お知らせ・レポート

2015年3月6日(金)

「食」と「空間」をそれぞれクリエイターが担当し、「BE KOBE」の取り組みを、もっと神戸の市民に広く知ってもらうための、パーティー形式の交流会をキックオフイベントとして開催した。


北野にある「サ・マーシュ」の西川功晃氏の料理と、KIITOに事務所(ティーハウス建築設計事務所)を構える建築家の槻橋 修氏が手掛ける空間のコラボレーションにて、「BE KOBE」の取り組みを今後盛り上げていくための交流の場を、神戸の象徴でもある「海」と「山」をテーマに創り上げた。
西川氏と、ティーハウス建築設計事務所のスタッフから料理と空間の説明をしていただいた。


「海」をテーマにした料理と空間。

「山」をテーマにした料理と空間。

参加者たちは、「食」と「空間」を楽しみながら、自己紹介やお互いの活動の情報を交換し、「BE KOBE」を周りに広めるアイディアを出し合った。



また最後に、今後の新たな「BE KOBE」のメインビジュアルとなる集合写真を、参加者全員で撮影した。

BE KOBE_11


「BE KOBE MEETING」開催概要はこちら

2015年3月20日(金)-3月22日(日)

「触覚」を楽しむ現場で活躍するダンサー、建築家、文化人類学者をゲストに迎え、コンタクト・インプロヴィゼーションの視点から「触れることから始まるコミュニケーション」について意見を交わすトークセッションを開講しました。

「コンタクト・インプロヴィゼーションの日本における広がりと可能性」では、ゲストに鹿島 聖子さん、坂本 公成さん、森 裕子さん、宝栄 美希さん、手代木 花野さん、Lata Tomoko Takahashiさん、玖島 雅子さんをお招きしました。ナビゲーターの富田さんよりコンタクト・インプロヴィゼーションについての概要が説明され、日本各地でコンタクト・インプロヴィゼーションを用いた活動を行うゲストから活動内容と活動から見出されるコンタクト・インプロヴィゼーションの持つ可能性についてトークセッションを行ないました。


「触れ合いーー新たな身体知の探究」では、広瀬 浩二郎さんをお招きしました。全盲である広瀬さんから多数派=健常者の利便性が優先され、少数派=全盲者が利便性を失う現場が多数ある、という視点を根底に、情報保障と情報変換の違いについてのトークを行い、後半では合気道を元にした姿勢で行う腕と腕の押し合いを、目を閉じた状態で行うことで触覚と聴覚に集中するワークを行いました。


「空間とコンタクト」ではNO ARCHITECTSさん、坂本 公成さんをお招きし、直前に行った、建築とコンタクトのワークショップを受けての振返りを含めて、トークセッションを行ないました。自身の身体という「内側」と、他者の身体や、モノ、空間といった「外側」にある環境とのつながりについてワークショップの結果を元に考察しました。

「Contact Improvisation Meeting Japan 6th」
開催概要はこちら

2015年3月20日(金)-3月22日(日)

コンタクト・インプロヴィゼーションの基礎から応用までを実践的に学び、「触れることから始まるコミュニケーション」をテーマに、自分自身や各方面で活躍する専門家と参加者達の姿勢や態度にもアプローチし、+クリエイティブの幅を広げることを目的として開講しました。


ワークショップではコンタクト・インプロヴィゼーションの基礎ワークと、応用としてコンタクト・インプロヴィゼーションを用いた作品の構造を解析し体感するワーク、身体と空間のつながりを見つめなおすワーク、「音の出るもの」を要素に加えた習作という4つのワークショップを行いました。




基礎では「ふれる」「支える」「流れる」の3段階でコンタクト・インプロヴィゼーションがコミュニケーションとしての身体と身体のやりとりであることを実践的に学びました。


応用ではMonochrome Circusのレパートリー作品『最後の微笑』の振付を学び、作品の構造を解析、体感しました。



建築とコンタクトでは自身の身体という「内側」と、他者の身体や、モノ、空間といった「外側」にある環境とのつながりを見つめ直しました。

最終日は「音」をさらなる要素として加え、音とコンタクト・インプロヴィゼーションによるジャム・セッションを行いました。コンタクト・インプロヴィゼーションに楽器を始めとする多様な道具を用いた音が加わることで身体に「ふれる」アプローチとして「音」を用いることが身体と身体のやりとりの一つとして捉えられることを体感しました。


