お知らせ・レポート

2016年7月19日(火)

最終発表まで残すところあと1回となった第9回目は、次回いよいよ最終発表を迎えるにあたり、プレゼンで押さえてもらいたいポイントについて、神戸市企画調整局からと、講師の永田から説明しました。

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■プレゼンに向けて
・まちの資源の活用
まちの中にある資源の何に焦点をあてたのか、しっかりと説明をしてほしい。これまでまちに無かった新しいものを提案する場合にも、今ある資源を踏まえた上での提案であることを伝える。これまで重ねてきたリサーチの内容も共有してほしい。
・継続性
一度きりのイベントを企画するわけではないので、今回の提案がまちの中で継続し、つながっていくイメージを伝えてほしい。
・自分自身の関わり方
提案に対して、自分自身がどのような意識で関わっていくのかを明確にしてほしい。担い手として運営を考えているのか、アイデアを提案し、まちの中の人々を巻き込むイメージなのか、自分の立ち位置を考えた上での提案をしてほしい。
・伝え方
プレゼンは、聞き手の共感を呼ぶ方法で行うこと。提案にあった、ベストなプレゼン方法を選んでほしい。

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最終発表でのポイントについての説明のあとは、グループディスカッションを行いました。各班、自分たちの提案のポイントを再度整理し、伝え方について意見交換が行われました。

次週8/2(火)に、いよいよ最終発表を迎えます。聴講も受け付けておりますので、ご希望の方は下記までご連絡ください。
school@kiito.jp

+クリエイティブゼミ vol.19 まちづくり編「神戸まちラボ CASE02 つなぐデザイン ~市街地西部地区(兵庫区南部・長田区南部)の豊醸化をめざして~」
ゼミの開催概要はこちら

2016年7月27日(水)

「ちびっこうべ2016」シェフチームのワークショップが始まりました!
シェフチームでは、神戸のシェフに先生になってもらい、それぞれのお店で子どもたちに調理を指導していただきます。

初日の今回は、北野にあるお店、「ピッツェリア アズーリ」に伺いました。
子どもたちは今日が初対面の上、お店の方やスタッフやサポーターの大人たちに囲まれ、緊張している様子。自己紹介の後、今日つくるメニューについての簡単な説明が終わったら、さっそく実習が始まります。

この班で作るのは、「ピッツァ フリッタ」。一番有名なピザ・マルゲリータを油で揚げたもの。用意された生地を伸ばし、ソースや具材を乗せて餃子のような形に包む一連の作業を練習しました。


緊張した面持ちで、おそるおそる生地に触れる子どもたち。粉をよく付けて、生地を真中から押し伸ばしていきます。低学年の子にとっては、手が小さいので少し難しそう。丁寧に少しずつ指で伸ばしていく子、軽く叩いて広げる子、とつくり方にもすでに個性が見えます。


トマトソースを塗り、粉チーズ、モッツァレラチーズ、バジルを乗せたあと、オリーブオイルをたらします。「飛行機に乗ってきたチーズだよ」とシェフが説明。
具材を包んだ後、ふちを指で押さえて、手のひらの付根で強く押して生地を閉じます。ちゃんと閉じられていないと、揚げる時に中の汁が飛び出てしまいます。
男の子たちは揚げの工程にも果敢に挑戦していました。女の子にはちょっと怖かったようです。


最後に皆で試食をして終了。皆、今日の内容をしっかりノートにメモしていました。
ある男の子は、「家に帰ったらさっそく練習したい!」とやる気十分。10月の「子どものまち」での仕上がりが大いに期待できそうです。

Photo:坂下丈太郎

当日の様子映像

制作:神戸芸術工科大学
撮影・編集:三好天都
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ちびっこうべ2016
開催概要はこちら
ユメミセワークショップ 概要はこちら

Pizzeria Azzurri 小崎シェフについてはこちら

2016年6月11日(土)‐26日(日)

昨年度開催した、「新しいパンのはなし」の続編として、「新しいパンをつくる」を開催しました。全7日間の短期プログラムで実施し、新しいパンのアイデアを考えました。「新しいパンのはなし」でも講師としてお越しいただきました、石川俊祐さん(IDEO Tokyo)、田中雅人さん(Any Tokyo)、高橋真人さん(Any Tokyo)をナビゲーターお招きし、リサーチやアプローチ手法、さまざまな事例を学び、4つのチームに分かれ取り組みました。まるで合宿のような熱い7日間でした。


「パンの日常における役割を再構築し、人の生活をより豊かに幸せにする」を目的にスタートしました。はじめに、事前に参加者に案内していた、宿題の内容を発表しながら自己紹介をしました。「あなたにとってのパンの思い出は?」「あなたにとってパンの存在は?」「あなたのとって美味しいとは?」「テーマである新しいパンについて今抱いているインスピレーションは?」の4つを話しました。「パンの思い出は?」の回答には、大学生時代に冷凍したパンで食いつないだ思い出や、幼いころにお母さんがホームベーカリーで焼いたパンの匂いなど様々ありました。各参加者は発表した内容から、ナビゲーターの3名がキーワードを抽出、そして発表後にそれらをグルーピング(組分け)し、参加者の興味や関心のあるテーマをいくつか決めました。その後、それぞれテーマについて興味のあるところへ分かれ、4つのチームがつくられました。

・「PAN-CTIONAL LIFE」ライフスタイルパートナー、道具としてのパン…
・「CONTEXT+STORY」パンを食べる環境、ストーリーとパン…
・「SHARE&amp:COMMUNICATE」パンをつなぐ、パンを伝える…
・「ENABLE LOVE」パンとの関係性、愛の育成…


班に分かれた後は、リサーチ方法について石川さんからレクチャーを受けました。

デザインシンキング
デザインシンキングを使って進めていきます。デザインシンキングは人間を中心に考え、考えたものが世の中に出たときにそれが売れるだけでなく、他にどんなことが起きるのかを想像することが大切です。課題に対し関係のあるところだけでなく、全く関係のないところからもヒント得て、こうしたら面白いのではないか、という主観を形成します。そこから結晶化していき、点と点をつなぎ、テーマにしていきます。テーマが決まると土台ができるので、そこからアイデアを出していきます。最終的には作ってみることも重要です。今あるものを良くする改善というよりは、今ないもの、"0"から"1"を生み出すというものです。解決すべき課題を発見し、それが正しい課題かどうかを見極めることが一番難しいです。

ゼミスタート!
各チームでは、デザインシンキングを参考に議論を進めました。まずは、外に出てパン屋さんや街中でにぎわっていると場所などへ観察に向かいました。ワインを販売している人に、売り方やお客さんへ商品内容の伝え方など、ヒアリングもしました。普段とは異なるリサーチ手法に戸惑いながらも、すぐアイデアにいかないよう取り組みました。リサーチ場所、気づき、仮のアイデアをまとめ、チーム内で共有しながら解決すべきテーマを決めていきました。だんだんとアイデアが生まれてくると、早速プロトタイプを作り、検証していました。



最終発表前日には、ナビゲーターの石川さん、田中さん、高橋さんから発表についてのレクチャーがありました。

コンセプトづくり
今からの話も、今のアイデアをさらにディベロップ(発展)させる際には、最後にどう伝えるのか、何を伝えれることが大切か、などへのヒントになればと思います。
今回の新しいパンへのアプローチとしては、何回も言っていますが、どうしてもテクニカルな部分に行きがちです。どんな形をしているのだろう、どうやってつくるのだろう…いくらで何個売ったらいいのだろう…、そういうところを行き来するケースがほとんどです。今回立ち返る場所は、これは誰の何のため、何になるのだろうか、おいしいだろうか、幸せなのだろうか、豊かになるのだろうか、問題を解決しているのだろうか…ここに立ち返り続けることが意味のあるものになると思います。
デザインシンキングではデザイナー=発想する人、皆さんの事です。人間を中心に考える、イノベーション(革新)が方法です。デザイナーの感性やメソッド(方法)はつくってみる、絵に描いてみる、誰かに見せてみるという事です。1から100ではなく、0から1、今までにないアイデアを考えてみましょうということです。いったい人は何をもとめているのだろうか、を探っていくことは前回もお話ししました。大前提ですが「パンの日常における役割を再構築し、人の生活より豊かに幸せにする」パンだけでなく、パンの周りなども。
明日までに進めたいことは、コンセプトをまず固めることです。何らかのプロトタイプ(原型)もつくってみてください。最終的にはストーリーをどう伝えていくのかをチームで考えてください。ストーリーをどうつくるか、プロトタイプをどうつくるかは密接につながっています、これを伝えたいからこれをつくる、パンをつくらなくてもいいこともある。何を伝えたいのか、そのためのステージや物、アクト(行為)を考えてください。
リサーチをして、テーマを固めて、問いをつくって、アイデアを出す。そして最後には”もの“にしていく。難しかったのは、問いに何度も戻るなど、良い問いをつくるところだったと思います。なんとなくすぐにアイデアを考えてしまいます。アイデアに固守すると、それ以上身動きが取れません。しかし、問に戻るとそこから新しく進むことができます。今日も問に立ち返ることがあっても良いと思います。今日1日はアイデアをディベロップしてコンセプトを固めていきます。コンセプトをつくるというところにまだ時間をかけてもいいです。プレゼンの準備は明日する方が健全的ではと思います(笑)。

事例紹介
面白い事例をいくつか紹介します。神戸PANPOは、神戸の街を散歩しながら、よりパンを美味しくするような、パン屋さんとの取り組みです。食べ歩きしやすい小さなパンを販売しており、パンの開発に少し関わっているところが面白いです。
サンフランシスコの珈琲屋さんで、珈琲をつくっているシーンをすべて見せているところがあります。わざわざ見せるために機器をつくり、豆をローストしているところなども見ることができます。面白い点は、作り手の頑張っている様子ではなく、人が見たいものになっているところです。
ケータリングの新たな仕組みとして、その日売り切れなかった食材を回収して、ケータリングするものがあります。無駄を出さないことをどう魅力的なものに変えていくかを実践している事例です。

プロトタイピング
プロトタイピングはなぜつくるのか。そのプロトタイプの本当の意味は、字義どおりではなく、それでどんな会話やフィードバックが得られるか、それで何をディスカッションするか、何を伝えたいのかだったりします。つくることで他人との会話が生まれ、フィードバックを得やすくなります。またバリエーションを出すことで、比較検討できます。思いもよらなかった気づきがあります。とても大事なポイントです。なにで作るかを明確にしながら、どうつくるかを決め、コンセプトや名前を付けましょう。どの問いに対しての答えを考えたのか、いったい何なのか、どんなものか、どう機能するのか、それは人にとってどんなメリットがあるのか、一言で言うと何なのか、何がユニークなポイントなのか、神戸にとって何が良いのか、いつどんな場所でどのように人の生活の中で消費されていくのか…。

ストーリーテリング
プレゼンテーションはレベル感よりも、面白いか、伝わるかが重要です。美しく見せたい気持ちもあると思いますが、アイデアがちゃんと伝わるかがもっと重要です。なぜ伝えるのか、どうしたら伝わるのか。プレゼンテーションは事実を伝えたいというものがあるが、数値的にどうかという事は、なかなか人の心に残らなかったり、伝わらなかったりします。
今回のプレゼンテーションは、できるだけストーリーテリング調にしてください。ストーリーをつくると共感力を上げることができ、共感してもらうことができます。理解を共有できることで、未来を描くことができます。起承転結、どんな背景があって、こんな課題があって、こんな価値が今必要です、クライマックスがあって、これを解決するためにこれが必要です、最後には、こんな世の中になります、といった感じです。
ディズニーのストーリーも同じです。数値だけだと脳があまり反応しません。つまり、覚えることができません。覚えることができなければ、同じような口調で、他の人に伝えることができません。言われたストーリーを覚えていて、他の人にアイデアを言いたくなるようなストーリーをつくってください。
共感をどう得るか、みんな共感できる。私たちをクライアントだと思って、感動させてください。いつも行っているプレゼンテーションとは異なると思いますが、伝え方の中で工夫をしてください。クオリティは張りぼてでも大丈夫です。プレゼンテーションの準備は明日からでも間に合います。


