お知らせ・レポート

<営業日時>
火~金 11:30~18:30
土   11:30~14:30 ※その他、臨時営業あり

<臨時営業・休業等>
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10月29日(日) 11:30-14:30 臨時営業
11月9日(木) 貸切利用のため17:00までの営業
11月24日(金) 貸切利用のため17:30までの営業
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KIITO BAR:11月17日(金)18:30~21:30






<問合せ>
TEL:078-599-9199(7/11よりこちらの電話番号に変更になっています) ※旧番号)078-385-4791
MAIL:cafe@kiito.jp
住所:神戸市中央区小野浜町1-4 デザイン・クリエイティブセンター神戸 1F

下記の場所にて個人の方を対象にKOBE Free Wi-Fi(無料公衆無線LANサービス)をご利用いただけるようになりました。
どうぞお気軽にご利用ください。

1. 利用開始日
2017.3.1(水)9:00から

2. 設置場所
1F:+クリエイティブスタジオ、中庭南側ロビー、KIITOホール、ギャラリーA・B、カフェ
2F:生糸検査所ギャラリー、ライブラリ、ギャラリーC
3F:301、302、303会議室
※電波伝搬の状況により上記場所内であっても利用できない場合があります。
※レンタルスペースでのご利用は別途施設利用申請が必要です。

3. デザイン・クリエイティブセンター神戸公衆無線LANサービス利用規約について
必ず、利用規約をお読みになり、ご了承のうえ、ご利用ください。

デザイン・クリエイティブセンター神戸公衆無線LANサービス利用規約(2017.03.01制定)

ご利用の方法については、こちらをご覧ください。

2017年10月7日(土)~22日(日)まで、KIITOを会場に「つながる食のデザイン展」を開催しました。神戸の料理人、酪農家、販売者などの思いや描く夢を、神戸を拠点とするさまざまなクリエイターが、体験や映像、写真などで表現した展示物がKIITOホールに並びました。食をテーマとしているが、食べられない展覧会です。KIITOの建物にも告知チラシやポスターのデザインが装飾され、いつもとは少し雰囲気の違う様子を演出しました。会場に入ると、蛍光オレンジのラインが目に入ります。

 
味覚を体験するもの、牧場で取り組む循環の仕組みを学ぶもの、1つのパンができるまでを詳細に紹介したものなど11個のコンテンツがKIITOホール、ギャラリーAのスペースに展示しました。

 
【味覚の不思議、再発見】パティスリー モンプリュ・林周平さん(シェフ)×DESIGN HERO・和田武大さん(デザイナー)
普段あまり意識しない味覚の繊細さや違いを体感する展示となりました。3種のチョコレートを試食し、甘味、酸味、苦味を表すカラーボールを感じた比率で試験管に入れていくというものです。「最後に少し酸味を感じた」「どれも苦いぞ」など感じ方はそれぞれです。味覚を評価した試験管を持ち、展示の裏に回ると、他の体験者の試験管がたくさん並んでいます。その横に自分の試験管を並べ比べます。「えっ!こんなにみんな違うの?」という感想がほとんどでした。家族でも味覚の感じ方が異なり、たくさんの発見や気づきがありました。

 
【あえて聞きたい/答えたい、食の疑問】出展者:ケルン・壷井豪さん(シェフ)×神戸芸術工科大学・曽和具之さん(ドキュメンタリスト)
生産者、消費者、農家など、日常生活では接点の少ない様々な立場の人たちが、9月にKIITOに集まり、食について知りたいこと、疑問に思うこと、伝えたいことについて垣根を超えて話し合い、多く疑問をぶつけあいました。その様子を映像にまとめ、会場で上映しました。生産者が知ってほしいこと、消費者が知りたいことなど、普段なかなか伝わらずにもどかしく思っているそれぞれの本音をぶつける様子見られます。熱心に鑑賞される方も多くみられました。

