お知らせ・レポート

2015年10月25日(日)

いよいよ展覧会の最終日となる10月25日に、20日間の会期を振り返りと、今後の高齢社会にむけて展覧会で行ったことがどうつながっていくかの展望を明確にするトークを行いました。

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①シニアメディアラボ
このラボでは、「1.高齢社会においてどんな情報が必要なのか?」「2.それを知るためにどんな情報媒体が必要なのか?」「3.読む、書く、聞く、調べるがコミュニケーションのきかっけになりえるのか?」という3つのテーマをもとに展示やトークを行いました。

<地域情報誌「omusubi」>
今まで4年間、東灘区社会福祉協議会と協働で行い、地域のリタイアした人、大学生、コピーライター、デザイナー、KIITOが一緒になりチームを組んでつくってきた情報誌「omusubi」の、これまでの展示と、これからを考える試みをしました。
10月12月(月・祝)には、今まで「omusubi」に関わった人たちに来ていただき、さらにこれから関わりたい方々と、「omusubiトーク 地域情報紙 プロジェクトのこれまでとこれから」を行いました。参加した方の中から出た意見としてとても面白かったのは、情報誌が自分ができる関わり(役割)方を見つける舞台になっているということです。会期中に「omusubi」第3号制作のキックオフミーティングを行ったのですが、新たにラボに関わったメンバーが興味を持ってくださったりと、今後に向けて新しい展開を生み出していました。

<トーク・アラウンド・ザ・ブックス>
「プロの書店員が選ぶ65歳からの1冊」という企画で、歳を経たからこそ楽しめる本をセレクトし、書籍を紹介するブックリストの展示を行いました。
10月18日(日)にはトーク「トーク・アラウンド・ザ・ブックス 」を行いました。

<編集を学ぶかべ新聞部>
壁新聞が最近なくなっている中で、壁に貼っているものをみんなで共有しながら読むことは新しいコミュニケーションを生むのではないかと考え、10月17日(土)にワークショップ「編集を学ぶかべ新聞部」を行いました。
参加者が実際に街に出て取材をする中で、高齢者が自然と集まる輪があることなど新たな発見がありました。



②食ラボ
地域に関わっている食のプログラムのリサーチやヒアリングをし、展示を行いました。
地域で月1~2回行われている「ふれいあい給食」に関して既存のメニューをリサーチし、料理研究家の坂本先生にアドバイスをいただき、スパイスを足して味に変化をもたらしたり、盛り付けで彩良くする方法など、簡単にアレンジできるメニューの提案をしました。
もう1つリサーチの中で多かったものが、男性向けの料理教室です。既存のプログラムは自分のためのものが多いが、本気の料理を学び誰かのために作るという内容があっても良いのではないかということで、全4回の「男・本気のパン教室」を会期中に行いました。参加者は50歳以上の男性6名で、サ・マーシュの西川シェフ指導のもと、パン作りを学びました。10月17日(土)には「ライフ イズ クリエイティブ カフェ」を開催しました。

会場に、「男・本気のパン教室」に参加していた方が来ており、参加されての感想を聞いたところ、「最初は、2日間でパン作りを習得するなんて無理だと思ったが、シェフに丁寧に教えてもらえたことと、メンバーの結束が強かったことで、カフェ当日のパン作りを満喫できた。」「今回参加したことで、家族にも喜ばれた。」「今後も、場があればぜひまた集まってやりたい。」という声をいただきました。



③公園ラボ
「健康」をテーマにリサーチをしました。会場内には、遊具メーカーの株式会社コトブキさんにご協力いただき、健康遊具の展示を行いました。健康公園のリサーチも行い、現状、高齢者にとても人気がある公園がどういったものかを展示し、さらに、公園に対する「こんなことができたらいい」「こんな場所があったらいい」というアイディアを募り、その場に貼っていってもらいました。
会期中には、全3回のワークショップ「公園×シニア×健康の未来を描こう」を行いました。国内・海外の公園の事例をリサーチからはじめたのですが、参加者からは「久々に公園に行った」「公園にこんなに健康遊具があるとは知らなかった」という意見がありました。最後には、その場で「こんな公園があったらいい」といアイディアを、絵を描いたり粘土や紙を使って立体にしてもらい、発表を行いました。



④オールドタウンラボ
このラボでは、「高齢者のスキルをまちでどう生かすか」「高齢者と他の世代がどう交流したらよいか」という2つのキーワードがありました。いくつかオールドタウンの事例をリサーチしていく中で、オールドタウンと呼ばれているものの、そのまちにはキーマンとなる元気な高齢者がおり、その人がいかに他の地域の高齢者に役割を与え、何か催事等に巻き込むかどうかがとても重要だということに気づきました。そのため、今回の展覧会では、以前に開催した+クリエイティブゼミvol.3まちづくり編
で繋がりのある須磨区高尾台を題材に、キーマン含め巡民の方がどうやってつながっているかを図式化した「つながりMAP」と、高尾台で行われている多世代の住民が参加できる様々なイベントをリストアップした「高尾台の1年間」というものを制作し、展示しました。
その他、高齢者のスキルを活かしたり、スキルアップの場を創出できないかと思い、展覧会の会場設営を高齢者の方と一緒に行う「ものづくり講座」を実施しました。建築家の方々に講師になっていただき、事前講習で道具の使い方や会場設計のコンセプトを学び、実際に3日間かけて各ブースのファサード(木の枠組み)を制作しました。
10月11日(日)には、ワークショップ「いきいきとした地域づくりにおける高齢者の役割」を行いました。実際に参加者の中に、大学生と高齢者の方が一緒になってグループディスカッションを行っており、



