お知らせ・レポート

2015年2月25日(水)

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「発想のスタートライン」をキーワードに、デザインを導く道標となる観察の力について考える、+クリエイティブゼミ vol.14 デザイン編 発想のスタートラインの第1回を開催しました。
まず、講師のお二人からの自己紹介。グラフィックデザイナーのお仕事をされている近藤さんからは、コミュニティの捉え方や今回考えることを普段のクライアントワークにどのように重ねていくかというお話を、デザインリサーチャーの久慈さんからは、今までに企画された展覧会やデザイナーの思考についてのお話をしていただきました。
その後、参加者の方たちの自己紹介として、お名前と所属、今回のゼミに参加したきっかけをお話いただきました。

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それぞれの顔と名前が分かったら、次はチーム分けです。誕生日順に並んでチームを分けていくという、動きのあるチーム分けにみなさん楽しそうにお互いの誕生日を聞きながら一列に並んでいました。
5人ずつ5つのチームに分かれたら、今回のゼミのオリエンテーションとして、久慈さんから「デザインとはどういうこと?」という「前提の点検」に関するお話をしていただきました。

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オリエンテーションの後は、次回のワークショップ「逆転/反対から見直してみる」に向けての説明。イタリアのデザイナー、エットレ・ソットサスの「デザインとは恋人に花束を贈るようなものだ」という言葉を引用し、だれかのためを考える、「プレゼント」をテーマに設定。チームごとにこれまでにもらって「うれしかったプレゼント」「がっかりしたプレゼント」を書き出してもらいました。

うれしかったプレゼントで、姪っ子からのメッセージつき折り紙やがっかりしたプレゼントで、オリジナルソングCDなど、ものだけでなく、それにまつわるエピソードなども話しながら、最後はそれぞれのチームごとにベスト・オブ・うれしいとがっかりを発表して、本日のゼミは終了となりました。
次回は、今回の内容をふまえてそれぞれが500円分の「がっかりする」プレゼントを持ち寄り、プレゼント交換会を行います。


+クリエイティブゼミ vol.14 デザイン編 発想のスタートライン
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/11080/

2015年2月14日(土)、15日(日)

神戸市と同じユネスコ創造都市ネットワークのデザイン都市であるフランスのサンテティエンヌ市よりデザイナーを招き、フランスの文化に触れるとともに、日本の文化を再認識しながら、こどもたちの創造力を育むデザイン・ワークショップを開催しました。

講師はKaksi design(カクシデザイン)のエロディ・ヴィーチョスさんと、ギヨーム・グランジョンさん。
エロディさんはグラフィックデザイン、ギヨームさんはプロダクトデザインを専門としており、総合デザインスタジオを二人で運営しています。

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ワークショップでは、2つの国の文化から生まれる要素の融合についてこどもたちと考えました。
デザイナーの仕事やグラフィックデザインの手法としてのフォトモンタージュなどの説明のあと、こどもたちはサンテティエンヌと神戸の建物、動物などのさまざまな写真をもとに図案を考え、それを組み合わせて新しいイメージを作成しました。

できあがったイメージは、ステンシルの手法を用いて、1日目には布のバッグ、2日目にはノートにプリント。
その後、全員のイメージを組み合わせた大きな布製のタペストリーを制作しました。
そのタペストリーはKIITOのギャラリーBに展示しています。

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このワークショップでは、こどもたちに日仏文化やデザイナーという職業について、また創造性や表現技法を知ってもらえただけでなく、プログラムの開発と実施に向けた技術的な検討、デザイナーとのコニュニケーションを通して、サンテティエンヌ市と神戸市、Cité du designとKIITOとの関係も深まりました。

「こどもデザイン・ワークショップ 文化の出会い サンテティエンヌ(フランス)/神戸(日本)」開催概要はこちら

2015年2月8日(日)

「食からはじまるライフデザイン -自然によりそう暮らし- volume.2」を開催しました。
都市で生活する人々が、食を通じて自然に寄り添い、こころ豊かな暮らしを楽しくデザインしていくきっかけとして本企画は、2014年11月にスタートしましたが、今回はその第二回目です。

2014年11月3日開催 volume.1の開催概要はこちら
2014年11月3日開催 volume.1のレポートはこちら


第二回目は『野菜でからだを整える』をテーマに実施しました。


日本人の食や暮らしのサイクルに関係の深い、旧暦(地球歴)の話を聞きながら、食べることと、整えることについて体験しながら学ぶ場を提供した。体を内側から温める効果のある、梅干しの果肉・生姜汁・醤油を熱い番茶でといた「梅醤番茶」の試飲と、体内の毒素を出す効果がある「こんにゃく湿布」を参加者全員で体験をした。