プレゼンテーションの前に、石川さんから、「みんなに感動してもらえるように、情熱を持って思いを伝えてください」と激励があり、スタートしました。

「CONTEXT+STORY」

どうすればパンがおいしくなるのか、その文脈は何か、ストーリーは何かを考えました。
PAN and、PAN to、PAN都の意味を込めた「PANTO」というインフラを提案します。喫パン所、パンを食べる為のスペース、パンを挟む具材を提案してもらうお店、パンMAPなどです。
旅人に対しては、パンMAPを活用し、朝街を歩いて、パン屋さんでパンを買う、PNATOにはQRコードがあり、どんな材料と合わせるのがオススメかなどの情報があります。南京町(中華街)ではPANTOにホイコーローを挟む、喫パン所でパンを食べながらポートタワーを見る、夜にはおつまみパンとお酒を飲む…誰かとパンで神戸を楽しめる仕掛けで、パンと何かをつなげることでより街もパンも楽しむアイデアです。

フィードバック

・パンと○○が面白い。パンがサブで色々なところに入っていけるところがいい。どんなイベントにもパンが入り込むと良いのではないか。
・パンと何かをコラボレーションさせることで、いろいろなコミュニティが形成されるところが素敵です。惣菜屋さんやサラダ屋さんなど、その人たちが一緒にやろうと思えるには、どこからスタートしたらいいのかを考えていけると良いですね。
・商店街のイベントと絡めても面白い。
・パンを持ち歩く人が増えたらいい。

「SHARE&COMMUNICATE」
アイデアのタイトルは「DJパン職人」です。職人の仕事を知ってもらうことでパンへの愛情を深めたいと思いまいました。パンをつくる工程ででる音を音楽にします。パンの捏ねる音、パン生地をたたく音、フランスパンの焼きあがるパチパチとした音、パンを入れる紙袋の音…、さまざまな音をミックスします。音楽にすることで、パン職人の裏側を少しでも知る事ができ、パンに対しての想像も深まり、受け取り手としては、おしゃれにかっこよくファッション的にパン屋さんを知る事ができます。
この音楽でクラブミュージックやカフェのBGMなどにも展開したいです。パンから出る自然の音を知る事ができ、パンを前にしたときに今までとは違う気持ちが生まれると思います。またパン職人へのあこがれも生まれ、職人も増えるかもしれません。

フィードバック
・パンの音を学校のチャイムなどに使っても面白いのではないか。
・パン検定でこの音はどこのパン屋さんのバゲットかなどもいいのでは。
・環境音として、普段当たり前の音を聞きやすくするのは良いと思う。
・あるファッションブランドでは、工場の音を使って、フィールドレコードやブランディングなどに使用しています。
・音や香りが神戸に来たというファクターになるといい。
・パン職人希望者が減少しているのが問題、ここ10年が正念場ではないか。

「ENABLE LOVE」
タイトルは「パンとトレイとあなたと」です。私たちは観察をひたすらしました。お店でお客さんの行動を見ながら、どんなものを使うのか、どんな動きをするのか、そこからアイデア展開しました。観察で分かったことは、「どんなパンを買うのかを決めている人」、「どんなパンを買っていいか分からない人」、「パンを買ってくるのを頼まれた人」などがパン屋さんの中に混在していることです。そこで「新しいパン=まだ出会っていないパン」、つまり、自分に合ったパンを知らないのではないか、自分にとって新しいパンにいかにして出会うか、目指したい未来は、パンを買う人が店の中で発見に出会えるようにしたいと思いました。
おしゃべりパン:パンにトングで触れた瞬間に、パンの情報が流れる。
電子トレイ:トレイにパンを置くと、液晶パネルになったトレイに、そのパンに合うものが何かを教えてくれる。
妄想シート:トレイの上に芝生の模様のシートがあると、外や芝のあるところで食べたいパンを選ぶきっかけをつくる。
+1カード:もう一つパンを選びたいときに、パンのコンシェルジュに選ぶのをサポートしてくれる。

フィードバック
・パン屋さんにとっては新しい考え方です。お客さんが食べたことのないパンに出会わせる方向性が面白い。
・もっとパンの情報がパン屋さんにあれば、もう一個手が伸びる気がします。アマゾンのサイトには、「これを買った人はこんなものも買っています」と情報が出ている。うっといしいとは思いつつ、参考にしてしまう。
・似たようなパンの思考が知りたい。
・良い問いを設定できている。観察から、サーベイ、現場で、行動を見つけたことが良い体験だったのではないか。

「PAN-CTIONAL LIFE」
メンバーそれぞれの課題を解決するシートパンの提案です。食パンなどの耳を除いた部分をめん棒で平たくつぶしたもので、スライスチーズのように透明フィルムに包まれている。
登場人物
独身サラリーマン:毎日忙しくて、家では料理もしない、健康が心配
時間はあるけどお金のない大学生:冷蔵庫には調味料しか入っていない
2人の子持ち働くママ:朝晩、お弁当やごはんをつくらなければいけないので、朝昼晩同じ残り物を食べる
子ども2人のお父さん:健康が気になる、お昼はいつもパンとコンビニのサラダ
お酒好きな独身OL:1人で居酒屋は抵抗があり、お惣菜を買って家でテレビを見ながら晩酌
シートパンによる変化
独身サラリーマン:コンビニで買ったサラダなどをシートパンで巻くことで、野菜を手軽に摂れる。
時間はあるけどお金のない大学生:冷蔵庫にあるマヨネーズ、缶詰、海苔をシートパンで巻いて食べる。いろいろな味を楽しめる。
子ども2人のお父さん:健康のために納豆、海苔、サクラエビなどを載せて食べる。トーストよりも美味しく食べることができる。
お酒好きな独身OL:いつもの缶詰などのおつまみも、シートパンに巻くことで、いろいろな味を組み合わせることもでき、アレンジも楽しい。女子会などでも活躍しそう。
シートパンは忙しい人にも便利で、誰でも手づかみで食事が取れ、栄養も取りやすくな。シートパン自体も醤油やワサビ、バジルなど味付きも可能。総菜を巻くだけでなく、チョコレートなどの甘いものも使える。パーティなど人がたくさん集まる場でも活躍が期待できる。

フィードバック
・パンのままだと香辛料のアクセントはつけにくく、美味しくありません。シートとして使う場合はとても良いと思います。
・みんなで様々な具材を持ち寄るパーティのもいいし、遠足などでも活躍しそう。
・既存のパンの活用アイデアがよかった。またその仕組みも面白い。



まとめ
石川さん:
我々が大切にしている価値を紹介します。
「Be optimistic」
楽観的であれという意味です。何か0から1を考えるときは、とても不安なのですぐに答えを出したくなります。○○を作ると、すぐに決めてしまいます。不安なのでのそのような思考になってしまいます。自分が何か新しいことをしなければいけないときは、きっと答えが出るだろうと思って、楽観的な心構えが大事だったりします。
「Collaboration」
今回も体験したと思いますが、1人ではできないことができたと思います。自分と異なるスキルや考え方が違う人たちが、なぜそのようなことを言っているのか、どうしたらパワーアップできるか、などを考えながらすると良いです。
「Emiface ambiguity」
曖昧を抱きしめようという意味。楽観的とは異なり、暗中模索状態、それが普通、当たり前です。
「Talk Less do more」
皆さんは今回良くできていたと思います。話すことよりもとにかく手を動かす。会議するより外に出てみるなど、視点を変えることで、アイデアも生まれると思います。普段でも煮詰まったら外に出るのも良いと思います。
「Make others Succeessful」
他人を成功させましょうというという1つの指針です。とても難しいことです。我々にとってもとても難しいところです。チームとして成功させるには、他の人が面白いスキルを持っていれば、そこに自分の力を追加する、重ね合わせるなど、そのような考えもつかみ取ってほしいです。
「Learn from failure」
失敗から学びましょうということです。今回皆さんはしっかり体験できたと思います。失敗からしか学べないこともあり、作ってみる、誰かに聞いてみることをどんどんしていくと良いと思います。

今回はリサーチをして、自分たちの視点を発見し観察してきました。良い問いを設定するのが難しかったと思います。どうしてもアイデアに行ってしまいます。アイデアが出てしまうと、そこから離れられなくなります。質問があると、戻りやすく、議論もしやすいです。誰のために、どんなことを、どう解決しようとしているのだろうかということを、問いを設定することで、より分かりやすかったのではないでしょうか。そこを学んでもらえたらうれしい。
まず何をするか、0から1を自分たちで課題設定しなければいけませんでした。この力は今とても必要なものです。日本のものづくりや仕事の仕方は、今すでにあって、1から100に変えることをしています。そんな時代だからこそ、このような体験をしてもらいたいと思いました。
今日の発表を聞いていても、このアイデアからさらに掘り進めて行くと、面白いのではと思うことが多かったです。ペアリング、パンと○○、パンと総菜…、など新たな可能性を感じました。継続的に考えていってほしいです。1点フィードバックするとすれば、ストーリーテリングの部分で、もっと伝わるのになぁというところがありました。すべてを伝えたいという気持ちも分かるが、誰かに本当に1つ大事なポイント、これさえぶれなければ、売れる、皆がほしいと思う、食べたいと思う、そのような所を考えてほしい。ストーリーテリングはなかなか教えてくれない分野の1つなので、それを鍛えることができると良いです。

高橋さん:
パンというテーマが面白かったと思います。食糧問題や高齢者問題をテーマにしていたら、こんなに面白いアイデアは出なかったのではと思います。
問題をこのように視点を変えてみると新しい切り口で解決策が生まれるかもしれない。楽しみながら学べたのではないか。このワークショップは入り口であり、参加してみた皆さんがこのような場が用意されていなくても、自分の子どもの友達が悲しんでいる時も、同じような考え方を使って、日常生活の中でもっと日常がクリエイティブになって価値が生まれるのではないでしょうか。

田中さん:
今まで様々な仕事で利益を生むための、プロダクト、空間、サービス、コミュニケーションをつくってきました。私がKIITOに興味を持ったのは、問題を解決することや人と何かすることで自分でも思っていなかったようなアイデアや出会いが生まれる、そのような自発的なところ、人間的な思考です。私たちもたくさんの学びがありました。ミッションに対して、誰かを幸せにするために日々考えています。誰かのために、何かのために、という気持ちを持つことで、様々な問題に取り組めると思います。可能性のあるたくさんのアイデアが生まれたので、今後も進めていければと思います。期待しています。

永田:
たくさんの学び、気づきがありました。今回は、クライアントが自分、というところからスタートしました。もっとこうだったら良いのにという、各自の考え、アイデアが生まれてきました。自分たちで問いを見つけるプロセスが非常に難しく、アイデアばかり出てしまいました。何度も行ったり来たりしながら議論を重ね、このプロセスそのものが意味のあるものだと思います。ここで出たアクションプランを
どう展開していくのか、フォローアップをしながら進めていきたいと思います。今後もこのような取り組みを続けていきたいと思っています。


「新しいパンをつくる」開催概要はこちら

デザイン・クリエイティブセンター神戸で、2016年8月に開催するイベントについてプレスリリースいたします。

プレスリリースはこちら(PDF)

2016年5月13日(金)

キイトナイト11「ミラノサローネ2016報告会『若手デザイナーの作品にみるデザインの未来』」を開催しました。

今回お招きしたのは、デザイン・リサーチャーの久慈達也さんと、デザイナーの江口海里さんです。お2人の異なる視点から、今年4月に開催された国際家具見本市「ミラノサローネ2016」のフレッシュな報告をいただきました。

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報告会の趣旨

久慈|毎年4月の上旬にイタリア・ミラノで国際家具見本市が行われます。それを通称「ミラノサローネ」と呼びます。今年度は4月12~17日に開催されました。ミラノサローネはプロダクトの世界ではすごく重要なイベントで、世界最大の見本市です。ほかのデザインイベントとひとつもっとも違う点が、まち全体が盛り上がる、ということ。企業などは毎年このサローネで新作家具を発表します。なので、このイベントに行くとその後1年のトレンドを知ることができる。毎年ミラノサローネが終わると、インテリアの雑誌などの6月号や7月号にサローネの特集記事が組まれるのですが、実際に行っていろんなものを見てきたはずが、雑誌には誌面の関係もあるのでほんの一部しか載らない。こんなに載らないんだったら、どこかでちゃんと話をしなければいけないなと思って、報告会を行うことにしました。今日は実際の出展者である江口さんと、市内の展示を多数見て回ってきたわたしの2人の視点で話を進めます。