「Contact Improvisation Meeting Japan 6th」
開催概要はこちら

2015年3月15日(日)

「ものづくりワークショップ」は、生活の中で使っているものの出来上がるまでのプロセスを、プロの技と知識に触れながら自らの手で辿っていくことで、ものの価値やつくり手の想いを体感する場です。

今回は兵庫区和田岬でオーダー靴をつくられているKNOCKS:BESPOKEの内尾暢志さんをお招きし、バブーシュをつくるワークショップを開催しました。
バブーシュはモロッコの伝統的な履物で、かかとを踏んで歩く靴です。モロッコでは室内外のどちらでも使われる靴ですが、今回は室内履き用として作成しました。


ワークショップの合間には、今回作るバブーシュのことだけでなく、普段の靴作りについてもお話いただきました。その中で、足の中で体重がかかる場所についてのお話がありました。
足の中で最も体重が乗るのは人差し指だそうで、ハイヒールなど構造が繊細な靴は特に注意をしながらデザイン、制作をされるそうです。靴を作る上で重心はとても重要で、体に合ってないものを履き続けると、「足が変形してしまう」、「将来的に歩行能力が衰退していく」といった結果を招いてしまう危険があるとのことでした。


バブーシュづくりは、型入れ→裁断→仮留め→穴開け→手縫いの順番で進めていきます。
革は一般的な縫い物とは違い、先に下穴を開け、糸を通していく、という手法をとります。
下穴は「菱目打ち」という専用の工具を使い穴を開けます。使う針も少し特殊です。穴はすでに空いているところに通していくので、一般的な縫い針と比べると先は丸まっています。尖っていると穴を開けていないところに刺さりやすいですが、丸めてあるので下穴に通しやすくなります。


糸は麻糸を使います。麻糸は短い繊維の集合体でできており、一部が切れてもその他である程度強度を保てるため、靴作りにはよく用いられるそうです。
さらに強度を強めるため、麻糸に蜜蝋を摩擦熱で塗り込みます。
長さは実際に縫う距離の3〜4倍切り出します。

いよいよ縫製です。針に糸を固定し、縫い始めをます。縫製は事前に開けた下穴を辿ってゆくのでスムーズで、ピッチも整っているので仕上がりはとても綺麗なのが特長です。縫い終えた後の糸は革と革の間に結び目を隠すことで綺麗に仕上げることができます。


作業が進むにつれ、一枚の革だったものがどんどん立体的になり靴の形になって行きます。靴が仕上がっていく工程を自らの手で辿ってゆく中で「こんな構造になっていたんだ!」と感心されている方もいました。
靴底を縫い付ける作業の頃になるとみなさんも慣れた手つきになり、サクサク作業を進められている様子でした。
全て縫い終ったら、裏返し、形を整えて完成です。



最後に参加者ひとりひとりのバブーシュの記念撮影をし、ワークショップを終了しました。



ものづくりワークショップ「KNOCKS:BESPOKE内尾さんと、バブーシュをつくる。」の開催概要はこちら
次回のものづくりワークショップは「うたたね 山極さんと、スツールをつくる。」です。
開催概要はこちら

デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2015年4、5月に開催する催事についてプレスリリースいたします。

プレスリリースはこちら(PDF)

2015年3月13日(金)

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」第5回となる、MCフードスペシャリティ―ズパン資材事業部・室町秀夫氏のレクチャー「食品添加物について考える」を開催しました。

ゼミマスターの米山雅彦さんも、レクチャーを依頼する際、「厳しい目線や質問をあびると思います」と伝えたそうですが、室町さんも、食品添加物が悪いイメージを持たれていることは承知済み。過剰に安心をアピールするのでもなく、危険性の認識を煽るのでもなく、なぜ「添加物=悪」というイメージがあるのか、そこに根拠があるのかを、公の調査研究データを元に、丁寧にレクチャーしてくださいました。
※このレポートでは、データの出典や細かい名称は省略しています。ご了承ください。

SONY DSC SONY DSC

「食品添加物=悪」というイメージ
「癌の原因は何か?」というアンケート調査の最多回答では、主婦=食品添加物(43.5%)/癌の疫学者=ふつうのたべもの(35%)、タバコ(30%)、という大きな差が出ている。なぜか?
2000年ごろ、食品添加物の安全性に疑問を呈する本が多数出版された。本の内容は、食べてはいけないものを具体的に提示したり、食品添加物メーカーの元セールスマンが舞台裏を内部告発するような形式をとった語り口のもので、たいへん話題になった。この現象が、「添加物=悪!」という認識を広く世間に植え付けることになったと考えられる。
今回のレクチャーにあたり、それらの本を読み、そこで何が悪とされているのかを確認した。その根拠は正しいのか、をきちんとデータを見せながら、検証したい。

