お知らせ・レポート

2015年5月30日(土)

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」最終回となる第10回は「楽しく食べて健康になりましょう!~糖質制限食のススメ~」を開催しました。北里大学北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟氏をお招きし、糖質制限食についてお話を伺いました。

血糖値測定
お話を伺う前に、普通食と低糖質食を食べて、血糖値がどのように変化するのか、ゼミ生から10名参加してもらい、2組に分かれ、食事を食べる前・食後30分後・食後60分後の3回血糖値を測定しました。測定する機械は手のひらに収まるほど小型なもので、すぐに数値が表示されます。講義を聞きながら、普通食(梅おにぎり2個、野菜ジュース)と低糖質食(低糖質パン2個、チーズ、牛乳)を食べました。どちらもカロリーはほぼ同じです。食べ終わったころに、2回目の血糖値測定を行い、講義を再開し、最後に3回目の血糖値測定を行いました。低糖質パンは今回特別にゼミマスターの米山さんに作っていただきました。
普通食 食事前(5名):平均101mg/DL、食事直後:平均153mg/DL、1時間後:平均145mg/DL
低糖質食 食事前(5名):平均98mg/DL、食事直後:平均106mg/DL、1時間後:平均111mg/DL
※正常な血糖値 食事前:110mg/DL未満、食事後:140mg/DL未満
普通食に比べ、低糖質食を食べたグループの血糖値は、食事前から食後まで大きな変化はなく、急激な上昇は見られませんでした。一方普通食を食べたグループは、食事後すぐに大きく数値が上昇し、その後の減少は緩やかでした。

 
生活習慣
「おいしいものは体に悪く、健康に良いものはおいしくない」と思われているのが現在の常識。低糖質の食事をとると、おいしく食べて健康になることができます。この低糖質食の普及の活動も行っています。
年々医療費が上がっており、年齢が高いほど、費用も高くなっている。中でも生活習慣病に関する医療費の割合が非常に高く、その生活習慣病の中でも、糖尿病、高血圧、脂質異常がほとんどです。この3つの疾患はそれぞれバラバラではなく、兄弟関係にある病気です。糖尿病は世界で約3億8200万人います(2013年)。その内の約1/3は日本を含む西太平洋地域にあたります。一方、アメリカは体の大きな人が多くみられるが、インスリンというホルモンを出す力が強いため、血糖値が上がっても、脂に変えることができます。日本人はインスリンを出すことができないため、極端に太るようなことができず、先に糖尿病になっていきます。東アジアの人は欧米に比べ、糖尿病になりやすいです。糖尿病、高血圧、脂質異常の3つがそろうと、メタボリックシンドロームといいます。それぞれが少しでも異常を起こすことで、普通の人の3倍、心臓病や脳卒中などを引き起こす可能性が高くなるといわれています。年齢別にみると、40歳以上の2人に1人はメタボリックシンドロームまたはその予備軍に当たります。
メタボリックシンドロームの状態では、自覚症状はなく、ちょっとした異常も無視していくと糖尿病になり、糖尿病から腎臓が悪くなったり、目が悪くなったりします。糖尿病にならなくても、心臓病、認知症、脳卒中などになることもあります。世界的に糖尿病やメタボリックシンドロームが増加しており、日本人の死因の1/3に関係しています。生活習慣を見直すことがとても大切です。

糖尿病にならないための対策は何か。食事を減らして、運動をすればいいと言われていた。しかし今まで健康に良いとされてきたことが怪しくなってきている。摂取するカロリーを減らすことが良いとされてきた。ある実験で、①白米200g、②白米200g+タンパク質、③白米200g+タンパク質+脂もの、④白米200g+タンパク質+脂もの+食物繊維、の4つの食べ方で食後の血糖値を測った。4つの食べ方は①から④は順にカロリーが高くなっています。1番血糖値が上がったのは、1つめの白米200gのみの食事です。タンパク質や脂、食物繊維を合わせて摂った方が、血糖値の上昇を抑えることができました。これは昨年の実験です。これまではカロリーを抑えた方が、血糖値が上がりにくいと言われていたが、上昇させるのは、糖質、でんぷんと糖分だけでした。脂やタンパク質を一緒に食べることで、血糖値上昇にブレーキをかけることが分かりました。

