイルに、面白みや学ぶべきものがたくさん詰まっているという側面もあるので、その日々をみなさんも一緒に体験してほしい、と考え、募集の形式を変更してみました。


今回は「アースオーブン」がトラックに載ってやってきました。小さいカマクラのような形で、土や砂など、どこにでもあるものだけで作られたオーブンです。オーブンの壁の厚みは25センチほど、火を起こしているときに外側を触ってもそれほど熱くありません。漆喰壁を作るような方法で作られているそうです。作るものに合わせて熱を出すのではなく、熱を無駄にせず、最初に薪を燃やして獲た熱を利用して、窯の中の温度変化に従って、その温度に合ったものを調理します。野菜たっぷりのピザを焼いて、ピザの残り生地で明日の朝食のパンを焼いて、、、と、食べ物でも無駄がありません。

期間中は、古びてきた竹のタワーを解体して、新しい竹と組み合わせてテラスを制作したり、ブドウのつるの枯れた部分を取り除き、3年の月日で栄養不足になった土と、新しい土を混ぜたり、花が咲く植物や、実のなる植物をたくさん、植えたり、種を蒔いたりしました。古びた竹はアースオーブンの燃料にします。



「あるもんで」を合言葉に、センターの中にある「いらないもの」を探すツアーも行いました。年間を通してさまざまなイベントを行うので、その時に使った木材などが各種見つかり、探検のような楽しいツアーでした。
途中、雨が降ってアースオーブンに少しヒビが入りましたが、泥を塗って埋めて、簡単に補修ができました。


1週間の共同制作を経て、中庭には多角形の竹テラスが誕生しました。テーブルを囲んで座れる竹ベンチができたので、ここで休憩したり、ランチタイムが楽しめそうです。蔓状の植物用にネットが張られたので、夏には植物のカーテンになるでしょう。庇があるところにベンチも設置しました。


最終日は例年のごとく、人を迎えて、きれいになった庭を一緒に楽しむパーティを開催しました。手持ちのものにシルクスクリーンをするワークショップも同時開催。また、画材を持参して、テラスの中で写生をしている中高生くらいの参加者も。思い思いに中庭を楽しみます。ゲストにIMORI, Oni, Ma Cerise, Dochi Michiなど、生意気ファミリーと縁の深いミュージシャンたちを招いて、ライブを行いました。Everybody "E" bandという、みんながミュージシャンになるバンドによる演奏も!中庭の空間に響き渡る音楽はとても心地よいものでした。




期間中、講師と生徒として、教える・教わる、という関係でなく、一緒に生活するように、ものづくりに取り組んだり、思い思いの時間を過ごしたり、食事をしたりすることで、彼らの姿勢に触れることができました。
駐車場にトラックを停め、竹テントを据えて煮炊きをしたり、野菜を買うのに淡路島の八百屋さんに来てもらったり、アーティスト・ユニットなのに植物の植え替え??など、ちょっと聞くと驚くような要素の多い彼らですが、「普通」の生活と思っていたことを成り立たせるために、さまざまな無駄や抑圧があるようだ、彼らの、誰かや何かに負荷をかけず、自分たちで作って物事を楽しむ暮らし方って面白いかも、と、少しでも感じてもらえていればと思います。


「セルフ・ビルド・ワークショップ 生意気とつくるKIITOの庭~なかにわなかまvol.4~」
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2016年3月12日(土)

オープンKIITO2016のイベントの一つとして、東京のフリーペーパー専門店・ONLY FREE PAPER(以下OFP)によるイベントを開催しました。

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撮影:芦田博人

過去2回もオープンKIITOに合わせて開催し、「今読んでほしいフリーペーパー50誌」を展示・配布し、好評を得てきた企画ですが、今回は特別に、この日のために、OFPが2010年のオープン以来蓄積してきた、膨大な数のフリーペーパーアーカイブから、記憶に残る「ベスト100誌」を選出・展示する「FIVE YEARS-100 BEST FREE PAPERS by OFP」、というスペシャルコンテンツが加わりました。