 
【牧場からはじまる、もうひとつの未来】弓削牧場・弓削忠生さん(酪農家)×DML・久慈達也さん(デザインリサーチャー)
神戸市北区、住宅街に隣接した牧場が進める“無駄のない実践”から、エネルギー需給に留まらない「食の循環社会」について展示で紹介しました。牛1頭から取れるメタンガスや実物の消化液も展示され、消化液は実際に匂いを嗅ぐこともできました。恐る恐る鼻を近づける来場者も。匂いは牛糞のようではありません。消化液を使って育てられた、実際の農作物も展示しました。消化液を活用し、量産や流通を目的としない、学校や地域、家庭での菜園にて在来作物を育てる未来図も示しました。

 
【豚まん、100年の洗練】老祥記・曹英生さん(シェフ)×神戸芸術工科大学・曽和具之さん(ドキュメンタリスト)
創業100年を超える神戸南京町の豚まん屋「老祥記」の厨房の様子を撮影した映像を上映しました。メニューは豚まん1つです。普段あまり見ることのない、1日に1万3000個つくられる店内で熱気立ち込める中繰り出される洗練された職人技と無駄のない協働作業をまとめました。何度も映像を見られる方も多く、職人の動きや独特のリズムに興味を持たれたようです。

 
【ゴカンノキオク屋-飲食店が子どもたちを見守る寺子屋のようになれる未来-】玄斎・上野直哉さん(シェフ)×KUUMA inc.・濱部玲美さん(クリエイティブディレクター)×Apartment film・野田亮さん(映像作家)
まちのなかの飲食店は、食を提供する以外に、子どもたちを見守り、五感をくすぐる場所になれないだろうかという上野さんの思いに対し、実験として子どもたちが開店前の仕込みの時間に飲食店を訪ね、料理人の手さばきや仕草、店内のにおいや音、手触りなど観察を行い、その様子を映像やパネルで紹介しました。子どもたちが店内で感じたこと、発した言葉や動きなどを通して、大人も感じることが多かったようです。

 
【ひとつのパンができるまで】PAINDUCE・米山雅彦さん(シェフ)×NO ARCHITECTS・西山広志さん(建築家)
お店に並ぶパンを見ただけでは、想像することの難しい、原料からパンができるまで、生産者から購入者の手に渡るまでを、原料そのものや細かな工程をイラストで描き紹介しました。関わる人や時間、コストなども詳細に描かれています。1つのパンに必要な小麦の本数は120本。実際に小麦が並び、来場者も大変驚いていました。また砂糖、塩などもイラストで工程が描かれており、じっくりと鑑賞される方が多く見られました。

 
【不便から生まれるコミュニケーション】サ・マーシュ・西川功晃さん(シェフ)×MuFF・今津修平さん/KUAV・北川浩明さん(建築家)×Apartment film・野田亮さん(映像作家)
神戸北野にあるパン屋さん、サ・マーシュの店内を舞台に、Inconvenience(不便)=Communication(コミュニケーション)をキーワードに、売り場でのコミュニケーションのあり方を実験する様子を巨大な写真で展示しました。便利さを求めるあまりにそぎ落とされてしまっているコミュニケーションの重要性や、そこに生まれる付加価値について、来場者が改めて考える機会を生みました。

 
【知っているようで知らない野菜のはなし】はっぱや神戸・加古憲元さん/加古祐樹さん(農産物販売)×坂下丈太郎さん(カメラマン)
野菜を育てる人の手や道具、田畑の美しい様子や野菜が咲かせる可愛らしい花など、普段目にしている野菜の「知っているようで知らない」一面を、フィルムカメラに収めた大小さまざまなサイズの写真とちょっとしたエピソードともに展示しました。来場者はスーパーなどに並ぶ前の野菜の姿を見て、「こんな環境で育っているのか」「オクラって上を向いて育つの?」など気づきがたくさんあったようです。