ミラノサローネの概要

久慈|ミラノサローネは、ローフィエラミラノと呼ばれる本会場で行われるイベントと、それ以外の市内で行われるフオーリサローネ(サローネの外の意)のふたつにおおきく分かれます。本会場では企業がブースを出していてしっかり作りこんだ展示が見れる。今年で55回目の開催で、来場者数が37万人、出展数も2400の規模。フオーリサローネでも800くらいの出展数があると言われてますが、ガイドに載っている出展数が400くらい。本会場はミラノ市街から1時間弱かかります。そこが起点になって、その周辺でフオーリサローネが開催されています。市の中心部ブレラ地区というところにひとつイベントがあって、その南にもあたらしくイベントが起こってきています。古くからミラノサローネに行かれていた方はトルトーナというところが有名。最近だとヴェントゥーラ~ランブラーテというところが、最近できてきたエリアです。

江口|フオーリサローネは本会場のフィエラ以外のエリアの展示の総称です。関西で言うと、インテックス大阪はちょっと遠いところに広い場所がありますよね。ここがローフィエラミラノのイメージ。ロー地区がそもそもミラノ市街から離れています。フィエラは広さが21万平方メートル。東京ビッグサイトの2.6倍の広さ。とにかく広大です。フィエラは移動がたいへんなのでバスが走っています。バスで移動して、自分たちが入りたいゲートから入る。そうしないととても歩いてられない。

久慈|端から端まで20分以上かかりますよね。

江口|僕がはじめて出展した2012年のときはバスの存在を知らなくて、当時いろんなものを買いに行くのにわざわざ歩いていました。来場者数は、東京デザインウィークは約12万人なので、その約3倍弱のひとが訪れる。本会場だけでこれだけ来ます。この広大な会場のなかのひとつのエリアで、若手デザイナーが出展するサローネサテリテが行われています。本会場ではあるので、たくさんジャーナリストのひと、出店しているブランドのディレクターのひとなどが来たり、そういう意味でもサテリテは人気スポットなのかなと出展サイドから見ると感じます。去年のデータですが、サテリテに37,855人来場。今年は体感値としては増えていると思います。サローネは火曜日から日曜日までの6日間あるのですが、以前は火曜日から金曜日までは一般の人が入れなかった。今年からは全日一般の人も入れるようになったので、学生や一般の方、デザイナーの方の来場が目立っていました。バイヤーやデザインディレクター、キュレーター、メーカーの人、工場の人、ジャーナリスト、一般の人、学生など、いろんな人が訪れます。ミラノだからなのか、一般の人がすごくデザインの話しかけてくる。サテリテは唯一全会場のなかで無料なんです。ぼくらが展示していて、散歩がてらにきた老夫婦のつっこんでくる内容が鋭くて、どんなにデザイン詳しいんだというようなつっこみがくる。

久慈|ぼくが大学でサテリテに出したときも、小学生みたいな子が来るんですよ。これはすごいなーって。ミラノではだれに聞いてもミラノサローネを知ってるんですよね。たとえば日本で一般のおじいさんおばあさんがデザインイベントを知っているかというとなかなか知られていない。でもミラノでは、ホームセンターの店員さん、そこらへんのおじいさんおばあさん、空港のスタッフであってもサローネを知っている。ぼくが行った病院の先生も知っていました。

江口|ぼくらがミラノに行くときアパートを借りたりするんですけど、サローネに出展していると言うとサテリテのことまで知っている。まち全体に浸透していますよね。

久慈|結構サテリテに出している人たちが後々商品開発する事例とかかなりありますよね。

江口|サテリテの展示を見たディレクターにヘッドハンティングされたり、そのまま一気に有名になったりする人もいます。今年のサテリテ出展者は112組。そのうち日本人は今年は非常に多くて14組。過去にも安積伸さんとか、nendoさんとか、小林幹也さんとか、サテリテで結果を出して有名になっています。

久慈|そういうサクセスストーリーはありますよね。



出展者から見たミラノサローネ

久慈|今日は、若手のデザイナーさんと、デザインスクールに焦点をしぼってお話します。場所は、本会場のなかのサローネサテリテというブース、それとヴェントゥーラ~ランブラーテというエリアです。このふたつに若手デザイナーが集中しています。江口さんは今年サローネサテリテに出展されていました。サテリテは3回までしか出せないんですね。

江口|そうですね、あと35歳まで。

久慈|なので、若手のデザイナーさんはそこに出して、評価を受けるということがひとつの道になっている。江口さんからは、そこに3年出された出展者としての視点から、貴重なお話が聞けると思います。

江口|サローネサテリテはサテライト、本体にひっついた展示といったような意味合いです。今年で19年目。来年は20年目で盛大になるといううわさもあります。今日は雑誌に載っていないような話をしようということで、つっこんだ話をしようと思って、もしかしたらこのなかに今後サテリテに出てみたいという人がいるかもしれないので、段取りなどの話をしようと思います。まず、出店費用が2,500ユーロ、今のレートで32万円くらいですかね。プラス、VAT(付加価値税)という税金がかかるのですが、日本で納税している人は払わなくていい。たとえば学生の人が出す場合は、2,500ユーロ+21%払わなければいけない。それでもらえる面積は4mx4m。まあまあ高いけれど、ほかの国の展示会からすると実はサテリテは非常に安いです。日数が長くて、たとえばロンドンだと2mx3mをだいたい同額で4日間とかになるので、サテリテは結構お得なのかなと思います。ブースにはカーペットがあったり、梁がかかっていて照明をつけたりするんですけど、そこにだいたい500から1,000ユーロくらい使います。

久慈|必ず手を入れなきゃいけないのが照明ですよね。

江口|そうですね、最初に1灯だけついてるんですけど全然足りない。カーペットも変な色のものが最初についているのですが、みんな展示をよく見せたいので、改造するために指定の施工業者にオーダーして変えてもらいます。施工業者につけてもらった照明も、位置も高さもだいたい適当なので、現場でそれを2日間くらいで直していく作業があります。それに500から1,000ユーロくらいかかります。あとは航空券が往復で10万から15万くらい。あとは宿がネックです。期間中は宿泊費が高騰します。普通のホテルで普段の4倍くらいとってるようです。ぼくらは何年か前から、日本でも増えているAirBnBという民泊のサービスを使って、現地のアパートを大人数で借りています。それで1泊3,000円から5,000円くらいまでコストダウンできる。こういうテクニックみたいなものも最近徐々に開拓されてきたなという感じがあります。搬入と搬出とかをいれると結局1週間以上滞在することになるので、1泊1万円と1泊5,000円ではかなり差があります。

久慈|私が関わっているDesign Soilでもアパート借りをしてみんなで泊まって費用を抑えています。

江口|はじめに会場に到着すると、何もない自分のブースに看板だけついてる。それまでさんざん主催者とのやり取りでただお金を払うだけみたいなことだけでなんの実感もないんだけど、ここでやっと出展するんだなと実感します。

久慈|空のブースっていいですよね。

江口|サテリテは6月から8月くらいに申込があって、はじめてエントリーするときは審査があります。その審査が10月くらいにあって、そのあとはじめの振り込み。年明け前後に一般規約がきます。あなたのブースはここですよ、というお知らせです。電気や防火設備などの書類にサインして、2月くらいに振り込みが終わって、航空券や宿泊の手配も2月くらいにやって…と、出展しようとすると冬が忙しくなります。サテリテにはアワードがあって、そのコンペの申込もあったり、さきほどの施工業者とのやり取りが3月くらい。今年は4月の9~11日がだいたい搬入日。12~17日が展示。17日の終わった時間から搬出をしてよくて、だいたいの人は次の日から早く遊びたいのでその日のうちに搬出を終わらせます。たいへんな人は21日まで期間がある。ぼくらは今年は9日にイタリアに入って、19日に出た。だいたい10日間くらいミラノに滞在しました。

久慈|荷物は送りましたか?

江口|飛行機で自分で運びました。Design Soilさんも一緒ですよね。

久慈|今年はひとり自分の身長よりも高い箱を背負って行った人がいました。航空会社の選び方も重要なんですよ。サイズ制限なし、重量のみ、みたいな。

江口|ちゃんとした航空会社でないと、荷物を無くされるんですよね。それが怖いので、ぼくらは大手を選びます。あらかじめ航空会社に連絡しておくと、プライオリティバゲッジみたいになってそれなりに丁重に扱ってくれる。ただ、今回帰ってきたら照明器具が割れてて…もし荷物を全部郵送したら50万円くらいかかりますよね。なのでこの方法がベストなのかなと。

久慈|だから日本人の方の展示ってだいたい小さいんです。江口さんはそのなかでも大きい方でしたよね?

江口|たいへんでした。ぼくの展示の紹介をします。今年はマテリアルがサローネのテーマなのはわかっていたので、マテリアルからやろうかと思って、秋田杉の端材をブロック状にしてつくった板材を家具に転用しようとスツールや照明器具、テーブルにしたプロダクト。ほかには、突板を複雑な加工をせずにカットして天然染料で染めて、ペーパーハンギングにしたプロダクトを出展しました。

久慈|これは非常にきれいな色が出ていましたよね。

江口|さきほどジャーナリストの人が来るといいましたが、プレスキットみたいなものが必要になって、ジャーナル用の画像やテキストが入ったデータを用意して、今年は毎日アパートに帰ってはDVDを焼いていました。

久慈|Design Soilも同じですね。

江口|3年やるとブースの作り方もこなれてくるなと自分で思います。はじめて出展した2012年はスタッフもいなくて、なにもわからないまま、とりあえず出展してみました。変な色のカーペットのままだし、変な色の壁のままだし、照明は適当だし、ブースは手作りだしで、はじめは全然よくなかった。作品以前に見せ方なんじゃないかなと思って、いろんな展示会で見せ方の勉強をしました。去年は一番ジャーナリストの反応がよかったのですが、メーカーの反応が全然なくて、それは今年の方がよかったです。

久慈|むずかしいところですよね。どこを狙っていくのかによって、デザインの出し方を変えなきゃいけないというのはありますよね。

江口|出展してよかったなと思いますし、できることなら若い人は1回は出すといいのではと思います。2008年、28歳のときに出張で行ったとき、友人がサテリテに出していたので見に行くと、自分の同世代がみんな展示しているんですよ。俺、サラリーマンやってる場合じゃないなと思ったんですよね。ここに出て勝負しないとと思って、その年に会社を辞めて独立して、それから3年後にコンペで勝った賞金でぎりぎり行ける状態になったので、はじめて出展しました。

久慈|ぼくがはじめて会ったのはその2012年のときなんですね。ブースを訪ねた記憶があります。

江口|このときは場所も悪くて、すごい端だった。全然人も来ないし、なんでもう一度出したいなと思っていた。自分のなかでは、サテリテに経験値を高めてもらえたと思っています。もう出せないのがさみしいです。

久慈|来年20周年なので、今年はアワードに関してもひとつなくなったんですよね。

江口|通常は2種類アワードがあって、ドイツの「REPORT」誌が選出する「デザイン・レポート・アワード」とサテリテ主催の「サテリテ・アワード」がありました。今年はサテリテアワードだけになったんです。

久慈|サテリテで、結構友達ができますよね。そういうのが育まれる場所でもある。ぼくらが出したときに知り合ったノルウェーの人たちともまだ親交があります。

江口|毎日ずっと一緒にいるので、どこの国の人でも必然的に仲良くなるんです。

久慈|最初にサローネがほかのデザインフェアとおおきく違う点として、街全体が盛り上がると言いましたが、もうひとつこうした交流が生まれるような文化的な側面があるというのがすてきなところですよね。