今も発行が続いている人気のものから、廃刊となってしまったもの、くしゃっとしたゴミと間違えられそうな紙で作られたもの、などさまざまなフリーペーパーがNo.1~100にランク付けされて展示されました。100誌に選ばれたひとつひとつへの、松江健介オーナーによる熱いコメントがまとめられた解説書も合わせて配布しました。A4サイズ12ページものの、それだけでも読み応えのある解説書でした。

例年開催してきた「今読んでほしい50誌」の展示・配布コーナーでも、精選された50誌が並びました。じっくり選び、気に入ったフリーペーパーを両手いっぱいに抱えて持ち帰る来場者がたくさん。早々になくなってしまったものもありますが、多めに提供いただいたものは、引き続きライブラリに配架をしていますので、KIITO来館時には覗いてみてください。

終日、松江オーナーとスタッフの渡辺さんが会場に常駐くださり、来場者の好みに応じてフリーペーパーのオススメや情報交換も行われており、活気のある会場でした。フリーペーパー発行者自身の来場も多数あったようで、発行者側のコミュニケーションの場ともなっていたようです。

なお、今回、「ベスト100誌」展示をするにあたり、展示用のフリーペーパーラックが必要になったので、KIITOで1月に開催したセルフ・ビルド・ワークショップ「余白不動産-余白につくる小さな建築」でDIY技術を身に着けたワークショップ参加者に声をかけ、ワークショップ参加者有志でフリーペーパーラックを作る、という特別企画に挑戦しました。


ラックの設計と制作指導は、当該ワークショップにゲスト講師として参加したNO ARCHITECTS。土台に、KIITOに既にある小学校の机を利用して、計4台のラックを1日で制作しました。棚板が段違いなっていたり、45度になっていたり、バリエーション豊富で楽しいデザインです。イベントでも展示に花を添えてくれました。
イベント終了後は、館内でラックが必要な場所で再活用することにしました。これも来館時に出来栄えを見ていだたくことができます。


今回は、これまでの中で一番だったのではないか、というくらい絶え間なく来場者に恵まれ、フリーペーパーファンの多さ、フリーペーパー文化の豊かさを実感しました。KIITOでも引き続き、継続的なイベント企画・発信をしていきたいと考えています。


【オープンKIITO2016】ONLY FREE PAPERのオールタイムベスト100
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2016年1月30日(土)、31日(日)

セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」の第3,4回目を開催しました。

「余白をDIY - 小さな建築を建てる」とした今回は、チームに分かれ、これまで考えてきた建築物を、いよいよ実際に制作する時間です。2日目には、ゲスト講師のNO ARCHITECTS・西山さんも駆け付けてくださいました。

前回との間に、講師のRAD・川勝真一さんと有志で予備設計作業の時間を設けました。この時間でアイデアがかなり具体的になったおかげで、必要な材料を用意して当日に臨むことができました。


「ラジオ収録ができるブース」

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閉塞感がないように、角材で作るスリット状のパーテーションになりました。カーブを描いていて、可動性があり、軽やかなデザインです。仕事や学校で建築に関わっている人が多く、安定感のあるチームでした。


12 x 60 x 4000 mmの平たい角材を2mにカットして、片面を黄色に塗装していきます。
必要数100本。その後は、間をつないでカーブを形作る短い材料を量産。ひたすら単純作業が続きます。
電動工具(丸ノコ、インパクトドライバー)、塗装道具(ハケ、ローラー)などの道具は、使い始める前に、川勝さんから丁寧なレクチャーがありました。ボタンを押せばすべてOK!ではなく、道具の役割や特徴を知って安全な使い方を覚えることがDIYの第一歩です。


どうやって角材をつなぐのか?川勝さんから、布を貼ってつなぐ方法のアドバイスがあって採用されましたが、DIYの最中でも悩みつづけている様子でした。上部のカーブをどのような曲線にするかも、実際にイスを置いてみて、座った時に顔がどのくらい出るのかをシミュレーションしつつ、慎重に考えました。「ラジオブース」だから、電波みたいなかたちにしよう!という楽しいアイデアも。


パーテーション関連の作業が多く、テーブルをどう作るかが後になっていましたが、量産した片面黄色塗装の材料を重ねて、小口が天面になる、個性的なデザインのテーブルが仕上がりました。余った材料を利用してその場のアイデアで作ってしまう、というのもセルフビルドの力がついてきた証、と言えるかもしれません。