 
【Experimental Tables 食べる「かたち」の実験室】anonyme・加古拓央さん(シェフ)×DESIGN SOIL(デザインコレクティブ)
食べる行為の舞台となるテーブルのまだ見ぬ可能性を探るためのアイデアテーブルを展示しました。加古さんが普段感じている様々な疑問や思いに対し、DESIGN SOILの学生たちがアイデアを検討した4つのテーブルと高さをスタディするもの、計5点が並びました。各テーブルを体験することもできるため、来場者も実際にテーブルを体験しながら食事をする際のマナーや意識を考えるきっかけが生まれていました。

 
【シニアから始めたパンづくり】
2015年KIITOで開催された「LIFE IS CREATIVE展」で生まれた、シニア男性チーム「パンじぃ」を紹介する展示です。神戸のパン職人から本気でパンづくりを学び、地域などで活躍している様子の写真や実際に使用している道具を並べました。会期中2日間は、実際に会場でパンじぃがパンを焼き、来場者に振舞いながら、パンじぃとしての思いや今後の夢について語りました。「うちの夫もパンじぃになってほしい」など彼らの活動に興味を持った方が多かったです。

 
【KIITOでつながる食のプロジェクト】
これまでKIITOで行った食にまつわるさまざまな企画をチラシや映像で紹介しました。食について共同で学ぶ食ゼミ、シェフや生産者によるトークイベント、シェフとクリエイターのコラボレーションによるパーティ企画「Meets+Design」など、「つながる食のデザイン展」につながった事業が分かります。「このチラシ見たことある」「これ、以前参加した」などの声もありました。

来場者の方は、食べることだけではない視点や考えに触れ、普段の生活の中から様々な気づきが生まれたようです。会期中に開催した「つながる食の連続トーク」も好評で、展示に至るまでの過程やエピソードなど、より深く食を知り、学ぶ機会をつくることができました。食を通してより豊かな神戸のまちにつながっていくことを願っています。

写真:片山俊樹


「つながる食のデザイン展 食べることから、はじまる」
会期:2017年10月7日(土)-22日(日)※休館10月10日(火)、16日(月)
会場:デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)1FKIITOホール、ギャラリーA
主催:デザイン・クリエイティブセンター神戸
特別協力:AnyTokyo
企画協力:田中みゆき
後援:NHK神戸放送局、Kiss FM KOBE、神戸市教育委員会、神戸新聞社、サンテレビジョン、ラジオ関西


デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2017年12月から開催する「+クリエイティブゼミvol.26 高齢社会編 “風の人”になるための“種”の作り方を学ぶ実践ゼミpart.1 『パンじぃ、洋裁マダムにつづく、高齢者がワクワクできるプログラムを考える』」についてプレスリリースいたします。

プレスリリースはこちら(PDF)


>イベントページはこちら

+クリエイティブゼミvol.26 高齢社会編 “風の人”になるための“種”の作り方を学ぶ実践ゼミpart.1

2017年8月からスタートした「ちびっこうべ学校|食|接客を学んで、1日限定のオープンカフェの店員になろう」の成果発表として、11月3日(金・祝)に大丸神戸店を会場に「ちびっこうべカフェ」を開催しました。参加したこどもたちは、大丸神戸店の教育係の方から、接客用語や振る舞いについて学び、KIITOカフェで実習も行いました。また家でも接客用語など何度も練習をしてきたこどももいます。

 
 
会場は大丸神戸店の北側の外廊で、天気も良く過ごしやすい陽気でした。参加しているこどもは16名で、前半と後半に分かれて接客を行いました。オープン前から行列ができていました。こどもたちも少し緊張気味でしたが、はじまると今までの研修や実習以上に大きな声で丁寧接客を行い、とても頼もしい様子でした。

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カフェのメニューはパン2種類とドリンクのセットです。パンは、「パンじぃ」と呼ばれるシニア男性チームが作りました。2015年にKIITOで開催した「LIFE IS CREATIVE展」から生まれたチームで、イベントなどでパンを焼き提供しています。今回はカボチャをベースに、チーズとチョコレートの2種類のパンを焼きました。お客様が焼き立てを食べられるよう、朝から準備をして一生懸命焼きました。
パンじぃのロゴマークが完成し、おそろいのオリジナルエプロンもつくりました。エプロンは、同じくKIITOの事業から生まれた洋裁マダムの皆様に制作いただきました。