 
20世紀の常識では、カロリーを減らすだけでなく、脂も減らした方が良いと言われていたが、21世紀は違います。脂の摂取量が減っている中、糖尿病は増加しているデータがあります。食べる脂は4つに分類されます。動物性の脂(飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸)、魚の脂、植物性の脂、オリーブオイル。最初に体に良いことが分かったのは、魚の脂です。魚の脂をたくさん食べているグループは食べないようにしていたグループに比べ、生存率が高いというデータ(2002年)がある。2013年のデータでは、植物性の脂、オリーブオイルを多く摂取したグループは、控えていたグループよりも摂取カロリーは高いにもかかわらず、糖尿病、脳卒中、心臓病が減っていました。このときのオリーブオイルの1日の摂取量は1リットルです。つまり動脈硬化になりたくなければ、脂を控えるのではなく、植物性脂やオリーブオイルをしっかり摂ることも大切です。

健康食
健康食はおいしくなければ意味がありません。肉や魚はどの部位をとってもほとんど糖質を持っていません。低糖質食では、肉、魚は無制限食です。デザートなど砂糖は糖質であるが、現在は低糖質の甘味料もたくさん出ています。パンも普通は100g弱の糖質を含んでいるが、小麦の外皮を使ったふすまパンは25g程度です。糖質制限食というと、我慢している感じがするため、ロカボ(a low-carbo hydrate 低炭水化物)と呼んでいる。近頃は糖質制限食を提供しているお店もどんどん増えており、コンビニなどでも販売されています。1食の糖質40g以下の低糖質メニューは満腹まで食べることができ、痩せられ、締まった体型となり、血糖値が改善し、脂質値が改善し、血圧も改善していく。そして、健康になることで使用する薬などが減り、医療費減にもつながります。
 
 
質疑応答
■糖質制限食は何歳頃から始めたらいいのか?
正確なデータはないが、社会人からではないか。会社に勤務を始めて、運動量が落ちているにもかかわらず、学生時代並みに食べている人が20代から太っていくので、そこからと思われる。20代の生活習慣で、40代頃からメタボリックシンドロームや高血圧などになる可能性があります。また清涼飲料水を大量に飲んで、子どもでも糖尿病になる場合もあります。
■子どもが地域の野球チームに入ったが、スポーツドリンクを飲ませない方がいいのか?
代謝能力的には問題ないと思います。中高生レベルでも運動部に入っているなら大丈夫です。趣味レベルで少し走っている程度の場合はよくありません。人工甘味料や糖質ゼロの商品もあるので、糖質を押さえながら水分と塩分を摂る事が必要です。

一般的にカロリー制限が健康への道だと思われていたため、お話はとても衝撃的な内容でした。実際に自分の血糖値を測り、数値の変化を目にすることで、糖質量の違いに理解できました。糖質をゼロにする生活を送るのは現代社会では難しいと思いますが、少しでも減らすことで病気へのリスクが下がる事が分かり、できることからチャレンジすることが大切だと感じました。

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」は全10回が無事終了しました。F1種の話から野菜や塩、添加物まで、非常に幅広い角度から食について学ぶことができました。良い悪いではなく、自分で判断するための知識を得ることができたのではないかと思います。学んだことでさらに興味関心が広がったのではないでしょうか。今後もレクチャーや体験を通して、食と向き合い学ぶ機会をつくって行きたいと思います。

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10640/

2015年8月27日(木)

セルフ・ビルド・ワークショップ KIITOの余白活用実験2015「余白不動産」プロジェクト 第0号物件となる「YOHAKU PUB」vol.2を実施しました。

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KIITO内の「余白」(未活用空間)活用アイデアを引き出すべく、6月に開催したYOHAKU PUB。2度目の開催ということで、前回から場所を変え、クリエイティブラボスペースが集まる4Fの廊下の角で、施設管理関連の機械室への通路確保のために広く空いている空間にしました。

前回制作したカウンターに加え、開催場所の目の前にあるクリエイティブラボ・ティーハウス建築設計事務所が制作したベンチをお借りして設置し、客席を増やしました。


KIITOは広大な建物なので、廊下など共用部分にまでは空調が入っておらず、季節の寒暖がそのままあらわれます。前回の6月実施時は気になりませんでしたが、今回は8月末の蒸し暑さが、来場者に汗をふきださせていました。YOHAKU PUB開催地を含め、他の「余白」候補地のほとんどは空調がなく、今後の「余白不動産」実施時の課題のひとつとなりそうです。