⑤恋愛ラボ
事前のリサーチのなかでとても興味深いデータがあり、シニア男性は「いつもでも恋をしていたい」、女性は「恋愛はもうとっくに卒業した」という違いがありました。そこで、シニア男性にはよりいきいきと恋を楽しんでほしい、シニア女性にはもう一度恋する気持ちをもってほしいということをテーマに展示やイベントを行いました。
新しいシニア像を提案する「モテインフォ」を設け、いくつかに分類したモテるタイプの人物像が書かれたおみくじがひける「モテみくじ」を設置しました。その他、「モテ絵馬」を設置し、来場者に「愛する人にもらいたいもの」「愛する人と行きたいところ」を書いてもらい、どういった人がモテるのかなど、リサーチを兼ねた展示をしました。
また、会期中に全4回の「おしゃれ着リメイクワークショップ」を行い、会期の最終日の10月25日(日)には「ライフ イズ クリエイティブ ファッションショー2015」を行いました。ワークショップの参加者の方からは、「このワークショップに参加しておしゃれを楽しんで自分磨きをしたことで、恋愛スイッチが入った。」という言葉をいただき、とてもいい機会が持てたと感じます。



⑥認知症プロダクトラボ
高齢者に対する海外でのプログラムはどういうものがあるのか?という興味の中で、イギリスが高齢社会に対する文化芸術からの取り組みで先進事例が多く、プロダクトの展示を行いました。
レジデンスとして、デザイナーインベンターのクロエ・メイネックさんを招聘し、作品である「Music Memory Box」を展示し、さらに神戸版Boxの制作を進めました。実際に神戸の認知症の方々やその周辺の方にヒアリングを行い、認知症の方ご本人がいきいきと思い出がよみがえる物や音楽について情報収集を行いました。実際にヒアリングをしていく中では、ご本人だけでなく家族が元気になるという姿が見受けられ、家族のためにも大きな役割を持つプロダクトだという事を感じました。これのヒアリング情報をもとに、今後、クロエさんが神戸版「Music Memory Box」の制作を進め、完成した後、KIITOで展示を行います。
その他、イギリスのデザインカウンシルが開催した認知症デザインコンペで応募された2作品の実物の展示と、イギリスの美術館が開発したアプリの展示を行い、認知症プロダクトに対する可能性を広く見せました。
10月22日(木)には「クロエ・メイネック アーティストトーク」を行い、10月23日(金)には、ブリティッシュ・カウンシルのアーツ部長、湯浅真奈美さんをお迎えして、レクチャー「高齢社会における文化芸術の可能性 英国を事例として」を行いました。



⑦防災ラボ
NPO法人プラス・アーツが実施している家族で楽しく参加できる防災訓練「イザ!カエルキャラバン!」をベースに、高齢社会での新しい防災訓練が考えられないかということでリサーチと提案を行いました。
神戸の中でも、色々な工夫をして防災訓練を実施している地域がありその事例紹介と、防災食の中でも介護食を出しているメーカーがあり、その展示も行いました。
10月17日(土)にはレクチャー「高齢社会における新しい防災のカタチを多面的に考える。」を行いました。ゲストが、防災訓練のプログラムをつくり続けることがとても楽しいとおっしゃっており、大きな仕組みは考えられないけど、高齢者が参加できる工夫をチャレンジし続けているとお話しさせれていました。また、地域の中には、「誰かのために何かしたい」と思っている高齢者の方は地域におり、そういった人たちをどう巻き込んでいくかがとても重要だということが分かりました。



⑧終活ラボ
まずは「終活」の現状と今をリサーチしました。今まで遺産相続やお墓などの「死のための準備」が「終活」だった状況が、ここ数年は「残りの人生をどう生きるか」という「生」のための「終活」に変ってきたということが分かりました。そのため、「終活」の新しい可能性を探る展示を行いました。
1つめは、「これまでの終活」「新しい終活」「未来の終活」という3つに分けてアイディアをイラストにして展示を行いました。もう1つが、来場者の方々に「死」を意識して人生計画をしてもらい、"ものさし"(紙)にその内容を書いてもらう「LIFE IS TAPE」という公開ヒアリングを行いました。予想以上に、若い方々にも書いていただき、「改めて考えたらとても時間がかかった」「残りの人生の時間を考えたらいっぱいやりたいことがあった」などの感想がありました。
10月12日(月・祝)にはレクチャー「今と未来の終活のはなし」
10月21日(水)には「アルバム整理ワークショップ」を行いました。





今回のクロージングトークのはじめからおわりまでを、グラフィックファシリテーターの石橋智晴さんに絵と文字で書き残していただきました。



LIFE IS CREATIVE展 クロージング・イベント トーク「ワクワクする高齢社会にむけて」
http://kiito.jp/schedule/event/article/14566/

LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。
http://kiito.jp/schedule/exhibition/article/13681/



2015年8月22日~9月6日まで、KIITO 2Fライブラリで開催した「OUR DIARIES KOBE -100人が日記で綴る、神戸の日常生活と冒険-」展で神戸の100人に執筆いただいた日記をまとめた冊子を制作しました。
デザイン・制作はもちろんIN/SECTS。トレーシングペーパーのカバー、ミシン製本でかわいらしく仕上がりました。
展覧会の会場風景写真も収録し、手に取ってゆっくり100日記を本企画を読み返すことができます。
企画の発端となった『IN/SECTS』日記特集号と見比べながら合わせて読むと、また違った面白さが出てくるかもしれません。
KIITO内のライブラリでご覧いただけますので、来館時にはぜひ手に取ってみてください。