デザインスクールの動向

久慈|私の方からは、世界のデザインスクールに焦点をしぼってご紹介します。すでにお話しましたが、大学はサテリテとヴェントゥーラ~ランブラーテの2か所に集中しています。サテリテは今年は15校出していました。今年特徴的だったのが、中国・韓国のアジア勢と、イタリア・スペインなどのアルプス以南の学校が占めていたこと。今年はこの二極に固まっていたのが特徴です。日本からも毎年出していたのですが、今年は途切れていました。ということで、サテリテの大学ブースが少し心配な状況。サテリテに出展しなくなった大学がどこに行っているかというと、ヴェントゥーラ~ランブラーテというもうひとつのエリアに動いています。大学紹介みたいなもので終わっているところもありましたが、中韓の人たちはちゃんと作品を持ってきていました。中国の北京林業大学や、韓国のソウル大学などです。ここはテキスタイルとファニチャーのコースの人たちが出していました。ほかにスペインのバレンシア大学なども出展していました。厳しい言い方ですが、唯一プロジェクトベースの作品を出していてちゃんと見れるかなと思うのは、Burg Giebichenstein Kunsthochschule Halle(ブルク・ギービヒェンシュタイン芸術デザイン大学ハレ、以下Burgと表記します)の展示でした。こどもの知育家具のようなものの提案をしていて、紹介できる内容のものかなと思います。いま見てきたように、サテリテに出すことを大学としてそれほど重視していないというのが今の状況のようなので、逆に私はもしこれから大学さんが日本から出展するのであれば、サテリテでしっかりした展示をつくれば、世界に向けてすごくいい発信ができると思います。江口さんのお話にもありましたが、とにかくたくさん人が来る場所なので、ここでいい展示をするということが求められます。


デザイン・リサーチャーである久慈さんから、デザイナーである江口さんとは異なる視点として、6つのキーワード
material+/tactile/collaboration/self branding/time scape/new area/graphic/geometric
に即した、今年のミラノサローネのトレンド分析が語られました。


material+

久慈|江口さんからもお話がありましたが、今年のサテリテのテーマ自体がマテリアルにかかっていたんですね。「New Materials > New Design」、あたらしい素材から新しいデザインを、という感じ。なので、マテリアルの提案が非常に目立っていました。マテリアルが目立ち始めたのは、2,3年前からなんですね。Lex Pottが銅を腐食させて青銅化したようなプロダクトを出した時期が2年前。その流れが今ちょうどピークに達している感じがあります。ユトレヒト芸術学校では、植物染料を釉薬に使ってみようという、素材というより色の実験をしていたり、デザイン・アカデミー・アイントホーフェン(Design Academy Eindhoven)のプロジェクトは、松の木がEUで6億本くらい毎年伐採されていて、松の葉が2.2億kg出るので、その松の葉を利用してテキスタイルや工業素材ができないかという実験をしています。かなりリサーチベースなプロジェクトです。社会的課題に対して素材を通じて答えるというやり方ですね。これはすばらしい研究成果でした。ちゃんと見せ方もいいんですよ。しっかりとアウトプットとしてファニチャーになっているというあたりがアイントホーフェンの実力で、非常にレベルが高い。同様のアプローチで、松のチップから素材をつくるようなものがあったり。同じくアイントホーフェンで、乳製品の廃物利用として、ミルクを釉薬としてつかったプロダクトも展示されていました。どうやら耐久力があがって防水性があるということらしい。さまざまな乳製品をつかってスタディをしてみた結果みたいなものを並べている。こういうアプローチはすてきだなと思います。つぎは大学さんではないんですけども、LEXUS DESIGN AWARDという、日本のトヨタが母体のデザインアワードがミラノ市内で行われていて、ここにも素材に注目した展示がありました。大賞をとったのは、寒天から梱包材をつくろというプロジェクト。梱包材の提案とともに、それに石灰などを混ぜてきちんとした素材としても使えるようにしようというプロジェクトです。多摩美大出身の日本人3人組のプロジェクトで、そのうち2人はRCA(Royal College of Art)というロンドンの大学院で勉強しています。似たようなアプローチは他の大学でもあって、セントラルセントマーチンズ(Central Saint Martins college of Art and Design)というロンドンの大学から出展していたのは、ムール貝の貝殻を素材としてプロダクトをつくるようなプロジェクトでした。この大学にはマテリアルフューチャーズという大学院のコースがあって、もともとテキスタイルフューチャーズというコースだったのだけれど、ここ何年かで名前を変えたんです。テキスタイルのベースにも素材のアプローチが需要だということで名前が変わったのだと思います。Burgからも面白いプロジェクトがあって、これも素材がらみのアプローチなのですが、ジョイントパーツをつくるプロジェクトがよくあるじゃないですか、一見そうかなと思ったんですけど、これは生木にリキッドウッド、粉砕したバイオプラスティックをくっつけてしまって、木自体がジョイントできるようにつくるというプロジェクトでした。

江口|コンクリートみたいに固めるんですけど、そこがバイオプラスティックでできていて、ネジとか使わない、ということですよね。

久慈|射出成型でできる。バイオプラスティックなので100%分解可能です。環境に配慮した提案であると。

江口|ヨーロッパ全体がそういう流れになっていますよね。

久慈|ここまではプロダクトデザインっぽいのですが、ここからはとんでもないものがでてきます。セントラルセントマーチンズはファッションが有名な大学なんですが、このかばんとジャケットは、人間の皮膚を培養した人口皮革でできてます。キーワードを「material+」にしたのはこういうことです。通常想定している範囲を超えている。いまはデザインの大学でもバイオケミカルな分野に近接してきている。われわれが考えているデザインの状況が、ヨーロッパでは変わってきています。こうした流れは、コーエン・ヴァン・バーレンが5年前に発表した鳩の糞を石鹸にしようというプロジェクトがTDCの賞をとっていたりして、遺伝子のレベルにまでデザインが及んできているということは間違いないですね。また、今年印象的だったのが、マテリアル自体のサーベイとは別に、製品が完成するまでにつくったプロトタイプやスタディを全部見せますというプロジェクト展示です。実際にどれが作品かわからない展示で、マテリアル自体に魅入られているのではという展示も見られました。一種のフェティシズムを感じます。そうしたものをオープンソースのように提示することで、いろいろな人が新しいアイデアをくれる可能性がある。バイヤーやリサーチャーの関わりしろを増やせる方法ともとれる。生の素材を見るというのは限られた経験で、それが目の前にさらされることの良さを感じました。


tactile

久慈|「tactile」は触知という意味です。何かに触れた時の感覚のようなもの。素材と共通するキーワードです。今年のサテリテの入口の看板がまさに「tactile」でした。

江口|ベニヤを金具でとめていて、タイポグラフィにさわれるんです。

久慈|それで動かせるんですよね。いろんな素材を使っていて、「New Materials > New Design」という今年のコンセプトにあわせてデザインされています。素材そのものを開発するということがさきほどまでの流れだったのですが、ここからはその素材がどのような経験を与えてくれるか、というところに焦点をあてたデザインを紹介していきます。ヤギとかを連れてきちゃう大学があるんです。こうことのをやるのは、デザイン・アカデミー・アイントホーフェンですね。今年はまさにそのものずばりで、Touch Baseという名前で展覧会をうってきています。Ilse Crawfordのキュレーションです。人間の持てる触知のちから、感覚を揺さぶるようなちからに探求することがテーマ、ということで、実際に触れられる動物を持ってきたと。

江口|アイントホーフェンの去年の展示はEAT SHIT、「糞くらえ」でしたね。

久慈|昨年、アイントホーフェンにFood Non Foodという新しい学科ができたんです。そのお披露目の展示が「糞くらえ」。伝説的な展覧会でした。昨年と比べると今年はおとなしかったですよ。割と触れるものが多くて、さきほどご紹介した松の葉からできたプロダクトなどですね。出ているのはだいたい卒業制作なんです。例えば、一見普通のテキスタイルが並んでいるだけのように見えますが、自然物がもたらしてくれる多様な触覚みたいなものを、インテリアの表面に与えていこうというプロジェクト。床や壁などの素材としてデコボコしたものを与えている。空間が均質化していくことに対するひとつの批評のような感じです。むかしのアイントホーフェンを彷彿とさせるような、人毛を使ったプロジェクトもあります。タイトルはHAIR MATTER(S)。髪にはクリティカルな側面があって、たとえばスキンヘッズとか人種とか、そういった批評的な素材としてトライしています。

江口|かたちや仕上げで相手に与える印象が変わるじゃないですか。これにはただならぬオーラがありますよね、繊維なのに。

久慈|アプローチとしておもしろかったです。次はおすすめです。今年RCAを卒業したMorten Grønningという方の作品なのですが、触知のなかでも技術的なアプローチでデザインされたハンディルーターです。手袋をはめて、そのまま彫刻を削れるプロダクトです。この作品のいいところは、テクノロジーを用いて手の感覚をもういちどものづくりの現場に入れるというアプローチ。こういうプロダクトは、造形の論理が変わるんです。手の感覚でしかつくれないものを、テクノロジーを用いてつくる。こうしたアプローチも、「tactile」をベースにしたものなのかなと思いました。つぎはBurgのプロジェクトで、3Dプリンティングをつかったプロジェクトなのですが、テキスタイルとしての柔軟性をもたせるというものです。ソリッドな3Dプリンターの使い方というのはもう終わっていて、それを超えてなにができるかということにトライアルされはじめている。これはちょっと柔らかいんです。ファイバーの部分とソリッドなパーツとの組み合わせによってフレキシビリティを与えています。

江口|3Dプリンティングは最近のテーマですよね。それをつかってなにをするか。

久慈|次はテクノロジーから離れて、触れるというより経験のデザインということで、チェコのトーマスバータ(Univerzita Tomáše Bati)という大学なのですが、食べさせあいっこのような展示でした。長い棒をつくって、どちらが先に食べるかみたいなことをやっている。何気ない日常に一石を投じるというか、当たり前にできることにすこし負荷をかけると普段の行為がどういうことなのかをもう一度再認識することになりますから、体験をもう一度掘り起こすという意味でよかったです。

江口|展示のクオリティがすごいですよね。

久慈|Design Soilと同じ会場だったのですが、この展示を見て、やばいと思いましたね。
つづいて、オランダのピートズワルト(Piet Zwart)という大学の展示も紹介します。OUT OF SIGHTというタイトルの展示です。目には見えていない部分に注目して、インターネット時代のインテリアのあり方を、床や壁や窓などのインテリアエレメントにそれぞれのチームがわかれて制作しています。またバイオ的なアプローチがされていて、床のチームは、普段はクリーンに見えている床にもそれぞれ個性があると言い、床の菌を採取してそれぞれ培養して、皿の上に培養したものを柄のように投影しています。なにに使えるかはわかりませんが、これは批評なんですよね。現在の情報管理社会、あるいは潔癖さみたいなものに対して、本当はこうじゃないのではと。いま流行っているスペキュラティヴデザインの流れに属するものだと思います。RCAがベースで行ってきたものなのですが、こうではない可能性みたいなものを未来に投影して、そこからもういちど自分たちの進むべき道を考えるというデザインのアプローチです。別のチームのプロジェクトでは、テキスタイルを織っているんですけど、柄はインターネットのハッシュタグをコーディングしてつくっています。


collaboration

つぎは、ものづくりのトレンドとは違いますが、大学の動向として、「collaboration」と「self branding」という対極的な活動があるので紹介します。スウェーデンのベックマンス・カレッジ・オブ・デザイン(beckmans designhögskola)がIKEA組んで、屋外屋内ともに使える家具の提案をしていました。製品化するのかと聞いたら、まだわからないと。IKAEから出ていてもおかしくないものもありました。HAY創業者のロルフ・ヘイとコラボしたルンド大学(Lund University)は、客員教授のステファン・ディーツの主導で、新しいオフィス家具の提案をしています。ローザンヌ美術大学(École Cantonale D'Art de Lausanne)、通称ECALでは、e15というドイツのブランドとコラボレーションしたプロジェクトを展示していました(こちらも)。大学院1年生の人たちがデザインに関わっています。e15のブランドアイコンにバッケンザーン・スツールというのがあって、今年そのスツールの20周年なんです。20周年を記念して、同じような材を使って学生がプロダクトをつくるというプロジェクトです。ビッグフットというテーブルの端材でできていて、バッケンザーンはドイツ語で臼歯という意味で歯のかたちをしたスツールです。4つのパーツを組み合わせて作っていて、端材からできているのでエコなスツールという早い時期の事例です。実は日本人の学生さんもECALにいて出していました。ECALは非常に造形力が高いのできれいでした。ひびが入る材である、というのが特徴です。ひびが個性になる。すぐに製品化できそうなものがありました。端材なのでそんなに大きな材がとれないので、組み合わせて構成しています。ECALは非常にブランディングがうまい大学で、今年は3箇所で展示をしていて、E15とのコラボのほかにもうひとつご紹介します。スイスのベンチャー企業Punkt.というブランドとECALの修士2年生が行ったコラボレーションの事例です(こちらも)。Punkt.はジャスパー・モリソンがデザインした携帯電話を発表したことで有名です。簡素な生活をささえる電子機器をつくるベンチャーで、すごくシンプル。電話機能しかありません。今回のコラボにもジャスパー・モリソンが手を貸しています。展示もすごいシンプルで、ミニマムベーシックをうたうPunkt.の理念にもよく合っています。巻き取り式の延長コードなど。Punkt.という会社が普段つくっているものと比べると、すごくコラボレーションのかたちとしては的を得ていて、企業がつくっている製品のラインナップに即した、雰囲気をきっちりと反映させた状態でプロジェクトが進んでいるということが非常にいいなと。すごく無理がない。すぐに製品化できそう。一番いいなと思ったのが、Nadine SchaubさんがデザインしたWP01という壁掛けのプリンター。Punkt.という会社にすごくよくあっています。モノクロしか出せないんですけども、機能をしぼることによって、プリンターの置き場所を変えてしまった。


