お知らせ・レポート

デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2016年1月、2月に開催するイベントについてプレスリリースいたします。

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2015.12.29 (火) - 2016.1.4 (月) は休館とさせていただきます。
1.5(火)より通常開館いたします。

デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2016年1月に開催するイベントについてプレスリリースいたします。

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2015年12月8日(火)

公園ゼミの4回目を開催しました。はじめにスタッフから先日行った垂水区の対象公園での見学報告、先進事例紹介を行いました。

 
公園見学報告
公園管理をされている方の案内で、公園内を見学し、行っている活動や公園への思いなどをお聞きしました。公園は原生林が多く残る貴重な場所なので、この緑を活用していきたい。まだ始めたばかりだが、小学生を対象にした環境学習などもこの公園で行っている。公園には非常にたくさんの木々があるため、手入れがとても大変。活動日にはボランティアメンバーが集まりますが、平均年齢が70歳以上で斜面地での作業は難しい。地域の子どもたちには、他の公園ではできないワイルドな遊びをしてもらいたいと思っているとおっしゃっていました。

先進事例紹介:風の郷公園(神戸市東灘区)
風の郷公園はJR六甲駅と阪急六甲駅の間にあります。注目されている公園で、ここをモデルにした公園が、トルコで作られたりしているようです。震災後、区画整理の際にまちづくり協議会が神戸市から委任されて作られた公園です。どういった公園にしたいか、8つのまちづくり協議会が集まり、何度も繰り返し話し合ったそうです。この公園は子どもの遊具は最小限で、ほとんどが広場です。フェンスもなく、注意看板なども見当たりません。公園内には風の家という集会所もあります。風の家の運営は、助成金なしで独立運営し、オープンしてからずっと黒字を維持しています。健康器具も平均台などが少し置かれていました。子どもだけでなくご老人の方もおり、幅広い世代の方が利用されているようでした。公園内の木々も、どんな木を植えるかについても、協議会の中で決められました。オープンしてからずっと黒字を維持います。地区住民は全員会員というかたちで、他地域の方も利用することができます。遠方からの利用者も多いとのことです。公園づくりは壮大な実験である、「なんでも実験をしてみよう!」がキーワードです。公園に遊具が少ないと言われれば、「公園すべてが遊具です」と答えます。今の子どもたちには走り回れること自体が贅沢なことです。何かしたいときに何かできる設えが重要で、「公園は完成しないことが大切」なので、神戸市にも70パーセントの完成度で公園を作ってほしいと伝えたようです。公園内に看板がない理由は、看板は誰も見ていない、注意したい人が注意するために利用するものなので、人が「歩く看板」になって、子どもたちに注意すればいいと、始めは毎日公園に行き子どもたちに注意したりしていたようです。オープンスペースは人間形成に関わる事であり、「公園は公園であって、公園でない」。など名言が止まりませんでした。
 
 
講師永田のコメント
体を鍛えることだけが健康ではなく、心の健康もある。健康をどうとらえるかというのも重要なことです。人とふれあう、公園を介して地域とつながることも大切なことだと思います。以前、地域で防災活動をされている方に聞いた話ですが、地域で一生懸命防災している人が、リタイアしたら自分の夢はゴルフ三昧、好きなだけゴルフに行くことが夢であるという人がいました。その後、1,2年して会ったら、もうゴルフは飽きた、地域の人のために役に立ちたいと思うようになったそうです。人のために活動ができることは幸せなことだと思います。公園という場所を介して、どんなきっかけを作り出せるか、余地があることで活動が生まれます。同じ神戸市にこんな公園がある、公園を舞台に繰り広げられている活動を紹介する、公園のネットワークをつくるなどといった仕組みの提案もあると思います。どこまで行っても我々は住民ではないので、気づかないことを提案して気づいてもらうことも大切ですし、よそ者しか知らないことを伝える、学び合える場を作ることも重要なことです。公園をフィールドにどう高齢者の健康を醸成できるのかがポイントです。

報告後は、各班で、それぞれ対象公園を見学した際の気づきや、公園を活用した事例などを持ち寄り話し合いました。丸太を切る体験など森を活用するアイデアやイベントタイトルを魅力的なものにしてみるなどたくさんの意見が出ていました。

次回は、グループワークがメインになります。そして次々週、12月22日は中間発表になります。地域の方や神戸市建設局公園部計画課の方も来られ、各班の方向性やアイデアに対し講評していただきます。

