お知らせ・レポート

2015年11月24日(火)

+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」第2回目を開催しました。
今回はゼミマスターであるKIITO副センター長の永田から、ゼミにおいて地域で活動する際の考え方や心構えについてレクチャーを行いました。

 
地域豊穣化における「風」「水」「土」
地域がいきいきしたまちになることを、私たちは「地域活性化」ではなく「地域豊穣化」と呼んでいる。

地域豊穣化には、「風の人」「水の人」「土の人」の三者が必要。
「風の人」とは地域には根づかず、外から種を運んでくる人のこと。「水の人」とはその種に水を与え続ける人のこと。「土の人」はその土地に根づく住人のこと。その三者がいて初めて、地域づくりは達成される。

地域に新しい提案を受け入れる俎上があるかどうかにプロジェクトの成否がかかっている。水の人が既にいる地域は無論、やり易い。
土の人の中にも水の人は隠れているかもしれない。今回のゼミでトライアルをさせてもらう地域にも、住民でありながら水の人の役割を担っている方がいる。プロジェクトはそういった、両義的な存在である地域のパートナーと出会えるかどうかにかかっている。彼らの周りには自ずと輪ができる。

「風の人」の役割
ゼミ生であるあなたたちは「風の人」である。風の人の役割は、いかにいい種を作るか、それにかかっている。その“種”であるプログラムを作る際に大事なことがある。

1.不完全プランニング=参加者が関われる余地があること
プログラムは完璧であればいいわけではない。来た人がいかにプロセスに関われるか。参加者の関わる余地をあえて残すということ。地域の人を「お客さん」にするのではなく、一緒に作ること。我々は皆が乗れる「お皿」を作り、それを如何様にも “いじれるように”考える。
2.+(プラス)クリエイティブ=既成概念にとらわれず、魅力を作り出すこと
以前、若者の防災教育プログラムを考えるゼミを行った際、広告のアプローチ手法が役に立った。既成概念を取り払い、根本から考えることでぐっと可能性が拡がる。そして企画を様々な角度から検証する。地域の人、管理する人にとってどうか、それぞれの立場に立って考えること。
 
 
プロジェクトを進めるコツ
プロジェクトを進めるためのコツは2つある。
一つは場数を踏むこと、訓練すること。既成概念を取り払うことも訓練によってできる。
二つ目はグループでやること。多様な意見があることが大切で、物事を複眼的に見ることができる。
個の総和よりも全体の合計が大きくなる「シナジー(相乗効果)」を生み出せば、1+1+1=10にも20にもなる。それには違う意見を尊重し、何でも言い合えるチームを作れるかどうかにかかっている。

KIITOのゼミではこれまで14テーマ・16プロジェクトが実現している。
ゼミの一番の課題はリサーチである。①現況調査②ニーズ調査・課題抽出③先進事例調査の徹底的なリサーチが必要だが、皆さん忙しい中参加されているので、難しい現状がある。
リサーチの強度は下記の右に行くほど前進する。
ネットや書籍<電話・アンケート<インタビュー・観察
インターネットは便利だが、良いことしか書いていないので真偽が怪しいこともある。できる限り現場に足を運び、耳を傾けること。
 
 
その後スタッフの加藤から、対象公園となる垂水区の公園と、その管理をされている自治会の活動を紹介し、最後にグループで今日の振り返りなどの話し合いの時間を設けました。初めの3回はレクチャーが続きますが、まだ行っていない対象公園についてイメージを膨らませつつ、各自の役割やリサーチの方向性について話し合われていました。
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次回はゲストレクチャーです。スポーツやレクリエーションを通じた健康づくりや地域づくりを推進されている、公益財団法人 日本レクリエーション協会より佐藤健氏をお招きし、健康への取組みにおける公園の活用事例とその背景についてお話いただきます。
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+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/14882/

2016年10月28日(水)

神戸料理学会のトークイベント「スタートラインepisode:1」を開催しました。神戸料理学会は神戸に店を構え、日本を代表する料理人、パティシエ、パン職人、ハム職人であるメンバーたちが食について考えていこう、神戸の未来の食を豊かにしていこうという意思のもと結成されました。将来的には神戸で食学会の開催を目指しています。今回は最初の一歩として講演、トークセッションという形で行われました。

 
知る事の大切さ|福本伸也|カ・セント
料理の世界には15 歳の時に入りました。中学卒業の際に、高校への進学ではなく、大好きだった料理の道を選びました。20歳の時に海外へ修行に出ました。イタリアで修行しているうちに、他の国も見てみたいと思い、あちこちへ手紙を出し、返事のあったスペインへ行くことになりました。そこで26歳から「カ・セント」のシェフを任されることになり、料理の楽しさ、修行の大切さが分かり、料理の世界で頑張っていこうと決心しました。28歳の頃、「カ・セント」の改修工事の時期に、母が難病にかかり、急遽日本に帰ることになりました。その後1年間は母の看病もあり、料理をしていませんでした。いつかは料理ができると思っていたので、あまり不安はありませんでした。母のことがきっかけで、日本に帰り、いろいろなことを目にして、気持ちの部分で料理への姿勢も変わっていきました。なぜ修行が大切なのか、なぜシェフになるのか、なぜ、こういう料理を作っていくのか、そういったことを毎日探していると、だんだんと知る事ができると思います。知る事でアイデアや新しい自分が見つかります。日々、お店のスタッフには自分自身とどう向き合っていくか、恵まれている生活のなかで、全力で生きていくこと、自分で見つけることができるものを大切にしてほしいと思っています。現在も私は学び続けています。