保存料(ソルビン酸)
ソルビン酸は、脂肪酸の一種。幅広い用途に使えるので、一番よく使われている保存料。漬物、ジャムなど、消費期限の長いものに特によく使われている。「カビ、細菌を殺すなら、人体にも悪いに違いない!」と言われている。
→物質の毒性は、半致死量(LD50。動物の体重1kgあたりの投与重量mg/kgが数値になる。数値が小さいほど毒性が強い。)で比較できるが、その数値によれば、ソルビン酸は食塩よりも毒性が低い。ソルビン酸が危ないという根拠は反証できる。

イーストフード
イーストフードは、発酵を促進させ、パン生地を膨らませる力を強化して、使うとパンがふっくらする。16品目(無機塩類)の総称。他に、かんすい、にがり、凝固剤も無機塩類だが、別記される。16品目の中に含まれる、塩化アンモニウムの毒性について指摘がある。
→ソルビン酸と同様、半致死量で比較すると、食塩の方が毒性が高い。

臭素酸カリウム
パンを膨らませたり柔らかくしたりする効果がある。発がん性が指摘されており、国によっては使用が禁止・制限されている。日本でも、パン以外での使用は禁止され、制限値以下の使用量であること、かつ、最終製品には残留してはならないという規制がある。
発がん性の指摘があって以降、日本でも使用自粛が申し合わされたが、正常な製造工程の遵守をすれば最終製品への残留はなく、問題はないという日本パン工業会の見解が出され、これを厚生労働省も承認したことから、一部メーカーでは使用が再開された(2003年)。臭素酸カリウムは「加工助剤」なので表示義務はなく、消費者が使用の有無を知るのは困難だが、消費者の不安を煽らないようにあえて注釈として別記するなどの取り組みがなされている。
また、カビにくい市販のパンは、臭素酸カリウムの使用によるものという言説があるが、エタノール濃度が高いとカビの生育が遅い、という実験結果があり、カビにくいのは臭素酸カリウムではなくエタノールに由来すると考えられる。
→臭素酸自体は、水道水にも入っていて、パンの臭素酸の基準値は水道水の基準値より20倍厳しい。臭素酸カリウム批判には、量的考察が欠けていると考えられる。

発色剤(亜硝酸塩ナトリウム)
元々はボツリヌス菌抑止のために食品に入れ始めたもの。色と風味を良くする。ハム、ソーセージ、イクラなどに入れられている。生鮮食肉に入れるのは禁止されている。生ハムなどには必ず入っている。合成着色料とは違う。亜硝酸塩自体には発がん性はなく、タンパク質に含まれる物質との組み合わせで発がん性が指摘される物質へ変化する。ビタミンCはその生成を阻害する。
→亜硝酸塩は野菜に含まれている物質で、食品添加物から摂取される量はわずかで、野菜由来のものの方が圧倒的に多い。野菜に含まれるビタミンCは発がん物質の生成を阻害する。亜硝酸塩も、一般的にビタミンC(酸化防止剤として)の同時添加がなされる。

総じて、「食品添加物が危ない」という指摘には、量的検証が欠けている。偏った情報を信じて危険と決めつけるのは正しいとは言えない。

「安全」と「安心」
ただ、食に求められる「安全」と「安心」は違うもの。「安全」は科学で追求できるが、「安心」は人の気持ち。自称「専門家」の存在や、不安を煽るメディア、企業不祥事などによって揺るがされる。
食についてのアンケートで、「不安を持っている」と答えた人が75%いた、という結果がある。不安の理由には「偽装表示」「輸入食品の安全性」が多く挙げられている。つまり、業者の不正を不安に感じている人が多い。
企業側も「無添加」「無漂白」「合成着色料・保存料無添加」をうたうが、無添加の定義は企業ごとに定義が異なるし、合成着色料は使っていないが天然の着色料は使っていたりする。書くことで過剰な「無添加」信仰を煽ってしまう部分があるのではないか。