+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/14882/



KIITOが年4回発行する情報誌「KIITO NEWSLETTER」の最新号Vol.11が完成しました。

今回は、10月3日~25日に開催した「LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。」会期中に、大阪の浄土宗大蓮寺、應典院住職・秋田光彦さんと、KIITOクリエイティブラボの入居者でもある有限会社りす代表、編集者の藤本智士さんとで対談をしていただきました。
展覧会の中で、秋田さんには「今と未来の終活の話」トークイベントで、藤本さんには「アルバム整理ワークショップ」で登場いただいています。「終活」「写真」を切り口に、高齢社会について認識を新たにする契機となるようなお話をしていただきました。

KIITO内や、全国の文化施設・教育機関などに順次配布していきます。ぜひ手に取ってみてください。PDF版も下記リンクからご覧いただけます。


KIITO NEWSLETTER
バックナンバーを含めたPDF版はこちら

2015年12月1日(火)

+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」第3回目は、公益財団法人 日本レクリエーション協会より佐藤健氏を講師としてお招きし、レクチャーを行いました。
高齢化に伴い、健康であることの重要性がこれまで以上に認識され、スポーツが果たす役割に期待が高まっています。そんな背景にあって、スポーツ習慣の普及や、スポーツを通じたいきがいやコミュニティ形成に向けて取り組まれている様々な事例についてお話していただきました。
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佐藤氏の講義は、まず拍手から始まりました。
講師が「せーの」と言ったら一度拍手をします。せーの、パン、せーの、パン。これは簡単。
次は「せーの」の後の拍手の数を増やしていく。せーの、パン、せーの、パンパン、せーの、パンパンパン…。
高齢の方を相手によくこのゲームをしていますが、手拍子をするだけでも運動になる。今、数を数えること、手を叩くことを同時にやりましたが、同時に複数の動作をすることが脳にもよく、認知機能の向上にも繋がると言われています。

次に、膨らませた風船を2個用意。風船を落とさないように、ポンポンと上にトスしてみます。次に簡単な足し算をしながら、その動作を続けます。講師が出した問題に答えながら風船をトスし続けます。
「4+2は?」「3+1は?」「12+3は?」…
問題を少しずつ難しくしていきます。「7-2は」「15-7」「13+19」…
ボールを突きながら計算をする、というような2つ以上の動作を同時に行うことを「デュアルタスク」といい、こういったゲームをすることで、楽しみながら認知症の方の機能向上につながると言われています。

 
夢中になる瞬間「フロー」状態
人が何かのタスクを遂行する時、簡単過ぎると退屈してしまい、難し過ぎても不安を感じたり、投げ出したくなってしまう。その人にとって簡単過ぎず、難し過ぎない状態だと夢中になって楽しめる。そのちょうどいい中間地点のことを「フロー」状態という。
何かに夢中になっている時、人は思い煩っていたことから解放される。同じ事をずっと考え続けるのではなく、思い出す「対象」にしてしまい、忘れた後にもう一度思い出すことで、ポジティブな効果があるといわれている。
「夢中になる瞬間」であるフロー状態ををどうやって作りだすかがとても重要で、それを意図的に作り出すのにスポーツは適している。
「運動」といえば、野球やサッカーなど、勝つために激しいトレーニングを積むスポーツを思い浮かべるかもしれないが、自ら体を動かし、楽しむことが重要なレクリエーションとしてのスポーツについて、今日はお話したい。

日本レクリエーション協会とは
日本レクリエーション協会は、1947年に誕生、約70年の歴史を持っている。各?都道府県や市町村にもレクリエーション協会がある。日本に新しく入ってきたニュースポーツの種目団体も加盟し、行政や国と連携しながらレクリエーションの普及に取り組んでいる。

1985年頃から子供の体力低下が指摘されている。TVゲームが普及し、集団遊びが減少した。それが今の20・30代に当たり、現在の成人の中で一番運動をしていない世代と言われている。協会では、スポーツを通じた街コンなど、若年世代への啓発事業を行っている。
一般に65歳を過ぎると「高齢者」と呼ばれるが、今の65歳は高齢者と呼べないくらい若い。「高齢者の新人類」という意味で「ニューエルダー」と呼んでいるが、これまでのイメージとは違い、年齢にかかわらず自由に格好よくありたいという意識を持つ人が多い。ニューエルダーを対象に、夫婦で一緒に健康づくりをするプログラムなどを開催している。
スポーツを通じて、体だけでなく、頭と心の健康づくりを推進している。