「OUR DIARIES KOBE -100人が日記で綴る、神戸の日常生活と冒険-」展
開催概要 / トークイベント「日記の魅力 〜日記文学と日記のことば〜」開催概要 / レポート

2015年10月25日(日)

LIFE IS CREATIVE展も最終日となったこの日、期間中恋愛ラボ内で行われてきた「リメイクワークショップ」参加者の成果発表として、「ライフ イズ クリエイティブ ファッションショー2015」を開催しました。

全4回行われたワークショップの中で、参加者のみなさんは、思い入れがあり大切にしていたけれど、着ることのなくなってしまった洋服や着物を持ち寄り、講師の神戸芸術工科大学芸術工学部ファッションデザイン学科教授の見寺貞子さんと、アシスタントの韓先林さんにアドバイスを受けながら、今の自分に似合う、新たなおしゃれ着に生まれ変わらせるべく、作品を制作してきました。

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今回のファッションショーは、制作した作品のお披露目の場です。ヘアメイクアーティストの安田有希さんにご協力いただき、参加者のみなさんを華やかにメイクアップしていただきました。いつもと違ったヘアアレンジやメイクで、背筋も伸び、声色もよりいっそう明るく聞こえます。

展覧会の会場の真ん中にはランウェイが立ち上がり、照明や音楽、映像など、この日のために演出にもたくさんの方にご協力いただきました。事前のリハーサルでは、本格的な舞台演出に驚き、少し緊張した表情の方も見られましたが、とても真剣にウォーキング練習に取り組まれていました。

ファッションショーには、リメイクワークショップ参加者の他にも、「男・本気のパン教室」に参加されたシニア男性の方々や、KIITOサポーター、参加者のご友人にも、リメイクワークショップ参加者の作品を身につけ、モデルとしてご出演いただきました。

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いよいよ本番を迎えると、リハーサルの時の硬い表情が嘘のように、みなさん明るい表情と素敵なポージングを披露。
ウォーキングの際には、講師の見寺先生に、出演者のみなさまのエピソードのナレーションをしていただきました。華やかな舞台で、制作した洋服もより美しく、魅力的に見えました。

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ファッションショーの最後には、リメイクワークショップ参加者のみなさんへインタビューを行いました。
どの方も、手を動かすことがとにかく好きで、何かを作り出すことをずっと続けていきたいと力強くお話をしてくださり、そのクリエイティブな発想力と、確かな裁縫の技術で、会場に集まった多くの人々に、いつまでもおしゃれやファッションを楽しむことの魅力と価値を伝えてくださったように思います。

ファッションショーを終えた後の写真撮影の際に、おしゃれを楽しむということは、私にとって生きる活力だと話してくださった方もおられました。
また今後、さらに大きな舞台で、若い人とも一緒にファッションショーに出演してみたいとの新たなアイデアまでいただき、その向上心の高さにとても驚かされました。
今回のファッションショーでは、観客としてご来場いただいたみなさまにも、これからの自分の人生をより楽しむためのヒントとなるイベントになったのではないかと思います。

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LIFE IS CREATIVE展  「ライフ イズ クリエイティブ ファッションショー2015」
http://kiito.jp/schedule/event/article/14696/

LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。
http://kiito.jp/schedule/exhibition/article/13681/

2015年10月23日(金)

各界で活躍するトップランナーをお招きする「+クリエイティブレクチャー」。「LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。」の開催に合わせ、英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルのアーツ部長、湯浅真奈美さんをお迎えしてレクチャーを開催しました。

湯浅さんの所属するブリティッシュ・カウンシルの活動の中心はカルチュラル・リレーションシップ。文化を通して関係を築くことを目的に、世界100以上の国と地域に拠点を置き、現地スタッフが様々なパートナーと協働してプロジェクトを実施しています。

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英国における文化芸術の現状
英国では、歳出削減策を掲げる現政権の政策の中で、文化芸術予算も削減されてきました。削減された予算のなかで、どのようにして文化芸術がインパクトを保ち続けるかを示す必要性と、文化芸術に投資することの社会的意義を説明していかなければなりません。
そのひとつとして制作されたものが、アーツカウンシル・イングランド(ARTS COUNCIL ENGLAND)の 「Great art and culture for everyone(質の高い文化芸術をあらゆる人に届ける)」と題した、5つの目標を掲げた10年間の戦略フレームです。これを映像で紹介いただきました。

アーツカウンシル・イングランドは、2013年と2015年に、文化芸術が英国の経済に果たす効果(雇用創出、観光への貢献、文化芸術業界の経済活動の成長)を具体的な数値でも出しています。それだけではなく、数値では測れない「社会的価値」「コミュニティーや人々への価値」を示すレポートも制作しています。
また、文化芸術が人々に対してどういう価値があるか、その効果の検証事業も行っています。

高齢化社会に向かう世界
日本では、2015年の人口に占める65歳以上の割合は26.75パーセント(人口の1/4)、2040年には36.1パーセントになるといわれています。
英国では、2015年の人口に占める65歳以上の割合は17.7パーセント(人口の1/6)、2050年に人口に占める65歳状の割合が1/4(現在の日本の状況)になるとされています。

2012年に発表されたデータでは、日本での認知症の方は462万人、400万人は軽度の日本の認知症を患う人々で、高齢者の1/4が何らかの認知症的症状を持つとされており、2025年には認知症の方が700万人になるといわれています。英国では認知症の方は85万人、2025年100万人、2025年200万人になると想定されています。世界的に見ると、2015年で認知症の方は4600万人と言われており、2050年には3倍が想定されており、医療費の増加なども懸念されています。