SONY DSC SONY DSC

さまざまな言説があるなかで、賢い消費者になるためには、情報を鵜呑みにしない(メディアの「~が危険・体に良い」、「体験談」)、安易な判断をしない(「国産」「無添加」「高価」なら全て良いとは限らない)、量的思考で、自分の五感で判断すること、が重要。

質疑応答
さすが食ゼミ生、というべきか、質問には具体的な食品添加物名や海外の事例があがり、突っ込んだ質疑が交わされました。一部を紹介します。

Q:食品添加物には、保存のため以外にも、嗜好のためで必要ではないものもある(香料など)。脳が求めてしまうから歯止めがきかない。海外では規制している事例もある。国が規制すべきでは。また、企業側も、口当たりの良さ・柔らかさばかりを打ち出した、日本人の好みにおもねる一方の商品ばかりを作るのはどうか。企業側が変えるべきでは。
半致死量が検証の基準になっているが、死ぬことはなくても病気になる量だったら大変なこと。実験では1年が基準になっているが、人間で考えたら1年で判断するのは短すぎる。これらのデータで安全と言い切るのは不十分ではないか。

A:パンに限っては、必要ないものは使わないので、香料などについては詳しくないが、企業側としては、実際に好んでその商品を買う人がいる限り、その人に対して「それは間違いです」ということはできない。また、現実問題、24時間営業のコンビニで、無添加のサラダを提供し続けられるかというと難しい。ソルビン酸の摂取を避けるために、しょっぱい沢庵を食べ続けられるか?というと、食べないと思う。ライフスタイルに合わせて、適切に使っていくという考え方をしてはどうか。
これから、食べたくても食べられない時代が来て、質の良い材料が減っていき、食品添加物は増えていくのではないか。使えなかったものを使えるようにするような技術が必要になるのではないかと思っている。
いろいろな考え方がある。天然が一番、というのにも疑問がある。今回のレクチャーのまとめやゼミの趣旨につながるが、人に求めすぎないで、自分で選ぶ、ということが大事ではないか。

米山:たしかに甘いパンは良く売れる(笑)。
本質的な商品を作って消費者がそれに合わせてくれるならよいが、商売としてやっている限りは、ある程度合わせないとやっていけない。人のライフスタイルに合わせて商品を提供しようとすると、ずれてきてしまう、とは思っている。


最後に、室町さんが「やっぱり添加物は不安ですか?」と質問したところ、数人が手を挙げました。
ゼミ生のみなさんが自分の基準を作っていることのあらわれと言えるでしょう。
食品添加物は、未来に向かってこれからも新しい研究開発が進んでいく分野だと言えそうです。安易に結論を出さずに、継続して知識を深めていきたいものです。


第6回となる次回は、「醤油についてのお話と手作り醤油ワークショップ」と題した、大徳醤油株式会社・浄慶拓志氏によるレクチャー+ワークショップです。


+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10640/

2015年2月27日(金)

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる”食”の勉強をしよう!」第4回は、おおや高原有機野菜生産者の金谷智之氏レクチャー「おおや高原有機野菜の現状」を開催しました。

ゼミマスターの米山さんより、有機方法だけでなく、生態系についても話ができる、おもしろいタイプの農家さんですと、金谷さんの紹介から始まりました。おおや高原はどこ?有機JAS法とは何?鹿のライフマネージメントとは?など農業の現状についてお話いただきました。

SONY DSC SONY DSC

おおや高原
おおや高原は、兵庫県の中央に位置する養父市にある。養父市は農業特区にも指定され、日本中から注目されている地域でもり、農地は山の上、標高500~700mにある。おおや高原有機野菜部会は9名の仲間と行い、ビニールハウスは297棟、ほうれんそう、しゅんぎく、みずな、こまつな、こかぶ、ミニトマト、くうしんさいを育てっており、コープこうべで販売をしている。4月~12月で栽培をしており、年間約140tの生産量になる。

有機JAS法
農薬、化学肥料による害が問題になった時期があった。そのころに有機農業運動がはじまった。その後、有機JAS法が作られ、法律も守らなければ有機とは言うことができなくなった。基本的なルールは、化学合成された肥料、農薬を使用せず、播種または植え付け前2年以上の間、堆肥等による土づくりを行った圃場において生産された農産物と定められている。認証という手続きが必要で、格を付けられるのは生産者だけであり、かってにJASマークを付けることはできない。JASマークを付けるための申請には100ページに及ぶたくさんの資料を作成しなければならなく、非常に大変である。農家さんの中にはこの申請資料作成が大変であるため、有機農法でつくっていても、有機やオーガニックとは言わずに販売している例もある。

