10/7 Sat - 10/22 Sun
EXHIBITION
さまざまな情報が気軽に手に入るようになったことで、食の安心・安全など、日々食べるものについて、消費者はこれまで以上に敏感になっています。その一方で、食べるという行為の前後左右を、私たちはどれくらい想像できているでしょうか。
この展覧会は、さまざまな立場から食について追求してきた料理人や酪農家、販売者などの“食の実践者”たちが描く夢や未来を通して、神戸のまちや生活を捉え直す展覧会です。知っているようで知らない、お店に並ぶまでの野菜の姿や、味覚の多様さに出会う展示など、神戸を拠点とするクリエイターたちとのコラボレーションにより、食との新たなつきあい方を考える種が具体化されています。
「おいしく食べる」「身体に良いものを食べる」だけでなく、誰かが手間隙かけてつくったものを選び、身体の中に取り入れること。そう考えると食は、生き方を選ぶことともいえます。そこには、利便性や効果・効能だけを求めていると気づかない価値観があります。食からつながる明日を、一緒に覗いてみませんか。
展示コンテンツ紹介
調理における幾多の挑戦が皿の上の景色を刷新してきたように、食べる行為の舞台となるテーブルにもまだ見ぬ可能性があるはずだ。フレンチ・レストランのシェフと一緒に「空想の食卓」の世界で遊んでみる。
畜産廃棄物を再利用する小型バイオガスユニットは私たちの食卓に何をもたらすのか? 神戸市北区、住宅街に隣接した牧場が進める“無駄のない実践”から、エネルギー需給に留まらない「食の循環社会」の未来図を紹介する。
協力:DESIGN HERO・柿元千秋(イラストレーター)、神戸大学大学院農学研究科・井原一高(研究者)、ひょうごの在来種保存会
原料からパンができるまで、生産者から購入者の手に渡るまでには、たくさんの人や場所、時間を経ている。お店に並ぶパンを見ただけでは、想像することは容易ではない、毎日繰り返す食べ物とお金の交換について、一度考えてみる機会をつくりだす。
協力:樽井香(イラストレーター)、宮下昌久(家具作家)、アグリシステム株式会社、新光糖業株式会社、株式会社脱サラファクトリー、株式会社トクラ大阪、日仏商事株式会社
創業100年を超える神戸南京町の豚まん屋「老祥記」のメニューはひとつ、豚まんのみ。多くの人が列を作る中、店の厨房の様子を撮影。1日に1万3000個つくられる店内で熱気立ち込める中繰り出される洗練された職人技と無駄のない協働作業。一つのメニューに集中して初めて見える技術と長く続く未来を、映像から垣間見る。
生産者、消費者、農家など、日常生活では接点の少ない様々な立場の人たちがKIITOへ集合。食について知りたいこと、疑問に思うこと、伝えたいことについて垣根を超えて話し合い、多く疑問をぶつけあった。知ってほしいこと、知りたいこと、普段なかなか伝わらずにもどかしく思っているそれぞれの本音が飛び交う模様を映像で上映。
普段あまり意識しない味覚の繊細さや違いを体感する展示。チョコレートを食べて、それらの違いをどう捉え、共有できるかを探る。何となく食べるのではなく、意識的に味を記述したり、見える形に表現したりすることで、同じチョコレートから広がる味覚の奥深さと、食に対する表現力を感じることができる。
サ・マーシュの店内を舞台に、Inconvenience(不便)=Communication(コミュニケーション)をキーワードに掲げ、売り場でのコミュニケーションのあり方を実験する様子を写真に撮影。便利さを求めるあまりにそぎ落とされてしまっているコミュニケーションの重要性や、そこに生まれる付加価値について思考する試み。
野菜を育てる人の手や道具、田畑の美しい様子や野菜が咲かせる可愛らしい花など、普段目にしている野菜の「知っているようで知らない」一面を、フィルムカメラに収めた写真とエピソードを展示で紹介する。
まちのなかのひとところに場を構える飲食店は、食を提供する以外に、子どもたちを見守り、五感をくすぐる場所になれないだろうか。
実験的に、子どもたちが開店前の仕込みの時間に飲食店を訪ね、料理人の手さばきや仕草、店内のにおいや音、手触りなどを観察。
そんな風に子どもたちを迎えてくれる飲食店がまちのなかに増えて、
五感を刺激し、食の裏側にある人の温かさを記憶していく未来を考える。
特別協力 AnyTokyo
企画協力 田中みゆき
「ひとつのパンができたので」
たくさんの人や場所、時間を経てできた「あたらしい小麦パン」。この「ひとつのパンができるまで」を追う中で見えてきた「生産」と「消費」のこれからについて、考え直してみます。
日時:10月9日(月・祝)15:00~16:00
場所:ギャラリーA
出演:PAINDUCE・米山雅彦(シェフ)、NO ARCHITECTS・西山広志(建築家)
申込定員:30名(事前申込制、先着順)、ウェブサイトより申込受付(9月20日 11:00より開始)
参加費:500円(展覧会オリジナル「あたらしい小麦パン」付き)
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「不便から生まれるコミュニケーショントーク」
いま、さまざまなまちのお店から消えつつある、売り手から買い手へと商品が渡るときのコミュニケーションや、その行為によって生まれる付加価値について、展示内容を再考しつつトークを繰り広げます。
日時:10月13日(金)19:00~21:00
場所:ギャラリーA
出演:サ・マーシュ・西川功晃(シェフ)、MuFF・今津修平/KUAV・北川浩明(建築家)
申込定員:30名(事前申込制、先着順)、ウェブサイトより申込受付(9月20日 11:00より開始)
参加費:無料
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「“パンじぃ”がパンをつくりながら、夢を語る」
神戸のパン職人からパンづくりを学んだシニア男性チーム“パンじぃ”が、食を通して地域で活躍する様子や今後の夢について、会場内でパンを焼き、試食を振舞いながら語ります。
日時:10月14日(土)13:00~、10月21日(土)13:00~
場所:ギャラリーA
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「Experimental Tables 卓上の空論」
実現可能性に縛られず、むちゃくちゃな食事の様子を想定してつくった「空想の食卓」。シェフの脳裏にはどんな世界がみえたのか。机上ならぬ卓上の空論をふりかざして、食事する空間の更なる可能性を探ってみる。
日時:10月22日(日)15:00~16:30
場所:ギャラリーA
出演:anonyme・加古 拓央(シェフ)、玄斎・上野 直哉(シェフ)、DESIGN SOIL(デザインコレクティブ)、DML・久慈 達也(デザインリサーチャー)
申込定員:30名(事前申込制、先着順)、ウェブサイトより申込受付(9月20日 11:00より開始)
参加費:無料
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・石塚まこ「ちいさな世界を辿ってみると What if we track the Small World?」(KIITOアーティスト・イン・レジデンス2017 報告展)
会期:2017年9月30日(土)-10月22日(日) 11:00-19:00 入場無料
会場:館内各所
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