 
 
こども店員は、接客だけでなく、お客様が帰られた後すぐにテーブルの上を片付け、次のお客様用の準備をしたり、提供するドリンクを作ることもしました。お客様もこども店員の一生懸命なおもてなしに感激されている様子でした。満席の状態になるなど会場は終始にぎわっていました。

あっという間に終了時間となり、こども店員も疲れているのかと思いましたが、「もっと接客をしたい」とまだまだこども店員といて働きたかったようです。
終了後の振り返りでは、「メニューを運ぶ際にドリンクがこぼれないように注意した」「お客さんの喜んでもらえて良かった」「笑顔で大きな声を出せた」「大きくなったらカフェ店員になりたい」などそれぞれ思いを語ってくれました。

 
 
最後に大丸神戸店さんから修了書とバッジが手渡され、みんなの頑張りをほめていただきました。
こども店員の皆様大変お疲れ様でした!またこのような機会がつくれればと思います。

写真:坂下丈太郎

ちびっこうべ学校
店員研修①レポート
店員研修②レポート
パンじぃ

2017年9月30日(土)~10月22日(日)

石塚まこ「ちいさな世界を辿ってみると」(KIITOアーティスト・イン・レジデンス2017 報告展)を開催しました。

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ストックホルムとパリを拠点にする作家が、2017年5-6月と9-10月に神戸を拠点にリサーチや行いました。その「成果」ではありませんが(※アーティスト・トークのレポートを参照)、期間中に行ったリサーチや、作家なりのKIITOの場所性・歴史の解釈などが織り込まれた「報告」としての展示です。

会場は、カフェの北側、中庭の北側、中庭南、と、固有の名前がなく、ふだん展示会場としては使われていない通路のような空間です。避難経路として空けていますが、利用者の動線には入らないので、ほぼ人が立ち入らない空間です。KIITOは、もともと生糸検査所として建てられた建物をリノベーションしているので、用途変更や改装の過程で、このような空間がいくつか生まれています。
それらの未活用空間が、展示ケースが置かれ、作品が配置されたことにより、見ごたえのある美術展の会場に変貌していました。展示什器も、生糸検査所時代の机やケースが用いられ、隣接するカフェとの親和性が高い展示になっていました。

左:《同じ青い空の下で Under the same blue sky (version 2016)》 2009- 、プロジェクト/ インスタレーション (写真、レーザープリントシール)、 《ルーツと異文化体験に関する思考のスケッチ》2017、オブジェクト/ インターベンション(世界各地の置物)、右:《同じ青い空の下で》(一部)

左:《星たちと月たちと太陽たちと(穏やかな世界) Stars, Moons and Suns (pacific world) 》2011/2016、インスタレーション(紙、オイルパステル)、右:《ポスト・カード プロジェクト Post-Card project》2007-、プロジェクト/ インスタレーション(ポストカード)

展示は、旧作から本展のために選ばれた数点と、「コレクティブ・アクト」の「おすそわけ」の資料(※同レポート参照)、本展で実現されなかったプランのスケッチ、作品のようなノート、随筆など、多岐にわたる内容で構成されていました。中庭南の窓に直接描かれたマインドマップのようなドローイングは、神戸でのリサーチが反映されている作品です。本展の展示設営期間中に描かれました。

右:《知恵とレシピのおすそわけ 『コレクティヴ・アクツ』『種の循環』『共生の儀式』『ゼロから』より》 2008-2014、プロジェクト(一部)

《ちいさな世界を辿ってみると》 2017、ドローイング/ インターベンション(マーカー)

本展は視覚的な作品展示以外にもさまざまな試みがなされていました。
会期中の週末に、KIITO CAFEとコラボレーションし、作家が友人から集めた世界各地の「おふくろの味」といえる煮込み料理を特別メニューとして提供しました。メニューはティガデゲナ、ムサカ、フェジョアーダ、バルシチ/ボルシチ。メニューを注文すると、そのメニューの解説や、レシピをくれた友人のこと、作家の随筆が書かれたカードがついてきます。