このような深刻な状況を、1国では解決できない重大な課題と位置づけ、2013年には英国首相が主導して、G8を集めた認知症サミットを開催、各国共同でリサーチを進めること、介護の在り方を変えること、市民の理解を深めること、認知症の方も生き生きと暮らせるコミュニティーづくり、などが提言されました。
現在では、銀行・金融関係セクターの連携により、認知症の方がパスワードを忘れてお金を引き出せない場合にどのような対応をするのかなど、既存のシステムでは解決できない課題や状況に対しての対応を協議したレポートが作成されています。また、文化芸術セクターに関しても、高齢者、認知症の方に対してどのようなポリシーで活動を推進するかが検討されています。

英国の文化芸術団体の高齢社会における取り組み
文化芸術機関による高齢社会に関する様々な取り組みは、医療や福祉といった既存のサポートに加えて、新たな切り口で課題にアプローチできるものとして注目されています。
ここで、英国における文化芸術団体による高齢者を対象にした取り組みをご紹介いただきました。

ウィットワース美術館
マンチェスター市はAge friendly Manchester(高齢者にやさしいマンチェスター)を掲げています。市内では、文化芸術関連16団体(美術館、博物館、楽団、アート団体、劇場など)が連携し、共同でのリサーチや事業を実施しています。
そのひとつ、マンチェスター大学付属ウィットワース美術館は、館の改修期間だった1年半の間にアウトリーチに注力し、デパートでの展覧会、大学と連携したプロジェクト実施、市郊外ケアホームや病院など、市内のあらゆるところ場所をフィールドに、徹底的に市民とかかわる多くの事業を展開しました。
改修を経てオープンした年には、多くの市民が来館し、ミュージアム・オブ・ザ・イヤー(Museum of the Year)も受賞。
また、教育普及プログラムに定評がある同館は、幼児から高齢者までを対象としたプログラムを展開しています。
その中で、認知症の方やその介護者、高齢者の美術館訪問をサポートするプログラム「Coffee, Cake and Culture(コーヒー、ケーキ、文化)」を紹介いただきました。

マンチェスター・カメラータ
マンチェスター・カメラータは、音楽によるパフォーマンスだけでなく、教育プログラムや人とつながるための部門も擁する室内管弦楽団です。
ご紹介いただいた「Music in Mind(ミュージック・イン・マインド)」というプログラムは、音楽を作る手法を用いて一緒に活動することで、認知症の方とその介護者のQOL(生活の質)を向上すること、認知症の方と介護者の関係性を改善すること、さらに介護の質を向上させることで薬物の摂取量を減らすことを目標にしています。
アルツハイマー協会などの専門的な知見に加え、マンチェスター大学との共同で、医学的な効果に対するリサーチを取り入れるなど、認知症や高齢者に対する音楽の効果を検証するプログラムとしては大規模なものと言えます。

ナショナル・ミュージアムズ・リバプール(NML)
8つのミュージアムの集合体であるナショナル・ミュージアムズ・リバプール(NML)が実施するプログラムで最も特徴があるものが 「House of Memories(ハウス・オブ・メモリーズ)」という介護者のためのプログラム開発と実践です。大学やアルツハイマー協会と協働し、回想法を取り入れた介護者のための、トレーニングとサポートを美術館が行っています。このプログラムは「LIFE IS CREATIVE展」会場においても紹介しており、その中のひとつのプログラム「My House of Memories(マイ・ハウス・オブ・メモリーズ)」はアプリにもなっています。
その他に、美術館のコレクションを基にした対話を促すツール「Suitcase of Memories(スーツケース・オブ・メモリーズ)」、対話を促進する「Memory Tree(メモリー・ツリー)」「Meet Me at the Museum」など多くのプログラムを実践していますが、特筆すべき点は、これらの開発と実践のために英国保健省から予算を獲得していることです。
福祉セクターと協働して美術館が福祉の予算を獲得して実施している事業は、医療にとって代わるものではなく、美術館が持つ様々なリソースやコレクションにより高齢社会に貢献するひとつの好例と言えるでしょう。

エンテレキー・アーツ
ロンドンの南東を中心に、地域社会に根ざした参加型のアートプログラムを多数展開しています。彼らが目指すのは、高齢者なのでできない、高齢なので自分で限界を決めてしまう、また社会が限界を決めてしまう、そして介護施設では選択が制限される(選択の余地がない)、状況を受け入れるばかりで自発的に選択しない、という高齢者に対する様々な限界や制約を乗り越えるための、アートの可能性を示すことです。
また、人とのつながりを強めるために、アートは中心的な役割を果たすことができ、アートを通して全ての人たちの可能性を伸ばし、クリエイティブなコミュニティーを作り、地域で支え合う活動を行っています。

History Pin(ヒストリーピン)
デザインで社会的な課題を解決し、社会での人のつながりをつくる、デザインを通して人々の行動を変えていくことを目的とする社会企業、Shift(以前の名称はWe Are What We Do)が事業化した「History Pin(ヒストリーピン)」をご紹介いただきました。
目的は写真の掲載ではなく、対話のプログラムとすること、社会的なコミュニティーのつながり、信頼やネットワークを高め、孤立を解消することです。英国のレディング(Reading)というまちでの検証を含めた成果もご報告いただきました。スタートアップから、継続させ、事業化してサスティナブルなものとしたプロジェクトの例と言えます。

年代を超えての対話を促進、地域のつながり、財産ともいえる共同のアーカイブに育つこのプラットフォームを、ブリティッシュ・カウンシルは富士通やグローコムと共同で総務省の「ICT超高齢社会づくり推進事業」の採択を受け、日本語化を実施、「認知症フレンドリー」「エイジ・フレンドリー」のまちづくりを促進している富士宮市で活動も実践しました。