最後には、旬の野菜を使った食事をとり、旬の野菜はその時期に摂取することで、体が必要として栄養や効果を与えてくれることを学んだ。

ランチメニュー
・丹波・柳田さんちの黒さや大納言お赤飯
・たかおか農園さんの根菜たっぷり粕汁
・車麩のカツ りんごとお醤油ソース
・春雨きんぴらの春巻き
・グリーンサラダ(甘酒ドレッシング)と野菜のマリネ
・大納言小豆のブラウニー(みかんソース)

引き続き「食からはじまるライフデザイン」では、色々な視点で食と向き合い生活をより楽しくデザインすることを目的に開催していく予定です。
次回以降の内容が決まり次第、ホームページ、Facebook、Twitter等で情報を掲載いたしますので、ご興味のある方はぜひ次回ご参加ください。

神戸「食」プロジェクト 「食からはじまるライフデザイン -自然によりそう暮らし- volume.2」の
開催概要はこちら

2015年2月3日(火)

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「これからの公園のあり方について考える。~高齢化するニュータウンにおける公園を事例にして~」(公園ゼミ)の第9回を開催しました。11月末から始まったゼミも、最終回となりました。各班の発表は、公園の模型をつくったり、演劇を交えた発表などユニークで楽しいプレゼンテーションとなりました。中間発表会にもお越しいただきました神戸市建設局公園砂防部計画課・広脇課長、福田係長、対象公園の近隣住民で公園を管理されている梶原さん、第2回のゼミでレクチャーをしていただいた、ランドスケープデザイナーの長濱さんに講評していただきました。発表会場は、12月に東京で開催された「Collective Dialogue」の会場演出を参考に、株式会社コトブキさんの協力により、人工芝やさまざまな遊具を配置し、室内に公園をつくりました。

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A班|公園から始めよう、人が集い、やすらぎ、楽しめる、+αで公園が動き出す
街区公園における様々な課題から、みんなが気軽に公園に集まれる工夫が必要ではないか、使う人が主人公となり、公園を活用していく仕組みを考えた。
公園内に多目的に使用できるポールを立て、それと木々やパーゴラを使ってタープを張ることで、屋根のある空間をつくる。公園内に仮設の屋根がかかることで、今まで室内で行っていた活動を屋外でやってみるなど、既存のイベントを公園に持ち出すきっかけが生まれる。屋根空間を利用していくことで、このようなことにも使えるのではないかと、いった住民のアイデアも出るのではないか。既存の斜面地や木々も利用しながら展開していく。ポールの横に棒などをつけることで、健康器具など変化していくことも可能。
講評|
・ポールを多目的に活用していくのはおもしろい。
・必要なときに利用できる柔軟性が様々な活用方法の展開につながるのではないか。
・実際の活用方法の部分で、既存のイベントだけでなく、もっと楽しく使える提案があればより良かった。
・普段の庭で遊んでいるビニールプールなど、身近なところから活用が見えてくると可能性があるのでは。

B班|おとな小学校
地域、公園の問題として、住民の高齢化、自治会の衰退、地域を引っ張る中心人物の不在など、世代間のコミュニケーションが少なくなっている。それらの解決策として、シニア世代、主婦や子ども参加ができる、住民が自発的に公園を活用していくことではないかと考える。
地域住民が持っている特技を教え合い、大人が思いっきり遊び、学び、楽しむ学校を提案する。公園の段差を利用し、中央部にテントを設置し、おとな小学校では技を教え合う「わざわざ交換会」を開く。お菓子作りの得意な人、バイオリンが弾ける人、リフティングがうまい人、さまざまな人が集まり教室を開いていく。近隣にある大学と連携していくことで、幅広い世代を巻き込みきっかけになるのではないか。時間はかかるかもしれないが、地域住民だけで自発的に活動できる公園になっていくことを目指す。
講評|
・楽しくプレゼンしていることで、より思いが伝わってきた。
・公園が情報交換の場になっていおり、地域住民にフォーカスしている部分が非常におもしろい。
・公園という自然環境の場であるので、学校の教室ではできないような、屋外での環境学習のような提案もあるのではないか。
・可能性のあるプログラムが提案できているので、緑を絡めたアイデアを探って欲しい。