「アナログゲームルーム」

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ゲームルームには、カードをめくりやすい天板のテーブルと、座りやすいイスが必須として考えていましたが、設置予定場所の北玄関が実はそんなに広くなかったことと、避難経路になっているために、真ん中に立派なテーブルを据え付けにすることはできないことに、予備設計作業時に気づきました。そこで、L字型のパーテーション兼棚のようなものを作って、いつでもテーブルとイスが出せるような場所にしよう、という発想の転換がなされました。
1日目は棚を作るための部材カットと組立てです。L字のパーテーションで、短い方(=テーブルの天板がしまえる壁)、長い方(=イスが収納できる棚)それぞれ構造が違うので、カットする材料も違います。


棚におさめるイスの作り方とサイズにたいへん悩み、かなりの時間をかけました。DIY初心者の手による棚は、どうしても縦横のサイズがまちまちで、そこに収納できるイスを作ろうと思ったら、その、サイズがまちまちのどの棚にも入るようなサイズを考えて作らないといけません。また、長時間、他のことを気にせずゲームに没頭できるように、疲れないイスの高さは何センチだろう??と、試し座りを何回もして、慎重に高さを決めました。


テーブル天板を収納する、短い方のパーテーションのパネルは、骨組みをほぼ組み立てたところで、かなり歪んでいることに気が付き、半分以上一度解体するという事態が起きました。木材の反りに注意しながら、どういう順番で組み立てるべきかをチームで話し合いながら再度組み立てていきました。

※もうひとつ「小商いができる受付カウンター」を制作する予定でしたが、当日の参加人数不足のため、上記2チームに混ざってもらうことにして、残念ながら制作は断念しました。



2日間とも時間を延長しましたが、なんとか最後まで仕上げることができ、1人ずつ感想を述べて、講師のお二人から総評をもらって終了しました。ふだんはなかなか機会のない、大きな構造物をつくること、チームでの作業が楽しく、達成感があった、感動した、という感想が複数ありました。クライアント(借り手)がいる状態で建築物を考えること、設計からやること、余白の利活用という視点を持つこと、といった経験も学びが大きかったようです。

本ワークショップのプログラムはこれでいったん終了となりますが、この後は、余白不動産の活用アイデアを出してくれた借り手による、実際の運用を試み、余白不動産を発端としたKIITO内のコミュニティ醸成を目指します。



セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」 
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2016年1月14日(木)

セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」の第2回目を開催しました。

「余白をデザイン - 建築家と設計する」とした今回は、グループに分かれ、余白の借り手のアイデアに応じた小さな建築の設計を行いました。


設計作業の前に、ゲスト講師のNO ARCHITECTS・西山広志さんから、これまでのお仕事のなかで、今回の企画に近い案件をご紹介いただき、設計のヒントをいただきました。
「ちびっこうべ」「OUR DIARIES」展など、KIITOで施工した案件も複数。ベニヤや角材など、ホームセンターで手に入る素材を用いて、L字のパーテーションで空間を区切るだけで、その周辺も含めた全体の空間づくりを行うなど、建築のイメージが広がるような事例を見せていただきました。

講師のRAD・川勝真一さんからは、昼と夜でどう見え方が変わるか、実際の組み立て方をどうするか、どうやったら空間のまとまりができるか、を意識してみること、が考え方のポイントとして示されました。

要望を建築の中に組み込み、どう作るかまでを設計する、というのを一連の流れで考えるのは、未経験者にとってはなかなか戸惑う作業だったかもしれません。
しかも今回の目標は模型を作るまで。高い目標、迫る時間に、まさに喧々諤々、という感じでどのチームでも白熱した議論が交わされていたように見られました。

借り手のうち、実際に来てくださった、アナログゲームルームをつくりたい遠山さんには、アナログゲームルームに欲しいスペック(カードをめくりやすい天板のテーブル、振り返りができるように天板を記録できるカメラを設置できる場所)など、その場で要望を聞いたり質問をしたりしながら進めました。