なぜ老舗のお菓子は美味しいのか?|平井茂雄|ラヴニュー
1.作った個数によって技術やセンスは磨かれる。
作り手の技術の上達は経験と比例していくと思っています。私自身も元々持っている技術やセンスというのは他の人とあまり大差がないと思っています。キャリアをスタートさせてからの考え方や取り組む姿勢に左右されると思います。同じものをどれだけ真剣に作ったかが重要で、それを行っている職人は上達していきます。
2.失敗の理由を考えること、タイミングを常に計る事。
シュー生地を焼いたとします。膨らんだり膨らまなかったり、原因としてはいろいろ考えられます。器具のサイズ、火入れ、工程、ミキサー、空気の入れ方…常に失敗の理由を自分の中で見つけていけるかが大切です。食べる人は、どのように持って帰って、どのように保存して、どのような温度帯で、どのような環境で食べるのか、口に入るときに、自分が思っている状態になっているのか、そのようなところまでイメージして作っています。
3.シンプルな物ほど難しい。
お店に来るお客さんは多くはチョコレートを目当てに来られます。ボンボンショコラは、直径27㎜、7g程度のものです。中身は3層で作られています。フルーツのフレーバーは、糖度の高いものをフルーツのピューレと煮詰め、鍋の底を焦がさないギリギリの強火で手を休めることなく掻きながら炊き上げます。固まったゼリーにチョコレートを加え、口当たりの滑らかな食感にしたガナッシュ(口どけのよいチョコレート)を仕込みます。型を付け替えまた違う風味のガナッシュを仕込み、流して3層にします。その後、チョコレートでコーティングし、均一なサイズにカットします。小さなボンボンショコラ1粒にもたくさんの作業工程があるのです。自分がおいしいと思うものを表現したときは、上記のような構成をとることが多いです。シンプルでおいしいものを作る方がより難しいと思います。
4.真剣に向き合ってきた職人は、自身の引き出しが増えていく。
何回も繰り返し、何が悪かったのか、その都度最善の対応をしていく、常に答えを出していけば、その中でいろいろなことを学び、引き出しが増えていきます。おいしいものを提供できるお店は、そういったことを長く続けているから、老舗のお店は美味しいのだと思います。

 
シャルキュティエの仕事|楠田裕彦|メツゲライクスダ
芦屋で食肉加工の専門店をしています。シャルキュティエはフランス語で食肉加工人を指します。ドイツ語では、メツガーと言い、店頭の裏で商品を作っているお店をメツゲライと言います。昔から肉は、人間に必要なタンパクとして、冬の寒い時期にお肉を乾燥させたり、燻製させたり、塩漬けしているものを少しずつ切り出したり、スープに入れたり、焼いてみたり、いろいろな手法で食べられてきました。現在は冷蔵庫などの普及、流通の拡大により、保存食から美食として一般的になりました。私のお店は毎週水曜日が定休日で、木曜の朝一に豚肉の塊からソーセージを作ります。筋や必要のない部分を細かく取り除いていきます。約70㎏の塊を2時間ぐらいかけて、すべて手作業でさばいていきます。さばいたお肉を専用のミキサーで塩とスパイスで混ぜていきます。その後すぐにミンチにしていきます。ミンチ後は肉と油を均等に混ぜ、作る内容に合わせて、仕分けします。お肉の鮮度が高ければそれほど混ぜなくても結着します。ソーセージ用の機械はコンピューターで真空状態、速度、肉量などすべてコントロールできるようになっています。その機会を使い豚の小腸に肉を詰めていきます。小腸はとても破けやすいので、難しくコツがいります。破れるないギリギリの圧力で詰めていきます。お店では切り分けて販売しているので、サークル状にしています。木曜の11時過ぎにはお店に並びます。ソーセージだけで80種類ぐらいあります。他の商品を合わせるとトータルで1000種類を超えます。常時お店には50、60種類並んでいます。食肉と言われるものはほとんど作っています。イノシシやシカもありますし、豚がメインですが牛もあります。ほとんど国産ですが、鴨など一部はヨーロッパのものを使っています。食肉加工の職人は文化的にもまだ日本は少ないです。これからの職業と言われています。各地域でも食肉加工のお店が増えていけたらいいと思っています。

夢は本気で願えば現実に|パティスリー モンプリュ林周平

普段自分が言うことで、願いはかなうと思っています。将来こんなことをしたいとか、こんな風になってみたいなど、口に出したり、メモに書いたりする行為が大切だと思っています。私は思っていたことが叶っています。昔からものを作ることが好きで、高校を卒業して料理の道に進みました。なぜお菓子になったのか覚えていません…。母がよくお菓子を作っていたので、その影響ではないかと思っています。当時は卒業後フランスに行って修行したらいいやと単純な発想で、洋菓子、フランス菓子というのがなぜか頭にありました。ホテルで仕事を初めて3,4年のころにフランスに行かないかと話があり、二つ返事で行きますと答えました。ホテルで働いているときのシェフの持っている本で、ジャン・ミエさんのお菓子が載っているページがとてもかっこよくて、単純にここに行きたいと思いました。フランスへ行き、ホテルニッコー・ド・パリで研修に入りました。調べるとジャン・ミエのお店が近いことが分かり、働きたいと何回も行って、12回断られ、13回目にやっと、知人の紹介で入ることができました。お菓子屋さんでもお惣菜を売っているお店でした。地下にある厨房は半分がお菓子、半分が惣菜で、当日は6人で調理をしていたので、お菓子と惣菜の境目がありませんでした。朝は6時くらいにトラックいっぱいの食材を1時間かけて運ぶところから始まり、夜の8、9時まで働いていました。現在のフランスは労働時間も細かく規制されています。修行として考えると働く時間が規制されることで、少しもったいない部分も感じています。16、17時間働いていた時代と比べると同じものはできないので、メニューや精度が変わってきています。私は、自分が一番影響を受けておいしいと思うフランス菓子を伝える使命があると思っています。日本的な要素を入れるということはありません。フランスでがむしゃらに頑張って、日本に帰ってきましたが勉強は続きます。身近にすぐお菓子があるというところがパリでした。今後の大きな夢は、標高5,600mぐらいのとこにオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)を作って、自分はオーナーでいて、庭掃除で芝などを刈りながら、パティスリーやブーランジェリー、レストランがあり、ホテル業務があるようなことをやってみたいと思っています。