スポーツを通じた健康づくりの必要性と背景
高齢者の割合が人口の7%で「高齢化社会」、14%で「高齢社会」と呼ばれるが、日本は2015年で65歳以上が26.8%の超高齢社会となっている。2055年には4割になると予測されている。我々は、いわば世界の最先端の高齢社会に生きていて、その中でどう生きるかを考えなければいけない。
日本は世界に名立たる長寿国だが、平均寿命と自立して生きられる期間「健康寿命」の差が男女とも約10歳の開きがある。いかにこの差を縮めていくかが重要になる。

医療費は増加しており、国家予算の一般会計の歳出の約4割を占める。そのうち約半数が70歳以上の医療費に使われている。
一人暮らしの高齢者が増え続けており、1980年と比較して2010年には女性で約2倍、男性では約3倍に増えている。最近、孤独死が問題になっているが、地域との繋がりがどんどん減ってしまっているのではないか。
16~64歳の生産年齢人口(高齢者を支える世代の人数)は現在では約2.7人で1人の高齢者を支えているが、2050年には1.3人で1人を支えないといけない。高齢者は支えられるだけでなく、自分で自分を支えなければいけなくなり、そのためには健康で元気であることが大切になる。

要支援・要介護の状態にある人も2000年に比べ、2倍以上に増加している。
高齢になると身体能力が低下するが、特に下肢の筋力は低下しやすい。要介護の状態になる原因として、骨・筋肉・関節などの運動器疾患も多い。
現在の介護予防の考え方では、健康でもなく、要介護でもない虚弱な状態「フレイル」から健康な状態に戻ることが目指されている。フレイル状態にあると、健康な高齢者に比べ、軽度の疾患が要介護状態へと繋がりやすく、回復にも時間がかかるからだ。

高血糖、高血圧・脂質異常のうち、2つ以上併せ持った状態を「メタボリックシンドローム」というが、運動することでメタボリックドミノ(徐々に深刻な状態に進行していくプロセス)の進行を抑制することができる。
また、運動によって認知機能の向上や気分の改善、自尊心の向上、ストレスからの気晴らしなど様々な効果が見込める。要介護状態の多くが運動で予防可能だと言える。
 
 
「ニューエルダー」施策の課題
国の「スポーツ基本計画」の中ではライフステージに応じたスポーツ活動が推進され、製作目標としてスポーツ実施率の目標値が定められている。
「競う」よりも楽しく交流するスポーツが求められている。社会参加と要介護状態には因果関係があるが、スポーツをする人ほど近所づきあいも多いという調査報告がある。スポーツを通じた生きがいづくりが我々の課題である。

日本レクリエーション協会は、普段スポーツに縁のない方々に来てほしいとイベントを開催しているが、実際に参加されるのは普段からスポーツをしている人がほとんど。そして女性に比べ、男性の参加者は圧倒的に少ない。
まず自分の体に関心を持ってもらうことが重要。「体重増えましたか?」「姿勢が悪くなっていませんか?」など、身近な、人々の関心の高い話題から入り、肺機能や筋力などのチェックを行う。ストローで何秒ティッシュを吸い続けられるかなど、楽しみながらできる方法で測定してもらっている。

公園を活用した健康づくりの取組み
身近に、定期的・継続的にスポーツ・レクリエーションを楽しむ場が必要。いわゆるスポーツ施設ではなくても、公園や学校、お寺など、身近にある場所を使うこともできる。楽しくてためになる、新しい交流のための開かれた場所、ライフスタイルの創出が必要。
その点で公園は、①オープンエアーである(誰でも入れる、目につく)、②太陽の下で気持ちよく過ごせる、③身近である、などの条件を備えており、レクリエーションに適している。

我々は「スポーツピクニック」をキーワードに、「公園スポーツ」という高齢者の新しい新ライフスタイルを提案している。
公園スポーツの象徴的なスマートスポーツは、薪を投げ合って遊ぶ「KUBB(クッブ)」というスウェーデン生まれのスポーツ。KUBBは身体感度を高め、人々のコミュニケーションを深める。
また、公園という身近な場所を使って過ごすライフスタイルの提案も行っている。
 
 
質疑応答
Q.閉じこもりがちな、あまり活動的でない方に参加してもらうために、イベントのことを知ってもらう方法は?
完全に閉じこもってしまっている人に参加してもらうのは難しいので、まずは以前から興味があったがきっかけがなかった、というような比較的活動しやすい人を対象にしている。
また、「誰から誘われたか」ということも重要な要素なので、主催する側は様々なネットワークを張り巡らせることが大事。
あとはメッセージの出し方。それぞれの人の生活スタイルや行動習慣を考え、アピールする方法を考える。