野菜
6月にほうれんそうの種を撒いた場合、何日で収穫できるか。1ヶ月?2ヶ月?3ヶ月?正解は1ヶ月(30日)。1ヶ月で成長し、収穫することができる。大根などは3ヵ月(90日)かかる。トマトの生産地知っているだろうか。中米が生産地であり、寒さに意外と弱いのである。高原ではトマトの苗をつくることができないため、但馬にある農業高校に苗づくりを頼んでいる。花が咲き受粉はクロマルハナバチに頑張ってもらっている。西洋のハナバチの方が良く仕事をするが、特定外来種のため使用していない。トマトの花はあまり蜜が無いため、ミツバチはあまり働かない。
堆肥は牛の糞からつくられている。昔は自分たちで行っているところもあったが、牛の糞には大腸菌もいるので、しっかり発酵させなければいけない。そういうことも考え、地域堆肥センターと連携し、完熟堆肥づくりを行っている。
野菜の約6割はアブラナ科の野菜である。同じ科の場合はつく虫やかかる病気も同じである。混植といった方法で病気のリスクを下げる方法もある。ビニールハウス内に設置している黄色のテープは、虫を駆除するもので、黄色に虫が集まる習性を利用している。

SONY DSC SONY DSC

農業に虜になった理由
元々コンピューターに興味を持っていたが、親が脱サラし農業を始めたことがきっかけで、はじめは親の手伝いをしている程度であったが、だんだんと農業のおもしろさに惹かれていった。農業は野菜や気候などさまざまな影響を受けるため、すべて自分の責任ではない。プログラミングなどは自分のミスは自分で直さなければ直らない。農業は絶対という答えがない。植物は動物と異なり、多少の事は耐え、少なければ少ないなりに、多ければ多いなりに対処する。生産者というのは農家としてはおこがましいと思っている。育っているのは野菜、育ててくれるのは環境、農家はそれを手助けしているだけである。
40、50年も農業をしている人が、「百姓は毎年1年生なんや」と言っていた。何年も続けていれば、自分の思い通りにできるものだと思っていた。「昨年と今年は同じ天気だと思うか、そうではない。全く同じ天候の年はない」という言葉に、衝撃を受けた。定年がなく、こんな生き方も良いのではないか。生きていくためには食べ物が必要である。

鹿のライフマネージメント
大屋町の人口は約4,000人で、鹿の頭数は、8,000~12,000頭、人口より鹿の頭数が多い。初めは畑で鹿と目が合うと、驚いて鹿は逃げていたが、だんだんと人を恐れなくなっていった。鹿はほうれんそうの一番おいしい部分を知っている。野菜は人間が食べるものなので、おいしく栄養価も高い。兵庫県内でも鹿は、140,000~150,000頭いると言われており、年々農業被害が増加している。猟師の資格を取り、鹿の捕獲や防衛のための電気柵を設置している。電気柵で一番効果があるのは、イノシシである。鼻が直接電気柵に触れるため、ほぼ100%効果がある。鹿は、ジャンプ力が2mもあり、柵を飛び越えたり、線の間を透けるものもいる。多少の痛みがあっても死なないと分かれば、無理にでも野菜を食べに行く。動物も知恵を持っていると感じる。頭数を押さえるだけで精一杯なので、部会メンバーにも猟師の資格を取るよう促している。

最後にゼミ生より「おいしいとは」と質問ありました。「ひとつの環境である。環境一つで日常の食事の印象も変わってくる。自分が健康でいることも大切で、環境などの条件が良いことがおいしいという事ではないか。」自分が入院をしていた経験から、いろいろ感じたそうです。

第5回となる次回は、「食品添加物について考える」と題した、MCフードスペシャリティーズ・パン資材事業部・室町秀夫さんによるレクチャーです。

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10640/

2015年3月1日(日)

第2回目の珈琲学はFrom Seed to Cupについて学びました。


コーヒーは農作物です。
しかし、インスタントコーヒーや缶コーヒーなど、安価なコーヒーの台頭により、農作物としてのコーヒーは意識されづらくなっているかもしれません。

今回の珈琲学ではコーヒーの原料であるコーヒーチェリーを育てる農園にまずはフォーカスをあてました。

コーヒーチェリーを育て、収穫し、豆を取り出して乾燥させ、等級分けをし、コンテナに積み込む、そして豆屋から焙煎屋に届けられようやく抽出の行程に辿り着く、というように幾人もの人がいくつもの行程で関わり、ようやく我々の元に届けられています。