 
お店づくりの考え方|サ・マーシュ西川功晃
店名の「サ・マーシュ」という言葉はフランス語で、お世話になっていた「コム・シノワ」で厨房内で自然によく聞こえていた言葉です。号令のような感じで、行けよ!というものです。独立する際に、一歩前進したい、何かを進めていきたいという思いから「サ・マーシュ」と付けました。今でもとても気に入っています。
お店作りは大きく分けて、商品の力と販売の力があると思います。商品の力は素材、技術、人の心です。素材は小麦や野菜を作る生産者が重要です。この人たちの力がなければ良い素材に出会えません。良い素材が手に入ることで良い商品を作ることができます。技術には経験が必要です。経験はいろいろなことを自分で体験すること、本物の技術をいかに得るかによって商品の力になっていくと思います。人、心は大切なところで、素材と正直に向き合うことが重要です。努力し続ける心も必要で、簡単に諦めてしまったり、気持ちが抜けてしまっては良い商品が生まれません。体力も重要です。体が元気で続けていけなければ心が折れてしまいます。またそれぞれが持っている感性も大切で、商品につながっていきます。最後に性格です。それぞれの個性が商品に反映されていきます。販売の力は、サービス、内装になります。サービスは明るい笑顔、スタッフの知識です。知識と同時に食が好きでなければ学びを広げることもできません。販売の人も体力が重要です。体力がなければ笑顔も作れません。内装はデザインなどですが、仕事のしやすい、お客さんが利用しやすい機能性が大事です。心地よさも大切で、なんかこのお店いいな、感じがいいな、気持ちいいな、と思えるように考えます。お店はセルフサービスではありません。商品とお客さんの間にバーがあり、バー越しにお客さんと会話をしながら提供するようになっています。スタッフがこのパンはこのように食べてください、こういう思いをこめて作った商品です、こういった素材を使っています、といったようにパンにまつわるいろいろな話をお客さんに合わせて提供します。昔の八百屋さんや魚屋さんのように、新しい商品を紹介し、お客さんとお話をしながら販売する手法がパン屋さんにも生かせるのではないかと思いました。セルフサービスの販売方法の方がパンがたくさん売れると思っていましたが、結果として売り上げも上がっています。お客さんも購入後に食べる際にお店で聞いたアドバイスを思い出されるそうで、喜ばれています。この時代は情報が先行してしまい、雑誌やテレビ、ネットなどで情報を見て、そこで判断し選択してしまうことは非常にもったいないことだと思います。もっと生の声を聞いて買い物をしていただきたいと思います。もっとこのようにしたらおいしいのでは、といろいろ考えていただきたいという思いでお店があります。お客さんにも、もっと質の高い食を目指していってほしいと思っています。

トークセッション

神戸のお客さんに感じていることは?
西川:パン屋冥利につきる環境です。昔からパンというものが根付いている街で、しっかりと発酵させ、焼き上げるパンの本質をちゃんと楽しんでいただけている、というお客様が他の地域よりも多いと感じています。我々の作りたいパンを理解していただける地域だと思います。
楠田:幼少期に神戸で育ちましたが、パンやハム、ソーセージが常に身近にありました。パンがあるなら、食肉加工のお店も成り立つと思ってお店を出しました。オープンしてからものそのような食べ方をする人が多かったので、うれしかったです。
福本:神戸って街は洋の文化があり、なんでも取り入れていく雰囲気を持っているが、すごく保守的だと思います。レストランを初めて7年になりますが、その中で感じるのは、食の文化はまだまだといった印象が強いです。

三好:福本さん、神戸の食文化がまだまだ、と思う理由は何ですか?
福本:神戸というのは外から見るといい街かもしれないが、食文化はあまりしっかりしていない印象があります。日本料理も違う、中華でもない、洋の文化があるかもしれないが、ちゃんと根付いていないと思います。神戸らしさって一体なんなのかというところです。
西川:少し過激な言葉に聞こえますが、師匠である荘司シェフも神戸料理というものを作りたいんだ、というのが口癖でした。神戸料理というのはどういうものか、なかなか生まれてこないです。たぶん福本さんが言っているのは、根付いた質の高い、よその土地にないクオリティーの高いものがないのではないかと思います。神戸はもてはやされているかもしれません。もっと努力すべきだと思います。飲食業界すべてがもっと質の高いものを求めていくことが必要だと思います。

参加者からの質問:何をどのように世界に発信するのか、何が発信できるのか?
西川:メツゲライクスダを発信すべきではないですか(笑)。技術的には料理もお菓子もパンもいいと思います。全日本食学会では日本から輸出できるものに「食」があり、食は国益になると思っています。前に出る機会が少なく、表現力が足りない。まだまだこれから、食の都神戸を表現していくべきではないか。

参加者からの質問:WHOが発表した、加工肉が大腸がんを引き起こす原因になるという調査報告が発表されたことをどう思いますか?
楠田:世界保健機関は体に関することを常に注意喚起する機関ですが、実際、欧米のどこで調査したことなのか発表されていません。何が原因かも発表されていません。全世界で食肉業界は一斉に声をあげて、WHOに抗議をしています。1日50g食べて、18%の確率で癌になると言われています。日本人はそれほどの量を食べているという話もないです。加工肉しか言っていませんが、実際は、赤身の肉に関する報告もあり、食肉全体にかかわる事です。今後細かい説明もあると思いますので、注視したいなと思います。なんでもそうですが、食べすぎは病気のもとになると思います。

参加者からの質問:低糖質パンを食べて、健康と食について学びました。菓子パンと食事パンのこれからの可能性について教えてください。
西川:スーパーでウロウロしていると、大手メーカーで低糖質ハムというのが売られていました。そんなものあるのかと驚きました。大量生産するための保存料や化学的なものを取り入れていることが一つの原因となっているのではと思います。低糖質は、あくまでも糖尿病で食事制限されている方のための低糖質パンと思っています。決してダイエットのためではありません。現在は有効だということで、ダイエットのために選ばれている方もいます。うれしかったのは糖尿病の方が低糖質パンを選ばれて、涙流して喜ばれたことです。低糖質パンをお店で少しでも用意することが重要だと思っています。北里大学の山田悟先生から依頼を受けて、パンを作り始めた。作ることによって、喜ばれる人に出会ったことは大切なことだと思っています。