Q.世代を通じたレクリエーションにはどんな形があるのか?
料理や伝承遊びなど、高齢者のもつ知識が蔑ろにされがちな現代において、高齢者に講師になってもらい、子ども達に教えるという高齢者がいきいきするような場を設定したり、家族で地域の文化や歴史を学ぶウォークラリーなど、いろんな形が考えられるのではないか。
ただ、世代が違えば生活スタイルの違いもあり、定期的な継続は難しく、月一回程度開催しているものが多いように思う。

Q.(スポーツピクニックの映像を見て)公園の基礎的なインフラとしては芝生だけでいいのではないかと思うくらいだが、その他に何か必要なものは。
環境が「アフォードする」というが、環境が何かを「やりたくさせる」ことがある。「芝生」も「スポーツ」もその一要因となると思う。大きな設備だけでなく、ちょっとした工夫で環境を作ることができるのではないか。

Q.今までスポーツになじみのなかった人にとって、まず必要なのは「仲間」ではないか。仲間を作るノウハウを伝えたり、仕掛けをすることが必要なのでは。
仲間がおらず、情報が不足していることがスポーツをしない理由の上位にくる。我々の役割として、情報を収集することと、それを届ける中間的な役割の2つがある。

質問は止まず、手が挙がり続けました。
幅広い世代の交流を生み出すには何が必要か、いかに関心のなかった人々を巻き込んでいくかなど、今回のゼミの対象公園でのアクションプランに繋がる、具体的かつ普遍的な問いが発されていたように思います。

レクチャー後の10分程度、各班でそれぞれがリサーチした内容を共有し、3回目のゼミは終了しました。
我々に切実に迫る「健康」問題の背景を共有し、それに対する取り組み事例について知ることで、ゼミのテーマに対する思考が深まったのではないでしょうか。
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初回から知識や考え方などインプットの回が続きましたが、次回からいよいよ、本格的にディスカッションがスタートします。
 
+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/14882/

デザイン・クリエイティブセンター神戸、神戸市、issue+design実行委員会との協働で行っている、「震災20年 神戸からのメッセージ発信」事業から生まれた「BE KOBE」プロジェクトが、書籍としてポプラ社から12月7日に発行されました。

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KIITOアーティスト・イン・レジデンスを起点に生まれた、濱口竜介監督作品『ハッピーアワー』が、第37回ナント三大陸映画祭にて準グランプリにあたる銀の気球賞、および観客賞をダブル受賞しました!
ロカルノ国際映画祭での受賞に続く快挙、心よりお祝い申し上げます。

受賞時の写真はこちらのサイトにて紹介されています↓
濱口竜介監督作品『ハッピーアワー』第37回ナント三大陸映画祭 銀の気球賞+観客賞受賞!!(LOAD SHOW, 2015/12/1)
http://culture.loadshow.jp/topics/happy-hour-festival-des-3-continents/

『ハッピーアワー』関連の情報は下記URLにて引き続きアップデートしていきますので、ぜひご覧ください。
http://kiito.jp/schedule/news/article/13557/

2015年11月24日(火)

+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」第2回目を開催しました。
今回はゼミマスターであるKIITO副センター長の永田から、ゼミにおいて地域で活動する際の考え方や心構えについてレクチャーを行いました。

 
地域豊穣化における「風」「水」「土」
地域がいきいきしたまちになることを、私たちは「地域活性化」ではなく「地域豊穣化」と呼んでいる。

地域豊穣化には、「風の人」「水の人」「土の人」の三者が必要。
「風の人」とは地域には根づかず、外から種を運んでくる人のこと。「水の人」とはその種に水を与え続ける人のこと。「土の人」はその土地に根づく住人のこと。その三者がいて初めて、地域づくりは達成される。

地域に新しい提案を受け入れる俎上があるかどうかにプロジェクトの成否がかかっている。水の人が既にいる地域は無論、やり易い。
土の人の中にも水の人は隠れているかもしれない。今回のゼミでトライアルをさせてもらう地域にも、住民でありながら水の人の役割を担っている方がいる。プロジェクトはそういった、両義的な存在である地域のパートナーと出会えるかどうかにかかっている。彼らの周りには自ずと輪ができる。

「風の人」の役割
ゼミ生であるあなたたちは「風の人」である。風の人の役割は、いかにいい種を作るか、それにかかっている。その“種”であるプログラムを作る際に大事なことがある。