self branding

以上がコラボレーションの事例です。うまくいっているところは、会社の質はそのままに可能性をすこし広げてくれるようなやり方でした。もうひとつ、別の流れとして「self branding」としました。自分たちで作品をつくって自分たちで売っていこうという流れです。まずはBrugのMade in Burgというコレクション。毎年サローネに出したものが何点かコレクションに入って、ウェブサイトから買えるんです。Burgという大学は近年すごく注目していまして、このコレクションがいつはじまったかはわからないんですが、そんなに昔ではないはずです。造形力があって、試みもおもしろい。実際にBurg大学に行ってみると、コンテナショップがありました。大学としてきちんと売り出していくという姿勢が伺えますよね。「self branding」としては神戸芸術工科大学のDesign Soilというデザインコレクティブは、販売はしないのですが、自分たちで製品をつくって製品化をめざすプロジェクトとしては近いのかなと思います。ぼくはこの展示をつくりにいったという関係でミラノに行きました。Design Soilは今年で6年目で、実際に製品化されているものもあります。同じようなことをやっているのが、ドイツのカールスルーエ造形大学(Staatliche Hochschule für Gestaltung Karlsruhe)が、kkaarrllsというデザインコレクティブをもっています。昨年展示がなくて心配していたのですが今年復活して、リミテッドエディションで家具を販売しています。2009年にスタートしていて7年目。Design Soilは2010年立ち上げで6年目なので、もしかしたらそうしたデザインの時期だったのかもしれない。kkaarrllsにはストイックなデザインがあるかと思いきや、これは名前がFat Cabinetというプロダクトです。インスピレーションのもとがフィンランドのアーティストで、セルフポートレートを撮っているおばさん。彼女の作品のなかに、胸とお腹でほうきを挟んでいる写真(右下の写真『Luuta』)があって、それにインスパイアされてつくったそうです。デザインするとき、なぜつくるか、どうやってつくるかという理由がはっきりしているのがkkaarrllsの特徴です。


time scape

今年は、時間をテーマにした作品が多い印象でした。ジュネーブ造形芸術大学(Haute École d'art et de design Genève)が出展していた時計で、スイスの鳩時計を現代的解釈でつくるというプロジェクト。一瞬しか時間を確認できない時計です。時計はふだん何気なく見るものだけれど、この時計で時間を知ろうと思ったらずっとそこにいて見ていなければいけない。見る見られる関係を再発見するという意味でおもしろかった。LEXUS DESIGN AWARDのなかにも、紫外線をつかって時間を表示させようという試みがありました。なぜこうなっているのかはわかりませんが、こうした流れも見られました。


new area

ミラノサローネは80年代くらいから拡張していて、そのなかに新たに加わりそうなエリアをご紹介しておきます。ひとつはイゾラ(Isola)地区といって、ミラノの少し北、ガリバリディ駅の裏手の方に新しいエリアができていました。毎年やってはいたのですが、今年はオランダ勢が集まり始めたんです。もともとDutch Invertualsというアイントホーフェン卒のひとたちが集まったグループ展があるのですが、今年その規模が大きくなっていて、この人達だけでなくてオランダの有名なメーカーや、アイントホーフェンにスタジオを構えているキキ・ファン・アイクなどのデザイナーが展示していたりして非常にクオリティが高かった。ガリバルディ駅から少しさがったところでは、VitraCasa Vitraという展示をしていて、今年よかった展示のひとつです。Hella Jongeriusのテキスタイルのアーカイヴがあって、彼女の色の使い方を直に見れるということはありがたかった。Vitraのネイルサロンがあって、家具の色を塗ってもらうというブースもありました。もうひとつのエリアが、ドゥオーモからすこし西にずれたあたりのCinque Vie。ガイドに載っていないんですが、昨年あたりから注目を集めています。さきほどのECALの展示は実はこのエリアです。このエリアの中核の展示を今年は売れっ子のRaw Edgeという二人組のデザイナーが担当していました。この展示構成では、斜めにセッティングした染料に木をつっこむだけで染色しています。あとあと考えると、これが今年のトレンドとして捉えられるのかなと思います。


graphic/geometric

グラフィックが今年のサローネで役目が大きかったと思います。日本で言えば、日本のグラフィックデザイナーのひとたちがミラノサローネに興味を持ち始めている。岐阜県が今年CASA GIFUこちらも)という展示をしていました。ここでもグラフィックデザイナーが活躍していて、KIITOとも関わりのあるSPREADの小林さんが会場設計に加わっていました。非常にグラフィックが効いていて、通常日本の企業や企業がミラノサローネに出す場合って、和のテイストを強めてしまって失敗することが多いんです。でも、もちろん展示のオーガナイズをatelier oïが行っているということがありますが、小林さんが入ったことでかなりしっかりとした展示に見える。岐阜県のプロダクトを25品、atelier oïがセレクトして持ってくるという、クォーテーションのついたプレゼンテーションをすると受け入れられますよね。つぎはnendoが関わったMarsottoという大理石の会社の展示です。これもかなりグラフィカルな展示です。Black & Whiteで、左右対称に会場をつくる。nendoはこういう展示がすごく上手ですよね。そんななかでも、ジオメトリックな、幾何図形みたいなものを背景などに取り入れようとしている流れが来ているなと感じました。カリモクの椅子の展示のうしろにも幾何図形がありました。


質疑

質問|すごくフレッシュな情報をお伝えいただいたのですが、ここ最近は素材からデザイナーの領域になっていて、それを拗らせてバイオまでいってしまうという部分に今っぽさみたいなことを感じました。その先に、環境への意識やもの自体の消費を減らそうという意識があるのでしょうか?

久慈|さきほどスペキュラティブと言いましたが、基本的に倫理的なものしか作れないんですよ。スペキュラティブなアプローチは、それをきっかけに社会的な疑問を投げかけるようなものをあえて出すことによって、その先に波紋を投げかけて軌道修正をかけようという動きなので、基本的にみんな社会課題や環境課題に対する倫理的なものですね。われわれが今後生き残っていくために何をしなければならないのか、ということをヨーロッパの学生たちもまじめに考えています。

質問|ファッションの世界であっても、労働環境を良くしようという動きがあったり、倫理がものをつくるひとにとってのテーマになりつつありますよね。

久慈|資本主義が基本的に収奪の構造になっているので、どうしても逃れられない部分もあるのですが、そのなかでもみんなで生き延びていくためには、という動きになっているのではないかなと思います。

江口|ぼくが思うのは、造形だけだとすでに手詰まり感があるんですよね。造形を変えてどうなるの?というところまで来ていて、徐々にデザインをする中心軸が、素材であったり、経験であったり、すこしずつプリミティブな方向に進んでいる気がします。そうした風上の領域をデザインして新しいものを確立させると、そこから風下が全部変わってしまうんです。そこで今久慈さんから倫理的なことについてのお話がありましたが、たとえばビジネス的な側面を見ても、風下を変えないと食べていけない人たちがいっぱいいたり、デザインシーンの経済を考えると、風上に変化を与えて違う方向に進もうとしないと成り立っていかないのかなと感じます。サローネの本会場はすごく華やかなんです。新作家具が並んでいて。それももしかしたら飽きてきちゃったんじゃないかなと思って、最近はいろいろな新しいマテリアルが出てきたり、アップサイクルをちゃんとやろうぜみたいに、すこしずつ中心軸を押し上げているというか、ものづくりの前段階に焦点があたっている感じがデザインをやっていて思います。研究者とくっついてやらないとデザインができなくなるんじゃないかなとすこし思っています。

久慈|そういう意味では私のような研究を中心とする人間と江口さんのようなデザイナーが近くなったり、あるいはグラフィックの人が関わったりして領域が拡張しているというのは、必然的に素地があるということでもありますよね。

質問|グラフィックの方が10年前くらい前に家具の世界に入ってこられたとき、原研哉さんが座椅子をデザインされたことにとてもびっくりしました。垣根がなくなりつつあるという印象はありますね。建築の方がグラフィックに関わったり。

江口|倫理観や哲学の投影だと思うんです。デザインとは何かという問いにまだ明確に答えられないのですが、最近気づいたことは、プロジェクトの制約に対して、自分が正しいと思うことが何なのかということをプロジェクションすると、見えてくる形とか線とか座椅子の選び方みたいなものがある。相手の制約じゃないんです。こっちの生き方とか考え方みたいなものをぶつけるような、そういうことなのかなと思っています。今日の話を聞いていても、人毛に対する飽くなき執念みたいなものも、きっと生き方だと思うんです。仕事じゃ絶対やらないと思うんですけど、自分の考え方を投影して表現して他のひとに共感してもらいたいということなのかなと。



ゲストが選ぶミラノサローネ2016ベスト3

久慈|学生の展示って、どうしても企業さんの展示と比べるとどうしても見劣りするんですよ。今日見せたのもいいなと思っているところだけをピックアップしているのですが、聞いてる方もしんどいだろうなと思って、ぼくたちが選ぶベスト3を準備してきました。

江口|ぼくは35歳なので、サテリテで一番年長者なんです。だからまわりは年下の人たちなんですが、年下でもすごい人いるな、このまますごい人になるだろうなと思う人をピックアップしてみました。ひとりめはROBERT FEHSEさん。ROBERTさんのこのホールディングチェアが、サテリテのなかでダントツでクオリティが高い。もう完成されているんですよ。ほかにもLEDライトとかも出していたんですけど、このチェアはなんでいまサテリテに出てるとと思うくらいずば抜けて完成していた。プロフェッショナルさを感じました。

久慈|開くと座面を脚の先端の接地面が受けるんですね。

江口|ものすごくきれいなんです。たぶん来年あたりにどこかから商品化されるんじゃないかなと思います。ドイツのデザイナーだと思います。
つぎはDAVID DERKSENさん。偶然久慈さんと同じ人を選びました。この人のセンスがものすごくよくて、ただパンチングの穴が開いている円錐を半分にカットしたようなかたちの照明です。このループのところにLEDが入っていて、とてもきれいです。LEDだからこそできる美しさを追求するとこうなりました、というようなプロフェッショナルさがいいなと。欲しいなと思ったくらいですね。

久慈|このひとはデザイン・アカデミー・アイントホーフェンの卒業生で、いまはロッテルダムでデザインをしています。

江口|あともうひとりは日本人を推したくて、森田洋生さん。武蔵野美術大学の助手の方。どれもクオリティが高くて、とくにparrotというLEDが先端についてマグネットで止まっている照明が、力が抜けた感じでいいなと。すごく謙虚な方なんです。この作品だけ目立っていて、ずっとお客さんもいて、確かにいいなと思って。なので勝手にプッシュしています。
今年は本会場も見れたので、本会場のベストも3つあげました。今年のダントツは、大城健作さんというデザイナーで、今はミラノで活動している方。このひとは、Lissoniというイタリアの事務所にずっといて、そのあと3年くらいBarberOsgerbyにいたひとです。沖縄出身なんですけど大阪育ちで、底抜けに明るいひとなんです。Hall20という本会場のなかでもっともいいメーカーが集まるブースのなかで、彼が4つか5つくらいちがうブランドから出展していて、どこをみても大城さんでした。そのなかでもこのHOLEというテーブルがすごかった。文字通り穴が開いているんですけど、プレスで何回か開けてこの穴にしているんです。ものすごくむずかしい技術をつかっていて、デザイナーがかなり製造工程の内側にまで入り込んで実現したということに、ベストオブベストをあげたいなと思います。
次はKonstantin GrcicがデザインしたMagisのテーブルです(公式ホームページには記載なし)。ベースの部分が鋳造でできているんです。ものすごく大きいテーブルなので、上に大きいガラスを乗せたら、下を太くしてボリュームを出さないとふらふらするんですけど、Grcicはそうせずに、この鋳造の脚ふたつと斜めのブレースと真ん中の木一本で安定させています。Grcicの構造フェチな部分がたまらなく出てるなと思って、これがナンバー2です。見れば見るほどやられた感があったプロジェクトです。