実際に人々が出会う機会をつくり、地域の写真を共通の話題にした対話ワークショップを通して、世代間の対話が促進され、ICTはそのコミュニケーションを強化・発展させる役割を担うという英国の事例が日本でも実証されました。

ヒストリー・ピン 日本語サイトはこちら

高齢社会と文化芸術:英国団体の招聘
英国においては、高齢化の進む日本の社会での高齢者のあり方や、地域やコミュニティーで高齢者や認知症の方をどのように支えているのかに関心が集まっています。
ブリティッシュ・カウンシルは、2015年4月に、英国のベアリング財団の助成を得て英国の文化芸術14団体を招聘、日本の社会での高齢者との取り組みやコミュニティーの視察を実施しました。
その様子を映像で紹介いただきました。



最後に、レクチャーの参加者からの質問の時間には、紹介されたプロジェクトの社会的価値や評価などをデータベース(社会的資産)として積み上げる英国での方法や、今後の英国での文化芸術プログラムと施設の展望についてお答えいただきました。

ご紹介いただいたプロジェクトに共通するのは継続させることの重要性、地域やコミュニティーの人々が続けていくこと、継続できる仕組みが大切だということです。
KIITOにとっても、高齢化社会に対する取り組みを継続するなかで、プラットフォームとしての役割を果たすための示唆に富むお話をうかがえた貴重な時間となりました。
また、文化芸術施設だから行うのではなく、社会やコミュニティーの一員としてできることを、個人的に再考する機会にもなりました。



LIFE IS CREATIVE展「高齢社会における文化芸術の可能性 英国を事例として」レクチャー開催概要はこちら
LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。開催概要はこちら

2015年10月22日(木)

LIFE IS CREATIVE展に合わせてKIITOアーティスト・イン・レジデンス作家として招聘したデザイナー・インベンター、クロエ・マイネックさんのアーティストトークを開催しました。

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クロエ・マイネックさんは、「Music Memory Box」(以下MMB)という認知症の方とその家族向けのプロダクトを開発しており、英国でも高い評価を受けているデザイナー・インベンターです。今回は、LIFE IS CREATIVE展の会期中約1ヶ月、神戸に滞在し、神戸版MMB制作のためのリサーチを行いました。神戸の人たちとコミュニケーションを取りながら、双方の経験と今後の発展に活かそうという試みです。

アーティスト・トークでは、前半は、どうしてMMBを作るに至ったか、どのようにブラッシュアップしてきたか、神戸での滞在制作の内容、所感などスライドショーを使いながら話しました。


クロエさんは、英国南西の都市・ブリストルのメディアアーツセンター・WATERSHED内にあるPervasive Media Studioを拠点に活動しています。Pervasive Media Studioはアーティスト、研究者、振付家、リサーチャーなどさまざまな専門を持ったクリエイターが協力し合って新しいものを作っているスタジオです。

認知症の方向けのプロダクト開発に取り組むきっかけとして大きいのは、2012年ごろに、高齢化がこれからの英国の社会課題の中で最も大きなものとなるだろうという報道を目にしたことと、自身の祖母が認知症になったこと。祖母はピアノが得意で、親族を思い出せないくらいになっても、音楽は50曲ほども覚えていたり、口ずさんだりしていたことから、音楽の力を認識するようになったそう。

MMBは、基本的には特定の個人のために作られます。靴箱程度の大きさの箱に、フタの内側に、本人の思い出の写真がいくつか挟むところがあります。
箱の中には、小さなオブジェがいくつか入っておりICチップがついています。箱の真ん中のセンサーにかざすと、オブジェと関連がある音楽が流れだします。好きな音楽がかかると、不安な気持ちがなごんだり、写真と合わせてみると、音楽と関連のある写真を指差したり、音楽が人の感情や記憶にダイレクトに働きかけていることが実感されます。オブジェは鳥、猫、オペラハウス、刺繍糸などさまざま。どんなオブジェや音楽をおさめるかは、本人や家族への丁寧なインタビューを通して、本人が憶えておきたい思い出や、家族に関する記憶と結びつくようなものを選びます。オブジェは思い出の品そのものではなく、レプリカやミニチュアをクロエさんが作っておさめます。オブジェを手に取った感覚も思い出の引き金になるので、素材の違いも重要です。
2012年以降、個人向けや施設向け、レジデンスプログラムの中でなど、さまざまなシチュエーションで制作されてきました。

今回の滞在では、デイセンター、グループホーム、特別養護老人介護施設、個人宅、など、さまざまな介護状況にある方の話を聞き、リサーチを行い、MMBが日本でも役に立つのかどうかの検証を試みました。
リサーチでは、懐かしい音楽を聴いてもらったり、好きな音楽やそれにまつわる思い出を聞いたりしました。また、展覧会の会場内でも、思い出の音楽とエピソードのリサーチシートを設置し、来場者に書いてもらえるようにしました。
印象的だったのは、大工仕事が得意だった90代の男性が、自身が認知症になる前に、テレビで見て知った、ぼけ防止のためのボードゲームのようなものを、ネジと木の板で「ボケボーシ」と名前をつけて自作し、周囲の仲間にもプレゼントしていた、というエピソード。実物を出して、その思い出を話してくれるご家族も楽しそうに話してくださり、家族がとても協力的で助けあっていることが感じられたとのこと。

須磨在宅福祉センター(須磨区) グループホーム「希望の家」(兵庫区)

また、北名古屋の「昭和日常博物館」では、昭和30年代のまち並みを再現し、所蔵品を利用した回想法のワークショップを積極的に行っているということで、視察に行きました。対象は認知症の方に限らないようですが、竹トンボやお手玉で、60~80代の方がすごくいきいきと楽しそうにされていたとのこと。