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C班|ヒト・モノ・コト
現地リサーチやヒアリングから公園を介したコミュニケーションが重要ではないかと考えた。
ヒト:公園と関わる過程の共有、公園を知るきっかけをつくることが大切。既存の遊具の色の塗り替え、石垣をレゴブロックを使って補修、泥団子づくりをアート的に実施など検討。
モノ:高齢者をターゲットに、健康器具を休憩しながら利用でき、体を動かす機会を作る。他の公園との差別化も必要。衛生や設備については検討が必要であるが、足湯などのアイデアも。
コト:見守る仕組みづくり、整備後にちゃんと使われていくことが重要である。継続していくなかで、にぎわいを生み、振り返りも大切である。整備、維持管理を含め終わりがない。日干しレンガ造りなど経過を楽しむ、タイムカプセルを使い、次の担い手への受け皿、メッセージを伝える仕組も検討。
トライアルとして、公園に固定概念を持っている人に対し、変化を見せることで、まずは公園と向き合い、興味を持ってもらえることから始める。
講評|
・まずは公園に目を向かせるための仕掛け、公園で何かをしてるところを見せるアイデアがおもしろい。
・全体の流れは理解できたが、人をどう関わりをもたせていくのかが難しい。
・健康器具に魅力を感じる、なかなか小さい公園にはない。
・つくるプロセスから住民が関わるところがおもしろい。愛着が湧く。

D班|ピザ
公園の管理が大変である、呼びかけてもあまり人が集まらない、などの課題より、コミュニケーション不足が原因の一つではないかと考える。
住民の住民による住民の為の公園、住民が主体となり、長期で実現を目指すアイデアとして、ピザをキーワードに展開。ピザパーティを行うために、地域で野菜やハーブを育て、ピザ生地は地域のパン屋さんに協力を依頼。材料の収穫やピザづくりを通して、時間の共有が地域の一体感を生むのではないか。このようなイベントと公園掃除などをセットで行い、一人ではなくみんなで協力し合うことで、公園への愛着も生まれてくる。自ら意見を出し、準備し、企画していく仕組みができればいいのではないか。
公園をリビングルームのようにくつろぎ、過ごせる公園を目指す。
講評|
・みんなで公園でピザを食べたら楽しいと思う。材料を公園でつくるアイデアが斬新。
・地元のパン屋さんなどの協力など、横のつながりも良い。
・テーマ特化しているところがいい。ピザを通じて人を呼び込む仕掛けがおもしろい。
・一つの街区公園で完結するのではなく、もう少し地域ネットワークを使ってもいいのでは。

総評|
・非常に楽しく、有意義な発表であった。アイデアを聞いて公園の新たな可能性も感じた。
・実際に使う住民の方が実施してみたいこと、夢を実現していく場になっていけばいいのではないか。
シンプルなものをアイデアでいろいろ活用していくこと、自由な発想、体験する場が公園であると改めて感じた。
・たくさんのアイデアがあり、驚いた。長い目でみながら、少しづつ実現していければいいのではないか。
・バラエティに富み、いい提案であった。共通してよいのは、どれもプログラムから提案している点である。
・この公園にある街に住みたいということが大切である。

このゼミでの成果のブラッシュアップに向け、再びKIITOの「+クリエイティブゼミ」と「Collective Dialogue」が協働し、2/28に「これからの公園のプロトタイプを試行する」公開セッションを行います。さらに具体的なアクションプランを練り、今後の対象公園でのプロトタイプ試行の展開を目指します。


+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 「これからの公園のあり方について考える。 ~高齢化するニュータウンにおける公園を事例にして~」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10142/

2015年1月31日(土)

阪神・淡路大震災から20年目を迎えた神戸。東日本大震災から4年目を迎える東北。
東日本大震災の影響により未だ様々な問題を抱える福島県いわき市で、”対話”することを継続するため2013年に始まった「未来会議」を、デザイン・クリエイティブセンター神戸で開催しました。


それぞれの震災において経過した時間をテーマに据えて、阪神・淡路大震災を経験した方や、東北から関西への避難者も交えた7名のゲストスピーカーより、福島で起きたことや現在のこと、これまでの取り組みなどを伝えあうとともに、神戸の人たちの阪神・淡路大震災から20年を経て思うこと、震災の経験をどう生かしてきたかなどの話しを伺いました。