YOHAKU PUBは今回で終了です。これから年内に余白物件貸出、活用へと進んでいきます。
2回のヒアリングを経て、圧倒的に多かったのは、「休憩したい」「おいしいものが食べたい」という欲求に関わるアイデアでした。多くの時間をKIITOの中で過ごすクリエイティブラボ入居者にとっては、切実な思いですね。これらはうまく余白活用につながっていくでしょうか?


セルフ・ビルド・ワークショップ「余白不動産」プロジェクト 第0号物件 YOHAKU PUB
vol.1:開催概要レポート
vol.2:開催概要

2016年8月3日(月)~4日(火)

2013年1月~3月に実施した、+クリエイティブゼミvol.3まちづくり編『ニュータウンの「オールドタウン化問題」について考える。』にて提案した、須磨区高尾台での防災キャンプが、高尾台・水野町まちづくり協議会の方々により今年3回目が開催されました。


今年は、例年のキャンププログラムに加え、+クリエイティブゼミvol.12まちづくり編「これからの公園のあり方について考える。」にて提案された、レンガでつくる仮設のピザ窯を2015年7月に高尾台内の西公園にて実践したのを踏まえて、レンガでかまどをつくりました。まちづくり協議会のメンバーと住民で、事前にかまどづくりの練習をし、当日は子どもたちと一緒に組立てました。レンガ1つ1つは子どもでも持てるので、子どもから高齢者まで、みんなで協力して組み立てていました。
できあがったかまどの火を使い、1日目の夕食のカレーをつくりました。調理する際の火元を絶やさないよう、子どもたちが火の番を交代でやっている姿が見受けられました。



キャンプの1日目は、非常食としてカップ焼きそばを昼食に食べ、午後は関西電力さんの協力のもと電気について学びました。その他、まちづくり協議会のメンバーが竹細工を子どもたちに教え、カレーの器ややじろべえなどをつくっていました。夕食のカレーを食べた後は、毎年恒例のキャンプファイヤーと花火を楽しみました。



2日目は、朝のラジオ体操からはじまり、朝食はホットドックを食べ、午前中は須磨消防署の協力のもと、住民も巻き込んだ消防訓練を実施しました。毎回、水消火器で消火器の使い方を学び、南公園の下にある貯水槽からポンプ車で水をくみ放水する訓練をしていますが、毎年参加している子どもたちは年々上達しています!
キャンプの最後のメインイベントは「流しそうめん」です。まちづくり協議会の方のお手製の竹の流しそうめん台の横に子どもたちが並び、必死になってそうめんを食べていました。
2日間のキャンプを通して、小学生の子どもたちだけでなく未就学児の小さい子どもとその若いお母さんや、通りすがりの高齢者の方など、幅広い住民の方が準備から本番までに参加してくださり、この企画が地域の多世代交流の場になっているということを改めて感じました。


3回目の防災キャンプも無事に終了し、高尾台の子どもたちにもだいぶ夏のキャンプが定着してきたようで、来年のキャンプを今から楽しみにしている子どもたちもいます。
ひきつづき、KIITOはサポートをしていく予定です。

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高尾台 ウェブサイト
http://ugokuu.wix.com/takaodai
高尾台・水野町まちづくり協議会 Facebook
https://www.facebook.com/takaodaisumakobe?ref=profile

第6回となる今回は、次回の中間発表に向けての最後のグループディスカッションを行いました。
直前とあって、話し合いにも熱が入ります。

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以下、各班の話し合いをまとめたものです。

●A班
これまでに出たアイデアを整理。市民が医療産業都市を自分事として考えることのできるように、
アイデアを3つの目的や着想別に整理した。
1.神業といわれるような素晴らしい技術を紹介する。
2.具体的な景品やサービスを受けることのできる体験型のイベントの開催。
3.医療産業都市のイメージを一新するべく、神戸にゆかりのあるアニメとコラボする。
以上のアイデアを、具体的なアクションプランに落とし込み、
実現するための協力企業などもリストアップした。