久慈|実は私も同じものを選んでます。これは見た瞬間に衝撃が走りまして、これは欲しいと思いましたね。なかなか見ていても欲しいと思うことはないのですが、これは手に入れたい。この木の使い方ですね。木と鋳物のバランス。これはやられましたね。今見ても惚れ惚れします。

江口|最後は、KartellAledinというLEDデスクライトです。デザインはAlberto and Francesco Meda。デスクライトの標準的なスタイルではあるのですが、マテリアルが変わるとこんなに違うのかと思うくらい、すごくキャッチーなものに生まれ変わったなと思いました。中に軸が一本通っていて、構造がすごくシンプル。あとは樹脂。こういう解釈っていままでなかったんです。これはワークスペースで使うのかベッドサイドで使うのかすらわからないくらいぼやけた商品というのが面白いなと思って、これがベスト3です。

Zaha Hadidによるスワロフスキーのコレクション

久慈|つづいて私の選ぶベスト3の残りをご紹介します。BB Barcelonaから出ていたCampana兄弟のデスクです。さきほどグラフィックのようなデザインが特徴と言いましたが、まさにそんなプロジェクトで、天井からの光を透過することで景色が生まれるアプローチがおもしろいなと思いました。もうひとつは、スワロフスキーから出いているZaha Hadidのコレクション。アングルを下に移動するとこんな感じ。建築になりますよね。zahaの建築のなかでも、こういう造形のものって見たことがなくて、残念ながら亡くなってしまいましたが、生きておられたらこういうアプローチの建築が見られたかもしれないなと。
私は展示をつくる人間なので、最後にすこしだけ展示の話をします。Ron AradMorosoの展示で、Ron Aradがデザインした有名なチェアがあるのですが、それを見せるだけだったら他の展示と一緒。ミラノの特徴はその奥があることです。2階の展示に上がるとプロトタイプなどが展示してあって、ちょっとした博物館のような趣なんですよ。こういったものが見られるのがミラノらしさ。もう一箇所、展示でよかったのが、私の選ぶベストオブエキシビション、エルメスの展示です。日干し煉瓦のようなもので会場をつくって、家具を配置しています。ちょっとななめに浮いていたりするんです。この空間のつくりかたは、もちろんエルメスさんなので革の材質が非常にいいんですが、正直ジェラシーを感じました。こういう空間を自分もつくりたいと思いました。見せ方が非常にうまいですね。

江口|非常にミステリアスな空間ですよね。

久慈|ここでしか味わえない体験みたいなものが存分に味わえました。メキシコの建築家・マウリシオ・ロチャが展示を設計しています。すごくよかったです。


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キイトナイト11「ミラノサローネ2016報告会『若手デザイナーの作品にみるデザインの未来』」
開催概要はこちら

2016年7月19日(火)

いよいよ最終発表の日を迎えました。約3カ月にも及ぶ期間にわたってリサーチやディスカッションをかさねた成果を発表するとあって、班での最終確認も入念に行われます。プレゼン開始の直前まで、班のメンバーで話し合う声が聞こえていました。

今回は、講師のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)の副センター長の永田のほか、ゲスト講師の美術家の藤浩志さま、対象地区をよく知るスタヂオ・カタリストの松原さま、兵庫県立大学の和田 真理子さま、神戸市企画調整局のみなさまにもお越しいただき、講評をいただきました。


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はじめはE班から。発表者は、普段はかけていない有名な実業家風の丸眼鏡をかけて登場し、緊張ではりつめた空気の流れる会場を和ませて、プレゼンがスタートしました。


はっぴーの家で実現したいこと s_DSC01465


≪E班提案/て・しごとば≫
子育てをするママを対象に、ハンドメイドクラフトができるまちの共有作業スペースづくりを提案。子供を連れていけるアトリエや交流スペースなどを、商店街や再開発ビルを拠点として整備する。まずは、駒ケ林駅の東、真陽小学校の横に12月完成予定の、介護施設「はっぴーの家 ろっけん」に場を作り、ハンドメイドを通じて、ママ世代と子ども、高齢者の交流からはじめることを検討中。また、自分で作ったものは地域のイベントなどで販売し、手仕事を通じて新しい女性の働き方や、保育や託児ではない子ども達の学びの場、多世代交流の中から高齢者も活気づくような仕組みを考えている。

▼講師講評
【永田】
アクションプランを現実に落とせているのはすごい。この企画に、人を惹きつけるためのデザイン性をどのようにもたらすのか、今後の展開に期待。
【藤さま】
これはコミュニケーションプログラム。ものをつくることにばかり興味が偏ってしまいそうだが、実は大切なのはそこで過ごしている時間。この場所に携わることの期待感をふくらませるような新しいアイデアを、継続して提案できるようなしかけがあると、もっと面白くなるのではないか。
【松原さま】
まちの高齢化の問題はどこにでもある。自分も長田で喫茶店をしているが、そういった小さな経済を生み出すことの大切さを感じている。ここで作ったものは、お金に換えていけるシステムをしっかり整えるべきだと思う。
【和田さま】
長田は若い世代の新しい移住者も多いまち。そういった人たちが関われる場づくりというのは、まちが抱える課題を、こちらが想定していたよりも多く解決することがある。実際にコトを起こしてからの広がりに期待する。
【神戸市企画調整局】
つくり手の自信をしっかり育てていける環境になるといい。またつくり手だけではなく、流通を考える人、材料を仕入れる人、広報をする人など、関わりしろがたくさんあるのも魅力的だと感じた。


次はD班。たまたま班のメンバーの多くがDIYが趣味だったということで、早い段階から提案がかたまっていた班です。



まちの変化 s_DSC01516


≪D班/兵庫運河周辺を中心としたクラフト文化の醸成≫
兵庫運河周辺の、さまざまな既存の資源(特殊な工具や機械、屋内の大空間、味のある建物)を生かし、兵庫区でまち工場を「借りたい人」と「貸したい人」をつなぐための、3つのアクションプランを提案。
1.清掃・補修のお手伝い
「貸してもよい人」を広げる活動、廃業を検討するときに声をかけてもらえる信頼関係の構築。
2.ポテンシャルマップ作り
「つなぐ人」の補完の役割として、兵庫らしさと活用の余地がある場所の全体像を目にみえるかたちにする。
3.つなぎイベント
「貸してもよい人」「借りたい人」がつながるきっかけの場づくり。
兵庫区にまち工場を借り、DIYやクラフトをする人が増えることで、職住近接でまちに住む人も増えるのではないかと考えている。

▼講師講評
【永田】
まちとの関わり方がしっかり計画されていて良い。特に入念なリサーチをしていた班だったが、その成果がしっかりと表れているように思う。よそ者がまちに関わるときにはその取っ掛かりが重要なので、最初のアクションをどうするか、慎重に検討して欲しい。
【藤】
コンセプトブックが仕上がりそうなボリューム感。しくみをつくるのか?場をつくるのか?どこから始めるのかが重要。
【松原】
「つなぐ人」の発見と、その関係性の発見。この視点を持つのはとても大切なので、アクションを起こす時には注意深く扱ってほしい。


C班はまちを俯瞰的に捉え、どんな切り口で提案を出すか、まちの「種」探しに時間をかけ、多国籍文化に行きつきました。


多言語 s_DSC01490


≪C班/日本とベトナムをつなぐ、コミュニケーションの場づくり≫
長田区に多いベトナム人労働者に着目し、まちの中での多文化共生を目指して、文化の違いを理解しあえるよう、言葉や習慣、マナーなどの違いを伝え合う交流の場を設ける。そのために、まちの地図を掲載した日本語の看板にはベトナム語表記を記載したり、ベトナム語表記しかないお店の看板やメニューには日本語表記の記載を促すなどの、まちの中にある言葉のコミュニケーション不足の解決からはじめることを提案。

▼講師講評
【永田】
ベトナム人が住みよい町になった時、どういう魅力が発信できるのか?既存の魅力のリサーチがもう少し欲しかった。
【藤】
ベトナムの魅力を理解すること、ベトナム人のコミュニケーションを取ることの楽しさ、それを地域の人と共有する方法はもっと幅広く、さまざまな手法があるように思う。
【松原】
「わからなさ」「とっつにきくさ」は面白さにつながりやすいので、それを地域の人に知ってもらうしかけづくりが大切。
【神戸市企画調整局】
この地区に住むベトナム人だけのコミュニティが既にできているのであれば、そこへの日本人の関わりしろはどこかにあるはず。引き続きリサーチを。

B班は、班のメンバーに対象地区で働く職人がいたこともあり、まちのものづくりの魅力に着目しました。


アプローチ s_DSC01511


≪B班/クリエイティブをつなげて育む街づくり≫
兵庫・長田のものづくりの資産を生かして、技術のある職人や、豊かな発想を持つクリエイターをつなぐため、地元のメディア制作クリエイターが、職人の仕事を取材・編集・発信し、クリエイターや職人、市民がつながる情報発信メディアをつくり、ものづくりの新たな価値や仕事を生み出すという提案。情報メディアを継続的に成長させることで、ものづくり業界における「長田ブランド」を育て、クリエイターや職人にとって魅力的で住みやすい街をつくることを目指す。

▼講師講評
【永田】
対象地区の中にいるクリエイターと職人だけで強度をもったものができるか?ものが生まれにくくなっている時代なので、そのしくみをしっかり詰めていく必要がある。
【藤】
もっと具体的なコンテンツが見えると良い。この結果新たな商品を売っていくというよりも、プロセスを大切にして、ワークショップなど地域の人を巻き込む方法で発信した方がよい。
【和田】意味のあることだと思うが、この人たちにとっては「仕事」なので、利害の一致はやはり必要になってくる。そこがもっとイメージできるようになると良い。

最後はA班。プレゼンを始める前に聴講のみなさんを突然立ち上がらせたり、全編手書きのスライドを披露したりと、個性が光っていました。


長田自漫収集集団 s_DSC01508


≪A班/日常の風景写真をテーマにした魅力の再発見「長田自漫収集集団」、「百人百景」≫
長田のまちのレトロな魅力があふれる日常風景写真をツールに、まちの人々が交流し、地域外の人にも長田の街の魅力を届ける仕組みづくりを提案。さまざまな人の独自の視点で撮られた写真で長田に人を誘い込み、まちを舞台にした写真展や、参加者と地元の人をつなぐ、写真投稿型のフリーぺ-パー・WEBサイトなどを制作し、地域内外にまちのファンを増やすことを目指す。

▼講師講評
【永田】
プレゼンのゆるさ、世界観が面白かった。長田のまちの意外なフォトジェニックさに気付いた視点はすごく良い。この班のメンバーが楽しみながら進めていくことが重要に思う。
【藤】
アナログな視点は面白いが、その裏側では、やはりネットをどう使っていくのか、地域の人たちとの接点のつくりかたというのは課題になる。そのしくみづくりをもっと深く行うべき。
【松原】
写真を通して人を「つなぐ」ことまで意識を向け考えていけるといい。
【和田】
スライドが全部手書きだったり、突然聴講のみなさんに「立ちあがってください」と言ってみたり、「なんで?」と思わせるプレゼンがとても魅力的だった。それ自体がこのプロジェクトをよく表しているように感じるので、その姿勢を大切にしてもらいたい。


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最終発表を終え、最後に懇親会を開催。
他の班のメンバーと交流しアドバイスをしあったり、協力できる点について話し合ったりと、プレゼンの熱が収まらない様子。毎週、同じ日に顔を合わせていたゼミのメンバーとの別れを惜しむように、時間いっぱいまで話題がつきず、盛り上がっていました。

これから、各班の提案をもとにアクションを起こしていきます。
引き続き神戸まちラボ02にご注目ください。

+クリエイティブゼミ vol.19 まちづくり編「神戸まちラボ CASE02 つなぐデザイン ~市街地西部地区(兵庫区南部・長田区南部)の豊醸化をめざして~」
ゼミの開催概要はこちら

2016年7月17日(日)

+クリエイティブゼミ「ちびっこうべのまちを考える」
5回目のこの日は、これまで各チームで考えてきた仕事の内容を発表しました。講評は、講師の永田と、ゲストの槻橋修氏(株式会社ティーハウス建築設計事務所、神戸大学准教授)にいただきました。

以下、各チームのプレゼンと講評内容です。


チーム「まちの仕組みをつくる」

○ハローワーク
ハローワークに行くまでに大きな案内板を用意して、そこに仕事内容を書き出したものや写真などを張り付けて、仕事の内容がわかりずらくて混雑したり直前まで仕事内容がわからないという問題を回避。さらに記入用紙を用意し、第三希望まで事前に書けるようにしておく。仕事の難易度も見える化したい。

○学校
ただ学ぶだけでなく、まちに関わりをもつため、マイスター制度を導入。30分技術を学んで、つぎの60分で大人を対象に技術を実践する(バリスタ、マッサージ、健康診断など)。大人は電車に乗って病院などまで移動し、子どもの健康診断を受ける。マイスターになると子どもに伝える講師になれる?