高い品質の豆としての評価を得た豆であるスペシャルティコーヒーは、この一つ一つの行程を事細かに追い、あらゆる行程での品質管理を徹底することで高い品質の豆を実現しています。
この徹底された工程管理は「From Seed to Cup (豆からカップに注がれるまで)」と呼ばれ、世界でも大きな話題となっています。

このFrom Seed to Cupの本質を生豆の販売や焙煎に携わる松本しんごさんと主にインドネシアの農園からの生豆の貿易に携わる三木和彦さんから、ブラジルとインドネシアを比較しながらお話しいただきました。


ブラジルはコーヒーの産地としては大変有名で、コーヒー産業においては先進国です。
広大な農地、コーヒーチェリーの加工を一貫して行える「巨大企業」の様な農園が一般的です。
対してインドネシアはまだまだ発展途上国で、「中小企業」もしくは「個人農家」の規模でコーヒーチェリーを育てており、行程も細分化し、それぞれが専門分野を持つことで産業が成り立っています。
現地に直接赴いた講師のお話の節々で現地の人々の生活についても知ることができました。

それぞれの栽培環境を写真で紹介いただきました。
また、試飲をおりまぜつつ、地域によって異なる味を体験していただきました。
内容に沿った珈琲の試飲を行ったことで内容についてより深い理解を得られました。


「選んで消費する」ことが珈琲の流通に少なからず関与し、より豊かな珈琲の選択肢を作り出せることを「From cup to seed」と新たに定義し、これからの珈琲のあり方についても考えることのできる場となりました。

神戸「食」プロジェクト 神戸珈琲学学問編「From Seed to Cup」
開催概要はこちら

2015年2月28日(土)

SONY DSC SONY DSC

2月3日に最終発表会を行った、「これからの公園のあり方について考える。~高齢化するニュータウンにおける公園を事例にして~」(公園ゼミ)の特別編として、対象公園の現地調査、ゼミで生まれたアイデアのブラッシュアップを目的とした公開セッションを開催しました。パートナーでもあるCollective Dialogueのメンバーの、石川俊祐さん(IDEO Tokyo)、渡邊康太郎さん、佐々木康裕さん、徳久悟さん(takram design engineering)、宮崎光弘さん、佐野恵子さん(AXIS)の方々にも参加していただきました。
ゼミでは4つの班に分かれてアイデアを考えていきましたが、その中で空間に対してのアイデアを考えた2つの班を1班にまとめ、空間班、おとな小学校班、ピザ班の3つの班で進めていきました。メンバーはゼミ生と当日参加者で、各班十数名となりました。第1部ではゼミの対象公園でリサーチや住民へのヒアリングを、第2部ではアイデアのブラッシュアップのためのセッション、第3部では懇親会と、長時間のプログラムとなりました。

SONY DSC SONY DSC

第1部の現地調査では、対象公園に全員集合し、各班に分かれフィールドワークを行いました。実際に公園の中でアイデアを検証することで、よりリアリティのある意見交換が行われました。公園で昼食をとったり、話したりするための場づくりとして、和田武大さん(DESIGN HERO)、藤原康司さん(4S DESIGN)にもサポートいただき、カラー分けしたレジャーシートやコーンなどで各班の議論するスペースを演出していただきました。
空間班は、仮設屋根の検討を進め、先に紐を結んだ長い棒などを使い、設置場所やサイズの確認をしました。おとな小学校班では、住民の方々のスキルを教え合うアイデアを進めるにあたり、住民の方に、公園の使われ方らやどんな人が地域には住んでいるのかなど、直接話を聞きました。ピザ班は、より活発な公園の活用を目指すきっかけとしてのピザを焼くために、シェフである壷井さん(ケルン)にサポートいただき、ピザを焼くための方法や手順についてアイデアをいただきました。

SONY DSC SONY DSC

第2部は、会場をKIITOへ移し、公開セッションを行いました。空間班、おとな小学校班、ピザ班の3つのテーブルに分かれ進めていきました。Collective Dialogueのメンバーも各班に加わり、アイデア実現に向けサポートしていただきました。一線で活躍するメンバーから直接話を聞くことで、今までのゼミとは異なる、新たな手法や視点を学ぶことができました。さまざまなカテゴリを付箋でまとめながら進めたり、イラストを入れながら情報としてまとめるなど、各班様々なスタイルで行っていました。非常に白熱した議論が終了時間ぎりぎりまで繰り広げられました。