神戸で取り組みたいこと
西川:世界に向けて神戸の食を発信していきたい、神戸ビーフだけではないぞと言いたいです。海外から来たお客さんが神戸のパン屋さんで日本的なパン、世界にはないみんなが喜ぶパンを作りたいと思っています。今はお米を使ったパンもいろいろと考えています。世界中の人に喜ばれるような商品にし、世界へ発信したいと思っています。
楠田:もっと密接に兵庫県の生産者とお付き合いをしていき、第一次産業から進めていって、今後いろいろなことが確立していって、その先に世界があるのではないか。第一次産業と一緒に取り組んでいきたいと思っています。
福本:神戸料理学会は5人から始まりましたが、次回はもっと人数を増やしていきたいと思います。神戸の料理人と手を組んで、努力していきます。
弓削:第一次産業の生産者として、生産者が作ったものをいろいろな形でデコレーションしてくれている方がたくさんいる中で、神戸を代表する5人のシェフたちも、さらに楽しい食文化をつくっていくと思います。神戸は海があって山があって温泉があります。それに加えて食。生産者のところにいつでも来ることができます。TPPの問題でいろいろな食材が入ってくると思いますが、その中で神戸の食というのをそんなに考えていない人も多いかもしれませんが、この5人のシェフたちは第一次生産者から第六次産業まで、生産者の思いをいろいろな形にデコレーションしてくれる方々ではないかと思います。神戸から発信する新しい食文化の団体として、良いものに人が集まり、みんなに知らせてくれるのではと思います。それが神戸の新しい食文化だと思います。


神戸料理学会「episode:1 スタートライン」
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デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2015年12月から開催するイベントについてプレスリリースいたします。

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2015年11月17日(火)

+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」を開講しました。

「公園」がテーマのゼミは今回が2シリーズ目。前回のシリーズでは、「これからの公園のあり方を考える」という幅広いテーマでしたが、今回は「健康と公園」にテーマを絞りました。
少子化・高齢化が進行する中、大人向けの健康器具を設置する公園が増え、高齢の方の公園の利用率が上がっています。公園は子供たちが遊ぶためのもの、というイメージはすでに過去のものとなりつつあります。そんな中にあって、身近な共有スペースである公園を使い、幅広い世代の健康な暮らしに繋がる新たな公園像を模索する試みです。

第1回目のオリエンテーション、まずは本ゼミの講師である副センター長の永田からKIITOについての説明を行い、担当スタッフの加藤から今回のゼミの舞台となる公園の紹介と、ゼミの概要について説明しました。

 
次に、神戸市建設局公園部計画課の広脇課長より、公園の現状と方向性についてお話いただきました。

今回は大きな公園でなく、「住区基幹公園」と呼ばれる、地域にある小さな公園について考えたい。
公園には大きく分けて、利用することで発揮できる機能、コミュニティ形成の媒介をする機能、「存在すること」の機能というものがある。公園は皆の共有財産であり、人と自然の接点であることを忘れてはいけない。
最近では「パーク・リノベーション」という言葉を使って、既にある公園をいかに生かすかという考え方をしている。機能の特化、近隣に複数ある公園の機能の分担、小規模公園の統廃合などを検討しているが、計画は地域の実情に則して考えられなければならない。
従来の公園の子ども中心の考え方でなく、対象を広く捉え、「こんな公園があったらいいな」という新しい公園像を自由に考えてほしい。

お話の中で、公園とは何なのかを考える短いワークが行われました。
「○○(誰)が□□(何orどこ)で△△(アクション)をする」⇒▲▲(効果・役割)する公園
上記の○○に言葉を当てはめ、思いつく事例を3つ挙げて、公園の効果や役割を考えてみます。
例えば、
「幼児がお母さんと砂場でだんごを作っている」⇒子供の創造力を育む公園
「蝶々が花壇で花の蜜を吸っている」⇒生き物の居場所となる公園
など。
皆さん、真剣な表情で筆が進みます。
 
 
その後、聴講生も含め、一人ずつ自己紹介をしてもらいました。
学生から退職された方まで、幅広く参加者が集まりました。皆さん、公園が活用され、まちがもっと魅力的になってほしいとの思いで参加されています。
10月に開催したLIFE IS CREATIVE展のワークショップ「公園×シニア×健康の未来を描こう」に参加された方もいらっしゃいます。
 
 
 
最後に永田より一言。
子どもの頃、公園はワクワクして行く場所だった。これからの公園には、高齢者がワクワクするプログラムが必要。今はシニア世代にゲートボールではなくグランドゴルフが流行っているというような話もあるが、グランドゴルフの「その先」が必要とされているのではないか。
また、「健康」という言葉の意味をもっと広く捉えてもいいのではないか。健康器具などのハード面だけでなく、既に公園にあるリソースをいかに使うかという発想で考えてほしい。フィジカルな健康だけでなく、精神的な健康や、人と人とのコミュニケーションなど、健康というものを多面的に考える必要がある。
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次回は永田より、ゼミを進めていく際の姿勢や、地域との関わり方についてのレクチャーを行います。
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+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/14882/

デザイン・クリエイティブセンター神戸、神戸市、issue+design実行委員会との協働で行っている、「震災20年 神戸からのメッセージ発信」事業では、特設サイトの英語版を公開し、リーフレットの配布を開始いたします。

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デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2015年12月から開催するイベントについてプレスリリースいたします。

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2015年10月29日(木)