また、会場には、作家に代わって作品にまつわる物語を来場者に伝える「ストーリーテラー」が常駐し、来場者の都合に合わせた長さで作品の説明を行いました。ストーリーテラーの目印は、アフリカの布で作られたエプロンです。ストーリーテラーの橋渡しにより、「理解が深まった」と多くの来場者から好評を得ることができました。実験的な試みの多い本展でしたが、来場者一人一人に作品の物語や試みがもたらす気づきの種を届けることができたのではないかと思います。


写真:大島拓也(最後の2点を除く)

石塚まこ「ちいさな世界を辿ってみると」(KIITOアーティスト・イン・レジデンス2017 報告展) 開催概要

2017年10月21日(土)
「カレーライスを一から作る」先行上映+トークイベントを開催しました。

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元町映画館との連携企画として、「つながる食のデザイン展」の開催期間中に、同じ「食」を扱うドキュメンタリー映画「カレーライスを一から作る」を映画館での上映に先駆けてKIITOにて上映、さらに関野吉晴さんと前田亜紀監督、同時期に展覧会を開催する石塚まこさんの三者でトークを行いました。

映画は、武蔵野美術大学で行われた関野さんのゼミを追いかけたもの。コメも野菜も香辛料も、タネを入手するところから初めて一から育て、肉も鳥を飼育して屠るところまでを行い、文字通りカレーライスを「一から」作っています。回を重ねるごとにゼミの参加者が減ったり、鳥がうまく育たなかったり、育てるうちに屠りたくないと言う学生があらわれたり、とさまざまな壁にぶつかるようすが映像に収められており、いのちとは、食べることとは、を考えさせられる映画です。

KIITOアーティスト・イン・レジデンス招聘作家として展覧会を開催中だった石塚さんも、奇しくも当初は「カレー」が神戸での制作・リサーチのキーワードとして挙げられており、また、作品や、制作過程でつづられるノートの中にも、ものごとの起源や来歴へのまなざしを感じられることから、トークに登壇いただくことになりました。

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トークは、前田監督に進行いただき、映画のテーマや撮影前後のエピソード、教育の現状など、さまざまな話題に及びました。

映画ではいのちの話が大きなテーマとして受け取れますが、本来、関野さんのゼミは、いのちが主題だったわけではなく、一からものを作るといろいろな気づきがある、ということがテーマなのだそうです。開催年によって作るものも違うし、参加する学生によって展開も変わってくる。映画になった2年目のゼミで、たまたま屠りたくない、という人が出てきたので、「いのちになっちゃった」のだそうです。
前田監督は、すべてを撮り終えたときに、すごく心に残っていたのが、関野さんの「植物にだって命はある」という、命に対する定義を考えさせられる言葉で、それを一番大事にするように作ることを考えたとのこと。

関野さんに言わせれば、植物も、口の中の微生物も命。ゼミの中で彼らが嬉々としてやっていた、稲刈りやウコン・しょうがの収穫も、それらを殺すことなのに、動物を屠るときだけ、悲壮な顔をする。ほんとうにいのちを奪いたくないと思うなら、抗生物質も飲めない。たくさんの死の上になりたっている社会に生きているのに、そこまで思いが至らない。生態系全体を考えるようにしたい、と。認識が新たになるお話でした。

ゼミの本来のテーマ「ものを一から作る」に関して、関野さんは、みんな一からものを作るということをやっていない、と指摘します。ゼミが開講されている美術大学でも、彫刻科は木の伐採をしたことはないし、テキスタイルやファッションの科でも桑や蚕は育てたことがない。なんでもいいからひとつ、調べるだけでも、それを作ることで何が起こっているか、誰が利益を得ているか、社会が見えてくる。「一から」の過程で学ぶことは本当にたくさんあり、それを経験することで自分の引き出しが増えるのです。関野さんは、この映画は小中学生に観てほしい、このゼミ自体、ほんとうは小中学生がやるものだとよく話すそうです。
しかしながら、現在の日本の教育現場では、センシティブな親も多く、なかなか難しいようです。
学生も、どんどんセンシティブになっているようです。10年前なら「生を全うさせたい」という学生は出てこないだろう、と。
それには、前田監督が、しみじみ思う、と言う、私たちのいま生きている「きれいな、クリーンな」社会-スーパーではお肉もパックに入って、その来歴も、元の状態もわからない、その状態から始まっていると思っている人もいるような、「包み隠されている」状況、も影響しているように思えます。