●B班
前回に引き続き、市民に医療産業都市を広く知ってもらうための、
医療を体験できるキャラバン隊の提案について、ディスカッションを進めた。
子どもをターゲットに、医について楽しく学ぶことのできるプログラムをつくり、
親子が親しみをもって集まることのできる場を提供する。

●C班
医療産業都市で行われている研究について、中学生が突撃リポートをするミニ番組の制作を企画。
普段知ることのできない、研究所の裏側を公開することで、
市民の好奇心を刺激し、関心を持ってもらうことを目指す。
ディスカッションの中で、医療産業都市がすでに行っている、
中学校の副読本への情報掲載や、灘中学校の紙媒体の取材企画など、
連携できそうなプログラムも多く挙げられた。

●D班
アイデアを以下の3点にしぼり、話し合いを進めた。
1.PR プロモーションツールにアートな側面を加え、企業人も市民もワクワクする地図やポスターを制作する。
2.子供 青少年科学館と連携し、子どもが楽しく医療や研究を学べる場をつくる。
3.マニア ヘルスケアに関する市民スピーカーを育成する。
これらを、目的や着想、問いかけが明確になるように、次回に向け整理していく。

●E班
「医療産業都市」を、市民が親しみを感じることができる名称に変えるというアイデアを掘りさげ、
子どもも大人も、自分の身体の健康を考えることのできる身近な場となるように、
「からだ未来応援島」という案が出された。
また、入院する人の見る風景についても、医療産業都市の石井さまをまじえ意見交換し、
場の在り方について模索した。

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次回はいよいよ中間発表です。
聴講をご希望の方は、school@kiito.jpに、
タイトルを「+クリエイティブセミ まちづくり編 聴講希望」とし、
お名前、ご連絡先をご記載の上、ご連絡くださいませ。

+クリエイティブゼミ vol.16 まちづくり編 「神戸まちラボ CASE01 医療産業都市」
開催概要はこちら

2015年5月24日(日)

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」第9回「塩について」今回は、赤穂市立海洋科学館・塩の国見学ツアーと題して、塩づくり体験と施設見学、横山嘉人氏に塩についての講義を行っていただきました。

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塩づくり体験
晴天の中、塩の国に集まった一行。ゼミ生に加え、ツアーのみの参加者を含め、総勢36名の大所帯です。
まずは塩づくり体験のワークショップから始まりました。
250mlのかん水から、約50gの塩を作ります。まず、かん水の入った鍋を火にかけ、へらで鍋幅をいっぱいに使いながら混ぜ続けます。しばらくして煮詰まってくると、鍋の縁をスプーンで削ります。その後火を消し、まだ余熱がある状態でスプーンで混ぜ、さらさらになるまでダマを潰します。最後にビニール袋に入れ、空気に触れないようねじって閉じ、完成。
参加者は指導員の方の素早い動きに見とれつつ、塩づくりを楽しんでいました。

 

塩づくりの歴史
その後、2グループに分かれて施設内を案内、解説していただきました。
宏大な施設内には、揚浜式塩田、入浜式塩田、流下式枝条架塩田の3種類の塩田が復元され、塩作りの歴史を辿ることができます。

揚浜式塩田は1200年前からある、日本海側で栄えた塩田である。人力で海水を汲み入れ、塩田に撒く。
その後できたのが入浜式塩田。満潮時に水門を開け、塩田に海水を入れる。干潮時に水門を開けると塩田の中の海水が外に出ていく。潮の満ち引きで海水をコントロールするため、人の手はほとんど入らない。
上記2つの塩田は砂の力を借りる。砂全体に海水を蒔き、その海水が蒸発すると砂に塩の結晶が付く。その後、砂と塩分を分けるため、海水で溶かす。それが溶けたものがかん水である。

これらの塩田は昭和27年を境になくなってしまう。その後できたのが流下式枝条架塩田。竹の枝を組んでできている、梯子のかかった大きな塩田がそれである。
地下の大きなタンクに海水を引き、ポンプで汲み上げる。組み上げた海水を、竹の枝を通して下に落とす。上から順番に雨のように落ちる。落ちる途中、太陽熱や風で、かん水の水分だけが蒸発する。落ちて汲み上げて、を何度も繰り返し、濃縮させる。

 
 