○電車
前回の観光ツアー(船)を電車に。線路と駅をまちに設置。

○警察官
大人誘導やパトロールの仕事に、電車運行時の警備を追加。

○刑事
警察官と差別化。まちのものが盗まれるなどの事件を解決する。

●講評
槻橋:ハローワークで仕事の紹介するのはよいのでは。学校は全体に関わるようなプログラムになればいいと思う。電車は、イベントや駅のデザインとの兼ね合いが必要。健康チェックはアイデアとしてはいいが、それに応じてくれる大人がどれだけいるか。子どもが形式的なやりとりだけしか行われないのであればそこまで行う必要があるか。前回の病院ではお客さんとの関係がなかったので、そのときの仕掛けをもう少し考えられる。刑事はあまりまちで仕事があまり表現されない。警備などはその仕事の内容を共有できている人でしかわからない。

永田:今の仕事の空き状況や内容がわかる掲示板のようなものがあればいいなと。学校は、学んだことをいかせる場をつくるのはいいと思う。学ばないとできないという仕組みはむずかしい。初心者でもできるけど学校で学ぶとより実践できるような仕組になっているとよいのでは。刑事は、リアル脱出ゲームのように、既存のまちの要素を簡単にクイズにするようなものにして、刑事というよりは探偵としてまちを使いながら仕事にできないか。刑事の仕事のバリエーションを考えるとよいのでは。探偵は仕事にするか誰でも参加できるような仕組みにするか検討できる。電車はなぜ船から変わった?

ゼミ生:線路をひきたかった。

参加クリエイター:前々回は仕事を急遽つくるために養生テープを使って線路をつくった。台車に乗って大人が押していた。

永田:線路を用意するとなると、混雑の問題などいろいろ考えなければいけない。

槻橋:ヨーロッパのトラムのように、通るときだけ電車が通って、それ以外は人が行き交うような状態は考えられる。

ゼミ生:整備は警察がやれば仕事になると思っています。

永田:観光ツアーの抽選はもっとデザインできる。病院のカエルは変えてもいい?AEDもどこまで使うか等要検討。


チーム「ものをつくる」

○素材ラボ
販売員はデザイナーが買い出しに来たときに販売する。前回のように紙と木などを分けない。素材組み合わせの見本帳を用意。端材の詰め合わせセットをつくる作業。外回りにも。
素材マイスターは学校で授業を受けた人だけなれる。マイスターは給料が倍。詰め合わせセットをつくるときの指導。
素材研究員は素材の組み合わせを考えてカタログを4日かけてブラッシュアップする。
マイスターと研究員を分けるべきか考えられていない。研究員はマイスターしかできないとか。

○まちラボ
ちびっこ大工は神社の鳥居と神輿をつくる。最終日に祭。祭では大工ではなく祭担当。神輿でまちを練り歩く。
都市デザイナーはシンボルになるオブジェをつくる。2時間ターム。市役所と連携して、行政からの予算内でおこなう。3人4チームでコンペ。みんなに投票してもらって内容を決める。2日目設計?制作、3日目制作、4日目制作?祭。
イラストレーターはまちの風景をスケッチして、スキャンして画集をつくる。スケッチはギャラリストに買ってもらう。
ちびっこテーラーはまつりの法被をつくる。かんたんにユニフォームをつくれる仕組みを用意しておく。

●講評
槻橋:マイスターや研究員がどこまで活躍できるか。給料がちがうのは生っぽすぎないか?現実にするにはそれぞれエネルギーがいる。都市デザイナーのオブジェには大人のちからも必要だろうからどこまでできるか。イメージはよいので、こどもができること視点から考えられないか。

永田:祭をやるとなると本気でやらないと。ちゃっちい祭ならやらない方がいい。参加する人と見る人という関係性もうまれる。祭をベースにしているので、まちの骨組みにかかわるので早く決めないといけない。やるにあたっては事務局としっかり準備しなければ。
素材ラボと言いながらデザインラボ。テーラーもそうだが、誰に学ぶかがキーになるのでは。デザイナーはたくさんいるし、テーラーなら手芸が得意なおばあちゃんでもいいかもしれない。誰に学ぶかが重要。せっかく学ぶならなんちゃってを学ぶのでなく、ここに来た子どもたちがプロに学べたり、短時間で劇的に変わるような学びがあれば。

槻橋:祭をやる人は仕事じゃない。青年部みたいな。

永田:祭に関わるとほかのことを切り捨てて没頭しないとできない。全体のプログラムのなかで祭をしっかりデザインしないとよくならない。参加してた人だけが楽しいだけなら…
オブジェづくりは途中からちがう子が入ったときに成り立つか。

ゼミ生:考えることとつくることを切り分けてるので子どもが変わっても成り立つのでは。ときどきの変更は許容するとして。

永田:子どものまちでは文化祭的になってしまう。ユメミセであれだけのクオリティを求めているのに対して、まちづくりの方がなんちゃってだとつらい。前回のテーラーにきてた女の子はスキルとして身につけて帰っていった。そこまでの子がでてくるような仕組みにまで持っていってほしい。いった。そこまでの子がでてくるような仕組みにまで持っていってほしい。


チーム「まちの楽しみをつくる」

○写真館
写真館Aの出張カメラマンはまちの風景を撮る。
ポートレートカメラマンは場所を決めて写真をとる。
写真館Bではスタジオアリス的にコスプレして写真を撮る。
写真館はコスプレした人だけでなく、顔ハメパネルで写真をとるだけでもいいし、できた写真の使い道もほかに考えられる。
写真を壁に貼り付けて大きな絵にできるといいのでは。
写真館Bはマジックミラーで保護者は中を見れる。

○アイドル養成所
スカウトがまちの子どもをスカウトして、アイドルに。テレビ局と連携してデビューさせたい。CMソングがあって振付け師が踊りをつけてタレントとしてデビューさせたい。

○子どもバー
市役所の裏手に入り口があるアングラな場所。バーテンダーとして、食べ物の組み合わせでちがう味になるものや子どもビールを売る。てんぐと連携して、てんぐのレートを入手して情報を売る?バーではてんぐでしか使えないコインも使えるように。

○占い師
スマホでアナグラム映像をだす。
なるべくお金をつかう場をつくる。

●講評
槻橋:こどもが理解できるようにデザインしないといけない。コスプレをやりたいだけのひともいるのでは?まちではみんな仕事をしているけど、それとコスプレとのちがいは?すでになりきっているのにコスプレする意味は?写真館としてというよりはボディペインティングとして独立しそうだなと。
アイドルはメディアにのって広報する、それをプロデュースすることは、できたら面白いと思うけど、スカウトやマネージャーのような仕事がこどもにできるのか。プロセスを考えると学校でやった方がいい?
休める場所としてのバーは使われるだろうなと。そこで特定のイベントが必要なのか?場所を用意するだけで人は集まるのでは?

ゼミ生:バーテンダーに仕事を付加したのはアングラ感を出したかったから。

槻橋:ひとと出会って情報を交換するという機能なのであれば、仕事の内容や感想を情報交換するのでもよいかも。ただそれがみんなで共有できるのかが不透明。そこに来たら仕事をしなければいけないようになるとよくないのでは。

ゼミ生:てんぐの情報を伝えるということしか想定していない。

槻橋:その情報がどこまで必要か。てんぐをわざと閉じた設定しているところで別のルールをつくってよいのかも慎重に。

永田:写真館はだれが撮るのか、こどもならだれが教えるか。へたくそな写真だと意味がない。それも学校で講習をうけると仕事ができるようになっているなど。そのカリキュラムのつくりかたが大事なのでは。
メイクアップアーティストは、ふだんできないコーディネートが学べるなど。
養成所は名前をCM制作会社にすると全部セットで仕事の意味ができるのでは。目的をもっとはっきりさせた方がよいかも。
占いも誰から学ぶかが難しい。かんたんにできる占いが学べる学校があればよいが…
まちの楽しみ方を考えなければ。複雑になりすじて、楽しみ方がわからなくなるとよくない。その情報を伝える機能が必要になるほど複雑になってきている。観光案内所?
ゼミ生:占いは、色塗り占い、誕生日占い、どうぶつ占いの3つを想定している。

槻橋:この仕事がおすすめとか。


チーム「まちのにぎわいをつくる」

○音楽隊
まちに時間を知らせる仕事。マーチングでまちを歩く。音楽工房と連携してつくった楽器や調理器具などで演奏する。リズムカードの組み合わせで音楽をつくる。

○ランドスケープデザイナー
まちを4日間かけていろどる、休憩場所をつくる、遊び場所をつくる役割。まち全体を働く場所にしたいので、まちに地形をつくりたい。そこからきっかけを。滝、川、海など。1時間ごとにエリアや機能を区切って仕事をする。

○音楽工房
楽器をつくる。祭やCMなどで使用。楽器の説明書をつくってもらって、楽器の特徴などを考えてつける。ストリーミュージシャンがうまれればいいな。ランドスケープデザイナーと協力?

○えんにち
前回とほぼ同じ。景品をつくるところから仕事にする?

●講評
槻橋:音楽隊など練習が必要なのでそこのデザインが重要。マーチング以外のときに誰でもかれでもいつでも演奏できると音楽隊の意味が薄れるのでは。楽器工房はレンタル?売る?

ゼミ生:売る方向で考えてます。

槻橋:じゃあ持って帰れる小さなものになる。売るより自分でつくってそれを鳴らした方が楽しいのでは?売るまではやりすぎでは?素材を買ってつくって鳴らす。
ランドスケープデザイナーは当日までなにもない?去年は全体のゾーニングのなかに公園を考えていたが、今回はそこまではやらないと。地形は子どもは考えない?

ゼミ生:子どもが達成感を得るために、子どもの想像のきっかけになるベースになるような地形をはじめに用意しておこうと。

槻橋:さっきの都市デザイナーと似ていて、4日間バラバラのこと、クリスマスツリーの飾り付けに近いことのように見えて、ランドスケープデザイナーではないのでは?

ゼミ生:イメージとしては造園的。

槻橋:全部お膳立てしておいてあとは飾るだけというのは、小さい子向けにはいいかもしれないけれど、ちびっこうべのまちとして考えるならもっと考えるべき。ちびっこうべの公園とはどうあるべきか、そもそもちびっこうべに公園はいるのか、というところから考えるべき。他の部分の計画抜きに考えられない。トライアルワークショップで段階を踏むなら…
小さい子が遊ぶ場所は必要かのかも、そのための公園ならあり?トライアルにくるこどもたちとそういうものを作るなら。

永田:音楽隊の音楽を奏でるまでのプロセスを考えなければ。音楽系のワークショップは時間がかかる。そうでない、手軽だけど音楽になっていて、こどもたちも感動を覚えられるようなものにできるか。相談できる人が必要?メロディラインはこどもでないとか。そのプログラムが重要では?