サイクルステーション案は、諸般の事情により、借り手:KIITOスタッフ、アイデア:小商いができる受付カウンターに変更に。近しい施工例といえる、余白不動産プロジェクトのプレイベント「YOHAKU PUB(参考:開催レポート)」を見てしまうと、「これでいいよね」とイメージがそれ以上広がらない、という壁にあたりましたが、サポートに入った建築科の学生さんたちと一緒に頭を悩ませながらなんとかイメージを作っていきました。


終了予定時間が大幅に過ぎましたが、なんとか、大枠のカタチまではイメージが作れたようです。このあと、実際に作るまでの予備設計作業をRADチームと有志で行い、次の回からは実際のDIY作業に移っていきます。


セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」 
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2015年12月10日(木)

セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」の第1回目を開催しました。

「余白をリサーチ - 余白の秘密を読み解く」とした今回は、講師のRAD・川勝真一さんによる、これまでの経緯と企画概要の説明、参加者自己紹介・チーム分け、余白物件巡り、借り手のアイデア紹介、を駆け足で行いました。


昨年度、KIITO館内の「余白」(未活用空間)を考えるワークショップとして、余白に「屋根」をかけてみました。今年度は趣向を変えた発展版として、「余白」を、様々なアイデアを実現するための「物件」として貸し出す「余白不動産」プロジェクトを展開するものです。
KIITOの3、4階にオフィスを構えるクリエイティブラボ入居者を中心に、「余白の借り手」と余白の活用アイデアを募りました。ワークショップの参加者は、そのアイデアを叶えるべく、「余白不動産・建築部」のメンバーとなって、それぞれの空間が持っている魅力を読み解き、その「物件」ならではの小さな建築をデザイン、DIYによる制作をおこないます。
ワークショップ参加者は、全4回のプログラムを通して、場所を使いこなすヒントや、場所をつくり変えるためのスキルを身につけることを目標とします。

余白活用や小さな建築の事例として、サンフランシスコで駐車スペースをレクリエーションや美化空間として活用する「Parklet」という試み、大阪の「ミズベリング」、ゲスト講師のNO ARCHITECTSの仕事の中で、小屋的な構造物が制作されたものなどが紹介されました。

途中、参加者のDIY習熟度チェックに、工具の名前当てクイズを行いました。インパクトドライバー、カンナなどです。見たことがあるけれど意外と名前を知らない、、、というものもあり、なかなか苦戦しました。
当てた参加者から自己紹介を行いました。学生から社会人、自分のお店を開く予定の方まで、さまざまな方が参加されていました。


説明や自己紹介の後に、川勝さんの先導のもと、余白物件巡りをしました。
ワークショップ開催前に、川勝さんとKIITOの施設管理担当者で、余白となっている場所を巡り、なぜ余白が生まれたのか?事前リサーチを行いました。そこで見えてきたポイントは4つ。

◆見えない規制線(避難、バリアフリー)
 ・・・日常的な利用のときには余白に見えるが、防火扉が開けるように、避難時の通路幅確保、など、非常時のために空けておかなければいけないスペースがある
◆みんなのものという罠(共用部)
 ・・・みんなのものだから、特定の目的で占有できないスペースがある
◆プラン変更に伴う表裏の反転
 ・・・生糸検査所を改装した建物を文化施設にリノベーションするにあたり、動線の変更が必要になり、もともと搬入用の通路だったところが玄関になったり、もともと玄関だったところが使えなくなったりしている
◆なんとなくダメという思い込み

巡った物件がどれに分類されるか、意識しながら見ていきます。


最後に、今回の「余白物件の借り手」とその活用アイデアを発表しました。

(1) 藤本智士さん(KIITOクリエイティブラボ入居者/編集者)「りすラジオ」
 ・・・ラジオ収録する場所とブースが欲しい
(2) 遠山敦さん(アーティスト)「アナログゲームルーム」
 ・・・ドイツゲームなどアナログゲームをみんなで集まって思いっきり楽しめる場所を作りたい
(3) 山本篤司さん(KIITOクリエイティブラボ入居者)「サイクルステーション」
 ・・・ロードバイクを安心して停められ、ちょっとメンテナンスしたり、サイクル好きが集まれるような場所を作りたい

工具当てクイズの正解者順でチーム分けを決めて、借り手ごとに制作する「小さな建築」のアイデアを考えてくることを宿題として今回は終了しました。

次回は、チームに分かれ、借り手の3組から直接詳しい要望をヒアリング、ゲスト講師のNO ARCHITECTSと一緒に、実際に作る、余白とその活用アイデアのための「小さな建築」を設計してみます。


セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」 
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2015年8月27日(木)

セルフ・ビルド・ワークショップ KIITOの余白活用実験2015「余白不動産」プロジェクト 第0号物件となる「YOHAKU PUB」vol.2を実施しました。

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KIITO内の「余白」(未活用空間)活用アイデアを引き出すべく、6月に開催したYOHAKU PUB。2度目の開催ということで、前回から場所を変え、クリエイティブラボスペースが集まる4Fの廊下の角で、施設管理関連の機械室への通路確保のために広く空いている空間にしました。

前回制作したカウンターに加え、開催場所の目の前にあるクリエイティブラボ・ティーハウス建築設計事務所が制作したベンチをお借りして設置し、客席を増やしました。


KIITOは広大な建物なので、廊下など共用部分にまでは空調が入っておらず、季節の寒暖がそのままあらわれます。前回の6月実施時は気になりませんでしたが、今回は8月末の蒸し暑さが、来場者に汗をふきださせていました。YOHAKU PUB開催地を含め、他の「余白」候補地のほとんどは空調がなく、今後の「余白不動産」実施時の課題のひとつとなりそうです。

YOHAKU PUBは今回で終了です。これから年内に余白物件貸出、活用へと進んでいきます。
2回のヒアリングを経て、圧倒的に多かったのは、「休憩したい」「おいしいものが食べたい」という欲求に関わるアイデアでした。多くの時間をKIITOの中で過ごすクリエイティブラボ入居者にとっては、切実な思いですね。これらはうまく余白活用につながっていくでしょうか?


セルフ・ビルド・ワークショップ「余白不動産」プロジェクト 第0号物件 YOHAKU PUB
vol.1:開催概要レポート
vol.2:開催概要

2015年8月1日(土)

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「セルフ・ビルド・ワークショップ 生意気とつくるKIITOの庭 ~なかにわなかま vol.3~」を開催しました。
KIITOには新館と旧館の間、カフェとKIITOホールに挟まれた空間に、小さな中庭があり、2013年度から1年に1回、アーティストユニット・生意気を迎えて、中庭づくりのワークショップを行ってきました。今回は3回目の開催です。
生意気は2人組ですが、その都度、さまざまな得意を持つ仲間と一緒に「生意気ファミリー」を編成し、各人の得意を活かしながら、庭をつくりあげていきます。今回は何と総勢13人の大所帯でやってきました。

生意気ファミリーは、ワークショップ当日より数日前にKIITO入り。事前準備の制作を行いました。
今回は、以前に植えたブドウの木がすくすくと成長し、実をつけてきたので、つるがきれいに伸びてまとまるように、ブドウタワーのリニューアルを中心に作業しました。真竹を何本も搬入し、ちょうどよい大きさにカット。それまで使われていた竹は、一年以上雨風にさらされて、弱っているため、楽器の一部に再利用しました。また、鉢植えから幅を利かせていた雑草を取り除き、きれいに剪定して、土を増やして植え替えました。


ワークショップ当日は、前回に続き参加のリピーター、家族連れ、KIITOクリエイティブラボ入居者など、さまざまな層の方が参加してくださいました。

今回も、参加者のためにメニューが用意されているのではなく、作業工程の中で、自分がやりたいことを見つけて一緒に取り組みます。ブドウのつるがきれいにタワーに絡むように、ブドウタワーの天井にあたる部分に、ヒゴをアーチ状にくくり付ける作業、ブドウタワーの高床を仕上げる作業、パーティのための楽器演奏、などを行いました。


フタがなくなって使い道のなくなった金庫を利用したオーブン作りと、それを利用したクッキー作りを予定していましたが、日差しが強いとても暑い日だったので、今回は見送りました。
代わりに生意気から発案されたのが、氷の器でつくるフルーツポンチ。神戸市内の氷屋さんから入手した大きな氷の固まりに、ノミでくぼみをつくって、最初はかき氷を楽しみました。その後はカットしたフルーツを入れてフルーツポンチに。炎天下の中ということもあり、とても好評でした。