 
塩について
最後は塩に関する講義。薬学研究者であった横山嘉人氏に、熱のこもった講義をお聞かせいただきました。塩が食品をおいしくするのはなぜか、うどんやそうめん作りに塩を加える理由など、意外に知らない身近な塩の役割について、幅広く教えていただきました。
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塩の人体での役割とは。
養分の吸収、老廃物の排泄、神経伝達、体内の水分を維持するなど、様々な役割を果たす。体内では水分・塩分は一定に保たれている。塩分を採り過ぎると余分なものを排泄しなければならなくなり、血圧が上がる原因となる。

塩が食品をおいしくするのはなぜか。
雑菌を塩で押さえつけると発酵菌がよく働くようになり、おいしい漬物などができる。発酵菌はにがりに入っているマグネシウムを必要とするので、にがりが入っている塩はより発酵がよくなる。にがりは15%~20%ほど塩味もアップするので、にがりが入っていると、同じ量でも塩辛い。旨味と同時に塩味もアップする。塩と水の間ににがりが入り込み、物質と水の結合力が強くなることで辛み(塩味)も強くなる。

うどんやそうめんに塩を加える理由
うどんやそうめんは塩がないと作れない。麺の中にバラバラに入っているグルテンを水で繋げ、塩を加えると水を引っ張る力が強くなり、コシが出る。旨味を出すには、塩と水の関係が大事。土地土地の水の違いによって味が変わる。
かまぼこを作る際、塩を入れると白身魚の筋原線維を溶かしてくれる。それを再加熱するとタンパクが繋がり、コシが出る。

「味割れ」とは何か。
塩味を他の味覚と別々に感じること、これを「味割れ」という。塩は水を引き付ける力が強いため、水と結合するのが非常に速い。砂糖や酢は水と結合するのに時間がかかるため、後になって味を感じられるようになり、味が一つになる。それを我々は「味がまろやかになった」と表現する。

味覚に温度差はあるのか。
熱いもの、冷たいものよりも、30~35℃程度の温度のものが味覚を感じやすい。
なお、15歳くらいの頃が一番味に敏感である。味覚は年齢とともに衰える。

塩味を感じるのに個人差はあるか。
唾液中のナトリウム濃度により感じ方が変わる。濃度が高い人程、濃くしないと塩味を感じない。

ネズミを使った実験がある。1匹、3~4匹、10匹の3つのグループに分け、それぞれの部屋に塩水と真水を置き、どちらの水を良く飲むかを実験した。1匹と10匹のグループは、塩水を好んでよく飲んだ。対して、3~4匹のグル―プは真水をよく飲んだ。孤独でも、過密でもストレスになる。ストレスを感じると塩を強く好むようになるのではないか。はたして人間はどうか。


参加者とのQ&A
Q.紅茶も塩を加えたらおいしくなるのか?
塩は水をコントロールする。「辛くする」だけが塩ではない。ほんの少し加えると、甘みも紅茶の成分もより感じられるようになる。コーヒーも同じ。
うどんなど、実は相当な量の塩が入っているが、グルテンと水を塩でつないでいる、その塩は辛く感じない。加工食品の場合、辛く感じるから塩の量が多いというわけではないので、気をつけなければいけない。

Q.ほうれん草など、葉物を茹でる際、沸騰した時に塩を入れるのはなぜ?
すぐに色が悪くなるので、色を保つためだろう。にがりの入った粗塩を使うと色が良くなる。塩を入れてすぐに取り出すとよい。

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科学知識を要する専門的な内容もありましたが、横山氏はユーモラスな語り口で、時に冗談を交えながら語ってくださいました。氏のお人柄が滲み出るような楽しい講義に、皆引き込まれていました。
いつものKIITOのゼミの部屋を離れ、大人の遠足を楽しんでいただいたようです。

次回はいよいよ最終回。北里大学北里研究所病院より山田悟先生をお招きし、「21世紀の栄養学」である糖質制限食について、食べ比べの実験をしながらレクチャーしていただきます。

+クリエイティブゼミvol.13 「食」編 「神戸発:自分で食べる“食”の勉強をしよう!」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/10640/