MMBはまだプロトタイプの段階ですが、帰国後、製品化へ向けて具体的に工場とのやりとりなどを進める予定とのことです。

後半は、実際にMMBをデモンストレーションしてみせた後、来場者との質疑応答を行いました。といっても、質問者のなかには、親が認知症である、介護の現場で働いている、という方もおられ、MMBの利用の可能性について具体的な質問、感想や提案が出て、つっこんだ意見交換のような状況になりました。

介護職の方からは、ケアホームなどに入所されるとどうしても分断されてしまうので、本人のためもあるが介護者のためにも、MMBのようなものがあれば、個別的なケアがしやすく、ツールとして有効だと思う、とのコメントが。クロエさんは、ケアホームでの取材の際、個人の部屋にあまり荷物が持ち込まれていなくて、ものが少ないことに気がつき、思い出の品があるなら1つ2つでも持ち込んでおけば、記憶をよみがえらせる引き金になって有効だと思う、と言っていました。

日本では終活が盛んになってきているから、認知症になる前の備えとして、自分のために作っておく、というのも考えられるのでは、というコメントも。クロエさんは、それは、その人自身が好きなものを入れることができるから、理想的な使い方かもしれない、たとえば70歳の誕生日プレゼントとしてプロモーションするとか。できるだけいろいろな人に使ってもらって、使い道を見つけてほしい。「Music Memory Box」を「Dementia(認知症) Box」としなかったのも、使い方を限定したくなかったのが理由だ、とのこと。

終了後は来場者からアンケートをもらいましたが、丁寧に感想を書いてくださる方が多数でした。クロエさんはアンケート集計に対して丁寧にメモを取っていました。これからの製品開発に活かしてくれることと思います。

滞在期間が約1ヶ月と短かったので、今回は滞在期間内での完成を目標とせず、リサーチに重点を置いて活動しました。帰国後に、滞在制作でのリサーチをもとに、神戸版のMMB制作を進めてもらいます。
2016年2月頃に、完成した神戸版MMBをKIITOの中で展示する機会を設けたいと考えています。またみなさんにも進捗をご報告いたしますので、楽しみにしていてください。


開催概要
KIITOアーティスト・イン・レジデンス2015 クロエ・メイネック
LIFE IS CREATIVE展 クロエ・メイネック アーティストトーク
「LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。」

2015年10月21日(水)

KIITOのクリエイティブラボスペース入居クリエイターで、秋田県発行のフリーマガジン『のんびり』のほか、吉本興業発行の『おおらかべ新聞』など、編集を軸にローカルデザインを考える編集者、藤本智士さんを講師に迎え、整理しないまましまいこんでしまった写真を持参し、たった一冊のアルバムにまとめる「アルバム整理ワークショップ」を開催しました。

終活ラボでなぜアルバム整理ワークショップなのかというと、終活に取り組む人の多くの方のその動機に「子ども、孫に迷惑をかけたくない」という想いがあるようで、後世に残しても仕方がない、と、写真やアルバムを捨てる方が多くいらっしゃるようです。そんな写真を捨てる前に、とっておきの一冊を作ることを目指しました。


はじめに、藤本さんから東日本大震災とアルバムについてのお話がありました。
震災後、津波によって流されたものの中でも、最も大切に扱われたものの中に写真アルバムがあったそうです。
亡くなられた方のご遺体を捜索する際、道なき道を歩き、瓦礫をかき分け、かつて家だったもの、店だったもの、商品だったもの、あらゆるものが破棄される運命にあるものとして扱われました。そんなか、瓦礫から発見された写真アルバムだけはとても大切に一箇所に集められていったそうです。そして、避難を余儀なくされた人たちが一時帰宅の際、まず持ち帰るものの中にアルバムが含まれていたそうです。
写真とは、私達にとってそれだけ意味深く、かけがえのないものになりうるということをお話いただきました。


昨今、写真はデジタル化が進み、プリントされることはかなり減ってきています。
代わりにPC保存やクラウドフォルダに保存されたりします。それらの容量は進歩するにつれて増加し、それと足並みを揃えるようにシャッターを押す量も増加しています。
藤本さんはこのことに疑問を覚えたそうです。撮られた写真たちはほとんど見返されることもなく、ただただ蓄積され、データとして残されたものは実は故障や事故で一瞬で消え去ってしまいあとすら残らない頼りなさがあるからです。写真とはプリントされてこそ価値がある、と藤本さんは話されました。

次に整理と整頓についてのお話に移りました。
整理と整頓の違いをご存知でしょうか。整理とは「必要なものが必要なときに取り出せる状態」を指し、整頓は「整然と綺麗に並べられている状態」を指すそうです。
写真アルバムはどうでしょうか。写真アルバムは時系列に並べられることが基本とされているが、それは整頓されているだけで、整理されていないのかもしれません。
アルバムにもならず、プリントしたまましまいこんでしまっている写真、これはどうでしょうか。もはや整理も整頓もなされていません。持っていることさえ忘れてしまうようなもの、これは仏教の言葉では「無明」と言われるそうです。無明とは忘れたつもりでいても、心はちゃんと覚えていて、「どうしようかな」と思い続けている状態です。こういったものが増えると無意識の中でも記憶のデータベースを混雑させていしまい、脳の働きを低下させてしまうのです。この無明の領域を減らすためにも、整理整頓の滞った写真をアルバムにまとめることはとても良い、とお話がありました。