SONY DSC SONY DSC

第2部の公開セッションの最後には、各班の発表を行いました。
ホワイトボードにイラストを交えてアイデア表現したり、告知チラシをつくり、発表するなどさまざまでした。

空間班|
・既存のパーゴラや木々を利用し、タープを張り、屋根のある居場所をつくっていく
・タープの素材は住民の方に持ち寄っていいただき、布や古着をリユースしてパッチワークしていく
・初回は参加者が風船を持ち寄り、シンボルとして風船の屋根をつくる、2回目以降は旗に変更していく
・タープの下の空間では木やレンガなどでイスを設置、物々交換やフリーマーケットなども検討
講評|
・簡単な仕組みでタープを張ることができれば、周辺の公園などでも真似することができるのではないか
・布や古着を持ち寄るのは、地域住民も協力しやすいところが良い
・持ち寄った布や古着がどう使われたのか、住民も興味を持ち、来るきっかけが生まれるのではないか

おとな小学校班|
・一人暮らしが増加し、コミュニティが希薄になっている中、人々がつながるきっかけをつくっていくことが大切であると考える
・公園の周辺に住んでいる人が中心になり、交流するきっかけづくりとして、技や得意なことを教え合うことを進めていく
・おとな小学校で住民がいきなり先生として他の住民へ何かを教えるというのは難しいため、まずは、緑の交換会や郷土料理紹介、思い出の曲紹介といった、自慢できるもの、得意なこと、関心があることなを持ち寄るところから始める
・公園が自己実現の場として活用され、絶えず人がいるような場になることを目指す
講評|
・住民の方が自慢できることや得意なことを持ち寄り、いきなりではなくだんだんとに先生となっていくというのは、可能性があり、良いのではないか
・アイデアとしての年間スケジュールはできれば充実してとても良いが、すでに地域で行っているイベントでも大変であることも考えなくてはいけない
・周辺の農村地域も接点をつくれればより広がりが生まれるのではないか

C班|ピザ|
・ピザは丸い形をしており、平等に分けることもでき、平和なイメージを連想するものである
・回覧板のシステムを利用し、ピザ型看板などで告知や協力依頼などを回すことも検討
・ピザで食べたい具材を持って住民が参加し、参加者同士で具材を交換することで、オリジナルのピザをつくっていく
・食材交換でコミュニケーションを図っていき、持ち寄るだけではなく、公園内で菜園などもできればおもしろいのではないか
講評|
・地域の方が主役となっていくことが望ましい
・住民の持ち寄りだけでなく、周辺の農家さんにも協力いただき「おいしい地野菜を使って…」、など参加したくなる魅力も必要である
・地域には息子娘家族が近くに住んでいることも多いので、このような催事に2世代、3世代で参加できるのもいいのではないか

SONY DSC SONY DSC

第3部は1Fのカフェスペースで懇親会を行いました。フードはピザ班でサポートいただいた、壷井さんに今回特別にご準備いただきました。スペインの煮込み料理をのせたパンや野菜の素材を楽しめるパンなど、たくさんの種類が並びました。また、AXISの次号は公園特集となっており、それに向けた、インタビューをゼミ講師の永田が聞き手となり行いました。公園についてそれぞれが感じていることについて話を聞き、公園は無限の回答を言える場所、たくさんの思い出が詰まっている場所、社会と溶け合った場所、などさまざまな意見がありました。参加者も色々な角度から公園を読み解くきっかけになったのではと思います。

通常のゼミとは異なり、当日参加者や東京からのメンバーの参加するといった、新たな試みでした。ゼミ生にも新たな刺激となり、参加者にも大変好評でした。引き続き、各班で生まれたアイデアの調整を進め、具体的な展開を目指し進めていきます。


+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 「これからの公園のあり方について考える。 ~高齢化するニュータウンにおける公園を事例にして~」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10142/

2015年2月18日(水)

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる”食”の勉強をしよう!」第3回となる、新得共働学舎・宮嶋望氏レクチャー「自然界の中の人と食 ~光の生き物へ、そして人への影響~」を開催しました。