ゼミ生:現状のアイデアはリズムカード。それでだめなら誰かパートナーをあたろうかと。

永田:ランドスケープデザイナーは今と別の方向性の方がよいのでは。前回心配だったのが、木や花を植えることがランドスケープデザイナーだと思われているのではと感じた。プロのランドスケープデザイナーの手伝いだけでもよいかもしれない。空間を演出することのすごさを感じてもらいたい。


チーム「情報を収集・発信する」

○新聞社
ほとんど前回のまま。1日かけて紙媒体で発信。レイアウトや記事の見やすさなどを学ぶ。感想文でなく、記事として分子を書くことを学ぶ。前回はイラストを描いていたが、写真館から写真を買うことも想定。情報スピードは遅いがその分濃い情報、持って帰れる情報を重視。専用のメモをつくって持って帰れる特典付き。

○テレビ局
インタビュー番組を制作。2人1組、インタビュアーがインタビュー、ディレクターがアポ取り。テレビ局の特徴は取材相手の考えをなるべく明確に伝えること。ブースにテレビ枠をつくって生放送。カメラを設置してモニターに放映してもよいかも。ユニフォームはカーディガンで、ディレクター巻きを!

○ちびっこエディター
ちびっこうべのキャラクターのアカウントをつくってツイッターで外に発信。依頼書をつくってCMの依頼をうける。スマホなどを使用してリアルタイムで情報発信。限られた文字数で自分の考えを伝える。親、世界に向けてちびっこうべを発信。新聞社とはスピード、メディア横断、自分の直感を伝えることを学ぶ点で異なる。なかにモニターをおいてタイムラインをうつす。前日のタイムラインは印刷して、休憩所などにはって情報共有+いいねができる。

●講評
槻橋:エディターの仕事が複雑。新聞やテレビと重なるところもある。もうひとつのメディアという印象。魅力的なプログラムだけど。それぞれ何人参加?

ゼミ生:エディターは8人。

槻橋:エディターはホームページ担当者のようなイメージ。こどもが対外的に発信することについて事務局として調整すべき。
テレビは動画を撮ってためるというのはよいと思うけど、5分の番組をつくるのは大変。1分程度の実を保てるようなフォーマットは必要なのでは。

永田:新聞社は、カメラマンと一緒に仕事をしたほうがいいのでは。新聞社もツイッターとかやるから統合すれば?新聞社の記事をその場ですぐにあげればよいのでは。テレビ局はCM制作として機能すればよいのでは。専門家がついてもらわないとできないのでは。機材がいるから。


●総評

槻橋:光るアイデアが多かったが、仕事を現実世界的に考えがちだが、ちびっこうべでこどもが理解して動ける仕組みを精査する必要がある。やらされてる感じにならないようにつくらなければ。まだ具体的に空間ができるかを想定できない状況なので、そこまで具体的に考えなければ。

永田:それぞれのプログラムはいい感じ。ここから先は、ひとつはプログラムを単にやっただけでなく、どういう学びがあるか、なにかこれからのきっかけになっているかが大事。なんらかの技術に触れてほしい。プロでなくても、技術や知識をもった人はおじいちゃんおばあちゃんなどたくさんいる。今は風呂敷を広げているので、たたみながらできるところを見極める。方針を出さないと時間も限られている。いろいろと仕事同士で連携がありそうなので、絞り込みを考えつつ連携も考えられれば。同時にゾーニングまで考えられれば…スペース、マンパワーも影響する。

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次回以降は、今回の講評でいただいたご意見を参考に、考えてきた仕事を精査して、実際にちびっこうべのまちで実施するための準備をそれぞれのチームごとに進めていきます。

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2016年6月18日(土)

今年で3回目を迎えるチャリティーイベント「KIITOマルシェ2016」を開催しました。天気も良く、前年を超えるたくさんの方にお越しいただきました。「チャイルド・ケモ・ハウス チャリティウォーク2016」と同日に開催し、小児がん専門治療施設である「チャイルド・ケモ・ハウス」をより多くの方々に知っていただく1日となりました。

 
KIITOマルシェの会場内には、ワークショップや物販、飲食のブースが42店舗並びました。
会場に入ると、たくさんの風船でモニュメントが浮かんで、人口芝で作られた広場空間の周辺には風船を付けた電車の模型がぐるぐると走りまわっています。子どもたちは電車を追っかけたり、風船をつついてみたりと、広場で楽しんでいました。さらに奥には大量の風船で釣り上げられた象や馬、豚などの動物の切り抜きが浮かんでいます。
今回の会場デザインはTEAMクラプトンさんにご協力いただきました。テーマは子ども心やワクワクする気持ち。子どもたちのはしゃぐ姿がたくさん見られました。

 
 
フードブースでは、煮込みハンバーグ、カレー、コーヒー、サラダ、クッキーなどたくさんの食べ物が並びました。カレーやコーヒーを販売するブースが複数あり、何を食べようか悩む方も多かったのではないでしょうか。お昼ごろには、チャリティーウォークの参加者もゴールであるKIITOへ到着し、休憩や昼食をとるなど会場内が多くの人でにぎわいました。

ワークショップブースでは、イラストレーターの方がその場で似顔を描いて缶バッチにしてくれるものや1年後に手紙が届く未来郵便局、長い紙を使ったパタパタ絵本作りなど、子どもから大人まで楽しめました。その他、手作りのアクセサリーや雑貨など販売もありました。

 
会場入口の壁面にはチャイルド・ケモ・ハウスの紹介パネルや映像を投影し、来場者の方への理解を深めるきっかけもつくることができました。会場内での売り上げの一部は「チャイルド・ケモハウス」へ寄付しました。寄付合計金額は359,296円となりました。ご来場いただいた皆様、出店者の皆様、ありがとうございました。

 
 
 
 


KIITOマルシェ2016
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2016年7月16日(木)

+クリエイティブゼミ「ちびっこうべのまちを考える」
4 回目のこの日は、以前の話し合いで出た意見をもとに新しい仕事のアイデアを、翌日行われるプレゼンテーションに向けシートにまとめていきました。
仕事の内容やまちでの役割から、タイムスケジュールを考えて行きます。また、事前に必要な準備物や、仕事中の服装のイメージなども書き出して行きました。ディスカッションをしていく中で、他の仕事ととの関わりや仕事の詳しい内容が、2 週間前に行われた以前のディスカッションより明確になってきました。


以下、各チームのディスカションの内容です。

チーム「まちのしくみをつくる」
こどもしか入ることのできないちびっこうべのまちに、大人が入ることができる仕組みとして電車の「運転手」の仕事の提案や、今現在ある「警察官」や「ハローワーク」の仕事をより楽しんでもらうためには何が必要かをメインに話し合いました。

チーム「ものをつくる」
ものをつくるために必要な材料を置いている「そざい屋」の名前を「そざいラボ」と改め、そのプログラムの内容を中心にディスカッションを行いました。
素材を使ったオブジェの製作や、学校と連携し、素材に詳しい子どもたちだけがなることのできるお仕事「素材マイスター」など、新しいプログラムが生まれていました。

チーム「まちの楽しみをつくる」
コスプレやメイクアップしたこどもの写真を撮る「カメラマン」の仕事や、まちで大人気分を味わえる「Bar」や「占い師」の仕事の内容についてディスカッションしました。アート・イン・レジデンスで開催されるてんぐバックッスカフェと連携した仕事のシステムの提案も行われる予定です。


チーム「まちのにぎわいをつくる」
一昨年あった仕事「みなとの音楽隊」の仕事をブラッシュアップしていき、マーチングのように音を鳴らしながらまちを歩く仕事の提案をしました。そこから派生して「楽器工房」などの他の仕事の展
開も出てきました。まちに彩りをつくる「ランドスケープデザイナー」の仕事も、「大工」や「そざい屋」と協力しながら、まちを作っていく仕事にブラッシュアップされます。

チーム「情報を収集・発信する」
ちびっこうべのまちの情報発信方法について、こどもにインタビューした内容を紙面にまとめる「新聞記者」や、ビデオで発信する「TV 局」の仕事が出てきました。こどもたちがよりちびっこうべのまちを知ってもらうための大切な仕事です。


いよいよ次回のゼミは、株式会社ティーハウス建築設計事務所の槻橋 修さんを迎えてのプレゼンテーションです!
それぞれの班で出てきた仕事をまとめていき、発表に挑みます。

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2016年7月12日(火)

最終発表まで残すところあと2回となった第8回目は、最終発表に向けて、各班いつも以上に熱い議論が行われました。
以下、各班の発表内容です。

■A班
引き続き検討している「街の写真部」の提案について、どのように地域内外の人に参加してもらい、その様子を発信していくかについて話し合った。既存の、長田の風景写真をテーマにしたフリーペーパー「o-chan」の制作チームともミーティングを行い、街の人が撮影者となり、風景写真を収集するというアイデアはそのままに、もうひとつのアクションとして、写真に「ツッこむ」というアイデアが生まれた。長田のゆるい世界観(ボケている感じ)の写真に、それを見た人がツッこむことで、もう一歩深く、踏み込んだコミュニケーション(笑い)ができるのではないかと考えている。

講評|その街と自分の関係性によって、街の見え方、ストーリーは全く違うと思う。そういった「違い」からも、コミュニケーション(笑いなど)は生まれるのではないか。また、SNSや紙媒体、もしくは展覧会など、発信の媒体についてもじっくり検討してみてほしい。

■B班
長田に住む職人やクリエイターの魅力を発信するため、ものづくりの現場を地域の子供たちが取材し、長田への移住を考える若い職人・クリエイター志望の世代に向けた子供新聞を制作するというアイデアについて話し合った。子供たちは、まちの特性や文化、歴史を学ぶきっかけとなり、受け手側は、子ども素直な視点から見た長田のものづくりについての意見を受け取ることができるという利点があるのではないかと考えた。

講評|なぜ子供なのか?その場合に情報の届け先は若い職人・クリエイターになるのか?仕組みに違和感を感じるので、もう少し検討してみてほしい。

■C班
ベトナム文化を切り口に再度まちをリサーチした。事例として、三宮のベトナムのお店の客層は9割が日本人で、あとの1割はベトナム人留学生であることが分かった。リサーチの中で、ベトナム系の移住者と接触する難しさを実感し、ベトナム人がまちに出て地域住民と交流する機会がなく、小さなコミュニティに引きこもっているのではないかと仮説を立てた。そういったコミュニティに、日本にやってきたばかりのベトナム人留学生や、ベトナム文化に興味のある日本人を引き合わせ、そのコミュニティをまちの個性として発信することができないかと考えている。

講評|リサーチで課題だと感じたことを、長田区社協やまちの中のキーマンに実際に取材し、どれぐらい難しい問題なのか考えてみて、その上でどのような「つなぐ」動きが求められるか、検討する必要がある。

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■D班
引き続き検討している「DIYの拠点施設をつくる」提案について、そこに訪れる人々の交流の仕組みをDIYのレベルに合わせたものにする(初級・中級・上級)にすることで、自分の暮らしを作り出すことをより具体的にイメージできるようにし、ただ技術を学ぶのではなく、感性を磨くためのコミュニケーションが交わすことのできる場づくりを考えた。暮らしや住まいを学ぶ「住育」を行う場という提案。

講評|対象者の整理によって、誰に本当に届けたい場なのかが見えにくくなったのではないか。運営の仕組みが、どういった場の状況を生み出し、そこでどんな効果が得られるのか、類似事例などからもう一度ヒントを得てみてほしい。


■E班
ハンドメイドを切り口に、体験や学びを得ることのできる場づくりの提案について、さらにブラッシュアップした。ただ人が集まるだけで完結するのではなく、そこで制作した作品を販売したり、ハンドメイドの技術をさらに磨くための勉強会を実施したりすることで、閉じたコミュニティではなく、ハンドメイド文化の発信拠点としての機能も持つ場にしたいと考えている。敷居は低く、ハンドメイド初心者や子連れのママも積極的に受け入れ、技術を磨いてゆくゆくは作家デビューするような長い付き合い方ができる仕組みを考えている。

講評|作家の発展性への期待や、長田の工場の技術を生かした連携など、多方向に発展の可能性のあるアイデアだと思う。

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+クリエイティブゼミ vol.19 まちづくり編「神戸まちラボ CASE02 つなぐデザイン ~市街地西部地区(兵庫区南部・長田区南部)の豊醸化をめざして~」
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