1.不完全プランニング=参加者が関われる余地があること
プログラムは完璧であればいいわけではない。来た人がいかにプロセスに関われるか。参加者の関わる余地をあえて残すということ。地域の人を「お客さん」にするのではなく、一緒に作ること。我々は皆が乗れる「お皿」を作り、それを如何様にも “いじれるように”考える。
2.+(プラス)クリエイティブ=既成概念にとらわれず、魅力を作り出すこと
以前、若者の防災教育プログラムを考えるゼミを行った際、広告のアプローチ手法が役に立った。既成概念を取り払い、根本から考えることでぐっと可能性が拡がる。そして企画を様々な角度から検証する。地域の人、管理する人にとってどうか、それぞれの立場に立って考えること。
 
 
プロジェクトを進めるコツ
プロジェクトを進めるためのコツは2つある。
一つは場数を踏むこと、訓練すること。既成概念を取り払うことも訓練によってできる。
二つ目はグループでやること。多様な意見があることが大切で、物事を複眼的に見ることができる。
個の総和よりも全体の合計が大きくなる「シナジー(相乗効果)」を生み出せば、1+1+1=10にも20にもなる。それには違う意見を尊重し、何でも言い合えるチームを作れるかどうかにかかっている。

KIITOのゼミではこれまで14テーマ・16プロジェクトが実現している。
ゼミの一番の課題はリサーチである。①現況調査②ニーズ調査・課題抽出③先進事例調査の徹底的なリサーチが必要だが、皆さん忙しい中参加されているので、難しい現状がある。
リサーチの強度は下記の右に行くほど前進する。
ネットや書籍<電話・アンケート<インタビュー・観察
インターネットは便利だが、良いことしか書いていないので真偽が怪しいこともある。できる限り現場に足を運び、耳を傾けること。
 
 
その後スタッフの加藤から、対象公園となる垂水区の公園と、その管理をされている自治会の活動を紹介し、最後にグループで今日の振り返りなどの話し合いの時間を設けました。初めの3回はレクチャーが続きますが、まだ行っていない対象公園についてイメージを膨らませつつ、各自の役割やリサーチの方向性について話し合われていました。
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次回はゲストレクチャーです。スポーツやレクリエーションを通じた健康づくりや地域づくりを推進されている、公益財団法人 日本レクリエーション協会より佐藤健氏をお招きし、健康への取組みにおける公園の活用事例とその背景についてお話いただきます。
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+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
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2016年10月28日(水)

神戸料理学会のトークイベント「スタートラインepisode:1」を開催しました。神戸料理学会は神戸に店を構え、日本を代表する料理人、パティシエ、パン職人、ハム職人であるメンバーたちが食について考えていこう、神戸の未来の食を豊かにしていこうという意思のもと結成されました。将来的には神戸で食学会の開催を目指しています。今回は最初の一歩として講演、トークセッションという形で行われました。

 
知る事の大切さ|福本伸也|カ・セント
料理の世界には15 歳の時に入りました。中学卒業の際に、高校への進学ではなく、大好きだった料理の道を選びました。20歳の時に海外へ修行に出ました。イタリアで修行しているうちに、他の国も見てみたいと思い、あちこちへ手紙を出し、返事のあったスペインへ行くことになりました。そこで26歳から「カ・セント」のシェフを任されることになり、料理の楽しさ、修行の大切さが分かり、料理の世界で頑張っていこうと決心しました。28歳の頃、「カ・セント」の改修工事の時期に、母が難病にかかり、急遽日本に帰ることになりました。その後1年間は母の看病もあり、料理をしていませんでした。いつかは料理ができると思っていたので、あまり不安はありませんでした。母のことがきっかけで、日本に帰り、いろいろなことを目にして、気持ちの部分で料理への姿勢も変わっていきました。なぜ修行が大切なのか、なぜシェフになるのか、なぜ、こういう料理を作っていくのか、そういったことを毎日探していると、だんだんと知る事ができると思います。知る事でアイデアや新しい自分が見つかります。日々、お店のスタッフには自分自身とどう向き合っていくか、恵まれている生活のなかで、全力で生きていくこと、自分で見つけることができるものを大切にしてほしいと思っています。現在も私は学び続けています。