東日本大震災の被災地が直面する課題の紹介と、阪神・淡路大震災の経験から、復興が進むにつれて起こりうる問題点や20年たった今でも解決しない課題の紹介をそれぞれの立場から行い、田坂さんのファシリテーションのもとで解決に向けたブレインストーミングをワールドカフェ形式で行ないました。
会場で話されたことは、グラフィックレコーダーの玉有さんに文章を交えたイラストに描き止めていただきました。



経験を分かち合い、地域を越えた繋がりを深め、今を生きる私たちが直面していることや課題に対し何が出来るかを共に考える場、そして地域を越えたネットワークを創出する場ともなりました。



+クリエイティブレクチャー「未来会議、神戸に行く 〜福島の4年、神戸の20年〜」
開催概要はこちら

デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2015年3、4月に開催する催事についてプレスリリースいたします。

プレスリリースはこちら(PDF)

2015年1月30日(金)

KIITOラボの入居者同士や市民の方々との交流や情報交換の場、キイトナイト。
第7回目となる今回は、KIITOクリエイティブラボ(オフィススペース)入居者の皆さんをプレゼン
ターに迎えた新年会イベントを開催いたしました。

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最初にセンター長の芹沢より挨拶を行い、神戸市企画調整局デザイン都市推進室の志水室長より乾杯のあいさつを、そして、先日KIITOにて結婚式を挙げられた入居者の石川さんも一緒に、鏡開き!!そして乾杯!!
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KIITOクリエイティブラボやサポーター、一般参加者の皆さんから持ち寄りいただいた食事などを囲みながら談笑。普段なかなか会うことのない方々とも、この日は一堂に会して楽しみます。
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また、石川さんの結婚式の模様をスライドで流しながら説明していただいたり、入居者の方々のKIITOへの想いをまとめた映像の上映、そして、3月末に開催予定の「オープンKIITO」を一緒につくっていくためのアイデアシートへの書き込みのお願いなど、しました。
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宴もたけなわになったところで、デザイン都市推進室の横山課長のバイオリンの演奏にて〆。
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最後に、クリエイティブラボ入居のイデアグラフフォトワークスさんにに集合写真を撮って頂き、終了となりました。
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皆さん、今年もよろしくお願い申し上げます。
キイトナイト、今後も継続して活動紹介やプレゼンテーションを通して、クリエイティブラボ入居者、そして参加者のみなさまとのご縁を紡いでいきます!!

2015年2月5日(木)

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」第2回を開催しました。

今回は、「食ゼミにあたって考えること」と題して、本ゼミのゼミマスターを務める米山雅彦シェフ自身から、本ゼミの趣旨や、各ゲストをお招きした理由をお話しいただきました。

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KIITOがオープンする前の2011~2012年に、自分の興味ある方を招いて、講演もしくは対談形式で今回同様のゼミを開催した。その際は人物に注目して、いつもお付き合いしている農家、酪農家、シェフなどに来てもらったが、今回は、人ではなく素材に寄ろうと考えた。

食べ物を食べているのに身体の具合が悪くなることがあるという現状は、第一問題だと思う。外食が続いたから体調が悪い・太った、なんて、わりあいよく言われる言葉だが、プロが作ってお金出して食べている食事で体調が悪くなるなんて、何か違うよな、というのがベースにある。
正直、資本主義の中で、食でいう理想的なものを求めるのは難しいと思う。安くておいしいものはあるかもしれないが、安くていいものはなくて、求め過ぎると、いま社会で起きているような問題が起こってくる。ものづくりには人の手がかかる。その分リスクがある。現状だと、極論かもしれないが、本当に安心してものを食べたいなら、自分で作るしかないのではないか。
経済中心の社会に自分自身も漬かっていて、今、そこから抜け出して、自給自足で生きていくのは難しい。正しいもの・いいものをお金かけてやるのが儲からない現状は、多少は仕方がないと思っているが、でも本当にそうなのか、考えるべきことなのか。それを考えるべき時期だと思う。食べ物は、結局は自分が選んで口に入れている。子どもは親が用意したものを口に入れている。自分たちが何を食べているかを知って、自分で選ぶ基準を作って、バランスをとって正直にやっていくしかないと思う。

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第1回「在来種、F1種について」ジョン・ムーア(SEEDS OF LIFE)
ジョンさんのワークショップに行ったのがきっかけ。F1種の何が悪くて、良いところがあるなら何が良いのか、話してもらいたかった。実際はもっと深い話になったが。
仕事で、有機栽培や自然栽培の農家と付き合いがあって、聞くと、小麦はすべてがF1種というわけではないようだが、ある農家は自然栽培で農薬を使っていないが、種はF1種であったりする。
葉っぱに虫がついていたら商品にならない、という農家の話をよく聞く。こっちが変わればあっちが変わる、という単純な問題ではないが、作る側だけが変わってもまったく意味がなくて、消費者側が受け入れるかどうか、という問題もある。