来場者から、ゼミの学生たちの食生活に変化はあったのか、という質問がありました。食べるものの原材料をよく見るようになったのだそうです。よく知らない材料があまりにも入っているので、とジュースを飲まなくなった学生や、売っている鶏が何を食べているか分からないから、鶏が食べられなくなった学生がいるそうです。
また、関野ゼミ生は、最初はもちろん美術を志して来ているけれど、卒業すると、だいたい第一次産業-日本を底から支える仕事をしていることが多い、というお話が印象的でした。

映画上映は全国で続き、また小学生向けに書籍化もされています。ぜひ合わせてご覧ください。


『カレーライスを一から作る』先行上映+トークイベント(元町映画館 連携企画) 開催概要
『カレーライスを一から作る』 公式サイト
「つながる食のデザイン展」 開催概要
石塚まこ「ちいさな世界を辿ってみると」(KIITOアーティスト・イン・レジデンス2017 報告展) 開催概要

2017年9月29日(金)

KIITOアーティスト・イン・レジデンス招聘作家の石塚まこさんの展覧会「ちいさな世界を辿ってみると」のオープンに先駆けて、アーティスト・トークおよびオープニング・パーティを開催しました。

芹沢高志(デザイン・クリエイティブセンター神戸 センター長)が聞き手を務めたアーティスト・トークでは、石塚さんがどのように作品を構想しているのか、今回の展示についてなどをお話しいただきました。
以下、トーク内容を大まかにまとめました。
※まとめるために、話された言葉そのままを使っていない部分もあります。予めご了承ください。

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作品の3つの方向性
作品は大まかにいうと3つの方向に分類できる。
1.視覚美術。ドローイング、写真、ビデオや、目に見えるものを空間の中に配置するインスタレーションなど。
2.社会プロジェクト。2003年から住んだスウェーデンの社会に対する印象が、制作の発端のひとつといえる。スウェーデンは、社会福祉の充実などで知られるように、政府がしっかりシステムを作っているので、人と人がつながっていなくても生きられる社会。いいかえればシステムが支配的な社会で、人と人との距離がすごくあり、寂しく感じられた。それで、社会に対しての疑問を投げかけつつ、人と人をつなぐようなプロジェクトにつながっていった。
「コレクティブアクト」は、あるテーマのもとに、特定の人を集めて、討論してもらうというシリーズ。討論の場には食事が介在し、食をソーシャルメディアとして用いている。自由参加ではない。たとえば、2010年にスウェーデンを代表してブラジルに派遣されることになったとき、何を代表するかが分からなかったので、「サウナについて語って」「水のあると都市してのストックホルムを語って」といった、スウェーデンについてメディアのインタビューを受けたことがあるスウェーデン人を8人集めて、自分がスウェーデンについて語る時に、主題を選べるのであれば、どのように対外的にスウェーデンを見せたいか。どのようなステレオタイプに困惑するか。自分の中での思いを投げかけて、討論してもらった。
3.随筆。始まりは、2015年のアーティストブック『Collecting Distances』の出版。1996年からつけているスケッチブックのようなものや、制作の過程で使った画像など、作品の背景だけを集め、作品にまつわる小話のようなものを書いて収録した。テキストは英語という自分にとって自信のない言語で書いたが、多くの反響があった。2016年のアーツ前橋での展示を機会に日本語にしたが、そのときは辞書を何度も引かないといけないような状態で、自分の母国語であり、自信があると思っていた日本語からいかに離れているのかが分かった。また、辞書を引くと、言葉の定義について発見があったり、ひとつの言葉でも三つくらい意味が出てきて、そこから想像が始まり、頭の中での旅が始まったりして、おもしろい作業だった。いまは、言語を別の言語に変換するプロセスのあいだに抜けていく/消えていく/出てくるものに興味を持っている。これは、自分の中では始まったばかりの制作方法。