なぜ老舗のお菓子は美味しいのか?|平井茂雄|ラヴニュー
1.作った個数によって技術やセンスは磨かれる。
作り手の技術の上達は経験と比例していくと思っています。私自身も元々持っている技術やセンスというのは他の人とあまり大差がないと思っています。キャリアをスタートさせてからの考え方や取り組む姿勢に左右されると思います。同じものをどれだけ真剣に作ったかが重要で、それを行っている職人は上達していきます。
2.失敗の理由を考えること、タイミングを常に計る事。
シュー生地を焼いたとします。膨らんだり膨らまなかったり、原因としてはいろいろ考えられます。器具のサイズ、火入れ、工程、ミキサー、空気の入れ方…常に失敗の理由を自分の中で見つけていけるかが大切です。食べる人は、どのように持って帰って、どのように保存して、どのような温度帯で、どのような環境で食べるのか、口に入るときに、自分が思っている状態になっているのか、そのようなところまでイメージして作っています。
3.シンプルな物ほど難しい。
お店に来るお客さんは多くはチョコレートを目当てに来られます。ボンボンショコラは、直径27㎜、7g程度のものです。中身は3層で作られています。フルーツのフレーバーは、糖度の高いものをフルーツのピューレと煮詰め、鍋の底を焦がさないギリギリの強火で手を休めることなく掻きながら炊き上げます。固まったゼリーにチョコレートを加え、口当たりの滑らかな食感にしたガナッシュ(口どけのよいチョコレート)を仕込みます。型を付け替えまた違う風味のガナッシュを仕込み、流して3層にします。その後、チョコレートでコーティングし、均一なサイズにカットします。小さなボンボンショコラ1粒にもたくさんの作業工程があるのです。自分がおいしいと思うものを表現したときは、上記のような構成をとることが多いです。シンプルでおいしいものを作る方がより難しいと思います。
4.真剣に向き合ってきた職人は、自身の引き出しが増えていく。
何回も繰り返し、何が悪かったのか、その都度最善の対応をしていく、常に答えを出していけば、その中でいろいろなことを学び、引き出しが増えていきます。おいしいものを提供できるお店は、そういったことを長く続けているから、老舗のお店は美味しいのだと思います。

 
シャルキュティエの仕事|楠田裕彦|メツゲライクスダ
芦屋で食肉加工の専門店をしています。シャルキュティエはフランス語で食肉加工人を指します。ドイツ語では、メツガーと言い、店頭の裏で商品を作っているお店をメツゲライと言います。昔から肉は、人間に必要なタンパクとして、冬の寒い時期にお肉を乾燥させたり、燻製させたり、塩漬けしているものを少しずつ切り出したり、スープに入れたり、焼いてみたり、いろいろな手法で食べられてきました。現在は冷蔵庫などの普及、流通の拡大により、保存食から美食として一般的になりました。私のお店は毎週水曜日が定休日で、木曜の朝一に豚肉の塊からソーセージを作ります。筋や必要のない部分を細かく取り除いていきます。約70㎏の塊を2時間ぐらいかけて、すべて手作業でさばいていきます。さばいたお肉を専用のミキサーで塩とスパイスで混ぜていきます。その後すぐにミンチにしていきます。ミンチ後は肉と油を均等に混ぜ、作る内容に合わせて、仕分けします。お肉の鮮度が高ければそれほど混ぜなくても結着します。ソーセージ用の機械はコンピューターで真空状態、速度、肉量などすべてコントロールできるようになっています。その機会を使い豚の小腸に肉を詰めていきます。小腸はとても破けやすいので、難しくコツがいります。破れるないギリギリの圧力で詰めていきます。お店では切り分けて販売しているので、サークル状にしています。木曜の11時過ぎにはお店に並びます。ソーセージだけで80種類ぐらいあります。他の商品を合わせるとトータルで1000種類を超えます。常時お店には50、60種類並んでいます。食肉と言われるものはほとんど作っています。イノシシやシカもありますし、豚がメインですが牛もあります。ほとんど国産ですが、鴨など一部はヨーロッパのものを使っています。食肉加工の職人は文化的にもまだ日本は少ないです。これからの職業と言われています。各地域でも食肉加工のお店が増えていけたらいいと思っています。