第3回「自然界の中の人と食 ~光の生き物へ、そして人への影響~」宮嶋望(新得共働学舎)
知っている人も多いと思う。特にチーズで知られている。不登校の子供などを受け入れ、一緒に住み込んで畑を作ったり、酪農をしたりなど、仕組みにとても共感した。
ジョンさんの話にも関係するが、プラスチック、鉄、コンクリートの世界で、精神的に健康な生活が送れるわけがない、というような、食べ物の話だけでなく、自然界の中の人としての生き方のような話。
パン屋の仕事は、早い子は電車が動いていない12時、3時の出勤が必要になり、徒歩や自転車で通える距離に住むしかない。店が都会にあるので、地方から出てきた子は、そんな環境の中で心身のバランスを崩すこともあった。それから、全員は難しいが、工程や製法を見直して、電車が動く6時からでも職人の仕事ができるように変えたりもした。そういったことを考えていた時期に、ちょうど宮嶋さんの本を読んだ。本のなかでは、思想的な話もあるが、それを理論的に実証されている。
宮嶋さんがどういう方か、共働学舎がどういうところかというところを含めてお話ししてもらいたいと思っている。

第4回「おおや高原有機野菜の現状」金谷智之(おおや高原有機野菜生産者)
商業的に有機栽培をやっていて、コープにも納めている方。商業的というと冷たく聞こえるかもしれないが、ビジネス的には正しいと思う。農家自体がブランドになっているような、レストランに納めているような農家とは違ったやり方を、思いがあってやっている方。

第5回「食品添加物について考える」室町秀夫(MCフードスペシャリティーズ・パン資材事業部)
本当に無添加のものって世の中にどれくらいあるのだろう?と思う。これは食べない方がいい、と具体的に提示するなど、講演を仕事にしている人もいるが、できれば現場の人で、現状、実際に食べものを流通させるためには必要なものだ、ということについてなど、できるだけ中立に話してくれる人に来てもらいたいと思い、仕事で縁のある、不活性の天然酵母を作っている会社の方に依頼した。

第6回「醤油についてのお話と手作り醤油ワークショップ」浄慶拓志(大徳醤油株式会社)
いまは、醤油の樽自体がなくなって、樽を作る職人もいなくなっているという話を聞く。いま、ちゃんと発酵した醤油を目にする機会は少ないと思う。醤油ができる過程の話や、何が本来のものなのか、ということも含めて、ワークショップも体験しながら聞きたい。

第7回「野菜工場について」
有機野菜栽培と工場野菜生産は兵庫県内の同じ町の中で行われていて、スーパーには同じところに並べて売られていたりする。興味深い状況だと思う。農薬をたくさん使った土で育てている野菜より、土を使わないできれいに育てている野菜のほうが衛生的でいいのかも、また、世界的に進む食糧不足対策として、世界に流通させるための方法、という話もある。生産会社の人か、コンサル会社の人か、話してくれる方を調整中。

第8回「屠殺について」都倉敏明(兵庫県健康福祉部健康局生活衛生課)
生活の中で、自分自身が、血が通っているものをいただいているのに、屠殺のことを知らない。単純に、親として、子どもには伝えるべきだと思っている。
今回は、映像を持ってきてもらい、お話しに来てもらうが、団体であれば現地見学できる。見学を受け入れているのは、きちんと衛生的な環境で安全に処理していることを知ってもらうためだそう。仕事では肉を扱わないが、スタッフを連れて見学にも行ったことがあり、いい経験だった。

第9回「塩について」赤穂市立海洋科学館・塩の国
塩は、パン屋としては一番よく使う素材だが、自分で作ったことがない。塩にはいろいろな作り方があって、赤穂では昔の製法を知る職人さんがご健在で話が聞けると知ったので、昔の製法の話やミニワークショップを受けて、昔と今の違いを知ることができればと思っている。