11月1日から神戸市中央区で開催する、「KOBEパンのまち散歩」のキックオフイベントとして、「KOBEパントーク2015」を開催。フードライターの三好彩子さんに司会進行を務めていただきました。KOBEパンのまち散歩実行委員長の土井茂桂子さんより、「KOBEパンのまち散歩」楽しみ方や神戸とパンの関係についてお話いただきました。その後、イスズベーカリー井筒英治さん、ホテル―オークラ神戸齋藤秀喜さん、サ・マーシュ西川功晃さん、ケルン壷井豪さんの4名による「クロワッサントーク」。シェフどうしの掛け合いもあり、楽しいトークでした。後半はクロワッサンの試食、販売を行いました。各店舗のクロワッサンの試食、食べ比べも楽しみました。


KOBEパンのまち散歩とは
|KOBEパンのまち散歩 実行委員長 土井茂桂子さん
神戸でパンを楽しむ1か月、「KOBEパンのまち散歩」が始まります。今回で3回目を迎えます。今日はそのキックオフイベントとして「KOBEパントーク2015」を開催しています。非常に多くの方にご応募いただき、抽選となりました。神戸は開港以来舶来文化のまちとして栄えました。神戸は全国の中でもパンのイメージがあるまちです。暮らしの中のパン、パンのある暮らし、パンを中心にいろいろな展開ができるのではないかと思います。今回はクロワッサンをテーマにしており、配布マップにはクロワッサンが表紙になっています。1回目はフランスパン、2回目は食パンでした。マップには協力いただいている中央区のパン屋さんの位置や情報、特典などが記載されています。また期間中いくつかの店舗では「神戸PNAPO」という食べ歩きしやすい小さいサイズのパンをオリジナルの紙袋で販売しています。お気に入りのパン屋さんや初めて行くパン屋さんなど神戸の街を散歩しながら楽しんでいただきたいと思います。クイズラリーも実施しますので、ぜひご参加ください。
 

「クロワッサントーク」

イスズベーカリーの井筒秀治さん、ホテルオークラ神戸の斉藤秀喜さん、サ・マーシュの西川功晃さん、ケルの壷井豪さんの4名にご登壇いただきました。まずはクロワッサンについてイスズベーカリー井筒さんよりお話しいただきました。

クロワッサンとは|イスズベーカリー井筒さん
クロワッサンは強力粉に砂糖・塩を入れて作ります。油脂を入れるところもあります。一般的な食パンよりも水を減らし、固くこね、温度も少し低いです。生地の発酵後に冷蔵庫で1日寝かせます。翌日に冷えた生地に、バターやマーガリンを粉に対して一般的には約50%入れます。そして3つ折りを3回行い、生地を休ませながら薄くのばし、三角形にカットします。通常のパンよりも低い温度で発酵させます。その理由はバターの融点が低いからで、温度が高いとバターが溶けて流れてしまいます。発酵後に窯で15分ほど焼き、お店に並びます。フランスパンなどよりも時間と手間がかかります。
クロワッサンの形
お店でも見かける三日月型のクロワッサンの形には2ついわれがあります。一つはトルコの国旗から来ているものと、もう一つはつるはしを模ったと言われています。三日月型のクロワッサンは生地の織り込みのときにマーガリンを使っています。一方、ひし形のクロワッサンはバターを使っています。フランスでは2種類が売られています。私は44年前からクロワッサンをお店で作っていたが、40年前にフランスに行って、現地のクロワッサンを学んでからは、三日月型は作らなくなりました。
クロワッサンの食べ方
フランスでは、朝食に茶碗のような容器に、あったかい牛乳とコーヒーを一緒に入れて、クロワッサンやブリオッシュなど、すべてそれに付けて食べます。日本では見たことのない食べ方をしていました。日本にはない習慣ですが、試食の際には、エキストラコーヒーさんよりカフェオレのご提供がありますので、ぜひ試してみてください。日本ではまだまだそのまま食べるか、サンドイッチで食べるかがほとんどかと思います。

続いて、各シェフのお話しです。

「クロワッサンのこだわり」

フランスのバターは発酵バターが多い、当時日本ではあまり聞いたことがありませんでした。通常のバターと発酵バターは全然違います。おいしいクロワッサンの共通点は織り込み回数が少し少ないのではと思っています。今までの3つ折り3回の27層で作っていましたが、4つ折り2回の16層にしたら、配合は同じでも、香りがとてもよかったのです。ほかにはあまりこだわりはありません。(イスズベーカリー井筒さん)

3つ折り3回の27層が一般的ですが、あえてホテルオークラ神戸では3つ折り4回行っています。当時からのレシピであり、代々引き継いでいるものです。層が多いのでクロワッサンらしくなく、パイというよりパンのようになっています。層を詰めているので、クロワッサンを食べる時にあまりパラパラしません。ホテルで食事をする際に衣服を汚さないなどの配慮もあります。しっかりと目を詰めてパンのようにしているので、比べるとよく分かると思います。ぜひ試食の際に確認してみてください。(ホテルオークラ神戸齋藤さん)

サ・マーシュではなんと、クロワッサンは3つ折りを8回しています…冗談です。(笑)層が少ない方が、素材がボケないと思います。お店では本当は3つ折りを2回しています。3つ折りを少なくするのに行き着いたきっかけは、私の尊敬するコム・シノワの荘司シェフがこうしてほしいというものがありました。何度も試行錯誤して作りました。作っては荘司シェフに食べてもらい「違う!」と言われ続けました。ある日「これだ!」と電話がありました。そのクロワッサンは、折り数を間違えて生まれました。折りの回数を忘れてしまうことがたまにあります。間違えで生まれたクロワッサンは、サクサク感とふわっとした触感を持ったもので、荘司シェフの名前である「索(さく)」という商品名になりました。サ・マーシュで売っているクロワッサンは80%米粉を入れていることで、よりバターの香りが強調され、パリパリ感ともちもち感の極端な味わいを楽しめます。(サ・マーシュ西川さん)

お店のクロワッサンは3つ折りを3回の27層をベースにし、菓子パンに近く豪華な配合になっています。今日準備しているクロワッサンは、今回特別に作ってきたのでお店のものとは異なります。クロワッサンを作った経験のある方はいらっしゃいますか?失敗をしてしまったりと結構難しいと思います。専門的になりますが、うまく作る方法としては、バターの特性、可塑性温度帯(指で押して戻ってこない、その形をとどめること)を知ることだと思います。バターは13度から15度になります。ぜひ参考にしてください。(ケルン壷井さん)