第5回のゼミは、前回に引き続きグループディスカッションを行いました。
中間発表に向けて、各班ともアイデアを整理していきます。

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以下、各班の話し合いをまとめた内容です。

●A班
医療産業都市を自分事にするべく、健康やスポーツ、毛髪再生医療など、市民の関心を得やすいものを切り口に意見交換。IT、アニメ、ロボットなどを掛けあわせるアイデアや、自分の身体を知る人体模型や人間ドックツアーなど、具体的なアウトプットまで話を進めた。

●B班
前回に引き続き、神戸のイベントと医療産業都市を掛け合わせるアイデアを検討。「未来医XPO」に焦点をあて、内視鏡体験や最新の手術が見学できるなどの、医療を身近に感じることのできるプログラムの魅力について意見交換がされた。最終的に、このようなイベントをパッケージ化し、医療を体験できるキャラバン隊(医療産業カー)をつくり、市内の学校に出向きPRをするという案が出た。

●C班
医療産業都市を趣味と掛け合わせるという提案を軸に、医療産業都市のどの側面を切り口にするかについて話し合いを進めた。広々とした土地を利用したイベント案や、「京」の技術の新しい使い方など、さまざまなアイデアが出た。これらをまとめるため、「誰に」「何を」伝えるのかについて意見交換を行った。

●D班
医療産業都市見学会に参加したゼミ生の報告を受け、これまでのアイデアを再度検討。市民が医療産業都市を自分事にしやすい接点とは何か、話し合いを進めた。企業やアート、リボン運動など、きっかけとなるものを模索。

●E班
各施設を巡るスタンプラリーや、医療を学ぶキャンプなど、これまでに出たアイデアについて、引き続き意見交換。今回は対象の幅を広げ、医療ツーリズムにも着目し、海外の人に向けたPRについても話し合いを進めた。

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グループディスカッション後には、副センター長の永田より、医療産業都市のリサーチをさらに深め、本当に伝えるべきことを何なのか、模索するようにとのアドバイスがありました。
これまでに出たアイデアの精度を上げるためにも、ゼミ生自身が医療産業都市を自分事として捉え、課題に向き合っていただけたらと思います。

次回は、中間発表前の最後のグループディスカッションになります。

+クリエイティブゼミ vol.16 まちづくり編 「神戸まちラボ CASE01 医療産業都市」
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KIITOが年4回発行する情報誌「KIITO NEWSLETTER」の最新号Vol.10が完成しました。

今回は神戸・県庁前でカウンター8席のみのフレンチレストラン「anonyme」を営む加古拓央さんと、展覧会の会場構成なども手がける建築家の曽我部昌史さんの対談です。
シェフを知るには、やっぱり料理をいただかなくては!ということで、まずは曽我部さんに「anonyme」で加古さんのランチを楽しんでいただきました。味はもちろんのこと、牡蠣の味がする花が食材として出たり、発見の多いひとときに。対談も自然と料理の話からはじまりました。

KIITO内や、全国の文化施設・教育機関などに順次配布していきます。ぜひ手に取ってみてください。PDF版も下記リンクからご覧いただけます。


KIITO NEWSLETTER
バックナンバーを含めたPDF版はこちら

2015年8月19日(水)

+クリエイティブゼミ vol.17 ものづくり編「ものづくりのデザインを見つめなおす。」第1回目は、講師のセメントプロデュースデザイン金谷勉さんと、KIITO副センター長永田によるトークセッションを開催しました。

まずはじめに、永田より、タイトルにもある「ものづくりのデザインを見つめなおす。」ために必要なこととして、「プロデュースの力」があるのでは、という考えから、KIITOで実践している企画やプロデュースの事例について、紹介しました。

また、その事例として、永田が理事長をつとめるNPO法人プラス・アーツで手がけた無印良品との共同企画「いつものもしも」についても紹介しました。この企画は、無印良品が防災に取り組む上で、新しい防災グッズを開発するのではなく、既存の商品の使用方法や組み合わせを考えなおすことで、防災グッズとして新しい価値を生み出すという、たくさんのアイテムを持つ無印良品ならではのものです。
これらのように、既存のものやことを見つめなおし、新たな価値観を生み出していくことが大事ではないかと、話しました。

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次に、金谷さんより、セメントプロデュースデザインのこれまでの事業事例をご紹介いただきながら、ものづくりデザインにおけるプロデューサーの役割について、お話をいただきました。