第10回「楽しく食べて健康になりましょう! ~糖質制限食のススメ~」山田悟(北里大学北里研究所病院 糖尿病センター長)
仕事でお会いしたのがきっかけ。当初ゼミの中で予定していなかったが、どうしてもと入れてもらった。糖尿病対策にはカロリー制限をすべきという考え方が主流だったが、いまは、カロリー制限でなく、糖質自体のカットが大事、オイル類は大丈夫、コレステロール値が高いのは遺伝だ、など、聞いていて驚く話が多い。病院の先生という立場もありながら、啓蒙活動もされている方。
これまで、商品の中で、機能的なものは否定してきたが、アレルギーのことなどを考えていて、自分の中で気持ちが変わってきたときに出会ったのが大きい。

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選ばなかったこと
放射能のことは、いろいろ考えて調べもしたが、今の時点では、特定の人を呼んで話してもらうことには自信が持てなかった。今後何らかのかたちで、みんなが持っておかないといけない情報を、きちんと話せる人がいたら、とは思う。
TPPのことも、商売をしている身なので、ずっと気になっている。小麦の値段うんぬんというよりは、品質についてだが、農家によってもいろいろな意見があり、また、TPP自体が進んでいないし、いまの段階では整理がしきれない。TPPが決まってくることによって、価格帯の安い、大量生産されるようなパンの原料がより不透明になっていく可能性はあって、ちゃんと選ばないといけない、ということが出てくるのは確かだと思う。

小麦の栽培(参考)
店のパンは、一部、生産者限定の小麦で作っている。
一つは、減農薬栽培、F1種、十勝の広大な土地で、基本1人作っている。畑の写真を見ると、はたから見ると、まったく気にならないが、ほんの少しだけ雑草が生えている。きれいに作りたい農家にとっては気にくわないこと。職人の感覚としては共感するところ。
もう一つは、自然栽培。計算して収穫に邪魔にならないようにはしているが、小麦畑の中は雑草だらけ。生えたらいけない雑草だけ取って、あとは何もしない。ジョンさんとリンクしているが、「雑草が生えたところに種をまく。なぜなら雑草は抜いても生えていて力強いでしょ。そこにまいたら元気になる」という考え方。普通の栽培方法から自然栽培に変えたら、収穫量が減ったが経費が減り、売上げは減ったけど利益は増えたという。週休二日、雨の日は休み。その代わり、理論はすごく考えられていて、雑草が立たないように、タイミングを見極めて畝を作ったりする。先のことを聞いてもおもしろい。収穫後、緑肥と言って一年畑を休ませるが、緑だけだとつまらないから試しに黄色い花を植えた、なんて言う。このすごさが分かる人があまりいない。世間や消費者がまだ追いついていない、という感覚。
十勝は、土を見るととてもふかふかで、そら肥料いらんわな、と思うくらい。農業に適した特殊な土地で、十勝の農家は全国、北海道の中でも突出して収入が高いくらいで、すべての土地に当てはまるとは思えないが、参考になる。


自分の素直な興味から、勉強したいこと、会いたい人が集まっている。もちろんこのゼミだけですべてが分かるわけじゃない。ゼミを通して、ある角度から、これは正しい・これは排除しよう、という答えは出るかもしれないが、違う角度から見ると答えが違うことになってくると思う。だから、このゼミはレポート提出を課題にして、それを集約することにした。自分なりの関心を深めて、いろんな意見を聞かせてもらいたい。みなさんのレポート、たいへん楽しみにしています。


第3回となる次回は、「自然界の中の人と食 ~光の生き物へ、そして人への影響~」と題した、新得共働学舎・宮嶋望氏によるレクチャーです。


+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10640/

2015年2月1日(日)

[PRAY+LIFE]の藤城光さん、尾引智恵さんを講師に迎え、「てぬ結い」プロジェクト ワークショップを開催しました。

「てぬ結い」プロジェクトは、[PRAY+LIFE]が2014年から行っている、ペア防災てぬぐいを作ることで、防災意識を広め、大切な人へ感謝を贈るプロジェクトです。

はじめに、[PRAY+LIFE]の藤城光さんと尾引智恵さんより、紙芝居で、[PRAY+LIFE]および「てぬ結い」プロジェクトについての説明がありました。

震災や原発事故をきっかけに、当たり前のことの喪失はいつでも起こりうることを知りました。いつも支えてくれる人たちの存在を意識し、感謝を伝えたい。また、この経験が少しでも生かされるように、二度と繰り返さないように。 [PRAY+LIFE]がこのような主旨で行う活動の一環として、「てぬ結い」プロジェクトがあります。