 
 

おいしい食べ方
はちみつを紅茶に溶かしてクロワッサンを浸して食べる、バターの風味とちみつと紅茶のフレーバーが、口の中で楽しめる感じです。ぜひ試してみてください。(ケルン壷井さん)

食べ方というよりアレンジですが、クロワッサンを電子レンジで軽く温めて一枚ずつ層をはがします。はがしたものをトースターなどでこげないように低い温度でゆっくり乾燥焼きします。そしてアイスクリームを間に挟んでミルフィーユ状にします。脂っぽくなくて、サクサクでとてもおいしいです。簡単に家庭でもできるので、デザートなどにぜひお試しください。(サ・マーシュ西川さん)

ホテルということなので、朝食にクロワッサンを食べていただくことが多いです。朝食メインに、いろいろ食べれるように小さくサイズにしています。他のいろいろな料理と一緒に食べてもらいたい。また3つ折り4回の味を楽しんでほしいと思います。ホテルならではの味、朝食として楽しんでください。(ホテルオークラ神戸斉藤さん)

クロワッサンサンドがおすすめです。クロワッサンは西洋風でないといけないのかと思われがちですが、ポテトサラダ、ハム、卵マヨネーズ和え、キムチなどもサンドしても合うと思います。カリカリのベーコンなどもおいしい、特にこだわらなくてもなんでも合う、バリエーションがいろいろあるところが良いと思います。(イスズベーカリー井筒さん)

質疑応答
質問:イスズベーカリーさんのチーズクロワッサンがすごく好きで、どのように焼いているのですか?

お店の中でもクロワッサンとしては少し値段が高いのですが、チーズクロワッサンはよく売れています。あるメーカーのチーズスプレッドを絞って生地に巻いて、ピザに使うチーズをのせて焼いています。家庭では手に入りにくいと思いますが、普通のプロセスチーズで、クリームチーズで、どんなチーズでもクロワッサンは合うと思います。カマンベールチーズもいいと思いますので、ぜひ試してみてください。(イスズベーカリー井筒さん)

質問:自分でパンを作るときに北海道産の小麦を使っているのですが、外国産の小麦と国内産の小麦の違いはありますか?

外国産の小麦は、土壌が乾いており、気候が涼しいので、硬質小麦ができやすい環境です。国内産の小麦は、土壌の水気が多く軟質小麦ができる環境です。日本ではお米作るよりも小麦作るほうが難しいです。タンパクの質の違いで、発酵した時の膜の張り方や、口どけの良さに差が出ます。軟質小麦は膜が薄くなりにくいが、口どけは良いです。硬質小麦は膜が薄く風船みたいになり、ボリュームが取れやすい、口どけはもう少しという感じです。(ケルン壷井さん)
 
 

まるで漫才のようなシェフたちのクロワッサントーク、4店舗のクロワッサンを試食食べ比べと大変盛り上がりました。クロワッサンひとつでもそれぞれのお店では作り方やこだわりが異なります。「3つ折り3回の27層」が参加者の頭から離れないキーワードになったのではないでしょうか。これからパンを楽しむ1か月「KOBEパンのまち散歩」が始まります。ぜひマップを手に神戸の街を散歩してください。

KOBEパントーク2015
http://kiito.jp/schedule/event/article/14043/

神戸 PANPO
http://kiito.jp/schedule/event/article/14045/

2015年10月25日(日)

いよいよ展覧会の最終日となる10月25日に、20日間の会期を振り返りと、今後の高齢社会にむけて展覧会で行ったことがどうつながっていくかの展望を明確にするトークを行いました。

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①シニアメディアラボ
このラボでは、「1.高齢社会においてどんな情報が必要なのか?」「2.それを知るためにどんな情報媒体が必要なのか?」「3.読む、書く、聞く、調べるがコミュニケーションのきかっけになりえるのか?」という3つのテーマをもとに展示やトークを行いました。

<地域情報誌「omusubi」>
今まで4年間、東灘区社会福祉協議会と協働で行い、地域のリタイアした人、大学生、コピーライター、デザイナー、KIITOが一緒になりチームを組んでつくってきた情報誌「omusubi」の、これまでの展示と、これからを考える試みをしました。
10月12月(月・祝)には、今まで「omusubi」に関わった人たちに来ていただき、さらにこれから関わりたい方々と、「omusubiトーク 地域情報紙 プロジェクトのこれまでとこれから」を行いました。参加した方の中から出た意見としてとても面白かったのは、情報誌が自分ができる関わり(役割)方を見つける舞台になっているということです。会期中に「omusubi」第3号制作のキックオフミーティングを行ったのですが、新たにラボに関わったメンバーが興味を持ってくださったりと、今後に向けて新しい展開を生み出していました。

<トーク・アラウンド・ザ・ブックス>
「プロの書店員が選ぶ65歳からの1冊」という企画で、歳を経たからこそ楽しめる本をセレクトし、書籍を紹介するブックリストの展示を行いました。
10月18日(日)にはトーク「トーク・アラウンド・ザ・ブックス 」を行いました。

<編集を学ぶかべ新聞部>
壁新聞が最近なくなっている中で、壁に貼っているものをみんなで共有しながら読むことは新しいコミュニケーションを生むのではないかと考え、10月17日(土)にワークショップ「編集を学ぶかべ新聞部」を行いました。
参加者が実際に街に出て取材をする中で、高齢者が自然と集まる輪があることなど新たな発見がありました。