今回のプログラムでは、ワークショップの後に、ワークショップ参加者以外も参加できるパーティの時間を設けて、自分たちできれいにした中庭を実際に活用して楽しむまでができるプログラムにしました。


ワークショップからパーティに移行する間で、楽器作家のエルサリさん、ウォン・ジクスーさんが、少しずつ音を出しながら演奏の準備をして、雰囲気を作っていきました。
パーティでは生意気による特別フードも振舞われ、演奏を楽しんだり、エルサリさんと子どもたちによる竹の楽器の即興オーケストラがはじまったり、なごやかな空気で、新しくなった中庭を楽しみました。

参加者同士の交流も自然に生まれ、中庭からはじまるコミュニティの芽を見て取ることができ、会話の中で、またやりたい、今度は○○をしよう!など、アイデアも次々と生まれていました。
今後も継続開催し、中庭空間をよりよくしていくこと、中庭を起点としたコミュニティの醸成を目指します。


「セルフ・ビルド・ワークショップ 生意気とつくるKIITOの庭~なかにわなかまvol.3~」
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2015年6月19日(金)

セルフ・ビルド・ワークショップ KIITOの余白活用実験2015「余白不動産」プロジェクト 第0号物件となる「YOHAKU PUB」を実施しました。

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KIITOクリエイティブラボ入居者から、KIITO内の「余白」活用アイデアを引き出すべく、まずは企画者のRADが、「余白不動産第0号物件」として、1階エレベーター脇のくぼみを使って、一日限定のYOHAKU PUBをオープンさせました。

KIITOにあった、催事などで使用し残っていた半端なサイズのベニヤ板や角材を利用して、3時間ほどでカウンターを制作。席数4の極小PUBです。

金曜の夜とあって?途切れなく入居者の来訪に恵まれ、「卓球スペース」「チャレンジショップ」など、おもしろくなりそうな余白活用アイデアが聞けました。


PUBはもう1回開催予定。
その後、入居者主導のもとに、このような余白活用を実現させるのが目標です。
どんなアイデアが実現するのか?今後もレポートしますので、お楽しみに。


YOHAKU PUBについてはこちら

2015年3月21日(土)、22日(日)

KIITOの建物は、様々なタイミングで用途が変わり改修工事が行われてきた経緯があるため、新築の公共施設とは異なり、用途が明確に定められていないエアポケットのような小さな空間が随所に存在しています。今回はそうした空間に着目して、現状調査と活用案の作成、そして実際に設置するところまで取り組むワークショップを開催しました。

建築リサーチチーム「RAD」をファシリテーターに迎え、コラボレーターとして、魚谷 剛紀(建築家)、KUAV(北川 浩明・建築家+内柴 有美子・服飾デザイナー)、松本 崇(建築設計)の三者に講師を務めていただきました。


RADの川勝真一さんにより、ワークショップの概要説明とレクチャーがあった後、グループに分かれて、KIITOの内部空間を実地調査しました。気になる空間を見つけたら、「調査票」を作成。空間の性質を「明るさ」「広さ」「開放度」などの項目ごとに五段階評価し、活用されていない理由、空間の魅力や欠点を書き込み、空間のスケッチや写真などと共に、一枚のシートに纏めていきました。

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「調査票」をたくさん作り、活用可能性のある空間が一覧できるようになったところで、グループごとに一つの空間を選定し、空間の潜在力を引き出すためのアイデアを話し合いました。



その後、図面や材料を持ち寄って、構造物の試作を行い、実際に設置しました。
同年3月28日に実施した「オープンKIITO 2015」では、構造物を公開し、来場者に活用いただいただけでなく、ワークショップ中にリサーチした全ての空間に、さながら作品解説を添えるように「調査票」を設置し、通常の施設利用では通り過ぎてしまいがちな空間に目を向ける人を増やし、新たな活用アイデアが生まれる機会を創出しました。


ワークショップ成果の構造物(各説明文は、参加チームによる)

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Silk Machine(シルク・マシン)
コンセプト:
KIITOの歴史、空間に関係しつつ、現状の空間の感じ方を変え、子どもから大人までが居場所を感じられるようなモノ。KIITOに今も残る古い家具、時計、照明と呼応するように、生糸検査に使われていた機械部品の組み合わせでできた四分の一の球体構造が「室礼」の一部となる。構造体から落ちるカラフルなシルクが空間に明るさと柔らかさを与える。