セメントプロデュースデザインは、製造者のポテンシャルと市場のニーズを、デザインというかたちで橋渡しをし、製造者の市場における価値向上を目的とする、戦略的なアプローチを行っています。
多くの製造業事業者たちは、高い技術を持っているのにも関わらず、それらの生かし方がわからず、ただ技術の継承のみを行っているという現状が見られるといいます。
しかし、製造業を仕事とする人々のうち、60歳以上が73%、30歳以下が6%という統計結果が出ており、ただ継続して仕事を行っているだけでは、近い将来、多くの技術が失われていくことが懸念されます。
この現状に求められるのは、最新機器の導入などではなく、製造業を営む人々が、その技術や設備、人材を活かしながら、革新となるものを模索する意識を持つことが重要であるとのことでした。

また、大多数の製造業者の仕事の現状として、以下の問題があげられました。
・OEM(完全受注仕事)でのビジネスの売上がメインになっている
・自社での販売流通がない
・営業体制が整っておらず、不況期に煽りを受けやすい。
請負の仕事は、収支の増減が読みにくく、価格競争に巻きこまれやすいというデメリットが考えられ、仕事自体を失うリスクも高いとのことでした。
反対に、自販・発信の方法を持つ業者は、収支の増減が読みやすいためコントロールがしやすいため、幅広いビジネスにはなりにくいかもしれないが、運営が安定しやすいというお話がありました。

これらを踏まえ、セメントプロデュースデザインが製造業者に介入をするときには、「コト、モノ、ミチ」の3つからなる商品開発活動を行います。
【コト】意匠設計→クリエイティブコントロール
【モノ】製造設計→コストコントロール
【ミチ】販路設計→ストックコントロール

今は、「良いものをつくっていたら黙っていても売れる」という時代ではありません。
価格勝負ではなく「価値」で勝負をするために、企画段階では、何度も検証を重ね試行錯誤し、戦略的に生産・流通まで見通し、人々の手に渡るまでの流れを、製造業者自身がしっかりと把握することが求められているといいます。
セメントプロデュースデザインは、多くの事業者が、その高い技術を次世代へと伝承し、また先へ繋がるための挑戦を行いながらも、安定した生活を送ることのできる仕事づくりを目的に、今後もデザインの力で事業者の再生を促していきたいとのことでした。

次回は、富山県の鋳物メーカーである高田製作所の高田晃一さんをお招きし、私たちが手に取る商品の向こう側について、職人としての目線から、そのプロセスをお話いただきます。


‬+クリエイティブゼミ vol.17 ものづくり編「ものづくりのデザインを見つめなおす。」開催概要はこちら

第4回のゼミを終え、今回は課外授業として、神戸医療産業都市の現場を実際に訪れ、現状のリサーチを行いました。
はじめに、「理化学研究所 計算科学研究機構」でお話を伺いました。ここでは、2015年現在、世界第4位を誇るスーパーコンピューター「京」を運用し、計算機科学分野と計算化学分野を連携・融合させた研究が行われています。
見学させていただいた計算機室には、864台の筐体(システムラック)が整然と並んでいました。1筐体あたりの重さは約1トン。全体像が見えた時には、その迫力にゼミ生の皆さんからも感嘆の声が上がっていました。

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現在「京」は、創薬、地震・津波、気象、宇宙、ものづくり、材料の開発など、幅広い分野の研究で活用されています。多くの分野の研究者が使用することを考え設計されており、公募を経て採択された課題で、現在も研究機関、大学、企業の研究者・技術者が利用しています。
私達の見学時にも、絶えず活動をしていると説明がありました。
また、「京」による研究の成果物として、高知市を舞台に、災害時に市民20万人が一定の行動パターンで避難する様子を計算した、避難行動シミュレーション映像をご紹介いただきました。
1人1人が一定のルールに基づき行動する様子は、リアリティを重視して計算がされており、被害予測の精度の高さが伺えました。

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その後、「キメックセンタービル」の展望台へと移動しました。
展望台からは、ポートライナーの線路に沿って、多くの施設が立ち並ぶ様子を見ることが出来ます。
まだ利用されていない、広々とした空きスペースも多く確認することができ、土地の活用方法にも可能性が感じられました。