自分用と、贈りたい相手用の2枚、てぬぐいを染めます。おまけに、10cm程度の小さな布を染めます。当初、このプロジェクトでは「てぬ結い」の贈り先を、原発事故の収束に向けての作業に取り組む方々や、そのサポートをしている方々にしたいという思いだったそうです。しかしながら、たくさんの方々が入れ替わり立ち代わり作業されるので、現実的には難しいため、気持ちを少しでもみなさんと共有できたらという思いで、小さな布を染めて、それをつなげて一つのかたちにするための一片を作ります。


「てぬ結い」での染め方は、[PRAY+LIFE]のお二人の試行錯誤によって、小さい子でも作りやすい作業になっています。
てぬぐいの布に、型紙を当てて、染料を上からたたき込むように筆で塗っていきます。
布は、ふくしまのオーガニックコットン、染料も、土、豆乳、海藻などが原料で、化学的な材料を使っていません。
型紙は、太さがいろいろある縞柄、動物や恐竜、ハート型などいろいろな型が用意されていて、それらを組み合わせて、好みの「しま柄」を作っていきます。
最後には、好きな場所に「てぬ結い」のロゴを入れます。
柄が出来たら紐に吊るして乾燥させます。

乾燥させる間には、てぬぐいを使ったヨガタイムがありました。椅子に座って、立って、ペアで、さまざまな姿勢で、作業に集中して固くなった身体をほぐします。
次は、おやつタイムです。身体が温まるごぼう茶と、干し柿が入った手作りパウンドケーキをいただきました。おやつタイムの間には、参加者それぞれ、福島についての思いを話しました。身近な人のことや日々生活していて思うこと、それぞれの思いに耳を傾けました。
その後は、てぬぐい活用法のお話です。新聞紙と一緒に巻くことで、旗になったり、石や乾電池を包むことでハンマーになったり、マスクになったり、てぬぐいは、防災グッズとしてさまざまに活用できることを教えていただきました。


じゅうぶんに乾燥したところで、アイロン掛けして染料を定着させます。
最後に、てぬぐい活用ブックと一緒に簡単な梱包をして、プレゼントにする準備もできました。
これで作業はすべて完了です。

参加者のみなさんは、さまざまな図柄の型紙をうまく活用して、それぞれとても個性的でかわいらしい「しま柄」のてぬぐいを完成させていました。[PRAY+LIFE]のお二人も感心しきりでした。

この思いの詰まった「てぬ結い」を、大切な人にプレゼントして、ふくしまのことや感謝の気持ちをつむいでいってもらえたらと思います。
この「てぬ結い」プロジェクトワークショップは、東京、新潟、福島などでも開催されています。今後の活動もどうぞご注目ください。



「てぬ結い」プロジェクト ワークショップ
http://kiito.jp/schedule/workshop/article/10363/

2015年1月29日(木)

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる”食”の勉強をしよう!」第1回となる、ジョン・ムーア氏レクチャー「在来種、F1種について」を開催しました。

このゼミは、ゼミマスターの米山雅彦シェフ(パンデュース)がゼミ生に対して何かを教えるのではなく、米山シェフが、今興味のある、食にまつわる各分野の方々をお招きして、お話を聞いていくゼミです。米山シェフも毎回、ゼミ生と同じようにゲストのお話を聞いて、質問して、一緒に勉強していくようなかたちで参加します。

第1回のゲストは、教師→コピーライター→パタゴニア日本支社長→高知県にて在来種の種を守る一般社団法人SEEDS OF LIFE設立、とユニークな経歴を持つ社会企業家・ジョン・ムーア氏。在来種について、また、現在の日本の市販野菜のほとんどを占めると言われるF1種(一代雑種)についてのお話をうかがいます。
なお、今回のみ「食」プロジェクトの一環として、ゼミ生以外にも単発の聴講生も受け付け、通常回よりも多くの参加者が聴講しました。

始まってみると、「在来種」「F1種」の定義や問題点を論理的に説いていくような内容ではなく、植物、ジョンさんの生活や活動の中で触れている自然、天体などのイメージ画像のスライドを織り交ぜながら、「F1種」という、生物のサイクルに対して不自然なものを作る、ものの考え方について問うような、哲学的な語りかけでした。

この日も寒い神戸でしたが、ジョンさんはなんと半袖。ニコニコと笑顔で、レクチャー中は一度も座らずに、会場内を回りながら、受講者一人一人に語りかけるような口調でお話しされました。その一端を紹介します。