いよいよ、アルバム整理に移ります。
まずは皆さんの自己紹介と、お持ち頂いた写真がどういったものかを紹介していただきました。
数年前に行った海外旅行のお写真をお持ちになった方や、ご両親の写真を整理したいのでその練習ということでまずは練習用にご自身の写真をお持ちになった方、シニアの方の自分史作りのサポートに役立てたいということでご参加いただいた方など、様々な目的の方にお集まりいただけました。
目標はとっておきの一冊のアルバムです。


今回の整理には、「いろは整理術」を用います。
大阪のある写真屋の奥さんが開発した整理方法です。
まずは、アルバムのページ全てに「いろはにほへとちりぬるを・・・」の48文字を各ページに2文字ずつ書き込んでゆきます。合計24ページになります。
そして、その文字を頭文字としたタイトルを考えながら、写真を選びます。
例えば、「いい笑顔!」と思った写真は「い」のページに貼り付けてタイトルを書き込む、と言った具合です。



深く悩まず、どんどんやってゆきます。
また、誰かと相談しながらやることも大切です。一人でやっているとのめり込んでしまうので、誰かに相談したり、どっちかを選ばなければいけない時も他の人の力を借りれます。
家族でやるのもおすすめです。いろいろな写真を見ながら、この時はこうだったんだよ、と語り継ぐことができ、形式張ったエンディングノートよりも想いを込めてこれまでの”人生”を語り継ぐことができます。



写真の選定で悩まれる方や、すぐに決めてどんどんいらない写真を捨てていく方や、ザクザクと切り抜いて貼り付けていく方など、同じアルバムでも様々なものが仕上がっていく様子が伺えたのがとても印象的でした。


最後に、皆さんの出来上がったアルバムを紹介してもらいました。




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LIFE IS CREATIVE展 ワークショップ「アルバム整理ワークショップ」
http://kiito.jp/schedule/workshop/article/14411/

LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。
http://kiito.jp/schedule/exhibition/article/13681/

2015年10月21日(水)

LIFE IS CREATIVE展「公園ラボ」ワークショップ「公園×シニア×健康の未来を描こう」第3回目を開催しました。
3週連続のワークショップも今回で最終回。
「こうだったらいいな」という公園を思い描き、自由に表現してもらいます。アウトプットの方法は自由。

最初に1時間ほどアイデアと制作の時間を設け、その後、皆の前で発表してもらいます。
画用紙や粘土を使って制作する人も。皆さん真剣ながらも、子どもに返ったように楽しそう。

 
 
約一時間後、いよいよプレゼンテーションの時間です。
発表内容は、どんぐりの形の公園の中にどんぐりの足ツボ押しが敷き詰められている、といった空想的なアイデアから、公園の使い方や作り方、さらに「公園」の考え方自体を捉え直すことへの提案まで実に多様。公園に親しみやすい名前を付ける、公園内は携帯電話をOFFにしてコミュニケーションを促進するなど様々なアイデアが出ましたが、皆、公園を開かれた場所にしたいという思いは共通しています。
 
 
 
最後に、一人3票持って、共感したアイデアに投票してもらいました。
最も皆の共感を得たのは、写真左下の一見不思議な形の遊具。実はこれは健康器具で、いろいろな身長の人が使えるように考えられた、背伸ばし器。
この器具を考案したのは、普段子どもに美術のワークショップを開催する、造形作家の女性です。これまでの健康器具の形にとらわれない柔軟な発想で、遊び心満載です。健康器具は大人が対象なのですが、この器具なら子どもから大人まで、多世代が利用することができます。見て楽しい、使って楽しい未来の健康器具のアイデアです。
 
 
発表が終わった後、簡単な懇親会を開きました。皆さん、公園話に花が咲きます。参加者同士、出来上がった作品を熱心に鑑賞していました。
今回皆さんが制作した作品は、LIFE IS CREATIVE展の残りの会期中、公園ラボ内に展示します。

今回の展覧会では、公園ラボ内に来られた方々にヒアリングをしました。公園に対する思いは様々ですが、中には暗いイメージすら持っている方も多いことがわかりました。本来、公園は誰もが集い、楽しむことのできる場所であるはず。
そんな公園のことをもう一度、楽しく考えてみようというのが今回のワークショップです。大学生やお子さんを持つお母さん、デザイナーなど様々な人たちが集まりました。

このワークショップは、11月から始まる「+クリエイティブゼミ vol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」」へバトンタッチします。
ゼミでは約3ヶ月にわたりグループワークを行い、実際の公園での実現に向け企画を練り、最終回にはプレゼンテーションをします。実現に向け動くこちらのプログラムもぜひ、ご期待ください。
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LIFE IS CREATIVE展 ワークショップ「公園×シニア×健康の未来を描こう」
http://kiito.jp/schedule/workshop/article/14212/

LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。
http://kiito.jp/schedule/exhibition/article/13681/

デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2015年11月から開催するイベントについてプレスリリースいたします。

プレスリリースはこちら(PDF)

1日目:2015年10月9日(金)

お気に入りだったけど、とっても好きだったけど、着ることが無くなってしまった服を、リメイクしてもう一度自分で着れるようにし、最後に自分で来てファッションショーにお披露目するというワークショップを開催しました。

1日目は、顔合わせと自己紹介を行いました。
今回の参加者は、60歳以上の女性4名。日頃からリメイクをし慣れている人もいれば、今回のワークショップでリメイクのスキルを身に付けたい人もいました。