最後に、「神戸低侵襲がん医療センター」に移動しました。
こちらのセンターでは、「小さく見つけてやさしく治す」を指針とし、患者さんの負担を最小限に抑えた「低侵襲医療」を行っています。
最新機器を使用した放射線治療や、施設が得意としている画像診断、IVR(血管内治療)などについてお話いただきました。高度な知識を集約させた先進的な治療施設として、全国から注目を集めているのだそうです。
施設が神戸ポートアイランドに位置することで、神戸医療産業都市の中核施設と連携を図ることが可能なため、複数の診療科がきめ細やかに連携し、より良い集学的治療を提供することができているとのお話もあり、医療産業都市ならではの魅力が感じられました。
施設内見学では、最新の放射線治療機器や、画像診断室を見学。現場ならではの、職員の方たちのがん治療に対する真摯な姿勢も垣間見ることができ、貴重な体験となりました。

専門的な医療や研究についてのお話は、やはり理解が難しく感じられますが、今回、実際に医療産業都市を歩き、その特色である最先端の医療や研究を職員の方にお話頂いたことにより、グループディスカッションだけでは得ることのできなかった新しい視点を発見した方がたくさんおられたのではないでしょうか。

次回からのグループディスカッションで、それぞれが得た発見を共有し、新たなアイデアを生んでもらえたらと思います。

+クリエイティブゼミ vol.16 まちづくり編 「神戸まちラボ CASE01 医療産業都市」
開催概要はこちら


中間発表までのこり2回のグループディスカッションとなった第4回のゼミでは、各班で提案の幅を広げつつ、少しずつ具体的なイメージを持って話し合いが進みました。

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以下、各班の話し合いをまとめた内容です。

●A班
神戸市民が医療産業都市をより身近に知ってもらうために、特色のある切り口(IT、アニメ、ロボットなど)から医療産業都市を見てみる。ネーミングが固いので、神戸らしいネーミングを考案(KOBE LIFE DESIGN CITYなど)。市民にプライドとして思ってもらうには、身近さと同時に、神ワザ(iPS細胞など)のようなすごさも紹介するべきではという意見など、さまざまな視点からの模索が続いていた。

●B班
身近な医療産業都市として、うすく広く知ってもらうために、神戸にすでにあるイベントに医療を掛け合わせることで、身近な神戸のイメージ(おしゃれ、フード、海外のようなオープンさなど)と医療産業都市をつなげる提案を模索。また、ポートアイランドに住むという視点からの提案もあった。

●C班
なかで働く企業の職員や研究者にとっては、近くにさまざまな知見を持った専門家がいる医療産業都市は天国のようなところ。京のすごさを伝えるために、趣味(野球、音響、ロボットなど)を掛けあわせて身近に感じてもらえないかという提案や、もっと広報のチャンネルを増やすべきという意見もあがった。

●D班
医療産業都市と市民、企業との心理的な距離をうめるために、企業と人をつなぐプラットフォームを医療産業都市がつくるという提案。そのために、一過性のイベントではなく、ヘルスケアマラソンやすごろくを用いた継続的な試みについて話し合いを進めた。

●E班
ターゲットをファミリーとして議論。健康を中心に、食(美容講座、キッズクッキング教室など)や運動(マラソン、ウォーキングなど)についてのプログラムを通して、多世代が一緒に医療産業都市を知れるイベントを模索した。各核施設をめぐるスタンプラリーや、各プログラムを複合した医療を学ぶキャンプなど。

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グループディスカッション後には、今回のディスカッションの内容を班ごとに発表し、情報を共有しました。
自分たちの興味と、医療産業都市の状況を重ねあわせた議論となり、ゼミ生自身がより医療産業都市を知る機会になったのではないかと思います。

次週も中間発表に向けてのグループディスカッションになります。
第3回の特別講義「IDEO流アプローチに学ぶ」でIDEO石川さんから学んだリサーチ手法を駆使し、より具体的に自分たちの方向性をしぼったアクションプランを考えていきましょう。

また、8月12日は医療産業都市の見学会です。IDEO流アプローチでしっかりと観察し、その内容をメンバーで共有して、次週以降のディスカッションにつなげていただきます。

+クリエイティブゼミ vol.16 まちづくり編 「神戸まちラボ CASE01 医療産業都市」
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