宮嶋さんは、北海道・十勝で「新得共働学舎」を開設し、ご自身の研究と実践に基づいたバイオダイナミック農法で、チーズを中心としたものづくりを実践されている方です。「環境・微生物・作物・家畜 そして人の可能性を引き出す」という新得共働学舎の運営や畜産物の製法はとても特徴的で、多方面から注目を集めており、宮嶋さんご自身もその方法を紹介する著作をいくつか出されています。今回は、そのご活動のいくつかをお話しいただきました。レポートでは、レクチャーの一端をご紹介します。

共同体の運営
新得共働学舎では、不登校であったり、心に負担を抱えた子どもなどを受け入れている。一緒に住み込んでともに働きながら、それぞれの抱えた不安を乗り越え、人生を主体的に捉えられるように支えていく。
例えば、朝食時に必ず「自己宣言」をさせ、それを達成させる。右脳を育てることのほうが重要に言われがちだが、右脳の直感を信じて生きるかどうかを決めるのは左脳。現在の教育の中には指示が多く、教育熱心になればなるほど指示になってしまい、指示に従っていけばうまく行く、という意識になり、決断力が養われない。
人は必ず誰かに認められたい、あいつより上手にやりたい、と潜在的に思っているもの。それを利用し、自らの人生を主体的に捉え、自己決定力を養う。生きる手応え、幸せ感を獲ることができる。

マザー・テレサから「世界中で一番心が飢えているのは日本の子どもたちですよ!」と言われた。仕組みはあるけれどそれがうまく行かないなら、なにかゆがみがあるはず。「弱い」ことには意味があり、「弱い」彼らは、日本のものの考え方がどこかゆがんでいることを伝えに来たメッセンジャー。彼らがくれたそのヒントに耳を澄ませて、返していく、と考える。

SONY DSC SONY DSC

光、電子、バイオダイナミック農法
植物の形には法則があり、フラクタルの相似形には意味がある。植物は自分の好みのエネルギーを受けるための樹形をしている。木はエネルギーを受け取るアンテナ。稲妻もフラクタル。
太陽の波長、月の満ち欠けに、植物のサイクル(花~葉~実~穀~根)を重ね合せ、仕込みのサイクルを調節する。このサイクルには味(甘、苦、酸など)も重ね合せることができる(作る月によって味の特徴が変わる)。さらに、太陽の光の性格と干支は関係がある(発酵では西の光が味を作る?)。
その土地がどのような波長の太陽光を受けているかを知ること。光の種類でチーズの風味が変わる。例えば、高地のチーズはなぜおいしいか?というと、赤い夕陽が当たるから、濃厚な味を作る。

太陰暦や角、結晶を使うバイオダイナミック農法は根拠のないオカルトではない。
有機物の循環を助ける方法。生きている場(エネルギーが循環する場・腐らない場)をつくる。
角は絶縁体で、電子を逃がさない。口は西に向け、先は朝日が入ってくる東に向けると、電子が溜まる。
電子の流れが人体の健康や生物の生育、作物作りに影響をもたらす。鉄は電子を逃がしてしまう。土壌作りの段階で炭を埋めて、炭の力で電子の流れを誘導し、住居、水、酪農、農作物づくりに活かす。

ジャン・ユベール(元フランスAOCチーズ協会会長)から「乳を運ぶな!」と言われた。
食べ物の素材が持つエネルギーを機械で削がないこと。他の牧場で搾った牛乳を使わない、搾乳とそれ以後の行程をなるべく近いところでできる「乳を運ばない」牛舎の構造開発へ活かした。

SONY DSC SONY DSC

ゼミマスターの米山雅彦さんが第2回目のレクチャーで、「難しいと思います」とおっしゃった通り、レクチャーがスピーディに進むなか、プロジェクターでは、光の波長のグラフ、太陽と月のカレンダー、宇宙の磁場の流れを示す図など、専門家でないと一瞬ひるんでしまいそうな図がいくつか示されていきました。

ただ、決して分かりにくいのではなく、宮嶋さんのやさしい語り口で、新しい知識を一気にどっと流し込んでいただいたような感覚でした。ゼミ生からは「感覚としては分かったが、人に説明できるほど頭の中で整理して咀嚼するにはまだ時間がかかる」といった感想が聞かれました。ゼミ生のみなさんには、復習や自分なりのリサーチを重ねて、ゼミ後も理解を深めていってもらいたいと思います。

第4回となる次回は、「おおや高原有機野菜の現状」と題した、おおや高原有機野菜生産者・金谷智之氏によるレクチャーです。


+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10640/

ページの先頭へ戻る