この余白を選定した理由:
通路としては幅、高さがあり、エントランスホールになりうる予感をもった空間ではあるが、
情報版と古い時計、照明しか室礼がなく、通過空間になっていたため。


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ひとひらの屋根
コンセプト:
中庭を通して船の帆のようにも見える。廊下からは庇(ひさし)のようにも見える。下から眺めると繭の断片のようにも見える。場所や距離によって違う表情を見せるこのひとひらの面をつくることで、その下だけに留まらない領域を示すことが出来ないかと考えた。

この余白を選定した理由:
現状の一階の北側エリアは、人があまり立ち寄らない場所となっているが、行き止まりの地下への階段や旧北玄関など、面白い場所がある。その中でも、この殺風景で面白みのない余白に手を加えることで、他の場所もより良く見えるのではないかと思った。


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縁/側
コンセプト:
廊下の一部のはずなのにやけに四角く広く開けたスペース。そこにはトップライトもあり明るいけれど、すぐ前には出入り口があってたたずむには落ち着かない。そこに角から突き出した、縦にも横にも斜めなかたちの母屋と垂木でできた(けれど柱がない)屋根によって、縁側のような場所を作りました。

この余白を選定した理由:
多くの人の目に付く場所。最上階ゆえにトップライトを持ち、けれどそれの位置が生かされていない。廊下にしては広すぎる、けれども廊下としてしか利用されていない。といった矛盾を孕んでいた点に可能性を感じました。


セルフ・ビルド・ワークショップ KIITOの空間活用実験
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2014年6月7日(土)




KIITOの開設以来、注目されずにヒッソリと息をひそめていた中庭。2013年度の秋に中庭づくりのワークショップを開催して以来、来館者やクリエイティブラボ入居者のコミュニケーションの場としてこの場を活用し始め、半年あまりが経ちました。この間、中庭に設置している数多の植木鉢では多彩な植物がのびのびと成長し、雑草抜きや掃除などのメンテナンス作業を、ワークショップ参加者有志とともに行うなど、人が集う場として機能してきました。
この日は中庭づくりのワークショップ第2弾として、再びアーティスト・ユニットの生意気を招き、土作りや植物の取り扱い、楽しい場作りの手法・姿勢を学びました。

 

このワークショップでは、参加者のための特別なメニューが用意されているのではなく、作業工程の中で、自分のやりたいこと、すべきことを見つけて取り組んでいきます。今回は、植物のメンテナンスとさらなるブラッシュアップの作業が中心となりました。
ホーリーバジルやキュウリ、ゴーヤなどの、食べたりお茶にして飲んだりなどができる身近な植物を選び、姫路のリビングソイル研究所より取り寄せた、やわらかく良質な土を植木鉢に移し替え、苗を植えました。また、成長し大きくなりすぎたアロエの株分け作業を行いました。作業でお腹をすかせた参加者にふるまうおやつと飲み物づくりも大切な仕事です。

 
中庭の視覚的なアクセントでもあり、子どもの遊び場にもなる竹のテラスを制作しました。この日はご家族でご参加くださった方も多く、仕上げの柵づくりを、ロープの使い方を教わりながら夢中で作業する子どももみられました。
また、同日開催のKIITOマルシェに出店いただいていた楽器作家のエルサリさんによる、子どもオーケストラが突発的に始まり、竹で作った笛や、空き缶で作ったマスカラなどで音楽が奏でられました。その様子に影響された子どもたちが、即興で竹をたたいて演奏し始めるなど、それぞれが思い思いの時間を過ごす場面もみられました。

今回のワークショップは、前回にくらべ、子どもたちの参加が多かったり、即興演奏を行ったりなど、作業だけではなく、この場を活用してどのような楽しみ方ができるかを実験する場ともなりました。今後も「なかにわなかま」として、中庭作りとコミュニティを継続していく予定です。ぜひご参加ください!

1枚目・2枚目写真:片山俊樹

「セルフ・ビルド・ワークショップ 生意気とつくるKIITOの庭~なかにわなかまvol.2~」
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