各自持ってきたリメイクしたい服を出し、それぞれの服の思い出やリメイクしてどういう風に着たいかを話してもらいました。
ある参加者は、元小学校の先生で、当時入学式などに来ていたお気に入りのピンクのブラウスを、型パットが入って古い形になってしまった袖をどうにかして着れるようにしたいとのこと。他にも、親から譲り受けた着物の生地を使って、お出かけ用のワンピースをつくるという人もいました。
既に日頃からリメイクをしている参加者は、過去に自分でリメイクした服も持って来ており、それらを講師・他の参加者と一緒に来てみながら、リメイクの技を共有し合いました。


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2~4日目:10月10日(土)、16日(金)、10月17日(土)

各自リメイク作業。会場に来て作業をする人もいれば、自宅で作業を進める人もいました。
まずはつくりたい服のかたちの型紙をつくるところからはじめた。つくる工程では、講師からリメイクに必要な道具の紹介もあり、参加者が次回までに新たに道具を揃えている場面も見受けられました。
服のサイズなどは、講師からのアドバイスもあり、今後身体の動きが鈍くなった時でも着やすい工夫がなされていました。


ある参加者は、古い男性着物用の総絞りの帯を、チュニックにリメイクしました。あえて絞りをアイロンで伸ばし、絞りでない端の部分を襟に使うなど、作業が進むにつれてアイディアも色々と思い浮かんでいる様子でした。途中で何回か試着をして、首回りや袖周りの大きさの確認、身丈の調整等を行いました。


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参加者は、つくる中でリメイクのスキルを身に付けることはもちろんですが、つくることによるおしゃれに対する気持ちの高まりや、できた服を着て誰かに見せたいという、気持ちがだんだんと外へ向いていくように感じました。

さあ、各自どんな服にリメイクしたかは、「ライフ・イズ・クリエイティブファッションショー2015」でお披露目です!


LIFE IS CREATIVE展 恋愛ラボ「おしゃれ着リメイクワークショップ」
http://kiito.jp/schedule/workshop/article/14178/

LIFE IS CREATIVE展 「ライフ・イズ・クリエイティブファッションショー2015」
http://kiito.jp/schedule/event/article/14696/

LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。
http://kiito.jp/schedule/exhibition/article/13681/

2015年10月18日(日)

誠光社(元恵文社一乗寺店店長)の堀部篤史さんをお招きし、シニアをテーマにした本を題材に、トークイベントを開催しました。トークでは、実際に本を手にしながら、物語の中でのシニアの描かれ方やライフスタイルなどを、写真や映像をまじえながら紹介。一冊の本からその他の文化へと広がる、読書の愉しみを知る時間を、参加者のみなさまと共有しました。

今回、堀部さんにご紹介いただいた本は、トーク会場となったLIFE IS CREATIVE展のシニアメディアラボ内、「プロの書店員が選ぶ65歳からの一冊」で堀部さんに選書いただき、展示していた本です。

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選書には、今回のトークの講師である誠光社の堀部さんをはじめ、他にも京都から、ホホホ座の山下賢一さん、善行堂の山本善行さん、大阪からスタンダードブックストアの中川和彦さん、そして地元神戸から、ジュンク堂三宮店の朝野道則さん、ポレポレ書舗の今野雅彦さん、Fabulous OLD BOOKの村田智さんにご協力いただき、魅力的なシニアが登場する本や、晩年に魅力を増した作家の本など、さまざまな切り口で5冊ずつ本を選び、ご紹介いただきました。(各書店員さんの選書内容はこちら

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今回、堀部さんには選書していただいた5冊の他にも、たくさんの本を、さまざまなエピソードとともに紹介していただきました。小説や文学の話はもちろん、芸術やアール・ブリュット、漫画や映画など、さまざまな切り口でシニアに関する本の紹介をしていただく中、堀部さんからは「老人力」という表現が頻繁に出てきていました。

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「老人力」とは、もともとは現代美術家の赤瀬川原平氏の著書で、90年代後半にベストセラーとなった本のタイトルであり、物忘れやため息、独り言など、年をとるに連れ増えてくることを、普通は減退、低下と捉えますが、赤瀬川氏はそれに「老人力」と名付け、些細な事を気にせず、大らかであるという一つの魅力に置き換えたのだといいます。

メディアは、若々しさや美しい青春といったイメージを頻繁にとりあげ、シニアに焦点があてられたものはあまり多くは見られないが、歳を取り、感覚が鈍くなっていくということは、消して悲観することではなく、とても重要なことだといえるのではないか。
若い頃は、繊細で傷つきやすく、恋愛や自己実現にとらわれ殻に閉じこもったり、自分自身が家庭や地域のコミュニティの一員であることがつまらなく感じたりする。
それは、年を取り敏感さを摩耗していかなくては、辛いことなのかもしれない。鈍くなるということは、家庭や暮らしを守るためのコツであり、大切な能力なのではないかとお話していただきました。

また、その鈍さを持つことに寄って、脇目もふらず自分の趣味に没頭できたり、作為の無い純粋な作品を生み出すことができたり、人生に新たな広がりをもたらすことが多くあるのではないかとのことでした。

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今回、堀部さんが紹介してくださった、高齢を迎えて新たにジャズ音楽に目覚めた植草甚一氏のお話や、ミステリー小説に登場する若者の暴力に対峙する老人の姿、ロンドンから一歩も外に出たことのない1人の高齢男性の日常を追った写真集など、多様なシニアの生き方、描かれ方を、本を通して覗き見ることで、自分自身がなりたいシニア像や、これからの年の重ね方を考える、一つのきっかけとなるイベントとなったのではないでしょうか。

LIFE IS CREATIVE展  「トーク・アラウンド・ザ・ブックス」
http://kiito.jp/schedule/lecture/article/14338/

LIFE IS CREATIVE展 高齢社会における、人生のつくり方。
http://kiito.jp/schedule/exhibition/article/13681/

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