②食ラボ
地域に関わっている食のプログラムのリサーチやヒアリングをし、展示を行いました。
地域で月1~2回行われている「ふれいあい給食」に関して既存のメニューをリサーチし、料理研究家の坂本先生にアドバイスをいただき、スパイスを足して味に変化をもたらしたり、盛り付けで彩良くする方法など、簡単にアレンジできるメニューの提案をしました。
もう1つリサーチの中で多かったものが、男性向けの料理教室です。既存のプログラムは自分のためのものが多いが、本気の料理を学び誰かのために作るという内容があっても良いのではないかということで、全4回の「男・本気のパン教室」を会期中に行いました。参加者は50歳以上の男性6名で、サ・マーシュの西川シェフ指導のもと、パン作りを学びました。10月17日(土)には「ライフ イズ クリエイティブ カフェ」を開催しました。

会場に、「男・本気のパン教室」に参加していた方が来ており、参加されての感想を聞いたところ、「最初は、2日間でパン作りを習得するなんて無理だと思ったが、シェフに丁寧に教えてもらえたことと、メンバーの結束が強かったことで、カフェ当日のパン作りを満喫できた。」「今回参加したことで、家族にも喜ばれた。」「今後も、場があればぜひまた集まってやりたい。」という声をいただきました。



③公園ラボ
「健康」をテーマにリサーチをしました。会場内には、遊具メーカーの株式会社コトブキさんにご協力いただき、健康遊具の展示を行いました。健康公園のリサーチも行い、現状、高齢者にとても人気がある公園がどういったものかを展示し、さらに、公園に対する「こんなことができたらいい」「こんな場所があったらいい」というアイディアを募り、その場に貼っていってもらいました。
会期中には、全3回のワークショップ「公園×シニア×健康の未来を描こう」を行いました。国内・海外の公園の事例をリサーチからはじめたのですが、参加者からは「久々に公園に行った」「公園にこんなに健康遊具があるとは知らなかった」という意見がありました。最後には、その場で「こんな公園があったらいい」といアイディアを、絵を描いたり粘土や紙を使って立体にしてもらい、発表を行いました。



④オールドタウンラボ
このラボでは、「高齢者のスキルをまちでどう生かすか」「高齢者と他の世代がどう交流したらよいか」という2つのキーワードがありました。いくつかオールドタウンの事例をリサーチしていく中で、オールドタウンと呼ばれているものの、そのまちにはキーマンとなる元気な高齢者がおり、その人がいかに他の地域の高齢者に役割を与え、何か催事等に巻き込むかどうかがとても重要だということに気づきました。そのため、今回の展覧会では、以前に開催した+クリエイティブゼミvol.3まちづくり編
で繋がりのある須磨区高尾台を題材に、キーマン含め巡民の方がどうやってつながっているかを図式化した「つながりMAP」と、高尾台で行われている多世代の住民が参加できる様々なイベントをリストアップした「高尾台の1年間」というものを制作し、展示しました。
その他、高齢者のスキルを活かしたり、スキルアップの場を創出できないかと思い、展覧会の会場設営を高齢者の方と一緒に行う「ものづくり講座」を実施しました。建築家の方々に講師になっていただき、事前講習で道具の使い方や会場設計のコンセプトを学び、実際に3日間かけて各ブースのファサード(木の枠組み)を制作しました。
10月11日(日)には、ワークショップ「いきいきとした地域づくりにおける高齢者の役割」を行いました。実際に参加者の中に、大学生と高齢者の方が一緒になってグループディスカッションを行っており、



⑤恋愛ラボ
事前のリサーチのなかでとても興味深いデータがあり、シニア男性は「いつもでも恋をしていたい」、女性は「恋愛はもうとっくに卒業した」という違いがありました。そこで、シニア男性にはよりいきいきと恋を楽しんでほしい、シニア女性にはもう一度恋する気持ちをもってほしいということをテーマに展示やイベントを行いました。
新しいシニア像を提案する「モテインフォ」を設け、いくつかに分類したモテるタイプの人物像が書かれたおみくじがひける「モテみくじ」を設置しました。その他、「モテ絵馬」を設置し、来場者に「愛する人にもらいたいもの」「愛する人と行きたいところ」を書いてもらい、どういった人がモテるのかなど、リサーチを兼ねた展示をしました。
また、会期中に全4回の「おしゃれ着リメイクワークショップ」を行い、会期の最終日の10月25日(日)には「ライフ イズ クリエイティブ ファッションショー2015」を行いました。ワークショップの参加者の方からは、「このワークショップに参加しておしゃれを楽しんで自分磨きをしたことで、恋愛スイッチが入った。」という言葉をいただき、とてもいい機会が持てたと感じます。



⑥認知症プロダクトラボ
高齢者に対する海外でのプログラムはどういうものがあるのか?という興味の中で、イギリスが高齢社会に対する文化芸術からの取り組みで先進事例が多く、プロダクトの展示を行いました。
レジデンスとして、デザイナーインベンターのクロエ・メイネックさんを招聘し、作品である「Music Memory Box」を展示し、さらに神戸版Boxの制作を進めました。実際に神戸の認知症の方々やその周辺の方にヒアリングを行い、認知症の方ご本人がいきいきと思い出がよみがえる物や音楽について情報収集を行いました。実際にヒアリングをしていく中では、ご本人だけでなく家族が元気になるという姿が見受けられ、家族のためにも大きな役割を持つプロダクトだという事を感じました。これのヒアリング情報をもとに、今後、クロエさんが神戸版「Music Memory Box」の制作を進め、完成した後、KIITOで展示を行います。
その他、イギリスのデザインカウンシルが開催した認知症デザインコンペで応募された2作品の実物の展示と、イギリスの美術館が開発したアプリの展示を行い、認知症プロダクトに対する可能性を広く見せました。
10月22日(木)には「クロエ・メイネック アーティストトーク」を行い、10月23日(金)には、ブリティッシュ・カウンシルのアーツ部長、湯浅真奈美さんをお迎えして、レクチャー「高齢社会における文化芸術の可能性 英国を事例として」を行いました。