夢は本気で願えば現実に|パティスリー モンプリュ林周平

普段自分が言うことで、願いはかなうと思っています。将来こんなことをしたいとか、こんな風になってみたいなど、口に出したり、メモに書いたりする行為が大切だと思っています。私は思っていたことが叶っています。昔からものを作ることが好きで、高校を卒業して料理の道に進みました。なぜお菓子になったのか覚えていません…。母がよくお菓子を作っていたので、その影響ではないかと思っています。当時は卒業後フランスに行って修行したらいいやと単純な発想で、洋菓子、フランス菓子というのがなぜか頭にありました。ホテルで仕事を初めて3,4年のころにフランスに行かないかと話があり、二つ返事で行きますと答えました。ホテルで働いているときのシェフの持っている本で、ジャン・ミエさんのお菓子が載っているページがとてもかっこよくて、単純にここに行きたいと思いました。フランスへ行き、ホテルニッコー・ド・パリで研修に入りました。調べるとジャン・ミエのお店が近いことが分かり、働きたいと何回も行って、12回断られ、13回目にやっと、知人の紹介で入ることができました。お菓子屋さんでもお惣菜を売っているお店でした。地下にある厨房は半分がお菓子、半分が惣菜で、当日は6人で調理をしていたので、お菓子と惣菜の境目がありませんでした。朝は6時くらいにトラックいっぱいの食材を1時間かけて運ぶところから始まり、夜の8、9時まで働いていました。現在のフランスは労働時間も細かく規制されています。修行として考えると働く時間が規制されることで、少しもったいない部分も感じています。16、17時間働いていた時代と比べると同じものはできないので、メニューや精度が変わってきています。私は、自分が一番影響を受けておいしいと思うフランス菓子を伝える使命があると思っています。日本的な要素を入れるということはありません。フランスでがむしゃらに頑張って、日本に帰ってきましたが勉強は続きます。身近にすぐお菓子があるというところがパリでした。今後の大きな夢は、標高5,600mぐらいのとこにオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)を作って、自分はオーナーでいて、庭掃除で芝などを刈りながら、パティスリーやブーランジェリー、レストランがあり、ホテル業務があるようなことをやってみたいと思っています。

 
お店づくりの考え方|サ・マーシュ西川功晃
店名の「サ・マーシュ」という言葉はフランス語で、お世話になっていた「コム・シノワ」で厨房内で自然によく聞こえていた言葉です。号令のような感じで、行けよ!というものです。独立する際に、一歩前進したい、何かを進めていきたいという思いから「サ・マーシュ」と付けました。今でもとても気に入っています。
お店作りは大きく分けて、商品の力と販売の力があると思います。商品の力は素材、技術、人の心です。素材は小麦や野菜を作る生産者が重要です。この人たちの力がなければ良い素材に出会えません。良い素材が手に入ることで良い商品を作ることができます。技術には経験が必要です。経験はいろいろなことを自分で体験すること、本物の技術をいかに得るかによって商品の力になっていくと思います。人、心は大切なところで、素材と正直に向き合うことが重要です。努力し続ける心も必要で、簡単に諦めてしまったり、気持ちが抜けてしまっては良い商品が生まれません。体力も重要です。体が元気で続けていけなければ心が折れてしまいます。またそれぞれが持っている感性も大切で、商品につながっていきます。最後に性格です。それぞれの個性が商品に反映されていきます。販売の力は、サービス、内装になります。サービスは明るい笑顔、スタッフの知識です。知識と同時に食が好きでなければ学びを広げることもできません。販売の人も体力が重要です。体力がなければ笑顔も作れません。内装はデザインなどですが、仕事のしやすい、お客さんが利用しやすい機能性が大事です。心地よさも大切で、なんかこのお店いいな、感じがいいな、気持ちいいな、と思えるように考えます。お店はセルフサービスではありません。商品とお客さんの間にバーがあり、バー越しにお客さんと会話をしながら提供するようになっています。スタッフがこのパンはこのように食べてください、こういう思いをこめて作った商品です、こういった素材を使っています、といったようにパンにまつわるいろいろな話をお客さんに合わせて提供します。昔の八百屋さんや魚屋さんのように、新しい商品を紹介し、お客さんとお話をしながら販売する手法がパン屋さんにも生かせるのではないかと思いました。セルフサービスの販売方法の方がパンがたくさん売れると思っていましたが、結果として売り上げも上がっています。お客さんも購入後に食べる際にお店で聞いたアドバイスを思い出されるそうで、喜ばれています。この時代は情報が先行してしまい、雑誌やテレビ、ネットなどで情報を見て、そこで判断し選択してしまうことは非常にもったいないことだと思います。もっと生の声を聞いて買い物をしていただきたいと思います。もっとこのようにしたらおいしいのでは、といろいろ考えていただきたいという思いでお店があります。お客さんにも、もっと質の高い食を目指していってほしいと思っています。

トークセッション

神戸のお客さんに感じていることは?
西川:パン屋冥利につきる環境です。昔からパンというものが根付いている街で、しっかりと発酵させ、焼き上げるパンの本質をちゃんと楽しんでいただけている、というお客様が他の地域よりも多いと感じています。我々の作りたいパンを理解していただける地域だと思います。
楠田:幼少期に神戸で育ちましたが、パンやハム、ソーセージが常に身近にありました。パンがあるなら、食肉加工のお店も成り立つと思ってお店を出しました。オープンしてからものそのような食べ方をする人が多かったので、うれしかったです。
福本:神戸って街は洋の文化があり、なんでも取り入れていく雰囲気を持っているが、すごく保守的だと思います。レストランを初めて7年になりますが、その中で感じるのは、食の文化はまだまだといった印象が強いです。