KIITOでの活動
KIITOでは、リサーチや、人と交わったりすることに時間を費やしていった。また、もともとの地元が神戸だったので、自分が今までたどってきた道を振り返るような時間もあった。日本にいたときの自分と海外との距離について考える時間にもなった。

KIITO招へいの話があった当時は、その国の食文化にはないのに「国民食」と呼ばれているカレーに興味を持っていた。スウェーデンではケバブやピザが日常食べるものにはなっているが、国民食ではない。
カレーの材料の原産地は南米やアジアだったり、その伝播は大航海時代の人の移動によるものだったりする。カレー一皿を作るのにどれだけの国が関わっているのかと考えると、カレー一皿がものすごく遠くまでつながっているんだな、と、カレーを根っこに調べはじめて、寄り道や脱線をしながら、自由にリサーチを続け、いろいろなところに思いを馳せた。たとえば北野では、さまざまな宗教施設を見たり、友達の家から竹中大工道具館に行く途中に神戸市文書館を見つけたり。でも、寄り道と思ったところでも、意外とカレーから派生した考えとつながっていくこともあった。それが窓のドローイングにあらわれているかもしれない。

KIITOでは通常、滞在制作の「成果」発表が求められているが、今回はプロセスを見せるような展示でもあり、成果という言葉がそぐわず「報告」展とした。
美術展というと、作家本人が行かなくても展示ができるような、場所性がそぎ落とされた白い空間が用意されているイメージもあるが、KIITOは歴史や人の居た跡がすごく感じられる空間なので、人に会って話をするときのように、そこの歴史や空間とどう対話するか、を意識して展示を制作していった。

今回は初めて、展示の中で、社会プロジェクトを来場者と共有する方法を考えた。プロジェクトに参加できなかった、と惜しい感じになるよりは、違う角度からそのプロジェクトを見られるように、コンセプトや行ったことの報告もしつつ、そのプロジェクトの中で見つけたものや、教えてもらった知恵を「おすそわけ」として展示した。


オープニング・パーティ
トークの後はオープニング・パーティを行いました。
KIITO CAFEの大きなテーブル(生糸検査所時代に使用されていた家具)を全員で囲み、ティガデゲナをいただきました。ティガデゲナは、牛肉をピーナッツバターで煮込んだもので、西アフリカ発祥の料理。本展の構成要素の一つとして、会期中の週末にKIITO CAFEにて提供された、4種の世界各地の煮込み料理のうちのひとつです。作家の軌跡と物語に寄り添うこれらのメニューは、作家が友人たちから集めたレシピをもとに作られました。
テーブルを囲んだ後は、おのおの展示を見たり、会話を楽しんだり、なごやかな時間を過ごしました。

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石塚まこ アーティスト・トーク&オープニング・パーティ 開催概要
石塚まこ「ちいさな世界を辿ってみると」(KIITOアーティスト・イン・レジデンス2017 報告展) 開催概要

デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2017年12月から開催する“こども店員”と“パンじぃ”による1日限定のオープンカフェ「ちびっこうべカフェ」の開催についてプレスリリースいたします。

プレスリリースはこちら(PDF)


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ちびっこうべカフェ

デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2017年12月から開催する「セルフ・ビルド・ワークショップ 「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」」についてプレスリリースいたします。

プレスリリースはこちら(PDF)


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セルフ・ビルド・ワークショップ 「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」

デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2017年11月に開催する「Designers15/デザインレポート02 海外でデザインを学ぶ」についてプレスリリースいたします。

プレスリリースはこちら(PDF)


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Designers 15 デザインレポート02:海外でデザインを学ぶ

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