⑦防災ラボ
NPO法人プラス・アーツが実施している家族で楽しく参加できる防災訓練「イザ!カエルキャラバン!」をベースに、高齢社会での新しい防災訓練が考えられないかということでリサーチと提案を行いました。
神戸の中でも、色々な工夫をして防災訓練を実施している地域がありその事例紹介と、防災食の中でも介護食を出しているメーカーがあり、その展示も行いました。
10月17日(土)にはレクチャー「高齢社会における新しい防災のカタチを多面的に考える。」を行いました。ゲストが、防災訓練のプログラムをつくり続けることがとても楽しいとおっしゃっており、大きな仕組みは考えられないけど、高齢者が参加できる工夫をチャレンジし続けているとお話しさせれていました。また、地域の中には、「誰かのために何かしたい」と思っている高齢者の方は地域におり、そういった人たちをどう巻き込んでいくかがとても重要だということが分かりました。



⑧終活ラボ
まずは「終活」の現状と今をリサーチしました。今まで遺産相続やお墓などの「死のための準備」が「終活」だった状況が、ここ数年は「残りの人生をどう生きるか」という「生」のための「終活」に変ってきたということが分かりました。そのため、「終活」の新しい可能性を探る展示を行いました。
1つめは、「これまでの終活」「新しい終活」「未来の終活」という3つに分けてアイディアをイラストにして展示を行いました。もう1つが、来場者の方々に「死」を意識して人生計画をしてもらい、"ものさし"(紙)にその内容を書いてもらう「LIFE IS TAPE」という公開ヒアリングを行いました。予想以上に、若い方々にも書いていただき、「改めて考えたらとても時間がかかった」「残りの人生の時間を考えたらいっぱいやりたいことがあった」などの感想がありました。
10月12日(月・祝)にはレクチャー「今と未来の終活のはなし」
10月21日(水)には「アルバム整理ワークショップ」を行いました。





今回のクロージングトークのはじめからおわりまでを、グラフィックファシリテーターの石橋智晴さんに絵と文字で書き残していただきました。



LIFE IS CREATIVE展 クロージング・イベント トーク「ワクワクする高齢社会にむけて」
http://kiito.jp/schedule/event/article/14566/

LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。
http://kiito.jp/schedule/exhibition/article/13681/



2015年8月22日~9月6日まで、KIITO 2Fライブラリで開催した「OUR DIARIES KOBE -100人が日記で綴る、神戸の日常生活と冒険-」展で神戸の100人に執筆いただいた日記をまとめた冊子を制作しました。
デザイン・制作はもちろんIN/SECTS。トレーシングペーパーのカバー、ミシン製本でかわいらしく仕上がりました。
展覧会の会場風景写真も収録し、手に取ってゆっくり100日記を本企画を読み返すことができます。
企画の発端となった『IN/SECTS』日記特集号と見比べながら合わせて読むと、また違った面白さが出てくるかもしれません。
KIITO内のライブラリでご覧いただけますので、来館時にはぜひ手に取ってみてください。


「OUR DIARIES KOBE -100人が日記で綴る、神戸の日常生活と冒険-」展
開催概要 / トークイベント「日記の魅力 〜日記文学と日記のことば〜」開催概要 / レポート

2015年10月25日(日)

LIFE IS CREATIVE展も最終日となったこの日、期間中恋愛ラボ内で行われてきた「リメイクワークショップ」参加者の成果発表として、「ライフ イズ クリエイティブ ファッションショー2015」を開催しました。

全4回行われたワークショップの中で、参加者のみなさんは、思い入れがあり大切にしていたけれど、着ることのなくなってしまった洋服や着物を持ち寄り、講師の神戸芸術工科大学芸術工学部ファッションデザイン学科教授の見寺貞子さんと、アシスタントの韓先林さんにアドバイスを受けながら、今の自分に似合う、新たなおしゃれ着に生まれ変わらせるべく、作品を制作してきました。

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今回のファッションショーは、制作した作品のお披露目の場です。ヘアメイクアーティストの安田有希さんにご協力いただき、参加者のみなさんを華やかにメイクアップしていただきました。いつもと違ったヘアアレンジやメイクで、背筋も伸び、声色もよりいっそう明るく聞こえます。

展覧会の会場の真ん中にはランウェイが立ち上がり、照明や音楽、映像など、この日のために演出にもたくさんの方にご協力いただきました。事前のリハーサルでは、本格的な舞台演出に驚き、少し緊張した表情の方も見られましたが、とても真剣にウォーキング練習に取り組まれていました。

ファッションショーには、リメイクワークショップ参加者の他にも、「男・本気のパン教室」に参加されたシニア男性の方々や、KIITOサポーター、参加者のご友人にも、リメイクワークショップ参加者の作品を身につけ、モデルとしてご出演いただきました。

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いよいよ本番を迎えると、リハーサルの時の硬い表情が嘘のように、みなさん明るい表情と素敵なポージングを披露。
ウォーキングの際には、講師の見寺先生に、出演者のみなさまのエピソードのナレーションをしていただきました。華やかな舞台で、制作した洋服もより美しく、魅力的に見えました。

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ファッションショーの最後には、リメイクワークショップ参加者のみなさんへインタビューを行いました。
どの方も、手を動かすことがとにかく好きで、何かを作り出すことをずっと続けていきたいと力強くお話をしてくださり、そのクリエイティブな発想力と、確かな裁縫の技術で、会場に集まった多くの人々に、いつまでもおしゃれやファッションを楽しむことの魅力と価値を伝えてくださったように思います。

ファッションショーを終えた後の写真撮影の際に、おしゃれを楽しむということは、私にとって生きる活力だと話してくださった方もおられました。
また今後、さらに大きな舞台で、若い人とも一緒にファッションショーに出演してみたいとの新たなアイデアまでいただき、その向上心の高さにとても驚かされました。
今回のファッションショーでは、観客としてご来場いただいたみなさまにも、これからの自分の人生をより楽しむためのヒントとなるイベントになったのではないかと思います。

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LIFE IS CREATIVE展  「ライフ イズ クリエイティブ ファッションショー2015」
http://kiito.jp/schedule/event/article/14696/

LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。
http://kiito.jp/schedule/exhibition/article/13681/

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