三好:福本さん、神戸の食文化がまだまだ、と思う理由は何ですか?
福本:神戸というのは外から見るといい街かもしれないが、食文化はあまりしっかりしていない印象があります。日本料理も違う、中華でもない、洋の文化があるかもしれないが、ちゃんと根付いていないと思います。神戸らしさって一体なんなのかというところです。
西川:少し過激な言葉に聞こえますが、師匠である荘司シェフも神戸料理というものを作りたいんだ、というのが口癖でした。神戸料理というのはどういうものか、なかなか生まれてこないです。たぶん福本さんが言っているのは、根付いた質の高い、よその土地にないクオリティーの高いものがないのではないかと思います。神戸はもてはやされているかもしれません。もっと努力すべきだと思います。飲食業界すべてがもっと質の高いものを求めていくことが必要だと思います。

参加者からの質問:何をどのように世界に発信するのか、何が発信できるのか?
西川:メツゲライクスダを発信すべきではないですか(笑)。技術的には料理もお菓子もパンもいいと思います。全日本食学会では日本から輸出できるものに「食」があり、食は国益になると思っています。前に出る機会が少なく、表現力が足りない。まだまだこれから、食の都神戸を表現していくべきではないか。

参加者からの質問:WHOが発表した、加工肉が大腸がんを引き起こす原因になるという調査報告が発表されたことをどう思いますか?
楠田:世界保健機関は体に関することを常に注意喚起する機関ですが、実際、欧米のどこで調査したことなのか発表されていません。何が原因かも発表されていません。全世界で食肉業界は一斉に声をあげて、WHOに抗議をしています。1日50g食べて、18%の確率で癌になると言われています。日本人はそれほどの量を食べているという話もないです。加工肉しか言っていませんが、実際は、赤身の肉に関する報告もあり、食肉全体にかかわる事です。今後細かい説明もあると思いますので、注視したいなと思います。なんでもそうですが、食べすぎは病気のもとになると思います。

参加者からの質問:低糖質パンを食べて、健康と食について学びました。菓子パンと食事パンのこれからの可能性について教えてください。
西川:スーパーでウロウロしていると、大手メーカーで低糖質ハムというのが売られていました。そんなものあるのかと驚きました。大量生産するための保存料や化学的なものを取り入れていることが一つの原因となっているのではと思います。低糖質は、あくまでも糖尿病で食事制限されている方のための低糖質パンと思っています。決してダイエットのためではありません。現在は有効だということで、ダイエットのために選ばれている方もいます。うれしかったのは糖尿病の方が低糖質パンを選ばれて、涙流して喜ばれたことです。低糖質パンをお店で少しでも用意することが重要だと思っています。北里大学の山田悟先生から依頼を受けて、パンを作り始めた。作ることによって、喜ばれる人に出会ったことは大切なことだと思っています。

神戸で取り組みたいこと
西川:世界に向けて神戸の食を発信していきたい、神戸ビーフだけではないぞと言いたいです。海外から来たお客さんが神戸のパン屋さんで日本的なパン、世界にはないみんなが喜ぶパンを作りたいと思っています。今はお米を使ったパンもいろいろと考えています。世界中の人に喜ばれるような商品にし、世界へ発信したいと思っています。
楠田:もっと密接に兵庫県の生産者とお付き合いをしていき、第一次産業から進めていって、今後いろいろなことが確立していって、その先に世界があるのではないか。第一次産業と一緒に取り組んでいきたいと思っています。
福本:神戸料理学会は5人から始まりましたが、次回はもっと人数を増やしていきたいと思います。神戸の料理人と手を組んで、努力していきます。
弓削:第一次産業の生産者として、生産者が作ったものをいろいろな形でデコレーションしてくれている方がたくさんいる中で、神戸を代表する5人のシェフたちも、さらに楽しい食文化をつくっていくと思います。神戸は海があって山があって温泉があります。それに加えて食。生産者のところにいつでも来ることができます。TPPの問題でいろいろな食材が入ってくると思いますが、その中で神戸の食というのをそんなに考えていない人も多いかもしれませんが、この5人のシェフたちは第一次生産者から第六次産業まで、生産者の思いをいろいろな形にデコレーションしてくれる方々ではないかと思います。神戸から発信する新しい食文化の団体として、良いものに人が集まり、みんなに知らせてくれるのではと思います。それが神戸の新しい食文化だと思います。


神戸料理学会「episode:1 スタートライン」
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