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私の日本語は中途半端。30年間日本にいるけど、日本語は勉強しない。完璧な日本語を使ったら、みなさんは、私の言葉だけ聞いて、私の話を聞かない。頭を使わない。私だけ話すのは意味がない。あなたの気持ちと心も半分使ってください。それからアクションしてください。毎日少しだけでもアクションして、今まで何もやってなくても、少しだけアクションしてください。私の言う事は信じないで、自分でやってください。言葉だけ、は、2Dだけ。

ほとんど私たちは、2Dの世界に住んでいる。幼稚園からあまり変わってない。新しい考えがあまり入ってない。
言葉の中、頭の中、心の中は2Dだけ。3D,4Dがわからない。その2Dの世界がF1種を、日本の原発問題を、サラリーマンの会社を作った。2Dの考え方は、世界中の、この惑星の問題を作った。だからもういい。3Dと4Dの世界を見ましょう。そうしないと絶対変わらない。まだ同じ問題を作る。

私は、高知市から2時間くらいかかる、山の上にある村に住んでいる。
食べ物も家も、ぜんぶ自分で作り、お金が必要のない生活をしている。
山の上は、毎日、一年中食べ物が出来る。あたたかいから、電気は要らない。テレビもない。
なぜテレビがないか。美しい景色があるから。3か月前は美しい紅葉だった。人間の魂は映像を欲しがり、イメージを欲しがる。イメージを食べる。だからテレビが薬になる。写真も広告もそう。本物がないなら、テレビを見ましょう、となる。

種は、国の、県の、人のものじゃない。次の世代のためにある。
誰が種を欲しいか。どうして欲しいのか。いい食べ物を作りたいのは誰のためなのか。自分のため?

A4サイズのタッパーの中で、元気な野菜を作ることができる。誰でもできる。畑に行かなくても、部屋の中やテーブルの上でできる。
種の相性もおもしろい。相性がとても悪い種同士でも、間に、お互いと相性のいい植物を挟むと、いいコミュニケーションがとれる。土の中、見えないところで良くなる。相性のいい種をまけば、2年後、3年後、どんどん収穫が楽になる。
大根、クローバー、そば、マリーゴールドを一緒に植えると、その土の中で、根っこは、仕事をしている。薬はいらない。何もしない。種をまくだけ。
F1種は、みんな同じ大根がたくさんできて、次の実が実らない。F1はDNAのかたちを決めちゃった。新しいかたちをつくらない。気持ち悪い。
自然はみんな違うのが当たり前。DNAも光も違う。ウイルスも違う。だからおもしろい。だから未来がある。だからいつも新しい道が出てくる。

種だけ守るのは意味がない。人間は自然のちょうどいいタイミングが分からない。私たちは自然の邪魔をしてしまうから。山の中、森の中は人間の手が入ってなくても元気。
野菜は、自然がつくる。農家の仕事はほとんどない。
人間だけの食べ物を作るのが、人間の問題。この惑星の生き物全部の未来の食べ物を作る、虫の食べ物もつくる、隣のおじいちゃんの食べ物も作る。
私たちだけがおいしい・おいしくないを考えること、それはF1の考え方。

DNAは、二つの螺旋。同じところをまわるのではなく、前へ、前へ進む。螺旋はヒント。
よく考えてください。山の野草、ほとんど人の口に合わないけれど、どんどん作っていって、少しずつ甘くなる。どんどん進むと、甘くなり過ぎて、水ばかりでおいしくなくなる。
バランスが大切。バランスは、中のかたち、味、DNAをつくる。中のDNAは、光の螺旋から作られる。

腸の中の生物と土の中の生物はほとんど一緒。お腹の中は畑。
生き物を絶対食べてください。本当の食べ物は生き物です。キムチ、納豆、みそ。

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終了後の参加者アンケートでは、「思っていた話と違った」という意見が多数。ただ、戸惑いを覚えつつも、「かえって面白かった」「ものの見方が変わった」「自分でも少しずつ生活を変えていこうと思う」といった感想を書いてくださる方が複数見られました。
種をきっかけとして、子ども、生き物、地球の未来を視野に含んだスケールの大きな話が、参加者一人一人の心に響いたようです。

4月から、ジョンさんは淡路島の洲本から20分ほどのところに、スタジオをオープンさせる予定とのこと。洋服、野菜、家具、などあらゆるものを、手を使って作るスタジオになるそうです。今後の活動も楽しみです。

次回のゼミは、「食ゼミにあたって考えること」と題して、ゼミマスターの米山シェフ自身から、本ゼミの趣旨や各ゲストをお招きした理由などをお話しいただきます。


+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる”食”の勉強をしよう!」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10640/

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